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2023年8月28日 (月)

内田康夫・短編集『盲目のピアニスト』

長編旅情ミステリー作家の数少ない短編集。名探偵とか登場しませんから、普通の小説のように読めてしまいます。

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「盲目のピアニスト」

全盲になった輝美は落ち込んだが、ピアノを支えに生きていこうと決めた。ピアノ講師・奥野女史から、厳しいレッスンをする日々となる。演奏を聴いた奥野の甥から、コンサートの企画を相談された。

ある日そのレッスン宅の隣家で、殺人事件が起きてしまう。その帰り道に自転車にぶつかって、輝美は杖を落としてしまう。通りがかりの男性がひろってくれて、喫茶店に誘われる。そこにはピアノがあり、輝美が演奏すると喝采を浴びる。やがて店主にアルバイトでピアノ演奏を勧められる。

次のレッスンの日に訪ねると、玄関先で奥野が殺されていた。奥野の遺産相続人である甥が、コンサート資金集めをしてた為に警察に疑われる。奥野女史は全盲であったのを知り、輝美には厳しかったのは情熱を傾けていたからだという。そして全盲だと知らずに、犯行に及んだ者が誰なのか分かってきた。


「愛するあまり」

義兄の海外赴任中に、失踪した姉の遺体が富士の樹海で発見された。遺体は腐敗して、持物と歯の治療跡で断定され、自殺扱いとなった。そして姉を治療した歯科医師が殺される。巨額の保険金に姉は入っていて、義兄が保険金詐欺容疑となり、歯科医殺しで主人公の早知子は疑われる。しかしどちらも無実で捜査は難航した。義兄は会社を辞めて、農業を営むため宮崎へと引越す。様々に疑問を持った早知子が農場へ行くと、そこには死んだはずの姉がいるのであった。


「陰画の構図」

テレビ局のカメラマンが殺されて、続いてDJやキャスターの立花カオルが上司と心中する。カメラマンの手帳に残された数字が、他人に奢られたカレーライスの金額らしく、女性テレビキャスターの謎解きが開始される。

亡きカメラマンが「どこで食べてもカレーライスは美味しいので、奢っててもらうときはどんな店でもカレーライスを頼む」という人だった。奢って貰っただけ貯金していたのだった。2400円のカレーライスは一体何処で、誰に奢って貰ったのか?

どうやら何かを隠蔽するために、殺人が犯されたらしい。


「想像殺人」

精神科医の八田へ友人の原がやってくる。「どうやら殺人を犯したようだ」

警察が八田を訪れて、やはり友人の友永が殺されたことを告げる。

「酒に酔っていたのでどうやって殺したのかは覚えていないが、自分が誰かを殺したという記憶がある」と友永殺害の自首をして、五年の刑期となった。

そして出所した原がやってくる。離婚した妻が八田と再婚したのを知り、驚愕するのだった。


「濡れていた紐」

プロデューサー里見が首を吊って死んでいた。密室で自殺かとされたが、女優の江里子は殺人事件ではないかという。それなら疑われるのは私だが、自分は殺していない。この謎を解いてと依頼された作家先生だった。

この密室殺人事件の謎は解けるか?

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【目次】

盲目のピアニスト

愛するあまり

陰画の構図

想像殺人

濡れていた紐

あとがき――はじめての短篇集

(平成5年7月10日初版発行)


内田康夫の短編集はKindle Unlimitedで読めます。

『盲目のピアニスト』

『軽井沢の霧の中で』

『パソコン探偵の名推理』

『死線上のアリア』

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