内田康夫サスペンス「信濃のコロンボ~死者の木霊~」BS TBS
2023/9/30(土)午後3:00~4:54
“浅見光彦シリーズ”国民的推理作家・内田康夫が推理作家として世に誕生した衝撃のデビュー作「死者の木霊」のドラマ化!
◆キャスト
竹村岩男(長野県警飯田署 刑事):寺脇康文
竹村陽子(岩男の妻):麻生祐未
桂木 誠(長野県警飯田署 刑事):庄野崎 謙
浜野理恵(五代通商 社長秘書):滝沢沙織
君江(クラブ三番館ホステス):遊井亮子
野本敏夫(五代通商 管理人):山中 聡
野本美津子(敏夫の妻):宮澤美保
戸沢信夫(タクシー運転手):村松利史
丸山亮介(岩男の友人 町医者):温水洋一
新井貴志(長野県警鑑識課巡査部長):嶋田久作
大森修司(長野県警飯田署 署長):西村雅彦
野本孝平(俊夫の叔父 総会屋):本田博太郎
福島太一郎(五代通商 社長):長谷川初範
沢藤栄造(五代通商 専務):小木茂光
岡部和雄(警視庁室町署 警部補):高橋克典
【番組内容】
長野県警飯田署の刑事・竹村岩男(寺脇康文)はある日、釣りに出掛けた松川ダムでバラバラ死体の一部を発見してしまう。
飯田署では死体の残りの部位の捜索が始まり、バラバラ殺人の第一発見者となった竹村は早速、部下の桂木(庄野崎謙)と捜査にあたり、妻の陽子(麻生祐未)とも"刑事コロンボ"並の推理を展開していく。
一方同じ頃、東京の室町署ではタクシーの運転手・戸沢信夫(村松利史)が「恐らく自分は死体を運んだ・・。」と訴えて出頭してくる。戸沢の供述によると室町署管轄内のオフィス街で一人の男と共に七つのダンボールを積んだのだが、男は戸沢に50万円も差し出し、長野と東京を往復させ、行き先の松川ダムの橋の上で積んできたダンボールをすべて投げ捨てたというのだ。しかも道すがら戸沢が「まさかその中身、ホトケさんじゃないですよね?」と聞くと男は「そうだよ」と返答したという。
室町署員が戸沢が男を乗せたという付近の聞き込みを行うと近隣にある五代通商株式会社という会社のビルの住込み管理人夫婦が行方不明になっていることが判明。捜査に乗り出した岡部和雄警部補(高橋克典)が管理人部屋を調べに来ると畳の下からおびただしい血痕が発見される。聞き込みから戸沢が乗せた男の風貌が管理人の野本敏夫(山中聡)と一致し、失踪した野本敏夫がバラバラ殺人に関与していると見なされる。
東京で容疑者が浮上したと連絡を受けた竹村は早速上京。岡部と合流し、敏夫の身元保証人になっているとう叔父の野本孝平(本田博太郎)の自宅マンションを訪ねる。ところが、孝平もここ数日姿が見えなくなっていることが判明。孝平の部屋を調べると敏夫が孝平から多額の借金をしていた借用書が見つかる。室町署では敏夫と孝平の間に多額の借金を巡って金銭トラブルが起こり、敏夫が孝平を殺害したとの見解に達し、失踪中の敏夫と妻の美津子(宮澤美保)を全国指名手配にする。
誰もが叔父甥間で起こった借金がらみによる単純な殺人事件と見なし、捜査は終結へと向かうかに思えたが、その見解に一人、納得出来ない竹村は執拗に捜査の手を緩めようとせず・・・。
◆スタッフ
原作:内田康夫「死者の木霊」(角川文庫)
脚本:穴吹一朗
監督:中前勇児
寺脇康文さんのコミカルな信濃コロンボの風情は、親しみやすいキャラクターになって、楽しいドラマでした。
妻役の麻生祐未さんが旅館の女将で、原作以上に推理に対して節目ごどに深く関わってくる。完全に旦那を尻に引いて、ドンと喜劇風な存在感をだしております。
フジテレビ
【原作】内田康夫「死者の木霊」(講談社文庫)
【脚本】佐伯俊道
【監督】江崎実生
竹村岩男…中村梅雀
大森修司…里見浩太朗
竹村陽子…原日出子
岡部和雄…松村雄基
平山君江…中島宏海
沢藤栄造…三浦浩一
浜野理恵…濱田万葉
桂木刑事…菊池健一郎
奥村哲雄…河原崎建三
【作品舞台/飯田市の観光スポット】https://travel.yahoo.co.jp/kanko/prefecture-nagano/area-iida/
『死者の木霊』内田康夫(角川文庫)
信州の松川ダムでばらばら死体が見つかる。借金がらみの単純な殺人事件と見えたが……警視庁の切れ者・岡部警部と信濃のコロンボ・竹村警部が共演した衝撃のデビュー作。
長野県歌 「信濃の国」
1.
信濃の国は 十州に
境連ぬる 国にして
聳ゆる山は いや高く
流るる川は いや遠し
松本 伊那 佐久 善光寺
四つの平は 肥沃の地
海こそなけれ 物沢に
万ず足らはね 事ぞなき
2.
四方に聳ゆる 山々は
御岳 乗鞍 駒ヶ岳
浅間は殊に 活火山
いずれも国の 鎮めなり
流れ淀まず ゆく水は
北に犀川 千曲川
南に木曽川 天竜川
これまた国の 固めなり
3.4.5.6番までつづく
その中で4番歌詞の中に四つの事件の場所がある。
訪ねまほしき 園原や
旅の宿りの 寝覚ノ床
木曽の桟 かけし世も
心してゆけ 久米路橋
くる人多き 筑摩の湯
月の名に立つ 姥捨山
しるき名所と 風雅士が
詩歌に詠みてぞ 伝えたる
この歌から竹村警部は、事件の解決の手掛かりを見つけるのであった。
【自作解説】によれば、作曲家の中川博之さんと将棋をしながら推理小説について語ったのが、創作のきっかけになつているという。
「なんだミステリー。トリックがなっちゃいないではないか」
「そんなことを言って、書けもしないくせに」
「そんなことはない、こんなものぐらい、書けなくてどうする」
「だったら書いてみたら」
これが処女作品の執筆へなったから、驚きの長編『死者の木霊』である。
1934年、東京都北区生まれ。コピーライターなどを経て、1980年、自費出版で『死者の木霊』を発表。この作品が、「朝日新聞」の読書欄に取り上げら れ、自費出版としては異例の注目を浴び、鮮烈なデビューを飾る。その後、『後鳥羽伝説殺人事件』で、後に国民的名探偵となる浅見光彦をうみだし、押しも押 されもせぬ人気推理作家となる。浅見光彦シリーズは『棄霊島』で光彦100事件目を迎えた。また、同シリーズはドラマ化もされお茶の間でも人気の存在に。