100分de名著“シャーロック・ホームズスペシャル”
(1)名探偵の誕生
名探偵ホームズが世に初めて登場した「緋色の研究」。ささいな外見の特徴から初対面のワトソンをアフガニスタン帰りの軍医だと見抜く推理力に読者たちは喝采を浴びせた。
実は名探偵ホームズには実在のモデルがいた。作者ドイルが医学生時代に出会ったジョゼフ・ベル教授。患者の表情や身体の様子からたちどころに病状を言い当てるベル教授からドイルはホームズを発想する。当時のロンドンは猟奇的な事件が横行、不安に駆られた人々はそんなホームズに待望のヒーロー像をみたのだ。第一回は、どのようにしてこの名探偵が誕生したのか、そして人々の圧倒的な支持を受けたのはなぜかを考察していく。
【講師】京都大学大学院教授…廣野由美子,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】山寺宏一,【語り】小口貴子
https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/schedule/
(2)事件の表層と真相
シャーロック・ホームズ・シリーズでは、ささいな出来事の裏に大きな犯罪があり、重大事件と思われた出来事が実は平凡な人間の弱さから発しているという皮肉が描かれる。
赤毛の人だけを募集して不思議な仕事を依頼する奇妙な出来事の裏に巨大な犯罪が潜んでいたという顛末(てんまつ)を描く「赤毛組合」。恐ろしい誘拐事件にみえた犯罪が、実は妻に自分の秘密を隠すために行われた夫のとっさの行為だったことを描く「唇のねじれた男」。事件の表層と真相の反転をドイルは見事に描いていく。第二回は、人生や出来事が一筋縄ではいかない多層的なものだというコナン・ドイルの洞察に迫っていく。
« 雲高気静 | トップページ | 「ミステリと言う勿れ特別編」は9月9日にフジテレビ系で午後9時から放送 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント