筒井康隆ミステリーの世界
筒井康隆さんの探偵小説は、出版された時には退屈な内容だと感じていた。
しかし最近ミステリードラマと原作小説を読み比べて分析する機会あって、制作と創作の側から考えるシフトになった。
坊ちゃん育ちの探偵『富豪刑事』は、思いの外に思案と展開構成された完成度である。
郊外の瀟洒な洋館で次々に美女が殺される『ロートレック荘事件』も、史上初のトリックで読者を迷宮へ誘う。二度読んで納得、前人未到のメタ・ミステリーだつた。筒井康隆さんは分野超えて、書ける作家であったのだ。探偵小説の骨格を外すことなく、パロディの精神が描かれているのが素晴らしい。
『フェミニズム殺人事件』は夏の南紀、サロン的雰囲気にみちた高級リゾートホテルで起きた連続殺人。警察の厳重な警戒の中、また1人、密室殺人の犠牲になる…。
奇抜なトリックを駆使した推理小説。これは何故かちゃんと読んだ記憶がない。文庫本で購入して楽しく分析しましょう。
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