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2023年10月31日 (火)

『初恋』西村京太郎 サスペンス 十津川刑事の肖像

『初恋』西村京太郎

湘南の夏、せつない恋から20年。

初恋相手の死の報せを受けた十津川警部

傷心の飛騨高山・連続殺人捜査行

飛騨高山の旅館の美人女将・夕子が心臓発作で急死したと聞き、十津川警部はうなだれた。二十数年前、大学のヨット部合宿で出会った夕子こそ、十津川警部の初恋の相手だったのだ。

しかしその翌日、訃報を伝えに来た弁護士が絞殺死体で発見されるや、事態は一気に仕組まれた犯罪の様相を呈する。

飛騨高山に飛んだ哀切の十津川に、さらなる驚愕の証言が。


🔳以前に書かれた湘南の旅館を舞台にした短編が、巻頭でも紹介されている。江ノ電車内から目撃されたのは、旅館2階で亭主が鉄の灰皿で頭部を撲殺してる事件だった。そして殺人を犯したのは女将の姿という。十津川が初恋の人を救済するエピソードだったが、何と母娘が弁護士を巻き込んで巧妙に仕組んだ犯罪だった。

この長編のキレが甘いのは、過去の十津川が初恋の相手に騙されて釈放してしまったことがあるように思う。作者は早まったと考えたに違いない。


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西村京太郎サスペンス 十津川刑事の肖像 初恋

BSフジ2023/10/31 16:0018:00


【あらすじ】

警視庁捜査一課刑事の十津川省三(高嶋政伸)が班長へと昇進して間もなく、不動産業を営む黒木高雄(萩野崇)が殺人未遂の被害にあった。捜査にあたるのは、十津川班長と亀井定男(古谷一行)、そして所轄から十津川班に新たに配属された西本明(小泉孝太郎)ら。その後すぐに犯人は逮捕され、亀井が取り調べをする。時同じく、弁護士を名乗る崎田守(橋本禎之)という男性が十津川を訪ねてきた。原口夕子(手塚理美)が亡くなったと聞いた十津川はぼうぜん。夕子は十津川の初恋の相手だったのだ。夕子は湯河原で旅館の女将をしていた。
翌日その詳細を聞く約束をして別れた2人だったが、その後、繁華街で崎田の遺体が見つかった。手がかりは崎田が握りしめていた水牛のボタン。十津川と西本は、夕子の旅館がある湯河原へと向う。しかし旅館に到着すると何と夕子が姿を現した。ぼうぜんとする十津川。事情を聞くために夕子の部屋に入ると、夕子の娘・由紀(緑友利恵)の遺影が。夕子は娘は殺されたと言う。夕子そして同僚の刈谷早苗(西尾まり)、遠山淳子(大路恵美)も由紀の月命日にお参りにくるなど、みな悲しみにくれていた。
そんな中、今度は黒木が殺された。しかも崎田が握りしめていた水牛のボタンが、黒木の部屋にあった衣類のボタンと同じだった。2つの事件は関係しているのか?再び湯河原に向かう十津川だったが


十津川と亀井刑事は事件解決の手掛かりをつかむため夕子が女将を務めていたホテルを訪ねる。すると急死したのは娘の由紀の方で、失踪したのは夕子だということが判明。男はなぜ弁護士を騙り、しかも母娘の生死を逆に伝えたのか

数日後、母娘の両方に手を出していた画家が殺されて発見される。依然行方の分からない夕子は最も疑わしい容疑者の一人だ。

外房線で千葉県の各地を巡り、連続殺人事件の謎を追う十津川と亀井刑事。御宿などの風景は、30年前に十津川と夕子が海で過ごした思い出を蘇らせる。だが同時に夕子から突然別れを告げられた傷心の記憶も十津川の心に浮かぶ

やがて夕子と由紀を支えていた県会議員、原口家の主治医など怪しい人物が捜査線上に浮かび、十津川の上司には捜査から手を引くようある圧力がかかる。十津川は夕子の無実と無事を願いながら真実に近づいていく


<出演者>
十津川省三(警視庁捜査一課刑事・班長):高嶋政伸
西本明(警視庁捜査一課刑事):小泉孝太郎
平塚八重子(警視庁捜査一課管理官):山村紅葉
刈谷早苗(銀行員・預金係):西尾まり
遠山淳子(銀行員・支店長代理):大路恵美
小原良治(夕子の恋人・内科医):川野太郎
原口夕子(原口旅館・女将):手塚理美
亀井定男(警視庁捜査一課刑事):古谷一行
ほか


<スタッフ>
脚本:田子明弘
編成企画:佐藤未郷

プロデューサー:森川真行、石塚清和(FINE)
演出:福本義人

制作:フジテレビジョン、FINE

2013年制作放送


🔳人気の「十津川シリーズ」第7弾。今回は昇進した十津川省三(高嶋政伸)と亀井定男(古谷一行)の名コンビに新入り刑事・西本明(小泉孝太郎)が加わり難事件に挑む、てんこ盛りの上に長編初恋ネタがベースにされて脚色されている。慌ただしい情報量のドラマだ。

本来なら湘南旅館を舞台にした短編のほうを、ドラマにした方がすっきりしたと考えられる。

2023年10月30日 (月)

西村京太郎サスペンス 十津川刑事の肖像 人捜しゲーム

マンションの一室で殺人事件が発生した。現場に駆けつける警視庁捜査一課・十津川省三(高嶋政伸)と亀井定男(古谷一行)。死体は週刊ジャパンが人捜しゲームという企画でターゲットになっていた小笠原孝夫(天野浩成)だった。週刊ジャパンの編集長の三田村直之(美木良介)が身元確認のためにやってきたが、知人が死んだというのに悲しむどころかどこか素っ気ない

 鑑識結果がでた。犯人は、パターを素手で握って殴り、最後に手袋をはめて包丁で刺したという。この一連の行動に不信を抱いた十津川は至急関係者の指紋を採取した。十津川と亀井は週刊ジャパン編集部へ行き、三田村、横森副編集長(ベンガル)、そして長井真理(田野アサミ)の指紋を採取する。実は人捜しゲームで小笠原がターゲットになっていたのを知っていたのはこの3人だけだったのだ。
 そして事件は進展をみせる。長井の指紋がノートパソコンから採取されたのだった。事情を聞く十津川。何と長井は小笠原に襲われていたのだった。しかもその事実を知っていた三田村は小笠原を企画から下ろすこともせずにいた。改めて三田村の神経を疑う十津川たち。
 その後、三田村の妻・三田村冴子(中山忍)が昔、小笠原と付き合っていた事実を突き止める。十津川と亀井は容疑者の1人として浮かび上がった冴子のもとへ行くのだった

<出演者>

十津川省三:高嶋政伸

三田村冴子:中山忍

三田村直之:美木良介

横森雅志:ベンガル

平塚八重子:山村紅葉

福井好夫:正名僕蔵

亀井定男:古谷一行

ほか

<スタッフ>

原作:西村京太郎

脚本:田子明弘

企画:吉田豪

プロデューサー:森川真行

演出:伊藤寿浩

制作:フジテレビ/FINE 


短編小説を二時間ドラマにすることについては、何度かブログに書いている。結論から言えば長編小説の単発ドラマ化は適切ではない。メディア機能として違いがあります。短編小説集はドラマや映画に傑作が多いのはそのためであります。

原作では十津川刑事の頃のエピソードとして描かれているが、ドラマでは亀井警部との通常のコンビのようになっている。やはりテレビ番組のパターンが良いのであろうか。ちと原作との違和感を感じた。


『十津川刑事の肖像』西村京太郎 

この人を見つけて下さい。見つけた方に百万円を差し上げます顔写真と身長、体重などの特徴だけでその男を探し出せ、という企画が「週刊ジャパン」に載った。その記事をたまたま読んだ小田雄太郎と松木順子は、二人が同棲するアパート近くのマンションの一室にその男がいたことを思い出し、男の部屋を訪ねる。が、そこで発見したのは、その男の刺殺体だったのだ。十津川警部補は「週刊ジャパン」の三田村編集長と殺された男との意外な関係を知る

「人探しゲーム」他、若き日の十津川の推理が冴える、刑事時代にとりくんだ五つの事件の短編集。


しかし犯人は悪りい女だなぁ、感情移入はほとんど出来ない。三田村編集長も嫌な人間だけれど、殺す以外には手がなかったのかと、悔やまれる。人間は生きて苦行をするものである。ミステリーでは人間が記号のように扱われてしまうのが残念でならない。

ザ・ミステリー『小早川警視正 京都羅生門殺人旅情』BSテレ東

20231030() 1256分~1456

警視庁広域捜査官・小早川雅彦(辰巳琢郎)は、ある事件に関与する容疑者を追うため芥川龍之介の小説『羅生門』と古美術をテーマにした京都ツアーに潜入する。ツアーには雅彦の遠縁で旅行評論家の夏木香奈(国生さゆり)と、その妹・梨香(菊池麻衣子)も同行していた。ところがツアー一行が京都に着いた日、旅館の中庭で容疑者の男がナイフで刺され死んでいた。ナイフには何故か羅生門葛の模様をした布が巻かれていて


【出演者】

 小早川雅彦辰巳琢郎

 夏木香奈国生さゆり

 夏木梨香菊池麻衣子

 伴内警部矢崎滋

 保坂清一本田博太郎

 西丸夢子芳本美代子

 宗方芳斎寺田農


【原作】斎藤栄「羅生門殺人旅情」(祥伝社文庫刊/集英社文庫刊)

【脚本】白石マミ、岡田寧

【演出】岡田寧


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『羅生門殺人旅情』斎藤栄

京都の旅荘〈八十八〉の客室で高名な写真家新門寿久が刺殺された。同伴のクラブママ由美が入浴中の出来事だった。手掛りは現場に落ちていた芥川龍之介「羅生門」の文庫本とらしょうもんかずらのしおり。

ベル旅行社のツアーコンダクターで、〈八十八〉で旅館業務を研修中の夏木梨香は、旅行評論家の姉・香奈を通じて警視庁の小早川警視正に相談する。が、伊豆蓮台寺で第二の殺人が。長篇本格推理。

2023年10月29日 (日)

西村京太郎サスペンス「伊香保温泉殺人事件」 TBS

内藤剛志主演の新・十津川警部シリーズ第2弾。十津川警部に内藤が、十津川が信頼する亀井刑事に石丸謙二郎が扮する。

都内で記憶をなくした血まみれの男性が保護されたことから十津川警部が捜査に乗り出す。同じ頃、伊香保温泉では女性の刺殺死体が発見される。2つの事件をつなぐ、竹久夢二の作品に秘められたミステリーとは? 2017年作品。

2023年10月29日16時〜17時54分 BS TBS放送

【ストーリー】

ある朝、都内でパトロール中の警察官が顔と衣服に血がべっとりとついた男(阿部亮平)を保護した。その血液型が男のものと異なることから事件性があるとされ、十津川警部(内藤剛志)と亀井刑事(石丸謙二郎)らが捜査に乗り出した。男が着ていた衣服には「高沢明」と記されていたが、男は記憶を失い自分の名を覚えていない。手掛かりは男が持っていた群馬県・伊香保神社のお守りだけだった。時を同じくして、伊香保温泉近辺で女性の刺殺死体が発見された。被害者の血液型が男の衣服に付着したものと一致したことから、群馬県警の平田警部(徳井優)と加納みずき刑事(紫吹淳)が上京し、十津川班の捜査に合流する。被害者の女性は所持していた運転免許証から、都内でワインバーを経営する原田あかり(西原亜希)と判明。あかりの部屋を捜索すると、保護された高沢明とあかりが一緒に写った写真が発見され、高沢とあかりをつなぐ動かぬ証拠が見つかった。しかしその矢先、高沢が収容中の病院から抜け出したと西本刑事(高杉瑞穂)から十津川に連絡が入る。


【出演】

内藤剛志、石丸謙二郎、笛木優子、紫吹淳、徳井優、阿部亮平、西原亜希、前田美波里、伊東孝明、高杉瑞穂、大迫茂生、齋藤めぐみ、モロ師岡、六平直政、西岡徳馬 ほか


プロデューサー 森下和清

ディレクター・監督 村田忍

原作 西村京太郎「会津高原殺人事件」

脚本 佐伯俊道 

2017年オスカープロモーション/TBS


長編小説が原作なのに、実にすっきりと脚色がされて、佐伯さんらしいドラマシナリオだった。会津高原と伊香保の二つが舞台となる原作を、伊香保だけに絞って構成されている。

撮影はだいぶ楽になったのではないだろうか。

「会津高原」というタイトルははずされてしまった。小説は文章であってドラマは映像であると、優れて割り切っている。もの足らない人は原作をじっくり読めば良い。


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『会津高原殺人事件』西村京太郎

会津若松、芦ノ牧、喜多方。十津川の推理が冴える。

記憶を失くした男のまわりで次々と起こる殺人。犯人の狙いは何か?

会津鬼怒川線開業記念のバッジを持った男が浅草で血に汚れて倒れていた。十津川警部は3日前に会津高原で起きた若い女性殺しとの関連を疑う。高沢という名前しか思い出せない男が病院から失踪した翌日、もう1人の「高沢」が殺された。記憶を失くした男の周囲で次々起こる殺人事件。十津川の推理が冴える。

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十津川は関連事件が、作為的ではないかと疑惑を抱いた。潔白であると思い始めた矢先に明の元恋人・橋本ひろ子が現れる。

ひろ子と面会するが、明の記憶は戻らない。

翌日に源氏名・高沢あきら、原田あかりの勤務していた店が判った。彼女が勤めるクラブの常連で、2人は出会って意気投合し恋人関係になったらしい。

そして明とあかりのマンションが判明するのだけれど、両方とも何者かによって家財が取り払われていた。

数日後に十津川は捜査線上に浮かんだ、代議士・夏川の調査を亀井に依頼する。そんな時、明が精神病院から脱走した。十津川は同行を嘆願するひろ子を伴って、ある確信をもって会津にむかった。しかし調査を続ける中で、高沢明の名刺を所持した新聞記者と刑事が殺害されてしまうのだった。


西村京太郎 1930年東京都生まれ。

都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。

65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。

十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。

2023年10月28日 (土)

「 安乗の稚児」 伊良子 清白

  安乗の稚児

                      伊良子 清白


志摩の果安乗の小村

早手風岩をどよもし

柳道木々を根こじて

虚空飛ぶ断れの細葉


水底の泥を逆上げ

かきにごす海の病

そゝり立つ波の大鋸

過げとこそ船をまつらめ 


とある家に飯蒸かへり

男もあらず女も出で行きて 

稚児ひとり小籠に坐り

ほゝゑみて海に対(へり


荒壁の小家一村

反響する心と心

稚児ひとり恐怖をしらず

ほゝゑみて海に対へり


いみじくも貴き景色

今もなほ胸にぞ跳る

少くして人と行きたる 

志摩のはて安乗の小村 

 


『孔雀船』岩波文庫(1938年4月発行)


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伊良子清白 いらこせいはく

18771946

詩人。本名暉造(てるぞう)。別号すゞしろのや。鳥取県八上郡曳田村(現鳥取市河原町)に生まれる。京都府立医学校に学ぶ。『少年園』『青年文』の投書家として詩文に頭角を現し、『文庫』にあっては『巌間の白百合』『夏日孔雀賦』『海の声山の声』などの秀作を発表、漂泊の詩人として明治30年代の詩壇に重きをなした。1906年(明治39)その絶唱を厳選した唯一の詩集『孔雀船』を刊行。『文庫』派解体後、詩壇と絶縁した。医師として横浜、浜田(島根県)、台湾その他各地に転住。昭和期には『女性時代』『白鳥』への寄稿がある。昭和211月、疎開先の三重県度会郡七保村にて往診の途次、死去した。

2023年10月27日 (金)

読書の秋と小説

小説の語源は中国史の元の時代まで遡る。元々「とるに足らないお話」などを意味する小説だった。

明治に活躍した坪内逍遥が、『小説神髄』という著作の中で英語のnovelの日本語訳に「小説」を当てはめたのが、言葉の由来だとされる。

その以前から中国では、novelに対する訳語として「小説」という言葉を当てはめていたが、坪内逍遥がこの語の用法をより詳しく定義した。


夜が長くなり、朝晩も涼しくなった。

涼しくなると本の頁をめくる手もはかどる。そんな思いを綴った「灯火親しむべく」で、読書の秋を意味する。

〈秋になり、長雨も晴れ、涼しさが郊外の村にやってきた。灯火もようやく親しめるようになったので、夜、巻物をひもとくのにふさわしい。〉韓愈「符読書城南」


日本では夏目漱石の『三四郎』の中で引用され、日本に広まり始める。

〈そのうち与次郎の尻が次第に落ち付いて来て、燈火親しむべしなどといふ漢語さへ借用して嬉しがる様になった。〉夏目漱石「三四郎」

大正時代に初めて開催された読書週間で、「灯火親しむべし」と用いて、広めたことから「読書の秋」のイメージは始まったという。

2023年10月26日 (木)

村上RADIO ~『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」完全カバー~』

村上RADIO ~『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」完全カバー~』

1967年にイギリスで27週にわたってLPチャートの1位を獲得したビートルズの伝説的アルバム を、エルトン・ジョンからフランキー・ヴァリまで、多種多彩なミュージシャンたちのそれぞれ工夫を凝らした名曲カバーをセレクトする。


村上春樹コメント

今月はビートルズの伝説的アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド』の完全カバーをお送りします。以前にビーチボーイズの「ペット・サウンズ」完全カバーをやりましたが、その「完カバ」シリーズの続きですね。

エルトン・ジョンからフランキー・ヴァリまで、多種多彩なミュージシャンたちが、それぞれに工夫を凝らして名曲のカバーに挑みます。そこにはオリジナル・アルバムとは少しばかり違った光景が広がっています。どうかお楽しみに。

村上RADIO ~『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」完全カバー~』

◆放送日時:20231029日(日)19:0019:55(放送時間が異なる局があります)

◆放送局:TOKYO FM / JFN全国38局フルネット

◆パーソナリティ:村上春樹

◆提供:DNP大日本印刷 Yakult

◆番組ホームページ:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

サイケデリックな音楽アルバムを、文学者がどのようにさばくのか、楽しみな番組ですね。

2023年10月25日 (水)

『金沢殺人事件』浅見光彦シリーズ

BSフジテレビ20231027() 12:0014:00

 東京・北区にある神社の裏山で音大生の千賀(秋本渚)は、刃物で刺された瀕死の男にぶつかる。男は「オ・ン・ナ・ニウ・シ・ク」の言葉を残して息絶える。

 殺された男は、繊維商社の山野稔(並樹史朗)。金沢出身で無類の考古学オタク。能登遺跡の発掘などにたずさわっている。   

 千賀は事件と殺された男のダイイングメッセージを警察へ伝え、金沢へ。だが、彼女もまた、親友・順子(後藤理沙)に連絡した後、"美術の小径"で突き落とされて死ぬ。

 ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は、神社の参道口で事件を知り、現場へ。木立の陰の千賀を見かける。被害者と発見者が共に金沢出身と知り、出版社に話して金沢へ。

 浅見は、能登遺跡の発掘現場で、山野が考古学同好会の考古学者、永瀬(塩屋俊) の研究を横取りしたことや千賀と順子が、永瀬の妻・香奈子(洞口依子)の教え子だと知る。

 順子は、千賀が県立美術館へ出かけたことを思い出す。一緒にでかけた浅見は、展示品に牛首紬を見つける。ダイイングメッセージの「ウ・シ・ク」だった。

<出演者>

浅見光彦:中村俊介

春山順子:後藤理沙

春山瑞枝:岡まゆみ

北原千賀:秋本渚

宮本警部:石田太郎

藤田編集長:小倉久寛

吉田須美子:藤田瞳子

山野稔:並樹史朗

永瀬義治:塩屋俊

芳崎潔:江藤潤

永瀬香奈子:洞口依子

浅見雪江:野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫

脚本:峯尾基三

企画:荒井昭博

フジテレビ制作

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『金沢殺人事件』内田康夫

「オンナニウシク」都内の神社で胸を刺された商社マンは、奇妙な言葉を遺して息絶えた。直後、その第一発見者である女子大生が、金沢の名勝兼六園そばの「美術の小径」で謎の転落死を遂げる。二つの事件に繋がりはあるのか?興味を抱いた名探偵・浅見光彦は北陸の古都へ飛んだ。やがて、「紬の里」で事件解決の糸口を掴むが。旅情溢れる推理傑作!


東京から金沢へ 2つの事件を光彦が追う

浅見光彦の自宅近くにある平塚神社で商社マンが殺された。買い物に出ていた浅見光彦は実況検分に遭遇する。そして、金沢で女子大生が遺体で発見される。兼六園に近い「美術の小径」の石段から突き落とされたのだ。彼女は東京で商社マンの最期を目撃していた。2つの事件の繋がりを求め、光彦は北陸へ飛んだ。


登場したヒロインと想える女性が、事件に巻き込まれて、直ぐ亡くなるという浅見光彦シリーズでは異例の展開。

歴史的な城下町である金沢への旅情が、たっぷりと堪能できる。


⌚️1027(曜日)は何と浅見光彦シリーズが、昼間から三本も放送される。

『金沢殺人事件』『美濃路殺人事件』『姫島殺人事件』地上波とBS放送。

2023年10月24日 (火)

「明るい方へ」「こだまでしょうか」金子みすず

「明るい方へ」金子みすず

明るい方へ

明るい方へ。

一つの葉でも

陽ひの洩もるとこへ。

藪かげの草は。


明るい方へ

明るい方へ。

翅は焦こげよと

灯ひのあるとこへ。

夜飛ぶ虫は。

明るい方へ

明るい方へ。

一分もひろく

日の射さすとこへ。

都会まちに住む子等は。



「こだまでしょうか」金子みすず


「遊あそぼう」っていうと

「遊ぼう」っていう。


「馬鹿ばか」っていうと

「馬鹿」っていう。


「もう遊ばない」っていうと

「遊ばない」っていう。


そうして、あとで

さみしくなって、


「ごめんね」っていうと

「ごめんね」っていう。


こだまでしょうか、

いいえ、誰でも。


『金子みすゞ名詩集』(彩図社)


金子みすゞ(本名、金子テル)

1903年に山口県長門市仙崎で生まれ1930年に26歳の短い生涯を閉じた童謡詩人。

詩人として活動したのは、年代的には、大正末期から昭和初期。その時代には鈴木三重吉が創刊した「赤い鳥」や野口雨情が編集長をした「金の船」(のちに「金の星」と改題)、などの童話童謡雑誌がたくさん創刊されて童謡の時代だった。

西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されて、童謡の世界に彗星のごとく現れてひときわ光を放った。

20歳で、4つの雑誌「童話」「婦人画報」「婦人倶楽部」「金の星」に投稿したすべての作品が掲載されるまばゆいばかりの鮮烈デビューをはたした。

「童話」には「お魚」と「打ち出の小槌」、婦人倶楽部には「芝居小屋」、婦人画報には「おとむらいの日」、金の星には「八百屋のお鳩」が掲載される。

2023年10月22日 (日)

紹興酒

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2023年10月21日 (土)

狐と鷹の俳句

狐の剃刀これほどの露の中


裏山の骨の一樹は鷹の座ぞ


白骨の一樹に鷹の動かざる


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「栴檀は二葉より香し} 白壇は発芽の頃から早くも香気があるように、大成する人物は、幼いときから人並みはずれて優れたところがあることのたとえ。 「栴檀」は白檀の異称。

2023年10月20日 (金)

蜜柑を食べる

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かつて『蜜柑』という小説があったことを、思い出しながら。

2023年10月19日 (木)

『箸墓幻想』内田康夫原作・浅見光彦シリーズ第31弾。

2000年から浅見光彦を演じてきた沢村一樹が今回で卒業、シリーズ12年間の集大成となる作品だ。歴史の都・奈良を舞台に、永遠の秘密が紐解かれ光彦を惑わせる。

「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」。万葉集・3−328。作者の小野老(おののおゆ)が奈良の都から九州の大宰府に赴任しているときに都を思い詠まれた短歌だといわれている。過ぎ去った過去への思い。出来事の全てが、この短歌のように儚く、焦がれる万感の思いへと至る。
このシリーズで多くの事を学んだという沢村が、ずっと苦楽を共にしてきたスタッフと共に「集大成となる作品」との思いを込めて撮影に臨んだ。母・雪江役の佐久間良子、兄・陽一郎役の風間杜夫らレギュラーメンバーに加え、草笛光子、松原智恵子、北村総一朗、そして沢村とは旧知の仲だという恵俊彰も迎え、歴史ロマン溢れる奈良を舞台に沢村版・光彦が活躍する。

【ストーリー】
ルポライター・浅見光彦(沢村一樹)は、雑誌「旅と歴史」が特集することになった万葉集の取材で久々に奈良を訪れた。「箸墓卑弥呼説」と「邪馬台国畿内説」を証明しようと独身を貫き長年、研究・発掘作業を続けていた畝傍(うねび)考古学研究所の顧問・小池拓郎(北村総一朗)が「人は生涯を費やしても贖うことのない罪を犯す」と「人と会う」という言葉を光彦に残したまま帰らぬ人となった。
奈良県警が捜査に乗り出すと、光彦も小池が間借りしていた當麻寺の為保住職(左とん平)の娘で研究所の事務員・有里(清水由紀)と共に事件を追う。小池の部屋に残されていた「おそろしいことだ」というノートへの走り書きと、事件現場で出会った小池の同級生の妹・溝越薫(草笛光子)が持っていた、どこか憎しみすら感じさせる表情の女性が描かれた肖像画。これらが光彦を事件捜査へと誘っていく。
そんな折、小池が長年追い求めていた銅鏡が、小池の後輩・丸岡(佐戸井けん太)の手で発見された。悲しい出来事の直後の、世紀の大発見に研究所の島田いづみ(河合美智子)らが喜んだのもつかの間、新たな殺人事件が起きてしまう。光彦は小池の過去にヒントが隠されているとにらみ、その謎の解明に挑む。


<出演者>

浅見光彦:中村俊介

為保有里:前田愛

丸岡孝郎:山崎一

島田いづみ:筒井真理子

美紗緒:淡路恵子

藤田克夫:小倉久寛

浅見陽一郎:榎木孝明

浅見雪江:野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫

企画:和田行、後藤博幸

プロデューサー:金丸哲也、武部直美、小林俊一

脚本:峯尾基三

演出:金佑彦

音楽:渡辺俊幸

制作:フジテレビ/東映


Img_6010 『箸墓幻想』内田康夫(光文社文庫)

邪馬台国の研究に生涯を費やした孤高の考古学者・小池拓郎が殺された。その直後、彼の発掘していた古墳から邪馬台国の手がかりと思われる銅鏡が発見され、考古学界は騒然となる。
浅見光彦は小池が寄宿していた当麻寺の住職から事件解決を依頼され、早春の大和路へ向かった。老考古学者が遺した一通の古い手紙と色褪せた写真──住職の娘・有里とともに事件を追う浅見は、いつしか時を超えた女達の妄執に搦め捕られてゆく。古代史のロマンを背景に展開する格調高い文芸ミステリー。


小説のなかで絵画に描かれたことを読ませてくれるのは、大変な技術と視覚描写が求められる。この長編小説では過去に描かれた油絵の女性がドラマの鍵になって、とても丹念に書かれている。考古学研究よりも面白かったのは絵画についての表現であった。

2023年10月18日 (水)

浅見光彦シリーズ『隠岐伝説殺人事件』

浅見光彦シリーズ10「隠岐伝説殺人事件」

BSTBS 2023/10/20()午前9:59~ひる12:00

素人探偵・浅見光彦が連続殺人事件を推理・解決する。

日本海に浮かぶ隠岐島で後鳥羽上皇の遺跡調査が行われる事になった。ルポライターの光彦も随行記を書くため発掘団に参加して隠岐を訪れる。

ところが島には後鳥羽上皇の祟りが伝えられ、数ヶ月前に村の若者が小さな池で溺死する事故が起きていた。

そして発掘団が到着した翌朝に、発掘へは猛反対していた小野老人が海から溺死体で浮かび上がる。若者も小野も笑い顔のまま死んでしまう奇妙な共通点があった。

遺跡の盗掘を企てた発掘団の責任者である教授も、後日に笑い顔の変死体で発見される。死因は毒物と考えられたが、体内から毒の検出は出来ずに事件は難解を極めた。

そんな時に光彦は隠岐に源氏絵巻の調査に訪れた研究生・貴恵から、事件の夜に同行者の大学教授・白倉が深夜1人で出掛けていった事を聞きいて調査に乗り出したのだった。


【出演】

辰巳琢郎浅見光彦

村井国夫浅見陽一郎

加藤治子浅見雪江

山本郁子浅見和子

井上彩名吉田須美子

中山忍佐治貴恵

津島恵子琴野老女

高松英郎北本

神山繁白倉秀明

渥美國泰/佐藤B作/清水アキラ/草薙幸二郎/佐々木勝彦/渡辺寛二/庄司永建/佐藤直子/矢崎文也/荒川大三郎/望月栄希/安食剛/工藤麻子/中村直樹/湯川英亮/大道寺俊典 ほか

◆スタッフ

演出:脇田時三

脚本:石原武龍

TBS制作

過去の人間模様がミステリーの根幹となっている原作なのだけど、後半は一気に端折った脚本となってしまった。

佐治貴恵が行ったという問題の邸内部が省略されて、あっけない展開でドラマは終わる。

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『隠岐伝説殺人事件』内田康夫

隠岐島の小さな池で若者が笑いながら溺死した。島の老人・小野仙一は「後鳥羽上皇の祟りだ」とつぶやく。

それから半年、東京品川の古い屋敷で、遺失したはずの源氏物語絵巻を偶然見てしまった佐治貴恵は、国文学の教授・白倉秀明に相談をする。教授は謎を解くために隠岐島に行こうと提案をする。
一方、浅見光彦も後鳥羽上皇の遺跡発掘調査隊に同行して隠岐島に行くことになった。調査の無事と成功を祈願して隠岐神社で御祓いをしていると、小野仙一がやってきて、祟りがあるから調査をやめろと忠告していく。半年前の溺死事件に興味を持った光彦だが、その夜、小野が水死体となって発見された。


【あとがき】によれば『野生時代』に六回連載された後、刊行予定されていたという。しかしミステリーが完結しない為に、編集者からの提案で、続きを新たに下巻として半年後に刊行されたらしい。

「プロットを書かない主義の証明」だと、予定外の上下巻になってしまったことを省ている。

午後ロー「悪の法則」豪華キャスト競演!魅惑の心理サスペンス

テレビ東京2023/10/18(水)13:40〜15:40

全ての始まりは、ある弁護士が軽い気持ちで裏社会のビジネスに手を染めた事だった…。ペネロペ・クルス、C・ディアス、ブラッド・ピット、他スター豪華競演!

【出演】

マイケル・ファスベンダー(カウンセラー)[声]:東地宏樹

ペネロペ・クルス(ローラ)[声]:本名陽子

キャメロン・ディアス(マルキナ)[声]:田中敦子

ブラッド・ピット(ウェストリー)[声]:山寺宏一

【監督】リドリー・スコット

【製作年/国】2013年/アメリカ

『悪の法則』予告編https://youtu.be/rSIz7ONMIFI?si=AbGfEPPnwxEfC-MC

【ストーリー】

凄腕弁護士のカウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)にプロポーズするため、高価な指輪を買いに店を訪れていた。その後、カウンセラーは友人ライナー(ハビエル・バルデム)が開いたパーティーに参加し、彼に誘われ麻薬ビジネスに手を染めようとしていた。ライナーは一度この道に足を踏み入れれば抜けることは難しいと、暗に警告する。

しかし、カウンセラーは少しだけ稼いですぐにやめれば良いと、安易な気持ちでいた。指輪を渡し、婚約したカウンセラーとローラは、ライナーとその愛人マルキナ(キャメロン・ディアス)を訪問する。カウンセラーはライナーの誘いを受けることにしたのだった。一方でライナーはマルキナにぞっこんだが、頭の切れる賢い女性で、いつ自分が騙されるか危機感を持っていた…。カウンセラーはライナーの紹介で、麻薬の仲買人である。

ウェストリー(ブラッド・ピット)を訪ねた。カウンセラーはこれから始めるビジネスについてウェストリーから詳細を聞き、彼もライナー同様、「危険なビジネスだ」と警告していた…。安易な気持ちで裏社会のビジネスに手を染めたカウンセラーだが、メキシコの犯罪組織との麻薬取引に思いがけないトラブルが発生したことから、組織の冷酷非情な悪の包囲網が、彼の身に迫ることに…。

2023年10月17日 (火)

下半身か裸のような気分

晴れた朝☀️に散歩してると、

何か忘れていることがあるような気になる。

「まるでノーパンで散歩してる」ような恥ずかしい、裸の王様みたいな。

ずっとコロナ禍でマスクをしてたので、

「ノーマスクは下半身か裸のような感じ」となっている、ぼんやりと気掛かりだった。

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2023年10月16日 (月)

空に飛行船が!

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よく見たら、飛行機みたいだ。

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2023年10月14日 (土)

特別展「生誕270年 長沢芦雪 ─奇想の旅、天才絵師の全貌─」大阪中之島美術館

伊藤若冲、曽我蕭白と共に「奇想の画家」として近年国内外から注目を集める長沢芦雪(17541799)に焦点をあてる、芦雪の画業を大阪で初となる回顧展。

芦雪は江戸時代中期に京都で活躍した画家で、写生画の祖、円山応挙の高弟。

卓越した描写力に奇抜な着想と大胆な構図、また人を驚かせ楽しませるサービス精神や独自の世界を展開している。
型破りな印象が多い芦雪にも、小動物など小さきものを描いた数々の作品からは、慈愛に満ちた眼差しが感じられる。

絵を描くことで、常に新しい表現や技法を追求して、精力的に活動した芦雪。多くの傑作は200年以上経った今も、観る人を魅了している。

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https://abc0120.net/2023/09/11/108658/
会期:2023107()123(会期中に展示替えあり
[前期 107()115() / 後期 117()123()
会場:大阪中之島美術館 4F展示室
開場時間:10:0017:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(109(月・祝)のぞく)1010()
観覧料:一般 1,800(1,600)、高校・大学生 1,100(900)、小・中学生 500(300)

2023年10月13日 (金)

血痕3 警科研・湯川愛子の鑑定ファイル

BSTBS 2023/10/14

竹下景子主演「血痕」シリーズ第3弾。警科研(=中央警察科学研究所)の湯川愛子が血液鑑定、DNA鑑定などの最新の捜査技術を駆使して犯罪の真実に迫る。弁護士の娘が誘拐された。携帯電話のGPS情報をたどり、発見された靴下にはすでに死んだはずの殺人犯の血痕が付着していた。愛子も関わった犯人を特定するDNA型データシステムに思わぬ落とし穴が


【ストーリー】
弁護士・土門毅一郎(田中健)の娘・亜美(林里音)が誘拐された。土門は元妻の紀代子(山下容莉枝)とは離婚しており、今は亜美と二人暮しだ。亜美が持っていた携帯電話のGPS情報をたどり、携帯電話と片足分の靴と靴下が見つかる。靴下に残っていたわずかな血痕から警科研の湯川愛子(竹下景子)が血液鑑定を行なった。血液は亜美のものではなく、ある殺人事件の犯人で服役中に病死した舟木修二(市村直樹)のものだと特定されたのだ。舟木が死んだのは誘拐事件の起こる10日ほど前。愛子と上司・殿村泰男(佐藤B作)の疑問が膨らむ中、誘拐犯から愛子と土門が協力して、舟木の冤罪を晴らすよう指示する郵便物が届いた。与えられた期日はわずか3日で


【出演】

竹下景子、三船美佳、国生さゆり、田中健、佐藤B作、筒井真理子、山下容莉枝 ほか


プロデューサー 横山千賀

監督 堀川とんこう

原作 坂井活子「血痕は語る」

脚本 坂田義和

東阪企画/TBS 制作2010

原作者の経歴からミステリーではなく、ドキュメントの要素が強い。DNA鑑定捜査を実践する者と、それを否定する立場の者との対立から合同するまでのエピソードである。竹下景子、田中健、佐藤B作の演技バトルが見どころとなっている。


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『血痕は語る』坂井活子

殺人事件や強姦事件など、様々な事件を解決する糸口となるのが被害者や加害者の残した物を鑑定する科学捜査である。尿、血液からDNAまで、鑑定歴30年の科学警察研究所女性鑑定官が特に印象の深かった事件を語る。


目次

プロローグ 初めての鑑定―科学警察研究所というところ
第1話 歩く血痕
第2話 Rホテル殺人事件
第3話 キメラ
第4話 親子鑑定
第5話 人獣鑑別
第6話 尿斑
第7話 流動血―強姦事件
第8話 性癖―DNA型鑑定の現在


坂井活子[サカイイクコ]
東京生まれ。共立薬科大学薬学部薬学科卒業。神戸大学医学部生化学第二教室(西塚泰美前神戸大学学長研究室)の立ち上げ時に、技官として在室する。国家公務員試験上級職(薬学)合格後、1971年に警察庁技官として科学警察研究所入所。法科学第一部法医第二研究室に配属。以後、研究員、主任研究官、法医学第二研究室室長を経て、1997年より部付主任研究官。専門は、血液・体液(唾液、精液、腟液、汗、尿、肉汁など)の性状、血液型、DNA型の鑑定

2023年10月12日 (木)

ミステリー・セレクション・浅見光彦シリーズ23 藍色回廊殺人事件

BS TB S 10/1313:5516:00


同じ男を愛した姉妹の悲劇吉野川に情念の炎が燃え上がり惨劇の幕が切って落とされる!


出演者

出演:沢村一樹、加藤治子、村井国夫、遠野凪子、今村恵子、大浦龍宇一、鹿内孝、五代高之、石塚義之、若林豪 ほか


 ルポライターの浅見光彦(沢村)は、四国八十八ヶ寺の取材のために徳島へ旅立とうとしていた。偶然、光彦の母・雪江(加藤)も藍染の着物を新調するのと大谷焼きの壷を見るために徳島へ行くという。光彦にとっては仕事のみならず雪江のお供というもうひとつの仕事も加わってしまったかたちだ。五番札所の「地蔵寺」で五百羅を取材していると、光彦は今尾賀絵と名乗る不思議な女性と出会う・・・。


原作:内田康夫「藍色回廊殺人事件」(光文社文庫)

脚本:石原武龍、小澤俊介

演出:佐々木章光

 TBS制作2007

序幕から何度も出てくる、崖っぷちの景色が、浅見光彦の高所恐怖症と絡んでおかしい。藍染に必要な「外土」の関わりが興味深い。


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『藍色回廊殺人事件』内田康夫(光文社文庫)

 四国を東西に貫く大河・吉野川。県は地域振興のため、この川の流域を「藍色回廊」と名付けた。四国八十八カ寺の取材のため、徳島県を訪れていた浅見光彦は、迷宮入り直前の殺人事件に出合う。調査を進める浅見は、住民を賛否で二分する吉野川可動堰建設問題に直面した。そして、新たな殺人事件が……

 川に翻弄される女たちの運命。浅見が辿りついた真相とは!?

2023年10月11日 (水)

<BSフジサスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ12 三州吉良殺人事件』

20231013() 12:0014:00


 警察庁刑事局長を兄に持つルポライター浅見光彦のフリーな探偵活躍を描く、内田康夫原作の人気ドラマシリーズは、榎木孝明を主役に回を重ねて十二回。おなじみの母親・雪江の野際陽子と兄・陽一郎の西岡徳馬、そしてヒロイン役に中山忍が出演、今回は蒲郡、伊良湖岬を舞台に光彦が殺人事件の謎に挑む。


<出演者>

浅見光彦:榎木孝明

鹿島里見:中山忍

長富刑事:逢坂じゅん

小坂刑事:清河寛

鹿島行雄:真夏竜

戸谷:出光元

三枝:長沢大

篠原洋一:緒形幹太

鹿島通泰:児玉謙次

鹿島泰一:浅沼晋平

鹿島朋子:高橋浩子

喬木弘:石井愃一

篠原京子:一紗まひろ

浅見陽一郎:西岡徳馬

浅見雪江:野際陽子

ほか

【あらすじ】

 母のお供で蒲郡に出かけた光彦は、三河湾の干潟で発見された老人の死体から事件にかかわることになる。老人は開発会社の会長で、干潟には高い崖もないことから、会長の死体は伊良湖岬の断崖から突き落とされて流れてきたと光彦は推理、案の定その伊良湖岬から犯人の物らしい腕時計が発見された。

 リゾート開発事業にからむ一族会社の社長息子兄弟や孫娘、会長の昔の戦友たちや孫娘の恋人----などの複雑な人間関係が事件の真相の謎を深める。


<スタッフ>

企画:清水賢治、長部聡介、金井卓成

プロデューサー:小林俊一、中曽根千治、金丸哲也

原作:内田康夫(「三州吉良殺人事件」光文社文庫刊)

脚本:関根俊夫、吉川直宏

音楽:渡辺俊幸

演出:小林俊一

制作 フジテレビ


崖っぷちがドラマのキーポイントになっているだけに、如何にして印象的な映像場面とするか。海岸線や湾の景色を見事に撮影されていた伊良湖岬だった。番組の特色である母親とヒロインも、ドラマに噛み合っていると思える内容。

後半リゾート開発に対して、湾岸一帯の自然が破壊されると会長が反対していたのが、ミステリーの解決へと繋がっていく。まるで殺された怨念が、浅見たちを突き動かすように。原作を読んだ後でドラマを観たら、ほぼ小説に描かれた通りの映像が展開されてファンも納得する演出だった。


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『三州吉良殺人事件』内田康夫(光文社文庫)

浅見光彦は、母・雪江にお共を命じられ、三州へ旅に出るはめとなった。目的は「殉国七士の墓」に参拝すること。そこで出会った老人が、翌朝、死体で発見された。警察から疑いをかけられた光彦は、犯人を捕まえて、身の潔白を証明すると宣言。
三州、伊良湖岬、三河湾の美しい風景のなかで、名探偵光彦が、複雑な真相を鮮やかに解き明かしていく――。


【名所訪問】

 吉良海岸リゾート開発

 殉国七士の墓

 電照菊

 伊良湖岬


【舞台】

 愛知県渥美郡渥美町

     蒲郡市

     幡豆郡吉良町

     豊川市

     名古屋市

     豊橋市

2023年10月10日 (火)

『神戸25メートルの絶望』西村京太郎(角川文庫)

神戸・異人館街観光中に失踪した夫婦が、25メートルの円の中心で惨殺された。十津川は、被害者と同じツアーに参加していた4人の男女が阪神淡路大震災の被災者だと突き止めるが……。2011年2月に刊行。


旅行会社が企画した豪華ツアー「日本の異国」には、たった6名のみ参加者となる。

神戸と六甲を中心に34日の行程で、2日目の異人館街観光中に夫婦二人が行方不明になる。数日後に東京で「処刑」された男がその夫だと判明する。25メートルの円の中心で息絶えていた。そして次は妻が「処刑」と予告され決行される。

十津川警部はツアー参加者の中に、犯人がいると捜査する。しかしいつもの推理力が全く通用せずに、最後まで犯人の割り出しを追い詰められる。答はすぐ側にあるけれど掴めない、犯人の隠蔽とぼけ振りが圧巻。

そして十津川警部と亀井刑事が犯人を命懸けで救った、気高い行為と二人の勇気には圧倒される。

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西村京太郎 1930年東京都生まれ。

都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。

65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。

十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。

茜屋珈琲店

茜屋珈琲店は軽井沢の旧軽銀座通りの奥にある老舗喫茶店。

真冬には土日しか営業しない店が多い旧軽銀座通りで、通年営業をして年中無休(不定休あり)で営業している。観光客にも別荘族にも、地元民にも愛されている珈琲店。


旧軽にある茜屋珈琲店は、先代オーナーの船越氏が神戸で創業して、昭和45年に軽井沢に出店した。船越敬四郎さんは確固たるスタイルやこだわりを持っていたので有名で、今も「茜屋スタイル」を語り継がれている。先代がなくなった際に『偲ぶ茜屋珈琲店主人』という本が出版されている。

浅見光彦シリーズを書いた内田康夫さんも、『軽井沢殺人事件』で船越敬四郎さんをモデルにした草西老人を風変わりな人物として、人間模様を描きたいと記している。

その他にも作家の山口洋子氏、日本画家の堀文子氏、赤川次郎氏、小池真理子氏なども常連だったらしい。


長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢旧軽井沢666

茜屋珈琲店 旧道店 - 軽井沢/喫茶店 | 食べログ

https://tabelog.com/nagano/A2003/A200301/20000176/


茜屋珈琲店(神戸三宮・阪急)

1966年創業、全国に姉妹店や看板貸しなどを持つ珈琲店発祥の地。

兵庫県神戸市中央区北長狭通1-9-4

2023年10月 9日 (月)

『西村京太郎スペシャル「日本一周『旅号』殺人事件」』

BSテレビ東京2023/10/02(月)16:0018:30


西村京太郎スペシャル・亀井刑事・十津川警部トラベルサスペンス「日本一周『旅号』殺人事件〜日本縦断ツアー列車に連続怪死事件発生!小樽〜東京〜新潟〜京都〜鹿児島」


ある夜、医大教授・浜野宏が投身自殺した。いっけん発作的な自殺と思われたが警視庁捜査一課・亀井刑事は、目撃証言と現場近くで見つかった写真の切れ端から他殺の疑いを持つ。また浜野のポケットからは鉄道と船で日本一周する旅ツアーの招待状が見つかっていた。数日前、浜野は急遽参加をとりやめている。亀井はツアー参加者を装い潜入捜査を始めるのだがツアーには亀井の元恋人・赤森陽子の姿があった。


《主な登場人物
》

【警視庁捜査一課】亀井刑事(小林稔侍)、日下刑事(坂上忍)、十津川警部(萩原健一)、小西刑事(田中哲司)、山本刑事、森刑事 高橋保刑事部長(若林豪)


【旅行会社】赤森陽子(国生さゆり、社長)、福原雅樹(光石研、添乗員)
取材で同行する記者・カメラマン:矢沢和也(小林健)


【ツアー客】柴田大輔(小沢和義)、和田由紀(大路恵美)、井上哲郎(平野稔)、村木秀夫、藤井正博、川崎聡、西岡洋二、安藤行雄(西川弘志)、安藤の息子 健太(鉄オタ)
薬学部教授:浜野宏
大物政治家:三田良介(石立鉄男) 秘書 古賀(藤田宗久)、岡島(元刑事)
三田の愛人:柳沼郁子(宇都宮雅代)


【あらすじ】

ある夜、医大の薬学部教授・浜野宏が遺体で発見された。鑑識の結果、屋上から飛び降り自殺を図ったものと見られた。だが、警視庁捜査一課のカメさんこと亀井刑事(小林稔侍)は、目撃証言や現場で見つかった七五三姿の女の子の写真の切れ端などから他殺の疑いを強める。また、死んだ浜野教授のポケットから、鉄道で日本を一周する「旅号」ツアーへの招待状が見つかる。日本中の駅弁とうまいいものを食べながら9泊10日で日本を一周するというもので、旅好きの浜野教授は、妻と参加する予定だったが、数日前その妻が足を骨折したため、急遽参加を取りやめていた。変死した男が参加しようとしていた「日本一周『旅号』ツアー」。そのツアーの裏側に、血と涙と怨念に包まれた驚くべき事実が隠されていたことを、誰も想像すら出来なかった。

ツアー1日目。ツアーを企画したナインズトラベルの主任添乗員・赤森陽子(国生さゆり)と添乗員・福原雅樹とともに45名が「旅号ツアー」に参加した。乗客はカップルの柴田大輔と和田由紀、親子で参加した安藤行雄と健太、同行取材する記者・矢沢和也、酒浸りの居酒屋店員・村木秀夫、川崎聡、西岡洋二、藤井正博、そして3年前に妻を亡くした井上哲郎ら。川崎、西岡、藤井、井上の4人はナインズトラベルからの招待状でツアーに参加していた。

ツアー2日目。列車が山口県下関駅付近にさしかかった時、事件は起きた。村木秀夫が白目を剥き変死したのだ。急性アルコール中毒による心不全が原因と見られたが、解剖の結果、乗り物酔いの薬「トランベロン」の主成分である物質が大量に検出された。

ツアー3日目。赤森陽子の判断で旅号ツアーは続行された。 その頃に次期総理といわれている国土交通大臣・三田良介へ「現金3億円を持って日本一周旅号ツアーに合流して下さい。要求を拒否した場合は、次の犠牲者はあなたの息子です。」という脅迫メールが届いた。

ツアー4日目。和田由紀が鳥取砂丘を散歩中、何者かに襲われる。

ツアー5日目。京都に着いた一行は、観光を楽しんでいた。集合時間を過ぎてもバスに戻って来ない西岡を捜査した亀井刑事らは、木にぶら下がっている首吊り遺体を発見する。そして西岡はトラベロンを製造していた白山製薬の工場長だった。

ツアー6日目。列車は京都から新潟へ。新潟港から小樽行きのフェリーに乗り込んだ一行は、約8時間の船旅を楽しんだ。捜査は急展開する、村木が3年前まで救急隊員を務めていたのが判明。 3年前に発売された「トランベロン」の臨床試験をしていた浜野教授。 3年前まで病院の事務長をしていた川崎。 「トランベロン」を生産していた会社の工場長をしていた西岡。 3年前に厚生大臣を辞めていた三田良介だった。

3年前に事件を解くカギを睨んだ捜査本部は、白山製薬の柳沼功一という役員が使途不明金の発覚で3年前に解雇されていた。彼は三田良介国土交通大臣が愛人に産ませた子供で、偽名を使ってツアーに参加している。フェリーの上で日下刑事が何者かに襲われた。

ツアー7日目。一行は小樽港に到着して列車で網走へ向かった。 一人でフェリーを降りた藤井が姿を消した。 招待状でツアーに参加した5人のうち、姿を消した藤井を除いて生き残ったのは、鉄鋼会社に勤めていた井上だけとなった。 そして羽田から女満別行きの飛行機に三田が乗った。

ツアー8日目。捜査本部に激震が走った。 藤井も村木と同じ消防署で救急隊員をしていたという。そして矢沢も3年前にスクープをものにすると、トラベロンの取材を続けて、ある時を境に取材をやめていた。その矢沢も忽然と姿を消してしまう。

網走のサロマ湖畔に現れた三田らしき男は、何物かに刺され現金の入った鞄を奪われる。刺されたのは、三田の秘書である古賀だった。

ツアー9日目。釧路から札幌へ広大な大地を駆ける列車は突き進んでいった。 亀井刑事らは乗客全員に対して、本人確認を実施する。車内のトイレで井上は首吊り自殺を図る。

一体何を目的として犯人は人殺しを続けているのか? 殺人列車の謎に亀井刑事と十津川警部が挑む!


【原作】西村京太郎『日本一周『旅号』殺人事件」より

【脚本】友澤晃一

【監督】南部英夫

【制作】テレビ東京2003


・十津川警部が主役なのに、亀井刑事がトップにきている。ショーケンの演技についてあまりにも酷くて、苦肉の策だったようだ。小林稔侍と坂上忍がドラマを運行する役割になっている。確かに犯罪者のような異様な役柄だとピッタリなんだけど、モノローグやナレーションには不適切な声かもしれない。もう二度と番組にキャスティングされることはなかった。


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日本一周「旅号」(ミステリー・トレイン)殺人事件―ミリオンセラー・シリーズ (光文社文庫)西村京

十日間で日本を一周する夢の特別列車「旅号」。その6号車の乗客ばかりが、相次いで不審な死を遂げた。乗り合わせた両親の依頼を受けて、日下刑事がツアーに参加したが、京都、札幌で第三、第四の殺人が!政界の大物につながる陰謀の影を、十津川警部の推理が追いつめる。交錯する旅情とサスペンス!累計一四五万部に迫る、トラベル・ミステリーの記念碑的傑作。


西村京太郎 1930年東京都生まれ。

都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。

65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。

十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。

2023年10月 8日 (日)

「西村京太郎サスペンス 十津川警部の事件簿・終着駅殺人事件」

テレビ東京2023109() 2000分~2154

原作・西村京太郎の名作第4弾!十津川警部が青森へ!若手社長が謎の死&美女失踪!?容疑者はかつての同級生鉄壁のアリバイに隠された愛憎劇が幕を開ける!


【あらすじ】

亀井定男(角野卓造)は料亭「はらら」の女将・根来薫(山村紅葉)から人探しの相談を受ける。

常連客のクラブで働くホステス・松木紀子(岡本玲)から2週間前、店を辞めるとメールが届いて以来行方不明に。

ストーカー被害にあった過去もあり心配だという。亀井は十津川班に加わった及川哲太(桐山漣)を連れて周囲を探り始めるが、及川は捜査一課の仕事ではないと不満げで

その最中、品川区の倉庫街で殺しが発生!現場に向かった十津川省三(船越英一郎)らに合流することに。廃工場で発見された被害者は、ITセキュリティ会社社長・安田章(瀬戸利樹)。鎖でつるされた状態で監禁され、2日前に餓死したようだ。

羽村凛々子(大野いと)らが、安田の周辺を調べると、同窓会のため大学の友人たちへ新幹線のチケットを送っていたことが判明。

新幹線は今まさに東北新幹線の終着駅「新青森」へ向かっていた―十津川と及川は青森へ急行する。主催者が現れないまま到着した安田の友人たちは、駅に現れた青森県警から安田が殺されたことを聞き驚く。メンバーは青森の大学の同級生で1人は突然仙台で途中下車していた。幾つもの謎が絡み合う中、さらなる被害者が!

十津川は終着駅青森を舞台に巻き起こる連続殺人の真相に迫ることができるのか?


【原作】西村京太郎『終着駅殺人事件』(光文社文庫)

【脚本】大石哲也

【監督】鈴木浩介

テレビドラマは三度されているようだが、テレビ東京のミステリーなので、楽しみです。

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『終着駅殺人事件』西村京太郎

青森県F高校の男女七人の同窓生は、上野発の寝台特急「ゆうづる7号」で、卒業後七年ぶりに郷里に向かおうとしていた。

しかし、上野駅構内で第一の殺人。その後、次々に仲間が殺されていく―。

上野駅で偶然、事件に遭遇した亀井刑事は、十津川警部とともに捜査を開始した。

累計一六〇万部の栄光34回日本推理作家協会賞に輝く、愛と郷愁の国民的ミステリー。


上野の町は、浅草と並んで、もっとも東京らしい場所のはずだが、上野駅に入ると、ここの構内はどこか東北の匂いがする。

毎日、北から到着する列車や、乗客が、東北の匂いを運んで来るからだろう。


上野駅の持っている東北の匂いが、自分の弱気を助長させ、尻尾を巻いて、青森へ引き揚げさせるのが怖かったのだ。


1980年発表の長編小説。年間を通してもっとも優れた推理小説に贈られる日本推理作家協会賞(第34回)にも選出された。

『名探偵コナン』の作者・青山剛昌が自著の中で西村京太郎のおすすめ作品として本作を紹介して、本作を最高傑作として挙げる。


西村京太郎 1930年東京都生まれ。

都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。

65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。

十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。

2023年10月 7日 (土)

今日の富士山🗻

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昨日と富士山を比べてみました。

2023年10月 5日 (木)

ノルウェー劇作家ヨン・フォッセ氏が ノーベル文学賞に

2023年のノーベル文学賞に、ノルウェーの劇作家ヨン・フォッセ氏(64)が選ばれた。

ヨン・フォッセ氏がつくる演劇は、独特の抑揚と演技の「間」が特徴的で、作品は多くの国で上演されている。日本でも代表作『だれか、来る』や『名前』などの作品が上演されてきた。

世界的に評価されているヨン・フォッセ氏は、イギリスのブックメーカーによるノーベル文学賞の受賞者予想で2023年も上位につけていた。(ANNニュース)

りんご酢の効能

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世界最優秀ソムリエ・田崎真也氏の監修によりる。独自の製法を応用して、料理やドリンクを一流の味わいに導きくタマエノ制リンゴ酢。グルテンフリー(小麦粉不使用)・食塩不使用で健康志向の方にもオスメ。


リンゴ酢には穀物酢と比べ、カリウムが豊富に含まれています。 カリウムには体の中の余分なナトリウムを排出させて、高血圧やむくみを防ぐ効果がある。カリウムの利尿作用により、塩分とともに余分な水分を尿として排出させるため、血圧を下げたり、むくみを改善・予防する効果がある。

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ミステリー・セレクション・浅見光彦シリーズ13 須磨明石殺人事件

BS TBS 202310/613:5516:00 


内田康夫原作・浅見光彦シリーズ第13弾。明石原人発掘調査に絡む女性記者殺人事件に光彦の推理が冴え渡る! 

本作は辰巳琢郎版・浅見光彦が見られる最後の作品となった。女性ゲストは馬渕英里何、物語のキーパーソン・田中実と網浜直子、最初は光彦を煙たがるおなじみの地元警察に柳沢慎吾と金田明夫という豪華な顔ぶれで、ドラマを盛り上げる。そしてシリーズの特徴でもある地元の情報も満載。明石海峡大橋や明石焼き、須磨寺や神戸・ハーバーランドなど明石・須磨・神戸の美しい風景も楽しめる。


◆キャスト

浅見光彦 辰巳琢郎 

浅見雪江 加藤治子 

浅見陽一郎 村井国夫 

崎上由香里 馬渕英里何 

榎坂警部 柳沢慎吾 

川上部長警部 金田明夫 

吉村奈美江 網浜直子 ほか 


【ストーリー】
浅見光彦(辰巳琢郎)は、「源氏物語」の取材で兵庫県の明石に行く事になった。例によって、母・雪江(加藤治子)も一緒だ。表向きはルポライターだが、探偵という裏の顔を持つ光彦は、人から事件解決の依頼を受けることも多かった。今回も、新聞記者・前田淳子(田中千代)の捜索を依頼されていたのだ。

淳子は二人組の男を追って須磨浦公園駅で後輩の崎上由香里(馬渕英里何)と別れたまま行方不明になっていた。光彦と由香里は淳子の足取りを追うが、鉄拐山でその死体を発見する。光彦は地元刑事・川上(金田明夫)と由香里の通う女子大の教務課職員・篠原愛子(ふせえり)と協力して、淳子が追っていた二人組の男を捜す。淳子が明石原人発掘調査のことを調べていたと知り、研究会の会長の家を訪ねた。会長の家は明石焼きの店だった。店内では吉村春夫(田中実)が、黙々と明石焼きを焼いていた。吉村を会長だと思った光彦だが、中から会長・巖根(丸岡奨詞)が出てきて、会のメンバーの写真を見せてくれた。その中に由香里が目撃した二人組の男の一人・松木(永倉大輔)を発見する。松木は須磨浦公園駅で淳子と会ったことを否定したが、光彦は松木の動揺ぶりから何らかの関係があると確信した。

しかし次の日、松木が死体となって発見された。光彦は二人組のもう一人の男の行方を追う。そんな時に光彦は10年前に起きた、女子大生行方不明事件を知る。被害者の志水美也子(高橋奈弓)は、篠原の友人だった。光彦は今回の事件と何か関係があると睨んだ。

◆スタッフ

原作:内田康夫

脚本:石原武龍

監督:佐々木章光

TBS 2000年制作


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『須磨明石殺人事件』内田康夫

大阪の新聞社に勤める新人記者・前田淳子が失踪。依頼を受け、神戸に飛んだ浅見光彦は、淳子と最後に会った女子大の後輩・崎上由香里と捜索を始める。明石原人を取材中だった淳子を付け狙う謎の男の正体は。

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【感想】神戸から須磨周辺を綿密に取材されたらしく、港街のエキゾさと歴史のある六甲地域について魅了ある景色となっている。個人的には単身赴任で、阪神から神戸まで散策した想い出が蘇ってきた。それだけでも読んで良かったと思う。『神戸殺人事件』があまり取材されてなかった分、『須磨明石殺人事件』は舞台描写とストーリー展開も楽しめた。

テレビドラマのほうもきっと、海岸線や明石海峡などが、映像作品として堪能されると思う。


内田康夫 1934年、東京都北区生まれ。コピーライターなどを経て、1980年、自費出版で『死者の木霊』を発表。この作品が、「朝日新聞」の読書欄に取り上げられ、自費出版としては異例の注目を浴び、鮮烈なデビューを飾る。その後、『後鳥羽伝説殺人事件』で、後に国民的名探偵となる浅見光彦をうみだし、押しも押 されもせぬ人気推理作家となる。浅見光彦シリーズは『棄霊島』で光彦100事件目を迎えた。また同シリーズはドラマ化もされお茶の間でも人気の存在に。

2023年10月 4日 (水)

でかい冬瓜です!

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向井理主演ドラマ「パリピ孔明」

紀元23世紀に力を振るった中国の軍師・諸葛亮孔明が現代日本にワープした物語設定。初回は向井理演じる孔明が、ハロウィーンの渋谷とおぼしき狂乱の街で若者らの波で、クラブでプロ並みにシェーカーを振る姿などが描かれた。

ヒロイン・英子(上白石萌歌)が歌い、人気シンガー・ミア西表(菅原小春)が圧巻のダンスを披露するクラブシーンの絢爛映像は、SNSで視聴者の話題になった。森山未來、ディーン・フジオカ、関口メンディーらキャスト陣も楽しみだ。


千葉雄大と伊藤沙莉の主演だったNHKドラマ『いいね!光源氏くん』を連想させるノリだだった。


脚本の根本ノンジ氏は来年度後期の朝ドラ「おむすび」の脚本を、演出の渋江修平氏は江戸川乱歩や星新一の作品ドラマの演出として、いずれもNHK番組を手掛けた。


フジテレビ系ドラマ「パリピ孔明」

毎週水曜日の夜放送中

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/10/02/kiji/20231001s00041000736000c.html

2023年10月 3日 (火)

『奥田英朗クライムサスペンス 邪魔 主婦が堕ちた破滅の道』字幕放送

BSテレ東2023104() 1256分~1456


及川恭子は会社員の夫・茂則と子ども二人と幸せに暮らす主婦。ある夜、夫が宿直中の会社で火災が発生。茂則は軽いヤケドを負っただけだったが、警察は放火事件として捜査を始める。本城署刑事・九野薫は関係者の証言などから火災の第一発見者である茂則の犯行を疑う。九野から夫に疑惑がかかっていると聞かされた恭子の心は乱れ、やがて真実から目を背けるかのように大胆な行動をとり始める。


【出演者】

 及川恭子石田ひかり

 九野薫中村獅童

 及川茂則宅間孝行

 工藤和正矢島健一

 佐伯実徳井優

 花村義明堀部圭亮

 林葉将太螢雪次朗

 吉田純子阿知波悟美

 大倉一郎小沢和義

 井上貴司田中幸太朗


【あらすじ】

会社員の夫・及川茂則(宅間孝行)と2人の子どもと暮らす主婦・恭子(石田ひかり)は、スーパーでパートをしながら平凡ながらも幸せな生活を送っていた。ところがある日、夫の勤務先のシンテクト本城支社で火災が発生して、宿直中の夫がケガをして入院した。幸いにも軽傷で、恭子はほっと胸をなで下ろした。

1発見者の茂則の証言で、不審者による放火事件として警察が捜査をすることになった。警察はシンテクトが以前に、ある政治団体とのトラブルから、その報復行為の可能性を前提に捜査をする。 

本城署刑事の九野薫(中村獅童)と井上貴司(田中幸太朗)はシンテクト社員から事情聴取するのが、当初は茂則が当直ではなかったのに、会計監査があるという理由で、経理責任者の茂則が急遽宿直になったという。

茂則本人から事情を聞くため病院に行くのだが、本人は事件関与を否定する。しかし茂則が最近新築一戸建てを購入したことや、ギャンブルにはまっているのが判明。茂則への疑いが深まる中で、妻・恭子に不審な動きが見えてくる。


【原作】奥田英朗『邪魔』(講談社文庫)

【脚本】金子ありさ

【監督】白川士

テレビ東京 2005年制作

【エンディング曲】

「はじまりのうたが聴こえる」

 歌・作詞:華原朋美

 作曲:小室哲哉

 編曲:武部聡志

(ユニバーサルJ)


ドラマは後半まで追い詰められて、逃げ場を失ってゆく。何とも救われない話しで、ラストは唐突に終わってしまう。

小説と違って、映像作品は視覚的な落ちどころを脚色演出しなければならない。

テレビ東京としても意欲ある企画製作だと思うドラマ化だった。


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『邪魔』奥田秀朗(講談社文庫)

この小さな幸せは、誰にも壊させない。

2002年版「このミステリーがすごい!」第2

4回大藪春彦賞受賞


及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。


その幸福は、本物ですか?
ほんの小さなきっかけから、追い詰められてゆく人たち。
平穏な日々が、暗転するーー。

ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。
心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。
怖がることなんか何もない。
うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。何も起こるわけがないじゃないか。

ほんの小さなきっかけから追い詰められてゆく人たち。
どうして自分が、こんな目に。


「自分は今迄他人に運転を任せていた、これからは自分がハンドルを握っていかなければ」
(本文より)

妻を事故で亡くして以来、不眠症に悩まされている刑事・九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始めるーー。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作。

2段組454pの長編群像劇。

2001年 写真:高橋和海 装幀:鈴木成一デザイン室


奥田秀朗 おくだ・ひでお
1959
年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。

著書に『最悪』『イン・ザ・プール』『マドンナ』『ガール』『サウスバウンド』『無理』『噂の女』『我が家のヒミツ』『ナオミとカナコ』『向田理髪店』『罪の轍』など。

映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。

2023年10月 2日 (月)

アニメ『いきものさん』”ハローハローいきもの祭り”開催!全12話(主音声+副音声)を東映アニメーションミュージアムチャンネルにて公開

『いきものさん』最終話

「朝の回」だった。終わりなのに、ハロー、ハローなんて。「Hello goodbye」な景色を屋根から観る二人でした。

https://www.moview.jp/959055473.html


『いきものさん』最終話の副音声

深夜テレビとはいえ全国ネットで、アニメーションの遊びの楽しさが放送されるとは。

〈いきものになりたい「いがぐり」とそれを叶えてあげたい「犬」の日常を描くショートアニメ。ふしぎで気持ちいいいきものさんの世界へようこそ!〉

これを東映アニメーションが製作してるって、シュールなことです。


最終話でついにいがぐりと犬のキャストによる副音声が実現。本編では言葉を発しない2人が挑む副音声とは一体どんなことになるのだろうか!?

https://youtu.be/RbVzzx0dex4?si=JnHFRxjteP8vM6nF


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アニメ『いきものさん』ハローハローいきもの祭り開催!全12(主音声+副音声)を東映アニメーションミュージアムチャンネルにて公開

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000278.000059287.html


202377日(金)~2023929日(金)放送

MBSTBS系列スーパーアニメイズム枠おしりにて

12

キャスト いがぐり:誠(ヨネダ2000

犬:浦井のりひろ(男性ブランコ)

女の子:愛(ヨネダ2000

ゴリラ:平井まさあき(男性ブランコ)

スタッフ 原作:ゲーム「マイエクササイズ」

監督・脚本:和田淳

色彩設計:尼子実沙

音響監督:滝野ますみ

音楽:高橋宏治

主題歌:猫戦

企画:松原一哲

企画・プロデュース:土居伸彰

プロデューサー:高田伸治 亀井博司

アニメーション制作:ニューディアー

製作:東映アニメーション

2023年10月 1日 (日)

BS松竹東急「よる8銀座シネマ」では石坂浩二が主演映画「金田一耕助シリーズ」を放送

石坂浩二×市川崑監督によるヒット作「犬神家の一族」

同シリーズは横溝正史の推理小説が原作。石坂演じる主人公の私立探偵・金田一耕助が事件の謎を解き明かす独特のスタイルと、市川崑監督によるショッキングでありながらユーモアを散りばめた演出が話題を呼び、1976年公開のシリーズ1作目となる映画「犬神家の一族」は大ヒット作となった。

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10月2日(月)夜8時からは、そんな話題作「犬神家の一族」の“4Kデジタル修復版”を放送。日本の製薬王と言われた犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が不可解な遺言状を遺して他界。犬神家の顧問弁護士の助手が金田一に助力を求める手紙を送るが、金田一の到着を待つことなく毒殺されてしまい…。


10月3日(火)夜8時からは、1977年公開の石坂×市川コンビ第2弾「悪魔の手毬唄」を放送。舞台となるのは、文明社会から隔絶された山深い県境にある鬼首村。古い因習に支配されたこの村で、仁礼家と由良家は20年前より対立していた。由良家に詐欺師が入り込み、殺人が起きたため、磯川警部に呼ばれた金田一だったが…。


10月4日(水)夜8時に放送されるのは、1977年公開のシリーズ3作目「獄門島」だ。瀬戸内海の中ほどに位置する「獄門島」と呼ばれる小島では、網元の二大勢力である本鬼頭と分鬼頭が対立していた。引揚船の中で死亡した鬼頭千万太の遺書を了然和尚に届けるために金田一が獄門島を訪れた3日後、千万太の通夜の日に、本鬼頭家の三女が梅の古木に吊るされた遺体で発見され…。


10月5日(木)夜8時からは、1978年公開のシリーズ4作目「女王蜂」を放送する。伊豆・天城の月琴の里にある大道寺家。その家の娘・智子に求婚していた遊佐三郎が、大道寺家にある大時計の内部で、歯車に引き裂かれて死亡する事件が起こった。金田一は、19年前の事件の真相を解明してほしいと依頼され大道寺家を訪れるが…。


10月6日(金)夜8時より放送の「病院坂の首縊りの家」は1979年公開のシリーズ第5弾だ。渡米用のパスポート写真の撮影に写真館を訪れる金田一。すると、写真館の主人・徳兵衛に身辺調査の依頼をされる。その夜、徳兵衛の息子・直吉は、縊死(いし)事件があったという法眼家の洋間で結婚写真の出張撮影を頼まれるが…。ちなみに同作には、老推理作家役として原作者の横溝本人も出演している。

【原作】横山秀夫『永遠の時効』ドラマ

捜査一課の強行犯係に所属する田中武次は、自分を「人の恨み方を知っている人間」と話す取調官。ある日、暴行を受け保護された丹羽奈保子を聴取した田中は、曖昧な供述からストックホルム症候群を疑う。同じ頃、奈保子が保護された場所近くの沼から白骨死体を乗せた車が発見される。2つの事件を巡り刑事たちの功名心とライバル心が火花を散らせる。新聞社も巻き込んだ群像サスペンスの傑作が誕生!


【出演者】

 田中武次中村俊介

 朽木泰正田中哲司

 楠見光石研

 尾関伊武雅刀

 田畑昭信矢島健一

 屋敷相島一之

 阿東久司鈴木一真

 魚住貴子洞口依子

 田中秀子岡本麗

 安土菅田俊

 丹羽奈保子入来茉里

 丹羽文代栗田よう子

 赤坂唯田代さやか

 森隆弘鈴之助

 殿村川口力哉 


【内容】

山梨県警本部で殺人などの凶悪事件を扱う捜査一課の強行犯係は、3つの班に分かれ、互いにシノギを削っている。少しでも多く早く事件を解決し、次のヤマを食う彼らを突き動かしているのは、その強烈なライバル意識だ。一班の主任・田中武次(中村俊介)は、腕利きの取調官。自分のことを「人の恨み方を知っている人間」だと言う田中は、心に闇を抱えている。


屋敷(相島一之)率いる特殊班に駆り出された田中は、何者かに拉致され性的暴行を受けた丹羽奈保子(入来茉里)の聴取を行っていた。2人組の男に監禁され山奥で放置されたというが、供述がどこか曖昧だ。そんな奈保子を、田中は極限状態の中で犯人に愛情を抱くストックホルム症候群であると推測。報告を聞いた刑事部長・尾関(伊武雅刀)らは、奈保子を医療機関に託すべきか考え出すが、楠見(光石研)は、何かを見落としていると指摘する。


そこへ白骨死体を乗せた乗用車が、沼から発見されたとの一報が入る。奈保子が保護された場所と沼が近く、捜査中に偶然発見されたという。所有者は、10年前の12月に家族から捜索願が出ていた、ホステスの赤坂唯(田代さやか)。事件を任された一班は、車の移動経路などから不審な点に気づく。さらに当時、車両ナンバーの自動読取システムを調べるよう促した新聞記者がいたことがわかり、事件性を疑う。


田中と森隆弘(鈴之助)は、唯が働いていたスナックのママ・魚住貴子(洞口依子)に会いに行く。唯は貴子に、近く店を辞めることをほのめかしていた。しかも常連だった東西新聞の記者・阿東久司(鈴木一真)が、唯の失踪後から店に来なくなり、直後に別の女性と結婚していた。翌日、2人は阿東のもとに向かうが、任意同行を拒否されてしまう。


動機と状況証拠が揃い始めた唯の事件は、阿東の犯行である線が強まるが、物証が弱い。そこで阿東を引っ張り出すため、朽木と田中は、東西新聞へ乗り込む。その頃、奈保子は楠見に連れられ、取調室の中にいた。沼から死体があがったと告げると、奈保子は驚きの表情を見せる


【原作】横山秀夫『永遠の時効』

    (集英社「小説すばる」所収)

【脚本】窪田信介

【監督】榎戸耕史

【制作】テレビ東京 


雑誌「すばる」に掲載れた原作小説は、単行本に収録さないままドラマ化された。

決して明るく笑う話ではないので、シリアスな人間の病を扱っている短編小説をテレビドラマに脚色したなと感じる。

実は二時間ドラマは長編小説を原作にすると、破綻するか消化不足になる。映像作品を文字にすると、30分番組で20数枚となる。400字原稿で20枚を、二時間ドラマの脚本に換算すれば、80100枚に描くこととなる。原作小説は長編だと当然300枚から400枚以上であり、企画の本質が問われる。シナリオが300枚内容のストーリーだと、二時間ドラマは破綻する。でも長編原作という企画から簡単に製作を進めてしまうのです。

冷静になってみれば、短編小説と中編小説の分量が、映画やテレビ番組に適してます。今回のドラマ化に短編が選択されたのは、正しいプロデュースと演出判断がされておりました。久々にドラマ制作の正しいありかたを拝見致しました。

雨雲が立ち込める朝

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