西村京太郎サスペンス「伊香保温泉殺人事件」 TBS
内藤剛志主演の新・十津川警部シリーズ第2弾。十津川警部に内藤が、十津川が信頼する亀井刑事に石丸謙二郎が扮する。
都内で記憶をなくした血まみれの男性が保護されたことから十津川警部が捜査に乗り出す。同じ頃、伊香保温泉では女性の刺殺死体が発見される。2つの事件をつなぐ、竹久夢二の作品に秘められたミステリーとは? 2017年作品。
2023年10月29日16時〜17時54分 BS TBS放送
【ストーリー】
ある朝、都内でパトロール中の警察官が顔と衣服に血がべっとりとついた男(阿部亮平)を保護した。その血液型が男のものと異なることから事件性があるとされ、十津川警部(内藤剛志)と亀井刑事(石丸謙二郎)らが捜査に乗り出した。男が着ていた衣服には「高沢明」と記されていたが、男は記憶を失い自分の名を覚えていない。手掛かりは男が持っていた群馬県・伊香保神社のお守りだけだった。時を同じくして、伊香保温泉近辺で女性の刺殺死体が発見された。被害者の血液型が男の衣服に付着したものと一致したことから、群馬県警の平田警部(徳井優)と加納みずき刑事(紫吹淳)が上京し、十津川班の捜査に合流する。被害者の女性は所持していた運転免許証から、都内でワインバーを経営する原田あかり(西原亜希)と判明。あかりの部屋を捜索すると、保護された高沢明とあかりが一緒に写った写真が発見され、高沢とあかりをつなぐ動かぬ証拠が見つかった。しかしその矢先、高沢が収容中の病院から抜け出したと西本刑事(高杉瑞穂)から十津川に連絡が入る。
【出演】
内藤剛志、石丸謙二郎、笛木優子、紫吹淳、徳井優、阿部亮平、西原亜希、前田美波里、伊東孝明、高杉瑞穂、大迫茂生、齋藤めぐみ、モロ師岡、六平直政、西岡徳馬 ほか
プロデューサー 森下和清
ディレクター・監督 村田忍
原作 西村京太郎「会津高原殺人事件」
脚本 佐伯俊道
2017年オスカープロモーション/TBS
長編小説が原作なのに、実にすっきりと脚色がされて、佐伯さんらしいドラマシナリオだった。会津高原と伊香保の二つが舞台となる原作を、伊香保だけに絞って構成されている。
撮影はだいぶ楽になったのではないだろうか。
「会津高原」というタイトルははずされてしまった。小説は文章であってドラマは映像であると、優れて割り切っている。もの足らない人は原作をじっくり読めば良い。
『会津高原殺人事件』西村京太郎
会津若松、芦ノ牧、喜多方。十津川の推理が冴える。
記憶を失くした男のまわりで次々と起こる殺人。犯人の狙いは何か?
会津鬼怒川線開業記念のバッジを持った男が浅草で血に汚れて倒れていた。十津川警部は3日前に会津高原で起きた若い女性殺しとの関連を疑う。高沢という名前しか思い出せない男が病院から失踪した翌日、もう1人の「高沢」が殺された。記憶を失くした男の周囲で次々起こる殺人事件。十津川の推理が冴える。
十津川は関連事件が、作為的ではないかと疑惑を抱いた。潔白であると思い始めた矢先に明の元恋人・橋本ひろ子が現れる。
ひろ子と面会するが、明の記憶は戻らない。
翌日に源氏名・高沢あきら、原田あかりの勤務していた店が判った。彼女が勤めるクラブの常連で、2人は出会って意気投合し恋人関係になったらしい。
そして明とあかりのマンションが判明するのだけれど、両方とも何者かによって家財が取り払われていた。
数日後に十津川は捜査線上に浮かんだ、代議士・夏川の調査を亀井に依頼する。そんな時、明が精神病院から脱走した。十津川は同行を嘆願するひろ子を伴って、ある確信をもって会津にむかった。しかし調査を続ける中で、高沢明の名刺を所持した新聞記者と刑事が殺害されてしまうのだった。
西村京太郎 1930年東京都生まれ。
都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。
十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。
« 「 安乗の稚児」 伊良子 清白 | トップページ | ザ・ミステリー『小早川警視正 京都羅生門殺人旅情』BSテレ東 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント