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2023年10月19日 (木)

『箸墓幻想』内田康夫原作・浅見光彦シリーズ第31弾。

2000年から浅見光彦を演じてきた沢村一樹が今回で卒業、シリーズ12年間の集大成となる作品だ。歴史の都・奈良を舞台に、永遠の秘密が紐解かれ光彦を惑わせる。

「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」。万葉集・3−328。作者の小野老(おののおゆ)が奈良の都から九州の大宰府に赴任しているときに都を思い詠まれた短歌だといわれている。過ぎ去った過去への思い。出来事の全てが、この短歌のように儚く、焦がれる万感の思いへと至る。
このシリーズで多くの事を学んだという沢村が、ずっと苦楽を共にしてきたスタッフと共に「集大成となる作品」との思いを込めて撮影に臨んだ。母・雪江役の佐久間良子、兄・陽一郎役の風間杜夫らレギュラーメンバーに加え、草笛光子、松原智恵子、北村総一朗、そして沢村とは旧知の仲だという恵俊彰も迎え、歴史ロマン溢れる奈良を舞台に沢村版・光彦が活躍する。

【ストーリー】
ルポライター・浅見光彦(沢村一樹)は、雑誌「旅と歴史」が特集することになった万葉集の取材で久々に奈良を訪れた。「箸墓卑弥呼説」と「邪馬台国畿内説」を証明しようと独身を貫き長年、研究・発掘作業を続けていた畝傍(うねび)考古学研究所の顧問・小池拓郎(北村総一朗)が「人は生涯を費やしても贖うことのない罪を犯す」と「人と会う」という言葉を光彦に残したまま帰らぬ人となった。
奈良県警が捜査に乗り出すと、光彦も小池が間借りしていた當麻寺の為保住職(左とん平)の娘で研究所の事務員・有里(清水由紀)と共に事件を追う。小池の部屋に残されていた「おそろしいことだ」というノートへの走り書きと、事件現場で出会った小池の同級生の妹・溝越薫(草笛光子)が持っていた、どこか憎しみすら感じさせる表情の女性が描かれた肖像画。これらが光彦を事件捜査へと誘っていく。
そんな折、小池が長年追い求めていた銅鏡が、小池の後輩・丸岡(佐戸井けん太)の手で発見された。悲しい出来事の直後の、世紀の大発見に研究所の島田いづみ(河合美智子)らが喜んだのもつかの間、新たな殺人事件が起きてしまう。光彦は小池の過去にヒントが隠されているとにらみ、その謎の解明に挑む。


<出演者>

浅見光彦:中村俊介

為保有里:前田愛

丸岡孝郎:山崎一

島田いづみ:筒井真理子

美紗緒:淡路恵子

藤田克夫:小倉久寛

浅見陽一郎:榎木孝明

浅見雪江:野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫

企画:和田行、後藤博幸

プロデューサー:金丸哲也、武部直美、小林俊一

脚本:峯尾基三

演出:金佑彦

音楽:渡辺俊幸

制作:フジテレビ/東映


Img_6010 『箸墓幻想』内田康夫(光文社文庫)

邪馬台国の研究に生涯を費やした孤高の考古学者・小池拓郎が殺された。その直後、彼の発掘していた古墳から邪馬台国の手がかりと思われる銅鏡が発見され、考古学界は騒然となる。
浅見光彦は小池が寄宿していた当麻寺の住職から事件解決を依頼され、早春の大和路へ向かった。老考古学者が遺した一通の古い手紙と色褪せた写真──住職の娘・有里とともに事件を追う浅見は、いつしか時を超えた女達の妄執に搦め捕られてゆく。古代史のロマンを背景に展開する格調高い文芸ミステリー。


小説のなかで絵画に描かれたことを読ませてくれるのは、大変な技術と視覚描写が求められる。この長編小説では過去に描かれた油絵の女性がドラマの鍵になって、とても丹念に書かれている。考古学研究よりも面白かったのは絵画についての表現であった。

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