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2023年10月24日 (火)

「明るい方へ」「こだまでしょうか」金子みすず

「明るい方へ」金子みすず

明るい方へ

明るい方へ。

一つの葉でも

陽ひの洩もるとこへ。

藪かげの草は。


明るい方へ

明るい方へ。

翅は焦こげよと

灯ひのあるとこへ。

夜飛ぶ虫は。

明るい方へ

明るい方へ。

一分もひろく

日の射さすとこへ。

都会まちに住む子等は。



「こだまでしょうか」金子みすず


「遊あそぼう」っていうと

「遊ぼう」っていう。


「馬鹿ばか」っていうと

「馬鹿」っていう。


「もう遊ばない」っていうと

「遊ばない」っていう。


そうして、あとで

さみしくなって、


「ごめんね」っていうと

「ごめんね」っていう。


こだまでしょうか、

いいえ、誰でも。


『金子みすゞ名詩集』(彩図社)


金子みすゞ(本名、金子テル)

1903年に山口県長門市仙崎で生まれ1930年に26歳の短い生涯を閉じた童謡詩人。

詩人として活動したのは、年代的には、大正末期から昭和初期。その時代には鈴木三重吉が創刊した「赤い鳥」や野口雨情が編集長をした「金の船」(のちに「金の星」と改題)、などの童話童謡雑誌がたくさん創刊されて童謡の時代だった。

西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されて、童謡の世界に彗星のごとく現れてひときわ光を放った。

20歳で、4つの雑誌「童話」「婦人画報」「婦人倶楽部」「金の星」に投稿したすべての作品が掲載されるまばゆいばかりの鮮烈デビューをはたした。

「童話」には「お魚」と「打ち出の小槌」、婦人倶楽部には「芝居小屋」、婦人画報には「おとむらいの日」、金の星には「八百屋のお鳩」が掲載される。

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