浅見光彦シリーズ▼斎王の葬列
BSTBS ミステリー・セレクション2023/12/08(金)13:55〜16:00
伝説の地・滋賀土山連続殺人…皇女・斎王の祟り!?封印された34年前の衝撃の真相に名探偵光彦が迫る。<出演者>
浅見光彦:榎木孝明
小宮山佳鈴:高橋かおり
白井貞夫:梨本謙次郎
久米美佐子:島崎路子
望田:井原啓介
長屋明正:近藤弐吉
塚越綾子:河合亜美
江間:でんでん
藪:青島健介
喬木英一:清水章吾
浅見陽一郎:西岡徳馬
浅見雪江:野際陽子
ほか
斎王の群行が立ち寄ったと言われている場所のひとつに、垂水頓宮がある。その頓宮の跡地と言われている場所を地元の人々は御古址の森と崇めて、そこを踏み荒らすものには祟りがあると言われていた。
34年前に御古址の森で、野本末治が倒れた鳥居に押しつぶされた遺体が発見された。その傍らには神事の折に、人の代わりや憎しみや呪いの象徴となる青銅製の人形代があって「盗掘した祟りだ」との噂がたっている。
【原作】内田康夫「斎王の葬列」
【脚本】石原武龍
【監督】村上牧人
制作2009年
『斎王の葬列』内田康夫(角川文庫)
帝の名代として伊勢神宮に仕えた皇女たちの生涯は、儚い哀しみの歴史に包まれている。その斎王伝説を題材に、滋賀県土山町で映画のロケが行われていた。
ところが現場付近のダムで、男性の水死体が発見されて、容疑がロケ隊のメンバーにかかってしまう。
監督の白井は高校時代の旧友・浅見光彦に嫌疑を晴らして欲しいと依頼するが、その直後に第二の殺人が発生した。真相を追う浅見は、やがて34年前の皇太子御成婚前夜に起きた惨劇に辿りつくが――。
「斎王」にまつわる歴史的なことや知識が書かれて、展開が停滞する前半はなかなか進まない。現場に浅見光彦が登場するのは三割過ぎてからになり、映画のロケーションと刑事が堂々巡りしている。
後半の展開は実質一時間半のドラマより、原作小説のほうが充実している。人間心理や心のひだが細やかに書かれている。
加害者側にいる人物像が省略されているTVドラマは、上滑りのような結末へ向かってしまう。映画撮影となっている原作に対して、地方での演劇舞台というのもショボい感じだ。そして情感が今ひとつな印象は否めない。
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