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2023年12月12日 (火)

歌枕について

百人一首には地名を詠んだ歌が多くあり、それらの地名は「歌枕」という。

日本の名所は、特定の連想を促す語句としてよく用いられている。

名所の景色に思いを馳せて、歌の世界をより一層広げるのが歌枕である。


「田子の浦に うち出でて見れば 白妙(しろたへ)の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」山部赤人

(田子の浦に出かけて、遥を見渡すと、真っ白な富士の高嶺が見えて、今もしきりに雪が降り積もっている。なんと素晴らしい景色なのだろう)


「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」  坂上是則

(空がほのかに明るくなってきた頃に、有明の月かと見間違える明るさで、吉野の里には白雪が降ってるのだろう)


(大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立」  小式部内侍

(大江山を越えて、生野を通る丹後への道は遠いので、まだ天橋立の地を踏んでないし、母からの手紙も見ていない)


作者のいる京から大江山、生野、母のいる天の橋立と地名を詠みこんだ歌に、世間の噂は吹っ飛んだようである。巧みな才媛っぷりを歌いあげた句である。

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