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2024年1月23日 (火)

『棟居刑事の砂漠の喫茶店』森村誠一(光文社文庫)

『砂漠の喫茶店』 改題

帯広は間もなく定年を迎える刑事だ。彼の最近の趣味は、家の近所に見付けた喫茶店へ足を運ぶこと。そこで出会った人々との交流を楽しむ毎日を送っていたある日、雑木林で若い女性の変死体が発見された。帯広はその女性に見覚えがあり……。棟居刑事と共に捜査を進めるうち、別の女性の失踪事件やとある政治家の影が浮上する――。

都会のオアシスと思えた喫茶店には、事件の過去と繋がっている客がいたのだった。そして地引運転手が後半に、真犯人をロイヤルホテルから乗せた可能性が高まる。

棟居刑事が活躍する傑作サスペンス!

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ドラマ化されている原作だけれど、小説を読みながら、観ていない映像を想像しながら楽しんでいる。棟居刑事を片岡鶴太郎さんがどんな芝居するのか、キャストがどのように「砂漠の喫茶店」で出会い演技したりするのを、空想する自由もあるのだった。そして再放送されたら空想と見比べる愉しみがあるだろう。

都会を舞台にしているけど、砂漠とオアシスなど暗喩イメージさせる作者の詩的表現が、人物たちと絡みあって、角川春樹さんが作者に短歌などを薦めたほど惚れ込んただのがわかる。『砂漠の喫茶店』というタイトルに惹かれたとうり、素晴らしいエンタメであった。

★★★★★


「森村誠一の終着駅シリーズ砂漠の喫茶店」

雷雨の樹海で殺された女と失踪した女、愛犬の接点が真犯人を解く。

「主と寝やろか 百万石取ろか、なんの百万石要らぬ主と寝よ、そうきたか」


◇出演者

片岡鶴太郎、岡江久美子、ベンガル、遊井亮子、中原丈雄、勝部演之、山西道広、井田國彦、本宮泰風、清水めぐみ、鶴田忍、赤羽秀之、市川勇、前田淳、神戸みゆき、真夏竜、平井真軌、三夏紳、石原和海、笠井一彦、磯部さちよ、大浦理美恵、西山知佐、如月ゆり、石田哲也、住吉五月、中島大介、大橋彩香、渡辺火山、浦山顕、鈴木信明、鷹觜喜洋子、加藤広恵、中西台治、でんでん、増沢望、西田健、秋野太作 


◇あらすじ

定年間近の老刑事・帯広は小さな喫茶店をみつけて、常連客と顔見知りになった。地引というタクシー運転手(ベンガル)とは、よく時間がかさなる。

店にはフリーライターの菊川(市川勇)、高層作業員の弘中(前田淳)、銀座のホステス・藤江(遊井亮子)など顔見知りの客が店主・北出(西田健)のコーヒーを味わっていた。

地引に言わせると東京の人間砂漠の中のオアシスで、牛尾もこの言葉に同感だった。寛いだ雰囲気の中、若い女(磯部さちよ)が、「犬を表につないでおいてよいでしょうか」と北出に声をかけてきた。牛尾が帰りがけに見ると、可愛いダックスフントが外に繋がれていたのだった。

数日後、牛尾は喫茶店コロポックルの表でまたダックスフントを見かける。ところが店内に入っても飼い主の女性の姿が見えない。北出によると、三日ほど前に連れてきた犬をそのままに帰ってしまったという。どうやらダックスフントは飼い主の女性から捨てられたらしい。

翌日に山梨県富士署の高倉刑事(真夏竜)が新宿西署に現れる。

富士山麓の樹海で若い女性の首吊り死体が発見されたのだが、その女性の住所が新宿西署管内だというのだ。女性の現場写真を見せられた牛尾は仰天する。コロポックルに犬を置いていった女性だった。彼女は新宿のクラブホステス・門井純子で、高倉によると現場の状況から自殺と断定するには少々疑問が残るという。高倉と純子のマンションに向かった牛尾は、残高が5千万円近くの預金通帳を発見する。何かホステス以外の収入源があったらしい。さらに妊娠・出産に関する本が、何冊も残されていた。高倉の話では、彼女は妊娠5カ月だったという。妊娠に関する本には、犬や猫を媒体として母体に影響を与える病気の項目にアンダーラインが引かれてあった。どうやら純子は、感染や病気を恐れて、泣く泣く犬を捨てたらしい。アルバムを見た牛尾は愕然とする。そこには彼女の子供のころからの家族写真が貼ってあったのだが、牛尾にとっては忘れることの出来ない顔が写っていた。十年前に資産家夫婦を殺害した容疑で門井正作(石田哲也)という男を逮捕した。そのとき十二三歳の門井の娘が、「お父さんは悪い人ではありません」と泣き叫んで牛尾を睨みつけた。門井は無罪を主張したが死刑の判決を受け獄中で病死した。そして1年後に、この事件の真犯人が捕まったのだ。明らかに誤認逮捕であり、牛尾にとってはいつまでも心の傷として残る痛恨事だった。その娘こそ富士の樹海で、不審死を遂げた純子だった。調べを進めるうち、純子が死んだのと時期を同じくして、彼女の同僚・村川弘美(大浦理美恵)が行方不明になっている事実が浮かんでくる。鍵は二人の勤めていたクラブにあるのではないか。牛尾から話を聞いたコロポックルの常連・藤江は自分がその店に鞍替えして情報を掴んでくると牛尾に協力を申し出る。


(企画協力:角川書店)

(製作担当:山田光男)

(製作調整:藤並俊一郎)

(製作主任:大橋和男)

音楽 大野克夫(選曲:小原孝司)(音響効果:大泉音映)

MA:関谷 行雄(映広))

(音楽協力:テレビ朝日ミュージック)

(制作:東映(東京撮影所)EX

テレビ朝日2006年放送

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