『十津川と三人の男たち』西村京太郎
『十津川と三人の男たち』西村京太郎
<四国=東京駒沢=軽井沢>
特急列車の事故と連続殺人を結ぶ鍵とは?
十津川は事件の意外な真相を見破った――
JR土讃線で特急南風9号が脱線。大手薬局チェーン会長大河内の姪で営業部長の由美が、四国の三人組ローカルお笑いタレントによって車中から救出された――感謝した大河内は三人に全国ネットのTV番組を提供する。動物探偵トリオというコミカルな番組設定で、彼等の発案も生かされて制作されるのが面白い。一か月足らずで、人気番組となるのだが、出演料金を上げろというと、なんと特別手当で一千万円が振り込まれる。
そして駒沢の公園では羽田自動車社長・羽田五郎が、サイレンサー改造拳銃で射殺された。十津川警部が捜査に乗り出すが、その後、軽井沢で強盗殺人事件が発生し、丸田幸恵が殺害される。
警視庁と長野県警の合同捜査になり、やがて二つの殺人事件の容疑者として三人組のお笑いタレントが浮上して、身柄を確保し取り調べが始められた。
三人組が事件に巻き込まれていく展開はスリリングなのだけれど、十津川からの捜査の描写がやたらと複重して、同じ経過を何度も読まされる。刑事部署の違いから、また事件経過について語られるのは、小説としての機能が良い方向に働いてない。多忙な原稿に追われて書かれたのは、句読点の異様な多さにも現れている。編集者は読者側に立って推敲すべきだろう。
三人組の犯罪過程については、しつこい繰り返しがあったのに、結末は読者任せになってしょぼい結末。
前半が色々と工夫されたミステリーだけに、後半はご都合な展開というかエンタテイメントとして、どうかなと残念な作品。
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