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2024年2月29日 (木)

田中みな実(タナカ ミナミ)

 俳優。1986年11月23日生まれ、埼玉県出身。A型。フラーム所属。青山学院大学文学部出身で、『2007ミス青山学院』で準ミスに選ばれる。卒業後の2009年、TBSに入社。同局系『サンデー・ジャポン』、『爆報!THEフライデー』、『有吉ジャポン』、『ジョブチューン』などの番組を担当。

14年9月、TBSを退社しフリーに転向。以降、カンテレ『グータンヌーボー2』、テレビ朝日『あざとくて何が悪いの?』などでMCを担当。21年、『ずっと独身でいるつもり?』で映画初主演、23年、『悪女について』でドラマ初主演を果たす。ドラマ『絶対正義』(19年)、ドラマ『M 愛すべき人がいて』(20年)、ドラマ『最愛』(22年)、ドラマ『吉祥寺ルーザーズ』(22年)などに出演。美容に対する意識が高く、女性からの支持も厚い。

サントリー「こだわり酒場のタコハイ」

サントリー「こだわり酒場のタコハイ」「こだわり酒場のタコハイの素」を全国で発売している。それに伴いCMキャラクターに田中みな実さんを起用して、「こだわり酒場」ブランドのである梅沢富美男さんと共演する新CM「なに味なの?」篇(15秒)を全国でオンエアしている。


タイトル「なに味なの?」篇(15秒)

出演:田中みな実/梅沢富美男

放映開始日: 2023年3月7日(火)

放映地域 :全国

CM本編URL  https://www.youtube.com/watch?v=i1yFQQX4AzE

 

  CM映像はYouTubeサントリー公式チャンネルでもご覧いただけます。

  ▼「こだわり酒場」ホームページ http://suntory.jp/kodawari/

2024年2月27日 (火)

〈バニラの香りと記憶力〉

〈バニラの香りと記憶力〉

リラックス作用があるバニラの香り、怒りや不安を鎮めて、緊張やストレスをほぐす。

気持ちを前向きにして幸福感を与えてくれる。脳の大脳辺緑系の中にある記憶をつかさどる海馬には、香りや匂いがダイレクトに届く。バニラの香りを目覚めに嗅ぐと、それは鮮烈に脳に残り記憶力に働く。


レモンの香りがすると映像の動きが遅く、バニラでは速く感じられ、脳の働きの変化も確認した研究成果がある。脳は異なる感覚を併用して、影響させ合いながら情報を処理している。これは「クロスモーダル現象」といわれて、脳の情報処理はまだまだ謎が多く、ブラックボックスに近いらしい。

https://aroma-guide.net/essential/vanilla.html


認知科学評論家:中野信子さんによれば

バニラの香りには記憶力を良くする効果がある。バニラの香りで一杯にさせた部屋で覚えさせた群とそうでない群では、覚えている量が違うという結果が出た。

さらにバニラの香りには強壮効果、リラックス効果もある。食べると抗菌効果が期待できて感染症予防になる。

 ●恋愛中は甘さをより感じやすい。

恋をすると活動する脳の前帯状皮質は、甘さを感じる部分と一緒。恋をすると甘さを感じたときと同様に脳の前帯状皮質が活性化する。

2024年2月26日 (月)

のりたま御飯と願い

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「思うようにいかないのが人生というもの。「願いが叶う」とか「夢が叶う」っていう類の本がいっぱい出ているけれど、あれはいかにみんなの夢や願いが叶わないかっていう証明みたいなもの。」高田純次

2024年2月25日 (日)

警察小説の型を壊したい『地層捜査』 ドラマ再放送

〇一〇年に法律改正されて、殺人事件の時効廃止になった。警視庁の警部補・水戸部裕は、一九九五年に荒木町で起きた殺人事件の再捜査を命じられた。

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日曜ミステリー「警視庁特命刑事二人〜新宿・荒木町コールドケース〜」

BSテレ東京・本日14時〜16時放送

警視庁特命課・水戸部(松重豊)と千津子(山本未來)20年前に起きた殺人事件の再捜査を命じられる。当時、殺された光子(国生さゆり)所有のアパートを巡るトラブルが疑われたが未解決のまま。刑事部長・森末(益岡徹)曰く、光子の死後にアパートを買い上げ世間に叩かれた政治家の父親の汚点を払拭したいと息子の邦彦(伊東孝明)から依頼があったという。そんな名誉のために始まった形だけの再捜査が辿り着いた真実とは

【出演者】

 水戸部裕松重豊
 朝香千津子山本未來
 森末哲平益岡徹
 中島翔太皆川猿時
 杉原光子国生さゆり
 柳瀬信也眞島秀和
 笠井理香高橋かおり
 渡辺邦彦伊東孝明
 大西孝二ビートきよし
 沖田勝大西武志

 国枝征二郎上杉祥三
 笠井佳子永池南津子
 国枝征之寿大聡
 加納良一柄本明
 山岸亘宅麻伸

【原作】佐々木譲「地層捜査」(文藝春秋 刊)
【脚本】安井国穂

【監督】渡邊孝好


ドラマ舞台となる荒木町は、路地が多い。石畳の坂があり崖があり、崖下には池がある。芸者はもういなくなったが、花街の残り香が漂っている。

原作となっている『地層捜査』 佐々木譲 は、歴史的な視点から四谷の裏通りが丹念に描写させている。

https://www.fami-geki.com/detail/index.php?fami_id=04247


【あらすじ】

1995年に東京・荒木町で起きた老女殺人。確たる手がかりもなく、未解決のままだったこの事件が、2010年の公訴時効撤廃を受けて再捜査の対象となる。捜査一課の水戸部と、以前この事件を担当していた地域指導員加納は、当時の捜査本部が着目した土地トラブルを追いながら、かつては芸妓、後に置屋の女将として生きた老女とこの街の記憶に目を向けていく。そう、事件の「地層」を掘り起こすのだ——


『地層捜査』解説 『地層捜査』 (佐々木譲 著) 書評 - 本の話

四谷荒木町で働いてたことがあり、江戸でも珍しい土地だったと感じる。「花街」だったのか、匂う街並みではある。芸能関係者が住んでいる町でもある。

https://books.bunshun.jp/articles/-/3076


警察小説の「型」を壊したい 『地層捜査』 (佐々木譲 著) | インタビュー・対談 - 本の話

https://books.bunshun.jp/articles/-/2497


「私の原作を舞台にしてくれた演出家の方が荒木町の出身で、『荒木町は花街だったんですよ』と話していたことを思い出しました。そういえば、深川や向島、浅草などの花街は、幾度となく小説や映画の舞台になっているけれど、荒木町はまだあまり書かれていないな」

2024年2月24日 (土)

『螺旋状の垂訓』森村誠一

六本木のラブホテルで若い女性の扼殺死体が発見された。行きずりの犯行とみられるなか、容疑者として鮫島保之が浮上した。

その頃、二件のホステス殺人事件が別の場所で起きた。石野和枝は絞殺死体で発見。また山岡明子は鈍器で頭を殴られ殺されていた。 

だが意外なことに二人には高校の友人という不思議ながあった――。蘇る過去の出来事と怨念とは?


殺人プロジェクト!?――4件の殺人を結ぶ螺旋状の絆。読者を「欺かれる快感」に酔わせる、本格推理の輝かしい傑作。空前絶後の超絶トリックと人間への深い洞察は驚嘆に値する。(解説・大野由美子)

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土曜ワイド劇場 森村誠一の終着駅シリーズ『螺旋状の垂訓』

TVドラマの牛尾刑事シリーズ

六本木で出会った未知の男女。女は殺され、男は失踪した。続いて発生する連続殺人事件。捜査の展開に伴い、見込んだ容疑者が次に殺される予測される人がであるのだが・・・、一見無関係の連続殺人を結ぶ共通の糸は何か?捜査陣と奸智に長けた犯人との手に汗握る攻防。次第に恐るべき犯罪の深層構造が浮かび上がる。用意された驚くべき結末は、鉄壁のアリバイはどうして崩せるのか・・・やはり過去の事件に絡んだ人物たちから・交換殺人が疑われたが・・・・

アリバイ作りは死亡推定時間をいかに遅らせるかにかかっているが・・・・

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終着駅シリーズ「殺人同盟・理科室の夜の秘密!!

キャスト

牛尾正直 片岡鶴太郎

牛尾澄枝 岡江久美子

高林優子 櫻井淳子

大谷圭子 角替和枝

柴田清子 伊藤裕子

大谷 恵 大村彩子

石野和枝 霧島れいか

山岡礼子 豊川栄順

鬼頭勝也 大西信満

木崎 真 不破万作

三村昌代 大寶智子

石野 勝 池田政典

木下智子 蜷川みほ

藤岡刑事 大門正明

河西刑事 地曵 豪

大上刑事 増沢 望

山路刑事 徳井 優

西谷刑事 石原和海

海野鑑識官 笠井一彦

七咲友梨

岩田エツコ

紫 とも

吉原朱美

宇山けん

真田あゆみ

川島えりな

藤井真世

小鷹こるり

岩田麻衣

鈴木信明

大和田萌

大谷紳平 矢崎 滋

坂本課長 秋野太作

原作 森村誠一 「螺旋状の垂訓」

脚本 橋本 綾

音楽 大野克夫

監督 池広一夫

制作 tv asahi・東映

ET

BoA  Smile again


森村誠一の終着駅シリーズ-第22作(2009年) 「殺人同盟」 : オールキャスト2時間ドラマ

http://blog.livedoor.jp/hassy1936-gorin/archives/67003271.html

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『孤独まんが』ちくま文庫

落伍、無用、風狂、隠遁

ぼっちを生きるまんがアンソロジー

目次を見ただけで、購入しましたね。


【収録作】―諸星大二郎「地下鉄を降りて……」、いましろたかし「おへんろさん」、近藤ようこ「白粉小町」、ハン角斉「黒い蝶」、永島慎二「仮面」、太田基之「石を買いに来た女」、滝田ゆう「お通夜の客」、ジョージ秋山「パットマンX(抄録)」、篝ジュン「日常生活」、うらたじゅん「思い出のおっちゃん」、つげ忠男「夜の蟬」、かわぐちかいじ「あぶれもん」、安部慎一「久しぶり」、斎藤潤一郎「沼南」、つげ義春「山椒魚」、水木しげる「紙魚」、穂積 「それから」、カシワイ「ひとつの火」(原作・新美南吉)


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【目次】

落伍

地下鉄を降りて…… 諸星大二郎

おへんろさん いましろたかし

白粉小町 近藤ようこ

黒い蝶 ハン角斉


無用

仮面 永島慎二

石を買いに来た女 太田基之

お通夜の客 滝田ゆう

きびしい試練「パットマンX」より ジョージ秋山

日常生活 篝ジュン


風狂

思い出のおっちゃん うらたじゅん

夜の蟬 つげ忠男

あぶれもん かわぐちかいじ

久しぶり 安部慎一


隠遁

沼南「武蔵野」より 斎藤潤一郎

山椒魚 つげ義春

紙魚 水木しげる


エピローグ

それから 穂積

ひとつの火 カシワイ(原作・新美南吉)


編者解説 山田英生


https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480439246/


このちくまマンガシリーズは、編集になみなみならない情熱を感じます。

マンガが総合メディアとして、確信犯をやってた時代だったのかもしれませんね。月刊漫画ガロも異色作家特集号を刊行してました。ぼくはこの時代に憧れて、メディア関わってきました。

若い人たちに読んで欲しい、考えるマンガの世界であります。マンガって難しいことを、小説以上に描写することが可能なジャンルでもあります。

商業マンガでは遠ざかっていたエッセンスが満載されたアンソロジーです。

『日常生活』篝ジュンは「美術手帳」の付録マンガ特集に収録されていた作品。このシュールな日常描写だけでも、読む価値ありますね。

美術評論家の石子順造さんを思い出す内容です。

2024年2月22日 (木)

『ユタを愛した探偵』浅見光彦シリーズ

『ユタを愛した探偵』浅見光彦シリーズ

 南沖縄観光協会主催の『ブクブク茶』をたしなむという茶席に光彦(中村俊介)は母・雪江(野際陽子)と共に招かれていた。同じ席には取材のために北区ケーブルテレビ局も来ており、光彦と顔馴染みの女性記者の聡子(奥貫薫)も、珍しくて滅多にご相伴には預かれない『ブクブク茶』なるものをたしなんでいた。
 その席で光彦は、母を通して会の主催者である比嘉(藤木勇人)と式香桜里(知念里奈)を紹介された。だが、いきなり初対面である香桜里から「浅見さんは近いうち必ず沖縄に来ます」と予言めいたことを言われ、すっかり面食らってしまう。
 「予定もないのに……」「ねぇ」 互いに怪訝そうに顔を見合わせた母子だった。その夜、浅見と聡子が飲んでいた店で巡り会った風間了(ダン・コージ)が、沖縄の最も崇高なる聖地である斎場御嶽の近くで毒死体となって発見されたことにより、浅見と聡子は沖縄へと飛ぶ事になってしまうのだ


<出演者>

中村俊介

知念里奈

奥貫薫

藤木勇人

榎木孝明

野際陽子

ほか


<スタッフ>

企画:荒井昭博、保原賢一郎

プロデューサー:金丸哲也、小林俊一

原作:内田康夫

脚本:峯尾基三

監督:小平裕

音楽:渡辺俊幸

<制作>

フジテレビ

東映


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『ユタが愛した探偵』内田康夫

スキャンダル雑誌の編集長が沖縄県知念村の斎場御嶽で死体で発見された。真相を追う浅見は沖縄へ向かい、死者の声が聞こえるという不思議な力を持つ女性と出会う。神秘の国に隠された悲劇の連鎖とは。


【関連記事】

「医者半分、ユタ半分の沖縄」ペン銀舎ブログ

http://pengiin.seesaa.net/article/502433534.html


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『浅見光彦の秘密』極秘調査ファイル

内田康夫さんの原作はもちろん、ドラマも人気ある『浅見光彦』シリーズ。 その魅力について「2時間ドラマと親和性の高い定型化したストーリー展開、そしてキャラクターの強さが最大の魅力」と分析される。

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浅見光彦はフリーのルポライター。長身かつ甘いマスクの33歳で、愛車は白いトヨタ・ソアラ。持ち前の好奇心から、雑誌記事の取材先で発生した事件に首をツッコむ探偵ごっこを趣味として、それが原因で地元警察に連行されるのが序盤のお約束になっている。

〈水戸黄門のような展開として〉

(1)「警察庁の刑事局長である兄に迷惑をかけてはいけない」と何も語ろうとしない光彦。

(2)そんな光彦に、地元警官たちが高圧的な取り調べする不審者扱い。

(3)しかし身元を調べると、刑事局長の兄・陽一郎と判明する。

(4)慌ててゴマをすり始める警官たちがお決まり。この一連の流れがコミカルに描かれるのが特徴で笑える。

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そして毎度登場する魅力あるマドンナの存在。居候してる浅見光彦の母から結婚を望まれ、姪や甥からも「結婚しないの?」と受ける光彦だが、事件のたびにマドンナとの恋模様が深まる。だが最終的にマドンナが光彦に、颯爽と別れを告げるのもお決まりとなって情感と笑いが込み上げる。

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視聴者には待ってました!の展開で、裏切られない作品として放送局や演じる役者をまたいで、長年に愛されている。

原作は150作近くもあり、現代風にアレンジもされる長寿シリーズ。

(いったい年間150も事件にどうやったら出逢えるの?)

永遠の33歳として、浅見光彦は好奇心たっぷり事件を解決していく。坊ちゃんキャラクターが、成長しないのも設定としてマンネリを逆手に取った強固さが人間の秘密でしょうか。

『名探偵コナン』シリーズも長寿番組になると、一体事件が起きているは少年の中では時間的には矛盾してる。アニメスタッフは、リアルに考えたらドラマ制作が出来ないからね。毎回の読者サービスする場面も大切です。

軽井沢のセンセが浅見家にとって、害虫のようにされてるのも原作者のユーモア感覚ですね。


【関連記事】

宮崎照代・ひとりごと

http://milk-crown.sakura.ne.jp/diary.html

2024年2月21日 (水)

『睡眠口座』コーネル・ウールリッチ(早川書房)

都会の老婆匂いたつウールリッチの世界が、堪能される『ハミング・バード帰る』『睡眠口座』『マネキンさん今晩は』『小切手と花と銃弾と』『耳飾り』の5編からなる短編集。

タイトルになっている『睡眠口座』は『幻の女』や『裏窓』と同じく1942年の作品で、作者が乗りに乗っていた時期の傑作。ぐいぐい読ませるストーリティラぶりに、感服させられる。ハヤカワ・ミステリベスト・コレクションの一冊。

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1.ハミング・バード帰る (Hamming Bird Comes Home)

盲人ママ・アダムスの家に息子のベンが帰って来た。一旗あげて帰る、という約束だったがその一旗は血と犯罪と破壊に塗れていた。果たして彼が歌った鼻歌は先にラジオで言っていた、強盗犯がハミングした曲だった。


2.睡眠口座(Dormant Account)

一文なしのジョージは藁にもすがる思いで、睡眠口座の持主だと名乗りをあげた。その人物は歳が近くて、身寄りは火事で失われ、絶対にバレない筈だった。実際に上手く行った。

だがホテル暮らしを始めたら、何者かに尾けられているようだ。ところがそれが元で新聞に写真が載せられて、とんだ災難に巻き込まれる、展開の意外性が魅力的である。


3.マネキンさん今晩は(Meet Me by the Mannequin)

姉のジーンを頼って都会に出たフランシー。ところがジーンも彼がいる場所も何かおかしい。 追い出される途中でフランシーは見てしまった。男が"洗濯物として処分される"ところを。


4.小切手と死と弾丸 (Dead Shot)

ニューヨークの巡視官ネルソンの眠りは地震の夢ーーーではなく、ある訪問者によって妨げられた。

そのロッジャースは1年半も逃亡していたお尋ね者だった。しかしその彼が何故よりによってネルソンのところへ来たのだろう? その訳は……


5.耳飾り(The Earing)

不義の証に変えられたラブレターを大金と引き換えに取り返したショウ夫人。ところが自室に戻ったらイヤリングが片方なくなっていることに気が付いた。夫人はイヤリングを取り戻す為にその脅迫者の部屋を尋ねるが、そのカーペンターは死体になっていて。得体の知れない何かに追われる恐怖と忍び寄る死の切迫感を的確に捉える著者の筆は終始冴えわたって、ちょっとブラックなエンディングも深い余韻を残している。

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2024年2月20日 (火)

『刑事ダルグリッシュ』2月24日(土)よりBS11で放送スタート

英国ミステリー『刑事ダルグリッシュ』のシーズン1が、224日(土)からBS11にて放送される。


イギリスの女性作家PD・ジェイムズ原作の世界的ベストセラー小説シリーズを、バーティ・カーヴェル主演でドラマ化。イギリス・ロンドン警視庁のエリート刑事アダム・ダルグリッシュが挑む数々の難事件を描いた人気ミステリー。


ロンドン警視庁の犯罪捜査部所属で詩人の顔も併せ持つダルグリッシュは、難事件を次々と解決に導くエリート警部だが、その陰で心に深い悲しみを抱えていた。警部として時には部下に厳しく接するも、捜査では関係者の心に寄り添い、人情味も垣間見せるダルグリッシュは、高い教養、繊細な感性、そして鋭い知性を武器にイギリス各地で起こる数々の難事件を解決していく。そして、ダルグリッシュの過去も徐々に明らかになっていく。


シーズン1では、世界的に権威あるCWA賞(英国推理作家協会賞)でシルバー・ダガー賞を受賞した3つのエピソード、「ナイチンゲールの屍衣」「黒い塔」「死の味」が2部構成(全6話)で描かれる。


【キャスト】

アダム・ダルグリッシュ警部

:バーティ・カーヴェル

マスターソン巡査部長

:ジェレミー・アーヴァイン

ミスキン巡査部長

:カーリス・ピア

監督ジル・ロバートソン ほか

脚本 ヘレン・エドマンソン

製作総指揮 エレイン・パイクとウィロウ・グリルス


『ヨーロッパミステリー 刑事ダルグリッシュ』シーズン放送情報

BS11にて224日(土)より毎週土・日曜日 9591055に放送

西村京太郎 『伊豆の海に消えた女』(光文社文庫)

「西村京太郎トラベルミステリー 伊豆の海に消えた女」

特急踊り子160分間の殺意!遺書と指紋の罠十津川警部vs謎の5人の美女)」


<あらすじ>

レストランチェーンの社長・高原雅之(比留間由哲)が高級マンションの自室で刺殺された。捜査をはじめた十津川警部(高橋英樹)と亀井刑事(愛川欽也)は、事件前日に被害者のオフィスに片山と名乗る女性から電話があり、「結婚しないなら殺してやる」という物騒な伝言を残していたことを聞く。

調べてみると、高原は4人の女性と交際していたことが判明。4人のうち、片山みゆきというイベントコンパニオンの行方がわからなくなっていた。


その頃に東京駅から発車した『踊り子105号』の車内では、サングラスをかけた謎の美女(井上和香)が、隣席の若い商社マン・酒井修(渋江譲二)に声をかけていた。女はモデルの生田くみ子だと自己紹介する。会社をサボってひとり伊豆の下田温泉に向かっていた酒井に、魅惑的な笑みを向けた。

一方みゆきの住むマンションの大家の情報から、彼女が静岡・下田の出身と知った十津川らは、故郷に向かっている可能性が高いと考えて、静岡県警に写真を送って手配を要請。すると、みゆきは熱海駅で若い男と一緒のところを駅員に目撃されていたことがわかった。

その男女こそサングラスの女と酒井で、2人は熱海駅で踊り子号から各駅停車の展望車『リゾート21』に乗り換えていた。静岡県警の小山警部(今井雅之)らは終点の下田駅で到着を待ち構える。ところが、なぜか2人は下田に姿を見せなかった。

実は、女と酒井は、下田のひとつ手前の蓮台寺駅で降りて宿泊していたのだ。みゆきを追うため下田にやって来た十津川たちは宿に急行するが、2人はすでにタクシーに乗り込み、爪木崎という断崖に向かっていた。そして、十津川らが駆けつけたときには崖の上には女の姿はなく、高原さんを殺したのは私です。死んでおわびをします。片山みゆきという書き置きだけが残されていた! 

駐車場でタクシー運転手と共に彼女を待っていた酒井によると、女は突然「ひとりにしてほしい」と言い出し、崖に残ったのだという。酒井は、彼女が昨日からずっとサングラスをかけたまま何かにおびえた様子だったこと、タクシー運転手から下田では昨日東京で起きた殺人事件に関する警察の検問が行われていることを聞くと、ひどく動揺していたことなどを証言する。

それを聞いた十津川は、みゆきの自殺は警察の追跡をかわすための偽装で、自殺へと追い詰められていく犯人像を印象付けるために酒井を利用したのではないかと怪しむ。だが、翌朝、岩礁からみゆきの水死体が見つかり、事件は被疑者死亡で解決したかのように思えた。

しかし、十津川の直感どおり、事件はまだ終わっていなかった。2週間後、同じ爪木崎で、高原の交際相手のひとり、銀行員の秋山圭子(松永京子)が絞殺体となって発見されたのだ!

最初の事件の被害者である高原に続き、その交際相手の4人の女のうち、2人が死んだ。この一連の事件の真犯人とその目的とは、はたして…!?

(土曜ワイド劇場公式HPより)



では、続きから(一部、あらすじと重複あり)

秋山圭子に引き続き、探偵の野崎が殺害された。高原の妹夫婦に疑惑が向かう中、妹夫婦が何者かから呼び出されたことを知る十津川警部。

何でも高原死亡後に「お前たちが犯人だ!!」と告発する手紙が届き対応に苦慮していた所に「助けてやるからここへ来い」と場所を指定した手紙が届いた。

妹夫婦を告発した手紙が、秋山圭子によるものであった。圭子は犯人を知っていたわけではなく、疑わしいと思われる人物全員に告発状を送って、すべては犯人を炙り出す為だった。

しかも探偵の野崎が圭子に雇われてボディーガードをしていた。

ここで圭子が告発状で犯人を特定して、脅迫する際にボディーガードとして野崎を連れて行ったが、仕事をせず圭子殺害をネタに真犯人を脅迫して殺害されたと推理する。

そして高原の妹たちは、犯人の隠れ蓑に利用されているに過ぎない。


そんな中に殺された高原と津田明江が五年前に、北海道で強盗殺人事件を起こしていたのが判明する。

だが検証してみた結果は、現場の遺留指紋が適合せず、現在の津田明江は犯人ではないと分かる。

強盗事件の犯人は二人組、ひとりは高原としてもうひとりは誰なのか?


片山みゆきがイベントに出ずっぱりで管理人に渡した海産物土産カマスが買えなかったと分かる。

土産カマスを買った人物が他にいると考えた十津川はナオミ・セキグチ(関口奈緒美)という女性を調べると指示する。

結果は片山みゆきを名乗り、死亡した人物がナオミ・セキグチという日系アメリカ人であった。

本物の片山みゆきが生きていると察した十津川は、津田明江にその情報を洩らす。早速、車で動き出す明江は事故に遭ってしまう。

事故後に意識を回復した、明江に詰め寄る十津川であった。

現在の明江がB型はB型でもRHプラスとRHマイナスとで、過去の明江と血液型が違うことを指摘して、現在の明江が本物の片山みゆきだと追及する。


本物の片山みゆきは事件の3ヶ月前から津田明江と入替り生活する一方、ナオミを騙して、自分の役を演じさせ高原を殺害して警察の容疑を片山みゆきに集中させていた。

当初の計画ではここでナオミを国外逃亡させる予定だったが、ナオミが豹変しみゆきを脅迫して勢い余って殺害してしまった。

その直後に今度は秋山に脅迫されることになり、これも殺害して次に探偵の野崎に脅迫され殺害したのだった。


すべての発端は、みゆきが高原への想いから明江に詰め寄ろうとしたことだった。みゆきが訪ねた際に明江は倒れ込んでそのまま息を引き取る病死だった。

なし崩し的にそのまま明江になり変わったみゆきは、高原から明江あてに半年ごとに大金が渡されているのを知る。実は本物の明江と高原こそが五年前の強盗事件の犯人であった。高原は真相を知る明江に怯え、大金を渡し関係を維持していた。

事情がよく呑み込めないものの高原に秘密がある、と察したみゆきは高原に明江の代わりに自分を愛するよう迫るが、拒否されたので殺害したのだった。


こうして事件は解決する。

「明江がすべてを見越して高原を道連れに死ぬべくみゆきを利用したのでは」と十津川は思う。

頷く亀井―――終わり


【出演者】
高橋英樹、愛川欽也、井上和香、宮本真希、映美くらら、森本レオ、山村紅葉、井川晃一、伴杏里、今井雅之 ほか
【原作】西村京太郎 『伊豆の海に消えた女』(光文社文庫)
【脚本】岩下悠子
【監督】村川透

【テレビ朝日放送】


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西村京太郎 『伊豆の海に消えた女』(光文社文庫)

東京南青山の高級マンションで、プレイボーイの青年実業家・高原雅之が刺殺された。十津川警部と亀井刑事の捜査で、五人の女の名前が浮かんだ。その一人、モデルの片山みゆきは、伊豆下田に向かったまま行方不明、石廊崎から身を投げたか、水死体で発見。さらに一人が天城峠で殺され……伊豆を舞台に次々起こる殺人。十津川警部の推理が冴えるトラベル・ミステリー。

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2024年2月19日 (月)

一番搾り麒麟ビール

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2024年2月18日 (日)

森村誠一『殺人の花客』

『殺人の花客』森村誠一

舞台は新宿新都心の超高層ホテル。初めて会ったのに恋に陥ちた二人。別れ話がもつれて出口を探す男と女。若い娘を相手にプレイに耽る初老の男。

その中を忍び歩く空き巣狙い。突然起きた不可思議な殺人事件が何組もの男女を巻き込み、因縁の糸で結ぶ。

もつれた糸を解こうと新宿署の敏腕刑事・牛尾が出動!

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ドラマ「終着駅シリーズ 10 殺人の花客」(1999/3/27テレ朝放送)

原作:森村誠一 脚本:岡本克己 音楽:大野克夫 監督:池広一夫


【出演】片岡鶴太郎、岡江久美子、田中美奈子、土門 廣、樋口隆則、伊吹 剛、名古屋 章 ほか


新宿の高層ホテルの一室で男性の死体が発見され、新宿西署の刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)は現場に駆けつけた。被害者は輸入家具専門店の営業マン・木原栄作(笠原紳司)で、ベッドの上で金槌のようなもので後頭部を殴られ、死亡していた。木原は女性と宿泊する予定だったようで、フロントに女性の声でルームナンバーを問い合わせる電話も入っていたが、部屋に連れがいた痕跡は見当たらなかった。

 牛尾は被害者が殺されたベッドの毛布に、黄色い粉がついているのを見つける。植物生理学の大学教授・田口紀子(床嶋佳子)に分析してもらったところ、カタセタムピレアタムという、日本では珍しいランの花粉だとわかった。牛尾はそのランの購入者を追跡するが、店頭にも並ばない花らしく、捜査は行き詰ってしまう。

 手がかりを求めて田口の研究室を再訪した牛尾は、花に詳しいという研究者・長崎信祐(林泰文)から話を聞く。ハチの専門家である長崎は、ハチが運んだ花粉が何かに付着し、そこからホテルの部屋に落ちたという可能性も考えられると話す。長崎は実直な研究者のようで、最近、再婚が決まったばかりのようだった。


 数日後、千葉・一宮海岸で、日原栄策(大浦龍宇一)という名の健康器具の通信販売会社社長の死体が発見された。キハラエイサクヒハラエイサク──牛尾は2つの事件の被害者が似た氏名であることが引っかかる。

 そんな中、日原が4年前、長崎の妻子を轢き殺した犯人だったことが判明。被害者にも過失があると認められて日原は実刑を免れたらしいが、捜査を担当する九十九里浜署の刑事たちは、日原に恨みを抱いているであろう長崎に疑いの目を向ける。長崎の再婚相手・椚静香(中原果南)は、必死に彼のアリバイを証明しようとするが…!?  


 ところが直後、意外な事実が浮上する──! 被害者2人の氏名の酷似がどうしても気になっていた牛尾が調べると、なんと木原が殺害された夜、日原も同じホテルに宿泊していたことがわかったのだ! もしや犯人は、日原を殺害しようとして木原を殺してしまったのではないか…!? つまり、これは間違い殺人ではないか…!? 過去からつながる因縁が生んだ事件の真相を、牛尾が執念の捜査で暴いていく


【ゲスト出演】

椚静香(長崎の再婚相手) - 中原果南

長崎信祐(花に詳しい研究者) - 林泰文

日原英策(健康器具の通信販売会社社長) - 大浦龍宇一

林(刑事) - 諏訪太朗

鳥居優子 - 片山萌美

木原栄作(輸入家具専門店の営業マン) - 笠原紳司

光代 - 大寶智子

田口紀子(植物生理学の大学教授) - 床嶋佳子

2024年2月17日 (土)

『ワールドロックナウ』3月30日の放送をもって終了

音楽評論家の渋谷陽一氏がDJするNHK-FM番組『ワールドロックナウ』(毎週土曜 後900)が、330日の放送をもって終了する。

1997年の放送開始から27年で幕を下ろすことになる。

昨年1117日に渋谷さんは病気療養のため入院することを報告。『ワールドロックナウ』のDJは、音楽評論家・伊藤政則さんが代打を務めてきた。

渋谷さんのブログでは「ワールドロックナウは、3/30(土)の放送をもって終了いたします。1997年の番組スタートから27年。長い間番組を愛して応援していただき、ありがとうございました」と感謝を伝えている。

『若いこだま』がスタートした1973年からすると、ほぼ半世紀ラジオ番組を毎週担当されてた。

「お疲れさまでした〜」というには早すぎるんではないでしょうか。

年長者の小林克也さんも現役でロック番組をやってますからね。

2024年2月16日 (金)

森村誠一「善意の傘」(光文社文庫『完全犯罪のエチュード』所収)

土曜ワイド劇場「森村誠一作家50年記念 終着駅シリーズ・善意の傘」

雨の夜の殺人者!!迎えに来るはずの夫が殺された!!刑事が追う2組の夫婦のアリバイと嘘!?


<あらすじ>

東京・西新宿の空きビルで女性の絞殺死体が発見され、牛尾正直(片岡鶴太郎)ら新宿西署の刑事たちが臨場した。殺されていたのは、秋葉千恵子(川上麻衣子)という主婦で、夫の武士(小木茂光)によれば、千恵子は生命保険会社の営業職でトップの成績を誇っていたが、3カ月前に仕事を辞め、現場となった空きビルを買い取ってビューティーサロンを開く予定だったという。

携帯電話の通話記録から、被害者は午後816分にかかってきた電話に出ていることが判明、その直後に殺されたものと思われた。だが、最後の通話相手の名を聞いた牛尾は驚く。その女性、山野京子(葉月里緒奈)は1年前、突然の雨に困惑する牛尾に傘を差し掛けてくれた善意の人物であり、牛尾と出会ったその夜に夫を何者かに殺されていたのだ


1年前、知人の通夜に参列するため、都内近郊の駅に降り立った牛尾を突然の雨が襲った。駅には善意の傘と書かれた傘立てが設置されており、残っていた最後の赤い傘を先に手に取った京子が、困っている牛尾を見かねて差し掛けてくれたのだった。

通夜の会場が通り道ということで、相合い傘で歩く間、京子は同じような雨の日に夫・和正(山口馬木也)と初めて出会ったことなどを話す。しばらくすると京子の携帯に夫から電話が入り、「これから駅に迎えに行く」と言われたため、駅まで戻るという。「その傘、返しておいて下さいね」と牛尾に傘を渡し、京子は笑顔を浮かべて小走りに去った。

だがちょうど同じ頃、京子の自宅では和正が何者かに撲殺されていた。数日後、小金井北署の川合刑事(ダンカン)の訪問により事件を知った牛尾。川合によると、牛尾と一緒のときに彼女にかかってきた電話が、和正の最後の通話だったとのことだった――。


そんな1年前の出会いを思い返しながら、千恵子が殺害された事件の聞き込みのため、京子のもとを訪ねた牛尾。京子は半年前に勤めていた銀行を辞め、ファイナンシャルプランナーとして独立、かつて夫と暮らしていた家はそのままに、事務所兼用でこの都心のマンションを借りているという。京子は、千恵子は元の家の近所に住んでいた友人で、確かに昨夜8時過ぎ、彼女に電話をかけたと話す。用件は、千恵子が購入する予定のビルの契約についての確認だったという。念のためとアリバイを問う牛尾に、昨夜は知り合いの美容師と食事をしていたと、京子は答えた。

京子のアリバイは成立、彼女への疑いは晴れたかに思えた。だが、そのとき牛尾の電話が鳴った。小金井北署の川合刑事からで、実は空きビルで殺された千恵子は、京子の夫・和正殺害事件の第一発見者だったというのだ。1年前の殺人事件の第一発見者が今度は殺人事件の被害者となった。そればかりか、和正の事件も千恵子の事件も京子の証言によって殺害時刻が断定されている。牛尾の胸に京子への疑惑が広がった。

坂本課長(秋野太作)から2日間の猶予を与えられた牛尾は、京子を調べはじめる。すると、彼女が夫・和正から暴力を受けていたこと、京子と千恵子の夫・武士の間に不倫の噂があったことがわかって!?

【出演】

牛尾正直 ……… 片岡鶴太郎

牛尾澄枝 ……… 岡江久美子

山野京子 ……… 葉月里緒奈

秋葉千恵子 …… 川上麻衣子

山野和正 ……… 山口馬木也

秋葉武士 ……… 小木茂光

高杉 誠 ……… 下條アトム

坂本課長 ……… 秋野太作

大上刑事 ……… 東根作寿英

山路刑事 ……… 徳井 優

川合刑事 ……… ダンカン

ほか

【原 作】森村誠一「善意の傘」(光文社文庫『完全犯罪のエチュード』所収)より

【脚 本】橋本 

【音 楽】大野克夫

【監 督】池広一夫

【プロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之(東映)

【制 作】テレビ朝日・東映


『完全犯罪のエチュード』森村誠一

完全犯罪に挑む牛尾刑事!

人間の心に潜む暗い殺意。新宿を舞台に6つの難事件を鮮やかに解決

高層ビルの林立する新宿副都心。一編の詩「破れる花」を残してホテルの一室で遺体となって発見された作詞家、尾高和子。自殺か、あるいは自殺に見せかけた巧妙な殺人か。

大都会に生きる現代人の心の闇に潜む暗い殺意を、あざやかに解決する新宿署・牛尾刑事。完全犯罪のトリックに挑戦する6つの事件簿。

2024年2月15日 (木)

森村誠一『残酷な視界』

土曜ワイド劇場 終着駅 「残酷な視界」

管内の公園で女性の絞殺死体が発見され、牛尾正直(片岡鶴太郎)たち新宿西署の刑事たちは捜査を開始した。被害者は通販会社のコールセンター室長・岡崎由美(田中美奈子)。

山梨・塩山に住む兄・達雄(難波圭一)によると、由美はまもなく結婚すると話していたという。由美の自宅マンションを調べた牛尾は、婚約者との写真が1枚も存在しないことが気にかかる。もしや相手とは不倫の関係だったのか。また神田川沿いにあるマンションの3階、由美の部屋の窓からは川にかかる橋がよく見えた。

今年1月、この橋から転落死した男性がいたが、事故として処理されたか事件となったかの結論までは、管轄外の牛尾が知るところではなかった。
勤め先のコールセンタ―でも婚約者の存在は浮かばす、昨年末、由美が室長に昇進した際の軋轢で、志賀邦枝(高岡早紀)、初見芳子(池津祥子)という2人の女性が、由美に半ば追い出されるように会社を辞めたことを知る。どうやら由美はかなり自己中心的な性格だったようだ。由美を憎んでいたことは認めながらも、殺意までは否定する芳子。それは邦枝も同様で、現在、生花店に勤めながらフラワーアレンジメントを教えているという彼女は毎日が充実して楽しく、今では由美に感謝しているとまで話す。
そんな中、由美の葬儀に根岸正人(鈴木一真)という謎の男が現われた。事情を聴く牛尾に対して、根岸は由美とつきあっていた事実を告白。

しかし3月初旬に別れ話を切り出されたと打ち明ける。由美が実家の兄に結婚宣言をしたのも同じ頃、つまり新しい交際相手が出現したため、根岸に別れを告げたものと思われた。いったい由美は誰とつきあっていたのか
その矢先に牛尾は由美のマンションから見えた橋で男性が転落死した一件が、事故として処理されたと聞く。死亡したのは大手銀行の本店に勤める大泉武男(宮川一朗太)だというが、その銀行名を耳にした牛尾は引っかかる。確か由美の部屋から新たに作成したその銀行の通帳が見つかって、彼女は2月に銀行を変えたばかりだと知っていたからだ。なぜ由美は利用銀行を変えたのか、牛尾には不思議だった。というのも、新たな銀行はマンションから遠く、勤め先とも逆の方向にあって不便なはずなのだ。
転落死があったのは117日、銀行を変えたのが214日。由美の殺人が、橋から転落した銀行マンの死と何らかの関連があるのではないか牛尾の勘がそう告げていた。牛尾は由美の口座開設を担当した行員・岩田修作(岡田浩暉)を訪ねるのだが。


【原作】森村誠一『残酷な視界』(光文社文庫『溯死水系』所収)より

【脚本】 橋本 綾

【音楽】 大野克夫

【監督】 池広一夫

【プロデューサー】 佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之(東映)

【出演】片岡鶴太郎、岡江久美子、高岡早紀、岡田浩暉、田中美奈子、宮川一朗太、鈴木一真、東根作寿英、徳井 優、秋野太作 ほか


『溯死水系』森村誠一(光文社文庫)

双眼鏡で殺人を目撃してしまったOLに犯人の魔の手がしのびよる――高層マンションに住むOL・志賀邦枝のひそかな趣味は、双眼鏡で他人の生活を覗くことだった。映画「裏窓」を真似て、他人のプライバシーを見落として孤独からの寂しさを宥めていたのだが。階下にある駅のプラットフォームから、急行列車に突き落とした殺人の現場を目撃してしまい、その犯人が毎夜の夢に出てきて脅すのだ。彼女の不安は日々増大していって、やがてそれが。

札幌郊外の豪華マンションで発生したやり手女社長殺人事件。解決は時間の問題とみられていたが、捜査は難航。現場近くの川で行われたサケの母川回帰本能の実験から捜査は急展開していく――。

自らの嗅覚を頼りに因縁の糸を探りあてる刑事の執念と鮮やかな着眼によるミステリーの冴え。表題作以下傑作7編の競演!

2024年2月14日 (水)

『喪われた道』内田康夫

『喪われた道』内田康夫

虚無僧姿の男の死体が、青梅街道で発見された。被害者は会社役員、羽田栄三。死の直前「失われた道の意味がわかった」と彼は妻に語ったという。

取材で近辺を訪れていた浅見は事件に深く関わることに……

どうやらふたつの金山に、羽田が関わっていたのは事件とは無縁ではなさそうである。

藤田編集長が出鱈目に、浅見へ注文した隠し金山の記事が架空なものではなくなりつつあった。

そして徳川家康公が開発に力を注いだと伝えられる土肥金山と佐渡金山を結ぶルートがある。道中には湯之奥金山や金鶏金山があり、「山の洲」という新潟、長野、山梨、静岡の中央日本4県を通っている。果たして「喪われた道」とはどのようにつながっているのか?

〈鎌倉街道頼朝家喪われた道〉

事件とどう結びつくのか?

今回ヒロインは気の強いキャラクター羽田記子が年下なのに、浅見を不意打ちすることをするのがわくわくする。可愛い女の子が上手く書かれて、それだけでも読む価値ある作品かも知れない。

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BSTBS 2024年2月23日(金) 12:00~14:00

<サスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ31 喪われた道』


ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は甲州裏街道の埋蔵金伝説を探るために東京都の青梅に向かうが、梅ヶ谷峠で虚無僧姿の死体の実況検分に遭遇する。死体の右手にはシャクナゲの花が握られていた。

被害者の羽田(柴田林太郎)は虚無僧研究会に入っていたが、よく演奏していた「滝落之曲」をある時から急に吹かなくなったという。浅見は「滝落之曲」が連想して作られた伊豆・修善寺近くの旭滝に羽田の孫の記子(宮地真緒)と共に向かうのだった。


<出演者>

浅見光彦:中村俊介

羽田記子:宮地真緒

井野:出光元

羽田栄三:柴田林太郎

藤田克夫:小倉久寛

佐瀬信夫:小島敏彦

羽田一昭:小野了

羽田良美:松井紀美江

羽田幹子:渡辺康子

浅見雪江:野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫

企画:現王園佳正、金井卓也

プロデューサー:小林俊一、大下晴義、金丸哲也

脚本:峯尾基三

演出:小林俊一

音楽:渡辺俊幸

制作:フジテレビ/彩の会

2024年2月13日 (火)

『三島由紀夫とマンガ』

戦後日本文学界を代表する作家三島由紀夫は漫画好きだった。

「私は自分の小学生の娘や息子と、少年週刊誌を奪ひ合つて読むやうになつた」(『劇画における若者論』)

1970年に発行部数150万部を突破していた「週刊少年マガジン」。発売日・水曜日の深夜に三島由紀夫氏が「撮影で遅くなってしまい、店頭で買えなかった」と突然編集部を来訪しできた。

「マガジンを売ってほしい。『あしたのジョー』を、明日まで待てないんだ」  

ちなみに三島は50円玉を持ってきたが当時70円に値上がりしていたのだ。

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<いつのころからか、私は自分の小学生の娘や息子と、少年週刊誌を奪ひ合つて読むやうになつた。「もーれつア太郎」は毎号欠かしたことがなく、私は猫のニャロメと毛虫のケムンパスと奇怪な生物ベシのファンである。>

<私だつて面白いのだから、今の若者もかういふものを面白がるのもムリはない。>

<劇画ファンの若者の教養の不足を嘆く人たちは、自分たちが教養と信じてゐたものの、上げ底に巣喰

くつた蛆虫でもつくづく眺めてみるがいいのである。>三島由紀夫

日本文学の英訳版がブーム

英訳された日本の小説が人気急上昇

イギリスではソーシャル・メディアのおかげで、日本文学の英訳版がブームになっている。


TikTokの読者コミュニティBookTokのおかげもあって、英訳された日本の小説の売れ行きが英国で好調。特に日本の社会や文化を取り上げた小説がヒットしている。

TikTokには、10万回以上再生された動画が「#日本の本」というハッシュタグ付きで多数投稿されている。YouTubeには、これらの小説についてさらに詳しく解説した動画が多数アップされている。


村田沙耶香の『コンビニ人間』(2018年英語版出版)の成功が現在の人気ブームの幕開。

T吉本ばななや川上未映子などの作家の本を、音楽をバックにした短い動画で紹介して、川上さんの『Ms Ice Sandwich』(2020年)のような短編小説が人気となる。

2024年2月12日 (月)

『アルプス誘拐ルート』西村京太郎

学校から帰宅途中、迎えのベンツに乗ったまま少女が行方不明になった。数時間後、会社を経営する父親のもとに一億円の身代金を要求する電話が。誘拐事件と判断した警視庁捜査一課の十津川警部らは自宅へと向かい、犯人の指示に従うよう父親に伝える。翌朝、身代金を持った父親は新宿駅から松本行きの急行「アルプス号」に乗った。尾行する十津川班。

黒澤明の監督映画『天国と地獄』にそっくりな巧妙な身代金強奪があり、まんまと一億円を奪われた。やがて予想外の殺人事件という異なることかが車内で起こる。誘拐された娘の父親が銃殺された。同乗していは十津川警部と亀井警部は、大いに困惑する。頭脳型の犯罪と激情型の犯罪が、同時にされてしまったのだ。捜査するうち益々に巧妙に計画されたものだと想てくる。


〈テレビ朝日〉

西村京太郎トラベルミステリー特別企画 「アルプス誘拐ルート」

新宿-松本-沖縄 パノラマ急行殺人事件 展望車に消えた女


名門製薬会社の二代目社長小島茂(大手俊)の娘で小学生のみどりが誘拐された。亀井(愛川欽也)、十津川(三橋達也)らは、時を同じくして姿を消した同家の林運転手(早坂直家)の行方を追及し始めた。そんな矢先、犯人から一億円の身代金要求電話が入ったが、林の声ではないようだった。

父親である茂は、犯人の指示に従って新宿発松本行きのパノラマエキスプレス「アルプス号」に乗り込む。秘密裏に亀井・十津川も乗り込んでいた。

そしてみどりは無事に返されたものの、茂は金を取られた上に、射殺死体となって発見された。だが不可解なことに、みどりも母親の敏子も、茂の死に直面しても一向に悲しんでいる様子がない。それは児島家の複雑な事情からくるものだった。

小島製薬は五十年前、現会長の徳一郎(内藤武敏)が創立し、聡明な長男・徹に会社を継がせるつもりであったのだが、彼は交通事故で五年前に死亡、やむなく凡庸で女癖の悪い次男・茂が社長となり、何と敏子はもともとは死んだ長男の嫁だったが、みどりを連れて義弟である茂と再婚したのであった。小島の女性関係を洗うと、数ヶ月前、彼に弄ばれた大久保あずさ(松本千恵美)という女性が自殺しており、その母・文子(河内桃子)、姉・さやか(大場久美子)らが、事件当日、同じアルプス号に乗っていたことが判明。そして今度は、行方不明だった林が死体となって発見されるが

【テレビ朝日】


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西村京太郎『アルプス誘拐ルート』

アルプスを望む列車で誘拐犯と十津川が対決! ――実業家の愛娘が、学校から、迎えの外車とともに消えた。そして数時間後、父親に、1億円の身代金を要求する電話が来る。やはり、巧妙な誘拐事件だった! 翌朝、現金を持った父親は、犯人の指示通り、新宿駅から急行「アルプス号」に乗り、十津川警部らもひそかに後を追うが、展開は意外や……。旅情推理の白眉。

足の臭い女、ふたたび。

ブーツを履いた女の匂いは

男の靴の5倍はクサいという

足はなぜ臭くなるのか

体中で汗腺が密集してる足

1センチ平方に300近くある汗腺

そこから多量の汗が出ている


細菌が住みやすい環境にある

角質層が厚くなってる足

表皮細胞が新陳代謝や摩擦で剥がれる

それが大量の垢と汚れとなる

こで細菌が分解して匂いが発生する


足は餌を出して細菌を育てる

通気よくないストッキングやブーツ 

靴中の温度は約3740℃上がり

むんむんと湿度は90%となる

汗が蒸発しにくい状態で

角質がさらに剥がれてしまう

細菌がますます増えて匂いは倍増する

汗量の違いがある汗腺

汗をかく人ほど細菌が増える

緊張したり興奮して多汗となる

げんなりする匂い


精神性発汗という足の臭い女

臭い世界の奥には心があった

げんなり匂いはもういい

げんなり匂いはもう去った

2024年2月11日 (日)

『新釈遠野物語』井上ひさし

奇抜、夢幻、残酷、抱腹、驚異、戦慄、そして、どんでん返し。

パロディではありません。名著を凌ぐ、読み応え抜群の連作集。

東京の或る交響楽団の首席トランペット奏者だったという犬伏太吉老人は、現在、岩手県は遠野山中の岩屋に住まっており、入学したばかりの大学を休学して、遠野近在の国立療養所でアルバイトをしているぼく"に、腹の皮がよじれるほど奇天烈な話を語ってきかせた

遠野"に限りない愛着を寄せる鬼才が、柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、現代の怪異譚9話。


【目次】

鍋の中

川上の家

雉子娘

冷し馬

狐つきおよね

笛吹峠の話売り

水面の影

鰻と赤飯

狐穴

解説 扇田昭彦


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【本文より】

老人は弁当を使うぼくを眺めながら、他所では河童の面(つら)は蒼いというが遠野や釜石に棲む河童の面はどうしてだか赭(あか)いのだとか、この近辺の猿は暇さえあれば躰に松脂(まつやに)をなすり込みその上から砂を塗りたくっているが、それを繰返している毛は鉄板よりも堅く丈夫になり猟師の射()つ鉄砲の玉を難なくはね返すだの、深い山に入るときは必ず餅を持って行くことを忘れるなだのと、さまざまな話をしてくれるのだった。

(「川上の家」)


本書「解説」より

『新釈遠野物語』で作者が強調しようとしたのは、この世界を固定した見方でとらえるのではなく、日々新鮮な驚異と賛嘆のまなざしでみつめる姿勢だったと私には思われてならない。この本で展開する物語の多くは、たしかに常識的で合理主義的な見方からすれば、荒唐無稽で怪しげな超現実の物語ばかりだと思われるかもしれない。だが、私たちの生命が、たんなる個的なものではなく、実は驚くべき事象にあふれた自然や宇宙の大いなる息づかいのうちにあることを感じとるとき、これらの物語はフィクショナルな限界を超えて、切実なリアルなものになる。

――扇田昭彦(演劇評論家)

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全部で9篇の短篇からなっている。
人を食う山男からその妻に教えられた方法で逃げ出す男。熊笹の生えている斜面を転がって逃げなさいと言われる。実際に熊笹の上を転がって逃げる場面で、同じような情景を知っているような気がする。

それから河童が親の病気を治すために人間の肝を採る話など続く。 


第4話は飼い主である娘と馬が相思相愛になってしまう話。

そのあとは狐つきの娘の話や予言をする話売り、人に化けて魚を救う沼の主の大鰻とか、狐が化かす話などが続いている。

柳田國男の『遠野物語』を解釈したものではなく、自分が遠野の近くの療養所で働き始めた頃、山の洞穴でトランペットを吹く犬伏老人と親しくなり、老人が狐や河童に騙された様子が語られる9つの短編を面白可笑しく書き連ねてる。

最後に老人が大切にしていたトランペットを貰い、吹いてみるのがなかなか音が出ない。それが何故だったのか、最大のオチがあります。


井上ひさし(1934-2010)

山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。

原作をどう脚本にするかについて

 芥川龍之介の『羅生門』、松本清張の『ゼロの焦点』など小説を映画化した作品を数多く手がけた名脚本家、橋本忍さん。原作をどう脚本にするかについて書いている原作は牛。そう考えていたそうだ。その牛を一撃で倒し「血を持って帰る。原作の姿や形はどうでもいい。欲しいのは生き血だけ」。これを聞いた師匠の伊丹万作監督は教えた。「君のいう通りかも。しかし、殺したりはせず、一緒に心中しなければいけない原作もあるんだよ」乱暴に聞こえるが、2人の意見は原作にいかに真剣に向き合うかというたとえである。原作の本質を描く鮮やかな切り口と愛情。それがなければ牛が浮かばれぬドラマ『セクシー田中さん』の原作者で漫画家の芦原妃名子(ひなこ)さんの訃報に衝撃を受けているファンもいるだろう。ドラマ化の過程で原作と異なる脚本にテレビ局側との間で心労を募らせていたと伝わる原作を完全に再現するのは困難とはいえ、芦原さんには自分の牛がただ乱暴に扱われているように見えてしまったかドラマ化においてはテレビ局側の発言力が強くなりやすいという指摘を聞く。難しい問題だが、一方的に牛の鼻面を取って引き回すような態度が局側に仮にあるとすれば原作者にはつらいだろう。大切に育てたわが子同然の牛。そんな場所には誰も送りだしたくはないし、ファンの望むところでもない。

【東京新聞】筆洗24日より


原作は牛。その牛を一撃で倒して「血を持って帰る。原作の姿や形はどうでもいい。欲しいのは生き血だけ」。

なるほど映画制作には、そんな考え方もあるんだ。

2024年2月10日 (土)

『金沢歴史の殺人』内田康夫

十津川警部シリーズの1作であり、十津川警部が金沢を舞台に殺人事件を解決する物語となっている。

女流カメラマンが古都金沢を撮った初写真集の出版直前、相次いで事件が起こる。編集部長が射殺され、そして姉が事故死する。写真が原因か?

十津川警部が派遣した西本刑事は彼女のためにある妙手を思いつく。二つの事件を結ぶ糸とは!? 歴史の町・金沢を舞台に、十津川警部の活躍を描く、旅情ミステリー。

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【あらすじ】

24歳の女流カメラマン・酒井千沙は金沢で生まれ育ち、香林坊近くのマンションで一人暮らしをしながら、姉が経営する雑居ビル二階の喫茶店「二人」で働きながら腕を磨いている。

そんな酒井千沙が古都金沢をモチーフに撮った初の写真集が東央出版から刊行される直前に、四谷の路上で編集部長・小倉敬一が射殺されて即死の事件が起こる。

写真集に掲載予定のすべて未発表の写真のネガも引き延ばした、全部を預けていたが、それらがどこにも見つからずに、予定されていた写真集が刊行できない。


編集部長の射殺事件の後すぐに、今度は金沢の香林坊で喫茶店「二人」を経営してした酒井千沙の姉・酒井由美が、国道157号線の石川・横宮町付近で、夜中に彼女の運転する軽自動車が、妻子ある運送会社の運転手・本橋利男の運転する大型トラックに居眠り運転で追突されて事故死する。

姉の事故死が、写真のネガが消えたのと関係があると疑う酒井千沙は、亡くなったネガと同じ写真を撮ってみようと、警視庁捜査一課の若い西本刑事の警護と協力で、金沢歴史の町を再度撮り歩く。

そしてカメラの前には、歴史ある町の各所が旅情豊かに登場してくる。兼六園に始まり、犀川、長町武家屋敷、大野庄用水、犀川大橋、寺町寺院群、妙立寺(忍者寺)、願念寺、桜橋、石伐坂、東山の月心寺。全性寺、竜国寺、あめの俵屋、鍋屋「太郎」(主計町)、ひがし茶屋街、卯辰山、にし茶屋街など、古都金沢の街を巡っている。誰かに見張られてる気がする。

金沢の街並みを歩いた人なら、視覚イメージが湧いてくる小説となっている。絵コンテを描きたくなる場面も多い。

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喫茶店「二人」室内パネルに貼ってあった写真16枚が持ち去られていた。

どうやら事件で重要な場所に設定されているのが、ひがし茶屋街、主計町茶屋街と並ぶ金沢三茶屋街のひとつである「にし茶屋街」であった。

写真集が人目に触れるのを、恐れているのが犯人であろう。

何故撮影したカメラマンを殺さずに、周りの人を狙ったのか?

酒井千沙の撮ったネガのために、編集部長が射殺されたのは其の後に明らかになる。しかしネガを編集部長が持っているのを、犯人はどうして知っていたのか? 

その点に捜査が移り、編集部長の知り合の役者な弁護士などの関係者たちから浮かび上がる。その中でネガを見せらせたらしき和服のモデルで、小川明子は行方不明になっていて、犬の散歩中の老人に多摩川に浮かんで水死体で発見された。

小川の不倫している恋人を探ると、金沢出身の大学助教授が重要な容疑者として浮かび上がる。そして金沢での昨年度に起きていた殺人事件とは、関わりが根元になってるらしい。その日アリバイを崩してしまう、金沢での写真が撮れた可能性がある推理をする。


十津川警部シリーズに常連のおなじみの警視庁刑事部捜査一課の「十津川班」の刑事たち、上司相棒のカメさんなどが登場する。「十津川班」の若い刑事の西本刑事が、事件の捜査に関わるだけでなく、ヒロインの金沢の女性との関係の展開も惹く。

3章から第5章くらいが中弛みになっているような展開が、やや残念であった。


『金沢歴史の殺人』内田康夫(双葉社)【目次】

1章 香林坊の女

2章 カメラの眼

3章 関係者

4章 動機とアリバイ

5章 攻防

6章 幻の映像

7章 手さぐり

8章 最後の闘い


『十津川警部・金沢歴史の殺人』は未だドラマ化されてないようである。

高田純次さんが演じる亀さんをイメージしながら面白く読める。役者さんの放っている演技は、特別な感情動作によるものである。頭の中は勝手にドラマが上映されていた。

太陽と月が交わる時に

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飛ぶ鳥にも変化が現れる。

「乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび」芦辺拓 - KADOKAWA

『乱歩殺人事件〜悪霊ふたたび』

乱歩の未完の傑作が完結犯人・密室・謎の記号の正体とその向こう側


江戸川乱歩のいわくつきの未完作「悪霊」 

デビュー百年を越え、いま明かされる、犯人・蔵の密室・謎の記号の正体。

そして、なぜ本作が、未完となったのか――

乱歩の中絶作を、芦辺拓が書き継ぎ完結させるそのうえ、物語は更なる仕掛けへ……

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「乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび」芦辺拓 [文芸書] - KADOKAWA https://www.kadokawa.co.jp/product/322310000776/


1923(大正12)に「二銭銅貨」でデビューし、探偵小説という最先端の文学を日本の風土と言語空間に着地させた江戸川乱歩。満を持して1933(昭和8)に鳴り物入りで連載スタートした「悪霊」は、これまでの彼の作品と同様、傑作となるはずだった。

謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が不可思議な血痕をまとった凄惨な遺体となって蔵の2階で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして新たに「又一人美しい人が死ぬ」という予告……

期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、連載3回ののち2度の休載を挟み、乱歩の「作者としての無力を告白」したお手上げ宣言で途絶した。


本書は、『大鞠家殺人事件』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞した芦辺拓が、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかをも構築する超弩級ミステリである。


芦辺拓 1958年大阪市生まれ。同志社大学卒業後、読売新聞大阪本社に入社。1986年、「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に入選。1990年、芦辺拓のペンネームで書いた『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。以降は主として本格ミステリを執筆し、ほかにジュヴナイルやパスティーシュの執筆、アンソロジーの編纂も手がけるが、その創作の原点には14歳で出会ったSFがあると自覚している。

代表作は素人探偵で弁護士の森江春策を探偵役とするシリーズで、20234月現在74冊を数える著書のうち25冊を占める。スタンドアローンな作品としては『紅楼夢の殺人』『スチームオペラ 蒸気都市探偵譚』『奇譚を売る店』『楽譜と旅する男』などがある。2022年、『大鞠家殺人事件』で第75回日本推理作家協会賞と第22回本格ミステリ大賞を受賞した。

2024年2月 9日 (金)

探偵小説史上の三大奇書

夢野久作の代表作とされる小説『ドグラ・マグラ』は、構想・執筆に10年以上の歳月をかけて刊行された奇怪な傑作。昭和十年一月、書き下ろし自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成して、日本一幻魔怪奇の本格探偵小説とうたわれた、歴史的一大奇書。 

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【概要あらすじ】

http://www1.meijigakuin.ac.jp/~hhsemi16/kojin/sato/春休み課題/doguramagura.html


小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』とならんで読む価値あるかと、業界では多く語られる作品。

『黒死館殺人事件』と『黒死館殺人事件』は青空文庫で読めます。


小栗虫太郎『黒死館殺人事件』

全編にわたり膨大な衒学趣味に彩られており、日本探偵小説史上の奇書といわれる。

作中ファウストの呪文が示されるごとに殺人劇が繰り広げられる。着想の起点として「モッツアルトの埋葬」が挙げられている。

殺人事件の実行と解決は、非現実かつ饒舌すぎる神秘思想・占星術・異端神学・宗教学・物理学・医学・薬学・紋章学・心理学・犯罪学・暗号学などの夥しいペダントリーで、それらが主筋を飲み込んでいる。

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中井英夫『虚無への供物』

推理小説でありながら推理小説であることを拒否する反推理小説。

日本三大奇書の1つといわれるだけに、奇妙な感覚のする推理小説。

登場人物も推理オタクばかりで、呪われた家系の家へと集まってくると、颯爽、事件が次から次へと眩い。

三冊ともに映像化はエンターテイメントとしては困難なドラマである。しかし性懲りも無く、何度も映像制作を試みられている。

それだけに一旦嵌ると病みつきになる読書体験なんである。

松山俊太郎さんの『黒死館殺人事件』と、鶴見俊輔さんの『ドグラマグラ』の解説は、優れた分析であった。

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2024年2月 8日 (木)

「うすうす」から一転「覚えてない」

統一教会の関連団体から選挙支援を受けた問題で、6日は「覚えていない」と答えていた盛山文部科学相。7日、改めて国会で写真を示され追及を受けると「うすうす思い出してきた」と発言を変えた。教団の被害者からは失望の声も。

   ◇

7日の国会で、盛山文部科学相が野党に追及されたのは、世界平和統一家庭連合、いわゆる統一教会の関連団体から選挙支援を受けていたと報じられた問題。


立憲民主党 西村代表代行

「いまの時点でこの写真をご覧になっても、まったく覚えていないと?」


盛山文科相

「報道があるまでは正直覚えておりませんでした。しかしながら、いま西村議員からの写真を見て、こういうことがあったのかなとうすうす思い出してきた」

6日の会見では、関連団体の集会で推薦状を受け取ったことを「覚えていない」と釈明していましたが、7日は一転。写真を見せられると「うすうす思い出してきた」などと答弁しました。


教団側との「政策協定」に当たる推薦確認書について


立憲民主党 西村代表代行(7日午前)

「推薦確認書の件も、盛山大臣は記憶がないんでしょうか」


盛山文科相

「こうやって推薦状を頂戴してる写真があるところを見ると、サインをしていたのかもしれませんがよく覚えておりません」


立憲民主党 西村代表代行

「『LGBT問題は慎重に』という内容もあったというふうに書かれているが、そういった内容を賛同した上で、理解した上で署名をしたんでしょうか」


盛山文科相

「十分に内容をよく読むことなくサインをしたのかもしれません。軽率にサインをしたということについては、おっしゃる通りかと思います」

事実上、教団側と確認書を交わしたのを認めた。

【日テレNEWS NNN


ふざけた答弁は呆れてしまう。

サインはそんなこと言わさせないために、サインさせてるわけで。サインしてしまったら、覚えてなかろうが覚えてようが関係ない。そこの文書に書かれたことが効力を発揮する。それがサインですから。それを旧統一教会と結んでいて、いまも有効なわけで、破棄しなければ、うすうす覚えてるかどうかとか、スーダラですね。

『信濃のコロンボ 事件ファイル14 死あわせなカップル』

諏訪湖・不倫心中事件の謎!二重のアリバイトリックを暴け!熱血漢の信濃のコロンボ竹村が難事件に挑む人気シリーズ。

諏訪湖畔駐車場に停められた車から青酸カリで心中した男女が発見された。車には車上荒らしの形跡があり、長野県警警部・竹村(中村梅雀)らは捜査を開始。男女にはそれぞれ配偶者がいると判明し、事件は不倫心中として解決するかに見えた。そんな中、車上荒らしの犯人とみられるホームレスが殺される。さらに、男女は互いに見知らぬ相手だった可能性が浮上して


【出演】竹村岩男中村梅雀、竹村陽子原日出子、岡部和雄松村雄基、羽山喜代子山本未來、宇野和男西村和彦、羽山米義掛田誠、宇野久子川俣しのぶ、吉井加藤純平、木下萬雅之、千原伊藤洋三郎、川島伊吹康太郎、瀬戸幸吉松崎しげる、星野祐造ホリベン、外川茂河原さぶ、大森修治里見浩太朗

【原作】内田康夫

【脚本】佐伯俊道

【監督】江崎実生

BS TBS

2024/02/08 15:5417:56

2024年2月 7日 (水)

周庭さんに香港警察は指名手配

 カナダに滞在している香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)について、香港警察は6日、定期的な出頭に応じなかったとして、香港国家安全維持法(国安法)に違反した疑いで指名手配したと発表した。周氏は国安法の細則により、昨年12月末の出頭を求められていた。


 香港警察はこの日の会見で、周氏が「自ら出頭しない限り、生涯にわたって追われる」としたうえで、「外国の反中勢力に庇護を求めることは恥ずかしい」などと批判した。


 周氏は20216月、未許可デモを組織するなどした罪での刑期を終え、釈放された。昨年123日にSNSの投稿で、留学先のカナダから香港に戻る考えがないことを明らかにした。理由として、警察から再出国のために望まぬことを強要される可能性があるという懸念を挙げた。


 その後の朝日新聞のインタビューでは、「いま香港には、まだ多くの人が自由を求めるために収監されていて、逮捕されていて、苦しんでいます。引き続き、香港の民主化運動を応援していただければと思います」と語っていた。


 警察はこれまでに、香港立法会(議会)の元民主派議員らで、旧宗主国の英国や、米豪に逃れた計13人を国安法違反の疑いで指名手配し、それぞれ100万香港ドル(約1900万円)の懸賞金を設けている。


 また、昨年12月には指名手配された元民主派議員が滞在国で運営する有料サイトの閲読契約をしたとして、香港の男女4人を国安法の資金援助違反容疑で逮捕した。

【朝日新聞】


中国から脅しのような指名手配。

カナダ政府は彼女を守るのだろうか。マスコミなどで発言されたりするのを恐れているようだ。このままカナダへ亡命するのでしょうか。

『信濃のコロンボ 事件ファイル13 盲目のピアニスト』

信濃コロンボこと竹村岩男(中村梅雀)は、休暇中に訪れたコンサート会場で、殺人事件に遭遇。被害者は出演予定だったバイオリニストの白鳥蘭子(斉藤林子)。やがて共演者のピアニスト・奥野司郎(大沢樹生)に容疑が掛かる。そんな中、司郎の叔母でピアニストの奥野百合子(鰐淵晴子)の隣人・赤井義一(岡田太郎)が自宅で刺殺される。
百合子の家にレッスンに通う盲目のピアニスト・戸津輝美(前田愛)は、隣の部屋付近から司郎が吸う葉巻の匂いがしていたと証言。司郎への疑いが深まるが

【出演】中村梅雀、原日出子、松村雄基、山西道広、前田愛、大沢樹生、斉藤林子、岡田太郎、水沢アキ、松田洋治、鰐淵晴子

【原作】内田康夫『盲目のピアニスト』(角川文庫・刊)
【脚本】佐伯俊道

【監督】江崎実生


内田康夫『盲目のピアニスト』(角川文庫)

天才ピアニストとして期待されていた輝美は、ある日突然失明した。音楽に生きがいを求めて厳しいレッスンにも耐える日々のなか、彼女の周りで次々と人が殺される。美しいピアニストに近づく男たち。気配と音だけが彼女の疑惑を深め、やがて恐ろしい真相が見えてくる。人の虚実を鮮やかに描いた傑作短編集。表題作ほか四編を収録。

盲目のピアニスト/愛するあまり/陰画の構図/想像殺人/濡れていた紐

2024年2月 6日 (火)

『幽体離脱殺人事件』島田荘司

『幽体離脱殺人事件』島田荘司

警視庁捜査一課・吉敷竹史の許に、一枚の異様な現場写真が届いた。それは、三重県の観光名所・二見浦の夫婦岩で、二つの岩を結ぶ注連縄に、首吊り状態でぶら下がった中年男の死体が写っていた。しかも、死体の所持品の中から、吉敷が数日前、酒場で知り合った京都在住の小瀬川杜夫の名刺が

本格推理の鬼才が圧倒的筆力で描く、トリック&サスペンス。


★★★ 文章でイメージする小説は、キャラクターを推測から形成する。

しかしドラマは演出と配役を慎重にやらないと、トリックがしらけてしまう。島田荘司さんの描写力あるトリックなので、ドラマ脚色は綿密さを求めてられるようだ。


鹿賀丈史主演「吉敷竹史シリーズ」第4弾。三重県のとある海岸で発見された身元不明死体。容疑者と目された女の過去に見え隠れするもう一人の女。東京から駆けつけた吉敷の推理が驚くべき方向へ向かった時、女の心に棲む闇が解き放たれる。まるで幽体離脱したかのような二人の女の存在果たしてその真相は?

【ストーリー】
三重県・伊勢の海岸で、一人の男の他殺死体が発見された。警視庁捜査一課三係の刑事・吉敷(鹿賀丈史)は警視庁とは管轄外のこの事件の捜査のため、三重へと向かう。事の発端は一カ月前、都内にある総合病院で発生した立てこもり事件にあった。その時、犯人に人質に取られていたのが森岡輝子(相田翔子)で、彼女が伊勢の海岸に溺死寸前の状態で倒れていたというのだ。しかも現場付近からは輝子が書いたと思われる、自身の犯行を臭わせる文面の遺書まで見つかり、輝子は地元警察から事件の容疑者と見なされていた。
「もう一人の私が、人を殺したんです。」という輝子からの電話連絡を受けた吉敷。地元警察で捜査の指揮を執る旗田(金田明夫)は、訪問に露骨に不快感を表しつつも吉敷を輝子と面会させる。


【出演】

 吉敷竹史鹿賀丈史
 栗山真弓田畑智子
 小谷祐一賀集利樹
 浅田幸吉伊吹吾郎
 森岡輝子相田翔子
 森岡敬太郎大鶴義丹
 旗田聡金田明夫
 中村吉造夏八木勲 ほか
【原作】島田荘司
「幽体離脱殺人事件」(光文社文庫)
【脚本】高田純
【演出】千葉行利

TBS放送

2024年2月 5日 (月)

『空洞の怨恨』森村誠一傑作短編集

表題作「空洞の怨恨」は小説現代のゴールデン読者賞を受賞した傑作。

著者の代表的な短編小説を読むことができる。


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「二重死肉」★★★

ねずみは人間に害を及ぼす生き物、残飯を荒らす食害のほか、ペスト菌やサルモネラ菌などもばら撒く。有田修は、ねずみに異常な嫌悪感を持っていた。怨敵と戦うために、有田はねずみ捕り会社を設立する。家の中に閉じ籠って、ねずみを研究した。彼の開発した、人畜無害の新殺鼠剤ラトールの評判が良く、業績も順調に拡大していた。更にねずみの天敵である、三毛の牝猫や黒の牡猫の鳴き声を録音した機具を開発。それを閉店後に無人になった店内へ、流すと効果が絶大で評判になった。こうして会社は急速に発展して、数々の代理店を抱えるほどになった。何故これほどまでに、ねずみを憎むのかは訳がある。有田は都内にある薬種会社に勤めていた。その会社には評判の美人社員がいて、会社の男性社員のみならず、界隈の会社の男性社員たちまでもが、彼女に注目していた。高嶺の花と諦めていたが、何故か彼女が有田を見染めてしまった。彼女の気持ちが変わらないうちに、プロポーズしたところ、あっさり承諾してくれ、直ぐに結婚した。美知子と結婚して、長女の梢が生まれた。家庭は有田にとって世界で一番の楽園だった。だが突然、悲劇が起こった。会社を辞めて、家で留守番をしていた美知子が、買い物のために外出した合間に、サークルの中で眠っていた梢にねずみたちが群がった。ミルクの臭いに誘われたのだろう。美知子が帰った時には、間に合わなかった。娘を失ったのは、美知子の責任では無い。だが一緒に連れて出ていれば、この不幸は免れたという思いがある。夫婦関係もギクシャクし始めて、忘れられるものではない。

こうして夫婦の間に、割りつけられた溝は、無くなる事はなく、大きくなるばかりだった。そしてどちらからともなく別れようと言い出した。この時から、ねずみに対して激しい怨念を抱く様になった。ねずみの事を知り尽くした有田が、殺人事件現場に有ったねずみの死骸から、殺人事件を解決する。


「鈴蘭の死臭」★★

小川明のネクタイで、島枝が首を絞めて殺された。発見した妹の雅枝は、驚愕の余り瞬間的に部屋から逃げ出した。その出会い頭に雅枝の婚約者である山田と会う。島枝と交際してた小川は暴力団の組員である。小川は賭場で警察に検挙され、拘置所に入れられた。だが親分が保釈金を積んでくれ、保釈され、島枝のアパートで暮らしていた。山田は小川の舎弟分である。

姉妹揃って、暴力団員と交際しているのだから頂けない。島枝と小川は、昨日、些細な事が元で大喧嘩していた。手当たり次第に物を投げ、室内は足の踏み場もないほど荒れた。その喧嘩の仲裁に入ったのが山田だった。その事実を知った捜査官は、行方を晦ましている小川が、喧嘩を根に持って島枝を殺したものと推測した。そんな時に小川がひょっこり帰ってきた。そして殺していない、逃げたのではなく喧嘩をして気まずくなったので、成人映画を見て、一晩過ごしたという。

初めに現場へ来た雅枝は、捜査官に部屋からスズランの香水の匂いがした。だが雅枝は、臭盲らしい。それと対照的に、捜査を担当した大西刑事は臭いに敏感だった。それを知らず、小川に罪を被せるため、スズランの香水を部屋に投げ付けた男が犯人だ。


「集合凶音」★★

マンションや団地等の集合住宅では、近隣世帯の騒音は、常に問題になる。十二才の北村英次も、それが堪らなく嫌であった。また英次の母親も血圧が高く、頭痛や肩凝りが激しいため、騒音が最大の敵であった。そのため近隣で傍若無人に、騒音を発生させている家へ行っては抗議した。聞き入れてもらえない場合は、区の公害課へ訴えた。しかし一つの大きな騒音を遮断してみると、次の騒音が聞こえてくる。次々と騒音の遮断を続けていくと、今まで、聞こえなかった音までが、騒音として聞こえてくる。そういった悪循環に陥った。自分の心臓の音すら騒音に思える。そんな状況の中で二つの事件が起こる。ピアノの音は美しいが、未熟であった場合は、騒音に成り得る。ピアノ教師の部屋に落ちていたヒマワリの種が、二つの殺人事件を解決するのだった。


「密閉島」★★★★

日本有数の温泉都市から十キロの海上に浮かぶ離島沖島へ須藤は渡った。島全体がレジャーランドになっている。そのホテルに宿泊している、中田島枝に会うためである。それは自分の無実を証言してもらうためだ。

証券会社の外務員である首藤に、島枝は株の売買を委託していた。巨額の売買益を出すようになると、島枝と須藤は、男と女の関係になっていった。ある日、須藤の別の婦人客が、何者かに殺された。その婦人客の口座は、須藤の取引の失敗で大きな穴が開いていた。婦人客は須藤に激しく叱責して、それを聞いた捜査官は、責められた須藤が犯行に及んだと考えて事情を聞いた。だが須藤にはアリバイがあった。その婦人客が殺された日時に、あるモーテルに島枝と一緒にいた。だがパトロンに浮気が発覚するのを恐れ、その事実を警察に証明しなかった。だから改めて島枝を説得するのに、この島へ来た。それも警察の取り調べの隙間を狙って脱走した。人目に付かぬよう、客たちが寝静まった頃を見計らって島枝の部屋へ行くと、鍵が掛かってなく呼んでも出てこないから部屋へ入った。すると島枝が首を絞められ殺されていた。殺されたばかりの様子であった。今発見されれば、この殺人も須藤の犯行とされる。やってもいない二つの殺人の犯人とされてしまう。早く逃げなければ!

しかし明朝九時まで、島から脱出する船は出港しない。狭い島なので直ぐに見つかってしまう。

その時に思いもよらない美人パートナーが表れるのだった。ここから後半は一気に味方登場の展開。

真犯人もこの島にいて、脱出は出来ない事を彼女はいった。

「島の目ぼしい建物は、このホテルだけだわ。明日、船が出るまでに、真犯人を捜せば良いわ。」

頼りがある女性キャラクターは、頭が切れるので翌朝まで、主人持ちをぐいぐい引っ張ってゆく。しかしそれが危ういことになる。


「崩落した不倫」★★★

大神洋一郎と佐田(旧姓)昌子は、何故、もっと早く止めなかったか悔やんでも、悔み切れなかった。洋一郎は貧しい地方公務員の長男だったが、大神家へ婿養子に入ると才能を咲かせた。大神家に現金は殆ど無かったが、土地や山林の不動産がかなり有った。洋一郎がモータリゼーション時代の到来を見越して、宿泊設備を伴ったドライブインやレストランを開店すると大繁盛する。大神家先祖伝来の土地や山林も、高速道路の開通などや都市化のラッシュで高騰して莫大な評価益を得る。手に入れるべき地位や名誉や資産は、全て手に入れた。だが一つ手に入れ忘れたものがあった。資産が目当てだったので、妻を好きでもないのに結婚した。

大学サークル歴史研究会で一緒だった佐田昌子、当時は歴研のプリマドンナと呼ばれて全男子学生の憧れの的だった。洋一郎にとって手の届かぬ存在だったが今は違う。歴研の同窓会を企画して再会する二人は、アッと言う間に不倫の仲になった。もう二年も続いていて、止めなければと思っていた。満ち足りた時は、欲望が醒めるが、飢餓に陥ると欲望が膨張してしまう。

その日も空腹を満たした二人は、タクシーに乗って帰路についた。そして昌子が降りようと、タクシーの扉が開いた時に一人の男の膝小僧に直撃した。二人は降りて男の様子を見に行った。大したことは無さそうだった。だが当たった男が凶悪で右頬に刃傷があるヤクザだった。扉を開けたのは運転手だが、タクシーは既に走り去ってしまった。男は矢沢富市という裏社会で〈きずとみ〉と通る札付きの悪で嗅覚も優れていた。すぐに二人の関係が表沙汰に出来ない関係だと気付かれて、脅迫の日々が始まった。金から始まり、回を重ねる度に、その金額が増える。そんな工面が難しくなると、昌子の体を求めた。堪りかねた二人に暗黙の了解が成り立った。不倫の仲だけなら、まだ良かった。殺人実行の共犯者になってしまうのだった。しかしそれが、間違いの始まりだった。

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「空洞の怨恨」★★★★★

大塚新吉が刑事になった動機は、至極、単純である。それは小学生の頃、すごく大切にしていた、ドン公を殺した犯人を捕まえるためだった。そして犯人は分かっている。ドン公は大塚が飼っていた草亀だった。弟のような存在で、何時間遊んでも飽きなかった。巣箱を作り、毎日美味しい餌を与え大切に可愛がっていた。ところが、或る日にドン公のところへ行くが、いつもなら嬉しそうに頭や手足を出すのに反応がない。持ち上げてみると軽く、よく見ると甲羅の中がくり抜かれていた。ドン公の甲羅の中が空洞で、その時の悲しみ怒りは忘れることは出来ない。犯人は分かっていた、小笠原辰馬である。三十年後に恨みを晴らす時が来た。小笠原は小学生の同級生の海野から、恋人も奪い才能も奪っていた。海野の才能で、職業作家の名声を築いていた。

ひら刑事が文壇巨匠と対決する。甲羅をくり抜かれた恨みを晴らせるのか。そしてドン公がくり抜かれた真実は大逆転となる。

〈19754月講談社刊行〉


中編小説が面白かったので、短編小説集をKindle Unlimitedで何冊も読んだけど、犯罪の加害者と被害者のキャラクターや心情には共感できなかった。やはり長編小説のほうが、森村誠一さんの良さが発揮されてあるように思いました。

松本清張さんと江戸川乱歩さんの両面を持った作家とも言われてるようですが、この二人は短編小説も満遍なく達者でしたね。

2024年2月 4日 (日)

わさび効能

山葵には他の野菜と同じようにビタミンやミネラルが豊富です。山葵100gあたりには、ミネラルのひとつである「カリウム」が500mg含まれています。


【納豆わさび効果】

納豆には血液や血糖値を下げる効果がある。山葵には抗酸化作用や食欲増進作用があり、納豆わさびで健康にいい栄養成分を摂取できる。


また山葵成分ヘキサラサンは、脳活動に作用する。睡眠中に山葵の匂いを嗅ぐと、朝の覚醒がすっかりする。

【生姜がり効能】

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ガリを食べると脂肪の燃焼を助ける効果がある。

しょうがに含まれるジンゲロールが、血流を改善して代謝を促進して、消費エネルギー量を増やす。

酢に含まれている酢酸も、継続してとり入れることで内臓脂肪の減少に効果が期待される。

2024年2月 3日 (土)

『相棒season22元日スペシャル』3月27日午後8時よりノーカット版を再放送

11日に放送されたテレビ朝日系『相棒season22元日スペシャル』が、327日午後8時よりノーカット版を全国ネットで再放送することが決定した。同番組は、同日に発生した令和6年能登半島地震の緊急ニュース対応のため、一部が未放送となっていた。


 TVerでは『元日スペシャル』の見逃し配信が公開され、208万再生を超えたが(ビデオリサーチにて算出/11日~110日)、テレビでの再放送についても多くの要望があった。

3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)のパートナー・笛吹悦子(真飛聖)が、約9年ぶりに登場。

さらに美村里江、新納慎也という実力派俳優たちが『相棒』初出演をはたした。テレビ朝日開局65周年記念作品の第1弾にふさわしく、超スケール&超怒涛のストーリーが展開され、杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が特命係史上、最も危険な賭けに出る。


【相棒season22元日スペシャル『サイレント・タトゥ』あらすじ】
甲斐享と笛吹悦子の息子・結平(森優理斗)が、学芸会の演劇で主演を務めることになり、祖父の甲斐峯秋(石坂浩二)は早々に会場入りし、開幕を待っていた。学芸会といっても立派なホールを借り切っての催しで、峯秋は孫の晴れ舞台に、社美彌子(仲間由紀恵)とその娘・マリア(土方エミリ)も招いていた。同じ会場に、右京、薫、美和子(鈴木砂羽)の姿もあった。右京は、享の逮捕後も悦子とその息子を気に掛け、交流を続けていたのだった。また、峯秋の長男で享の兄の甲斐秋徳(新納)は、結平の父親代わりを務めており、この日も保護者として、悦子とともに舞台袖で結平を見守っていた。


そんな中、結平の担任・姉小路(福澤重文)が、悦子に声を掛けてくる。その言動には、単なる担任教師にそぐわない不穏な空気をはらんでいた。そうこうするうち幕が開くが、その最中、なぜか出演予定のない姉小路が、フラフラとステージに現れ、舞台上で卒倒する。背中には、深々と刃物が突き刺さっていた。騒然となる会場。右京と薫は、緊急事態を察し、即座に動き出す。

と、意外なほどあっさり、容疑者が浮上した。姉小路は異性にだらしなく、同僚教師だった栗原志津子(美村)との婚約を一方的に破棄した過去があった。そのいきさつは非道なもので、志津子が姉小路に強い恨みを持つのも無理からぬことだった。一方、志津子のかたわらには、黒須(阿佐辰美)という若者がいて、彼女から何らかの指示を受けている様子が垣間見られた。この時点で、事件のあらましは判明したかに思われたが、やがて志津子が、姉小路からアプローチを受けていた悦子に対して、異常な執着を持っていることが分かってくる。

節分の日

「節分」は立春・立夏・立秋・立冬の前日で、とくに立春前日がもっとも重要視される行事。

当日に豆をまいて鬼を追い払い、邪気や穢れ次の季節へ持ち越さない日本古来の風習。


一般的には、23日が「節分の日」として知られる。しかしうるう年の関係で、その年によって立春の日が変わることがある。22日や24日になることもある。


節分に大豆で豆まきをする理由は、昔から穀物には鬼や邪気を追い払う力があるといわれているからです。中国では古来より、宮中行事の厄払いにあずきを使用。この風習が室町時代に日本へ伝わり、五穀豊穣を祈って大豆に変わったとされます。

2024年2月 2日 (金)

『棟居刑事の絆の証明』森村誠一

棟居弘一良は気軽な単独で後立山縦走を試みる途中に、トレッキングツアーのグループと出会った。そして山頂でグループの女性から、六人集合写真の撮影を頼まれる。シャッターチャンス抜群の写真は、後にお互い素性不明な彼等の運命をかえることになる。

山を下り刑事の日常に戻って、新聞で見覚えのある顔の新人作家紹介記事と出会った。その作家・蒔田直之のホームページを検索すると、詳しい情報や記録がアップされて、後立山の縦走のとき自分が撮った写真が掲載されていた。蒔田はツアーのメンバーだったらしい。勤めていた会社が倒産して妻とも離婚して、自棄の気分転換でトレッキング・ツアーに参加後に運気が変わり、一千万円懸賞小説に応募当選して作家デビューする。あの登山参加体験がヒントになっていた。そして作家が話題となり、下界での干渉がはじまったり

そのツアーに参加した一人に岡野種男という探偵がいた。仕事の依頼が全くなく干上がっているとき、運よく女性から仕事の依頼を受けた。その斉藤加奈絵もツアーに参加した一人で、依頼内容は行方不明になった姉を探してほしいと。海外旅行へ帰国後も予定を過ぎても戻らない。

赤坂の料亭に男と泊まっている女を見て、玄関番の辻岡ははっとする。あのツアーに参加していた女に似ていた。どうやら大金の受け渡しをしたらしい。他人の空似なのか?

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そんなツアー参加したメンバーの身辺に、予想外の殺人事件が起きていた。

行方不明になった斎藤の姉に勤務先の銀行は、岡野に対して非協力的だった。何か銀行にとって都合の悪いことがと、勘ぐってしまう。失踪者に対して警察も、いずれ乗り出すことになる。捜索願いのニュースが出れば、妹の情報など同行したツアーメンバーも記事を読んだ。歳の差も近く似てる姉妹に、辻岡は反応した。自分は警察が知らない情報を把握しているのかも知れない。登頂した女性メンバーに再会できるかもと都合良く解釈して電話する。聞き覚えのある声に、斉藤加奈絵は姉の手掛かりを求めた。料亭従業員から姉と泊まった男のことは、詳しく知ることができた。

「ツケをしっかり払って、夜逃げした」という。警察に情報を届けるべきだと判断する。

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ご都合よろしく偶然の出逢いが続いているが、何故か読ませてくれる。

「ようやく解放された時、暑くもなきいのに、腋の下が濡れていた」とか実在するような、作者の人間描写による賜物だろうか。出版プロデューサー角川春樹さんがお気に入りの作家さんだと分かる文章。

〈物質中心の社会になって、人と人との結び付きが希薄になっている現代ににおいて、人間のこういう出逢いと結び付きがあることに、彼らは新鮮な感動をおぼえていた。〉

このアイデアは中編にしたほうが良いと思うほど、中弛みが多い展開。長編ミステリーを丹精に、きりりと描く困難さを感じる。でも最後まで読ませてくれるのは、プロの手腕であろうか。

『棟居刑事の証明』でも犬が上手にドラマに使われていた。嗅覚の良い犬は懐く習性などイメージしやすい。動物を小説に有効に書けるのは筆力だけではなくて、あと自然描写などがゆとりあって、他のミステリー作家より断然に読みがいがある。

棟居刑事シリーズの傑作。★★★

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2024年2月 1日 (木)

『棟居刑事の証明』森村誠一

政財界に大きな影響力を誇っていた大物総会屋・税所重信の変死体が雑木林で発見された。政財界に衝撃が走った。

棟居(むねすえ)刑事の捜査線上に浮かび出したのは、被害者と夏の終わりの海水浴上で偶然出会った6人。

発見者の少女、小指の欠けた男、煙草に火をつけてくれた女、7人の男女の悲劇が複雑に交わる。

殺される者にはそれだけの、負のエネルギーを受ける大きな悪徳があったのだ。殺してやりたいと思われる税所重信だった。女癖が悪くて、複数から憎まれていた。殺したいと考えてた人物と偶然にあって意気投合する。 

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「八方悪人」というべき税所重信は、救いのない人物であり、実在しないほどの悪辣な行為を続けていた。ある意味ではリアリティーが希薄である。

金銭と損得、体面と保身、男と女、欲望と殺人。

棟居刑事が真相を証明すべく関係者と会うと、夏の終わりに熱海の砂浜へ集まった六人がそれぞれに別のつながりで事件に関わっていた。

偶然なのだろうが、一人ひとりはあの夏を懐かしんで、もう一度会いたいと望んでいたのである。

死への渇望から扉を開いていた少女と、病魔に侵されている年長者は、海の彼方に現実を観ていた。あり得ない同窓会を想っているが、人間としては現実感のある思惑が深く描かれている。人間の本質に鋭く迫る長篇ミステリー。★★★

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百年後には
その場所を知る人もいない
そこで演じられた苦悩も
平和のように鎮まる


雑草が無遠慮に広がり
見知らぬ人はさまよい歩いて
昔亡くなった人たちの
孤独な墓碑銘をなぞり読む


夏の草原に吹く風が
この道を回想する
記憶からこぼれ落ちた鍵を
本能が拾い上げる

(エミリー・ディキンソン「After a hundred years 」より)

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