森村誠一「善意の傘」(光文社文庫『完全犯罪のエチュード』所収)
土曜ワイド劇場「森村誠一作家50年記念 終着駅シリーズ・善意の傘」
雨の夜の殺人者!!迎えに来るはずの夫が殺された!!刑事が追う2組の夫婦のアリバイと嘘!?
<あらすじ>
東京・西新宿の空きビルで女性の絞殺死体が発見され、牛尾正直(片岡鶴太郎)ら新宿西署の刑事たちが臨場した。殺されていたのは、秋葉千恵子(川上麻衣子)という主婦で、夫の武士(小木茂光)によれば、千恵子は生命保険会社の営業職でトップの成績を誇っていたが、3カ月前に仕事を辞め、現場となった空きビルを買い取ってビューティーサロンを開く予定だったという。
携帯電話の通話記録から、被害者は午後8時16分にかかってきた電話に出ていることが判明、その直後に殺されたものと思われた。だが、最後の通話相手の名を聞いた牛尾は驚く。その女性、山野京子(葉月里緒奈)は1年前、突然の雨に困惑する牛尾に傘を差し掛けてくれた善意の人物であり、牛尾と出会ったその夜に夫を何者かに殺されていたのだ…。
1年前、知人の通夜に参列するため、都内近郊の駅に降り立った牛尾を突然の雨が襲った。駅には“善意の傘”と書かれた傘立てが設置されており、残っていた最後の赤い傘を先に手に取った京子が、困っている牛尾を見かねて差し掛けてくれたのだった。
通夜の会場が通り道ということで、相合い傘で歩く間、京子は同じような雨の日に夫・和正(山口馬木也)と初めて出会ったことなどを話す。しばらくすると京子の携帯に夫から電話が入り、「これから駅に迎えに行く」と言われたため、駅まで戻るという。「その傘、返しておいて下さいね」と牛尾に傘を渡し、京子は笑顔を浮かべて小走りに去った。
だがちょうど同じ頃、京子の自宅では和正が何者かに撲殺されていた。数日後、小金井北署の川合刑事(ダンカン)の訪問により事件を知った牛尾。川合によると、牛尾と一緒のときに彼女にかかってきた電話が、和正の最後の通話だったとのことだった――。
そんな1年前の出会いを思い返しながら、千恵子が殺害された事件の聞き込みのため、京子のもとを訪ねた牛尾。京子は半年前に勤めていた銀行を辞め、ファイナンシャルプランナーとして独立、かつて夫と暮らしていた家はそのままに、事務所兼用でこの都心のマンションを借りているという。京子は、千恵子は元の家の近所に住んでいた友人で、確かに昨夜8時過ぎ、彼女に電話をかけたと話す。用件は、千恵子が購入する予定のビルの契約についての確認だったという。念のためとアリバイを問う牛尾に、昨夜は知り合いの美容師と食事をしていたと、京子は答えた。
京子のアリバイは成立、彼女への疑いは晴れたかに思えた。だが、そのとき牛尾の電話が鳴った。小金井北署の川合刑事からで、実は空きビルで殺された千恵子は、京子の夫・和正殺害事件の第一発見者だったというのだ。1年前の殺人事件の第一発見者が今度は殺人事件の被害者となった…。そればかりか、和正の事件も千恵子の事件も京子の証言によって殺害時刻が断定されている…。牛尾の胸に京子への疑惑が広がった。
坂本課長(秋野太作)から2日間の猶予を与えられた牛尾は、京子を調べはじめる。すると、彼女が夫・和正から暴力を受けていたこと、京子と千恵子の夫・武士の間に不倫の噂があったことがわかって…!?
【出演】
牛尾正直 ……… 片岡鶴太郎
牛尾澄枝 ……… 岡江久美子
山野京子 ……… 葉月里緒奈
秋葉千恵子 …… 川上麻衣子
山野和正 ……… 山口馬木也
秋葉武士 ……… 小木茂光
高杉 誠 ……… 下條アトム
坂本課長 ……… 秋野太作
大上刑事 ……… 東根作寿英
山路刑事 ……… 徳井 優
川合刑事 ……… ダンカン
ほか
【原 作】森村誠一「善意の傘」(光文社文庫『完全犯罪のエチュード』所収)より
【脚 本】橋本 綾
【音 楽】大野克夫
【監 督】池広一夫
【プロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之(東映)
【制 作】テレビ朝日・東映
『完全犯罪のエチュード』森村誠一
完全犯罪に挑む牛尾刑事!
人間の心に潜む暗い殺意。新宿を舞台に6つの難事件を鮮やかに解決
高層ビルの林立する新宿副都心。一編の詩「破れる花」を残してホテルの一室で遺体となって発見された作詞家、尾高和子。自殺か、あるいは自殺に見せかけた巧妙な殺人か。
大都会に生きる現代人の心の闇に潜む暗い殺意を、あざやかに解決する新宿署・牛尾刑事。完全犯罪のトリックに挑戦する6つの事件簿。
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