古畑任三郎30周年記念一挙放送、1話と2話
古畑任三郎1 #01🈞🈑
「死者からの伝言」
「犬を飼っている人に一言。名前を呼ぶ時は“ちゃん”を付けるのは止めてください。“ちゃん”を付けると犬は“ちゃん”までが自分の名前だと思い込んで“ちゃん”を付けないと振り向かない場合があります。犬には…」
人気作家の小石川ちなみ(中森明菜)は、恋のもつれから編集者を自分の別荘の地下金庫に閉じ込めて殺し、事故死を装う。
豪雨の中、電話を借りにたまたま立ち寄った古畑任三郎(田村正和)は、彼女の言動に矛盾が多いことに気づく。
犯人・小石川ちなみを「若くして夢を手に入れたが故に人生を諦観している哀しい女性」であり、古畑に捕らえられるのを静かに待つイメージとして描くことにより、犯行後も犯人側のドラマを低下させるずに作品を纏め上げるている。
古畑任三郎1 #02🈞🈑
「動く死体」
歌舞伎役者・中村右近(堺正章)は、警備員の野崎(きたろう)に自分のひき逃げ事件を口止めしていたが、野崎が自首すると言い出したため口論となり殺害してしまう。演目終了後、右近は野崎の遺体をすっぽんを使って奈落から舞台へ運び、天井のすのこからの転落死に偽装した。楽屋でお茶漬けを食べて劇場をあとにしようとした右近は、捜査に来ていた古畑とばったり出会ってしまう。
『動く死体』は脚本上第1作として書かれた作品。オファー段階で刑事物を固辞してた田村正和は、この脚本を読んで出演を承諾した。
脚本第1作の本作では、古畑や今泉のキャラクター設定がその後のシーズンとは微妙に違うのが特色。
犯人への追い詰め方は、後年のとは違って意地悪なほど執拗で、今泉もコメディ・リリーフではなくて、「刑事ドラマ」の刑事キャラクター。
『動く死体』は事故死に偽装したトリックを暴くのではなく、〈すっぽんはなぜ上がっていたのか〉という小さな疑問から論理的に犯人を絞り込んでいく過程にある。右近をはじめて疑う伏線もさりげなく、かつ丁寧に張られている。
懐中電灯の使い方が見事にうまい。転落事故を疑う根拠、古畑が右近を追いつめる手数、右近がやむを得ず現場に戻る理由など。ミステリそしてコメディの小道具という役割を懐中電灯に集約させている。
〈なぜ右近は犯行後にお茶漬けを食べたのか〉と、本筋と関係のない謎が視聴者に提示される。中村右近の人物造形がより深いもので、「単なる謎解きドラマ」以上を予感させる。
放映上第1作となった『死者からの伝言』が変化球なミステリーに対して、倒叙形式に徹している。
犯人が「女性」から「男性」で、犯行が「計画的な殺人」に対して「突発的な事故」である。動機が「復讐」であるのに対して「保身」である。
古畑の登場が「偶然」であるのに対し「正式な捜査」である。ドラマの方向性が「犯人への共感路線」であるのに対し「犯人の対決感」となっている。
■古畑任三郎事件ファイル-全エピソード解析
http://furuhata.fan.coocan.jp/contents/episode.html
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