« 『トオマス・マン短篇集』(岩波文庫) | トップページ | 『湘南海岸殺人事件』斎藤栄 »

2024年5月 8日 (水)

トーマス・マン『魔の山』について

『魔の山』舞台はスイス・ダヴォースにある国際結核療養所「ベルクホーフ」であった。

従兄のヨーアヒムを見舞ために、施設に滞在するハンス・カストルプは、病と死の臭いが蔓延している施設の退廃的な雰囲気に翻弄される。 

日常とは異なった独特の時間が流れて、不意打ちのような事件が相次ぐこの「魔の山」は一体何を象徴しているのだろうか。

https://pfadfinder24.com/reise/berghof/


『魔の山』という難解で饒舌な1200ページの長編小説は、難しい山に登るに等しい。

なにせ肝心なことは何一つ語らないトーマス・マンの愉快な感覚は、現代日本人には遠く理解する範疇を遥に超えてしまっている。

やはり山登りガイドラインは必要であったのだ。読書オタのぼくの直感は当りだった。

番組では現代日本語によって読み解く構成になって、これで何とか読めると思った視聴者はいたと思う。にしても難解奇天烈な『魔の山』ではある。

生前に作者は「魔の山入門」という講演をしていたらしい。そんだけに作品への愛着があったのだろうと推測される。ネットで検索したけれど、日本語には翻訳されてはいないようだ。

トーマス・マンならば、どのように壇上で語ったのか、そんな空想して読むのも長編小説ならではの醍醐味だろう。全世界に及ぼしているコロナ禍のパンデミックスな状況にあって、戦火が続いている人間社会を考えさせられる日々。『魔の山』は全世界において読まれるべき作品内容だろう。心と精神が病んでしまった人間世界は、サナトリウムの空間に映っているようにも想える。

« 『トオマス・マン短篇集』(岩波文庫) | トップページ | 『湘南海岸殺人事件』斎藤栄 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

燐寸図案

  • 実用燐寸
    実用燐寸レッテルには様々な図案があります。 ここにはコレクション300種類以上の中から、抜粋して100種類ほど公開する予定。 主に明治、大正、昭和初期時代の燐寸レッテルの図案。

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。

最近のトラックバック

フォト