『白い果実』ジェフリー・フォード 翻訳:山尾 悠子,谷垣 暁美,金原 瑞人(国書刊行会)
悪夢のような理想形態都市を支配する独裁者の命令を受け、観相官クレイは盗まれた奇跡の白い果実を捜すため属領アナマソビアへと赴く。待ち受けるものは青い鉱石と化す鉱夫たち、奇怪な神を祀る聖教会、そして僻地の町でただひとり観相学を学ぶ美しい娘…。
「私たちには白い果実を絶滅させることはできなかった。というのは、白い果実は森が生み出したものだからだ。私たちには世界からそれを取り除く権利はない。」
観相学を利用した独裁国家の物語。
第一章では辺境の町、第二章では孤島の硫黄採掘場、第三章では首都となる理想形態市を舞台に、主人公の一級観相官クレイは、不死をもたらすという「白い果実」を巡って様々な事件に巻き込まれる。
「この世に楽園というものは、ほんとうに存在するのだろうか?」
「私たちはそれに向かって旅をしている。この世の楽園とはこんなものだろうと君が思うものーーそれがこの世の楽園だ」
わさまざまな読みどころに、プラス山尾悠子の訳文。つまり、鬼に金棒。
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