6000万円窃盗事件と交際クラブ
和歌山県田辺市の会社経営者男性(74)が、自宅から6000万円相当の現金や貴金属類を盗まれた事件が、大きな話題となっている。
とりわけ、窃盗容疑で逮捕された東京都新宿区に住む自称フリーモデルの女(27)と男性が出会った理由について、多くのネットユーザーが「どうやって」「謎すぎる」と不思議がっている。和歌山と東京、およそ450キロの距離を結んだのは「交際クラブ」だったとの報道も出ている。
和歌山県警田辺署は2016年2月22日、男性宅から2015年1月に現金600万円と貴金属など29点(約5400万円相当)を盗んだ疑いで女を逮捕した。女は「盗んだつもりはない。男性が『持って行っていい』と言ったので持ち出した」と容疑を否認しているという。
男性は同日、女を自宅に残して外出していた。しかし、帰宅後すでに自宅はもぬけの殻。翌29日に現金や貴金属がなくなっているのに気付いた。それ以降、女とは連絡がつかない状態だという。
男性はかなりのお金持ちのようで、テレビ局などの取材に対し、「1億円なんて紙切れだから」「謝っていただければ、別にね」などとも答えている。
男性が自宅に多額の金品を保管していたことや、フリーモデルという見慣れない肩書きなど様々な点がクローズアップされている今回の事件。とくに、男性と女の50歳近い年齢差からか、2人の出会ったきっかけがネットで注目されている。ツイッターには
「いったいどうやって知り合いになった」
「謎すぎる関係」
といった声が相次いでいる。
情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)や「白熱ライブ ビビット」(TBS系)によると、2人は東京・銀座にある「交際クラブ」で出会った。男性はそこで女を紹介され、これまで11回自宅へ招いた。女が訪れるたび、航空チケット代や30万円~40万円もの現金を渡していたようだ。
交際クラブは別名「デートクラブ」とも言われ、入会すると、女性会員とデートをしたり、連絡をとりあったりできる。その多くは会員制。紹介料がその都度必要となるため出会い系サイトより費用がかさむ一方、指名すれば「必ず出会える」という強みもある。
東京都内にも、広尾や南青山、銀座など至るところに店舗がある。それぞれの公式サイトで示されている料金システムを見ると、入会金の相場は5万円、年会費の相場は3万円といったところだろうか。加えて、紹介を受けるごとに3万円から5万円ほどの紹介(セッティング)料が必要となる。
「デートクラブ」が注目された事件が過去にもあった。交際していた男性らを次々殺害したとして、1審、2審で死刑判決を受けた木嶋佳苗被告(最高裁に上告中)もかつて交際クラブの女性会員だった。19歳の頃に渋谷で交際クラブにスカウト。以後数十人と「愛人契約」を交わしたとされ、「愛人」から得た収入は月150万円に上るとも報じられている。
逮捕された容疑者の女は、「盗んでない。男性が持って行っていいと言った」と話しているという。
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