松本清張ドラマ『書道教授』
◇初回放送日=2010年3月23日
◇日本テレビ系 生誕100年記念 松本清張スペシャル・書道教授(船越英一郎)
四人の女性が主人公を翻弄させる。
主人公・川上克次の妻、保子。
行きつけの古本屋「谷口書店」の女房、妙子。
呉服屋の寡婦で、書道教授してる勝村久子。
主人公の愛人でBARホステスの神谷文子。
谷口妙子と神谷文子は雰囲気の似た外見だが、物静かな妙子へ惹かれる反面、ヒステリックな文子に谷口は自由を束縛されていく。若い男との密会をする妙子が、気になって度々の追跡から、書道教室への出入りについて疑惑を持つのだった。
そのうち谷口古書店から女房の姿が、永久に見えなくなった。
◇出演者
船越英一郎、杉本彩、荻野目慶子、的場浩司、岡本麗、大場久美子、手塚理美、野川由美子、賀来千香子、嶋田久作、坂下千里子、大河内浩、上杉祥三、若林久弥、春やすこ、くわばたりえ(クワバタオハラ)、小原正子(クワバタオハラ)、レツゴー正児、海原はるか、海原かなた、南雲勝郎、大石昭弘、池田勝志、増田こはる、豊田順子(アナウンサー)、菅谷大介(アナウンサー)、豆はな、満奈葉、綾乃
【あらすじ】
京都市内で主に顧客回りをしている銀行員の川上克次(船越英一郎)は、新しく書道教室教授・勝村久子(杉本彩)の担当を任される。その屋敷を訪ねると、久子は呉服商だった夫を亡くした5年前から、書道教室を始めた優雅な物腰の美人で、書体を見て書いた人の運勢を占う筆占いの特技があるという。政治家や芸能人も、お忍びで屋敷に出入りしていると噂があった。
仕事の話を終えた川上は書道を多少嗜んでいたこともあり、久子の字に惚れ込んで弟子入りを申し出る。完全個人教授だという久子は
新規の弟子は取っていないと断わるが、川上の熱い思いに打たれて他の弟子や屋敷内の一切を詮索しないとの条件で入門を許可する。
裕福な家の娘・保子(賀来千香子)と結婚し、平凡な夫婦生活を送っていた川上だった。一見、真面目そうな川上は、実は酒も飲めないのにナイトクラブに通い、ホステスの神谷文子(荻野目慶子)を愛人にしていた。銀行員という立場を自覚しながらも、カネしか信じられない文子との愛欲の蟻地獄に落ちていた。
得意先の古美術『懐古堂』店主の妻・谷口妙子(手塚理美)が久子の屋敷に入るのを目撃したことから、その事実を確かめてみた。
妙子は人違いの一点張りで、書道も久子も知らないという。一方、保子は東京にいた頃に盗まれた、母親の形見の高価な着物を着ている女を目撃したと大騒ぎをしていた。
書道屋敷に何度か通ううち、川上はそこに漂う妙な空気が気になり始める。久子はお手伝いのスマ(野川由美子)と二人暮らしで他に植木屋の飯田留吉(嶋田久作)が屋敷に出入りするだけ。川上の耳には、屋敷のどこからか、微かに女たちの声が聞こえてくる。屋敷内で妙子らしき女を見かけるが、確認することは出来なかった。
しばらくして、妙子の変死体が発見さた。気になった川上が久子の口座を調べてみると、書道教室には不釣合いな何億もの金が時々出入りしている。それとなく聞く川上に対してら久子は詮索しないよう告げるだけだった。
保子から妊娠したと明かされた川上は、文子に別れ話を切り出した。納得すると思いきや、川上が銀行の金を横領している事をネタにして多額の慰謝料を要求してくる。保子の妊娠を知った文子は、さらに銀行にまで押し掛けるようになった。文子との関係や横領の事実が露見するのではないか、と川上は不安を募らせた。
その文子が久子の屋敷を2週間ほど張り込みしたと告げ、川上に興味深い事実を明かした。屋敷にはお茶屋女将の日野千鶴(大場久美子)や、女実業家の安西詩織(岡本麗)が、いろいろな男と一緒に出入りしているという。
屋敷に凄い悪事が隠されていると言い切る文子は、呉服商の夫を殺した可能性もある久子を、一緒に強請ろうと川上を誘った。川上が話しに乗らないと知るや、文子は自分も妊娠したという。
脅迫に怯える日々を過ごすことになった川上は、悪夢と幻影にうなされ、ついに文子の殺害を計画するのだった。
「松本清張の書道教授・消えた死体」
1982年1月16日21:02-22:51、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」にて放映された。
【出演】近藤正臣・風吹ジュン・生田悦子・有馬昌彦・富田恵子・住吉道博・小沢象・浅沼晋平・俵一・池波志乃
妻を持ちながら、ホステスと愛人関係を持った銀行員が、思わぬ出世話を機に殺人を犯す。
取引先の私大理事長の娘、保子(生田悦子)と結婚した銀行員・克次(近藤正臣)は、妻の家族に頭が上がらず、気の休まる場所が無かった。
克次はホステスの文子(風吹ジュン)と愛人関係を続けることで、家庭でのストレスを軽減していた。ある時、支店長代理としての転勤命令が克次に下る。夢のような出世話に喜ぶ克次だったが、文子との愛人関係を整理しなくてはと、文子に別れ話を持ちかけるが…。
【スタッフ】
脚本:吉田剛
演出:野田幸男
制作:松竹
視聴率24.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
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