「安部公房展ー21世紀文学の基軸」と堤清二
「安部公房展ー21世紀文学の基軸」と堤清二
生誕100年を記念して安部公房をさまざまな角度から捉えなおしてみるという企画はなるほど文学館にふさわしい、それだけで十分ではないか、と顰蹙を買いそうな表題になってしまったが、少なくとも安部公房に関しては、それだけでは済まないところがあるのだ。どうしても「いまなぜ安部公房か?」という問いを掲げ、それに答えるというかたちを採らなければならない理由があるのである。
それは、20世紀末から21世紀にかけてメディアが大きく変容してしまったから、という理由である。メディアすなわち人間の意識の媒体、いや人類の意識の媒体、言葉を動き回らせる媒体が、あっというまに、それも全世界的に、変わってしまったからという理由だ。安部公房にはこの変容を見越したうえでその全創作活動を展開していたとしか思えないところがある。
三浦雅士「いまなぜ安部公房か?──漱石、賢治、安部公房という視点」(本展公式図録寄稿)から
https://l.smartnews.com/m-15z9x6D/J4qFoK
編集委員 三浦雅士
アートディレクション 近藤一弥
主催 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
後援 NHK横浜放送局、FMヨコハマ、神奈川新聞社、tvk
協賛 新潮社、京急電鉄、相模鉄道、東急電鉄、横浜高速鉄道
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