赤瀬川原平『オブジェを持った無産者』
現代思潮社 1970年
謎めくハイレッド・センターのレッド氏、赤瀬川原平とは?
司法権力の地下倉庫にとらわれの千円札とは?
ネオ・ダダ、反芸術、ハプニングと逆接して、浮揚を拒む鉛の蹠で最低位を踏みながら、表現と国家に「過激にして愛嬌」(宮武外骨)ある舌鋒を注ぐ赤瀬川原平の文章群を収録した初の著作。
【目次】
1
オブジェを持った無産者
資本主義リアリズム論
行為の意図による行為の意図
判決の停止を
ポケットに歯ブラシを
言葉の暗がりの中で
スターリン以後のオブジェ
検事の頭脳が想像する
回顧される芸術現場
暴力貯蓄口座<順法絵画>
意見調書
最終意見陳述
上告趣意書
死産したニセ札
2
あいまいな海
続あいまいな海
ゴム紐つきの黒い映画は無届けを当然として
創造と暴力
恐怖の抜穴
死霊の鏡
蒼ざめた野次馬を見よ
幻の野次馬軍団
思想的変質者
3
東映の札束と『李さん一家』
瀧口修造
戦争名画と反戦名画
芸術は武器武装せよ
迷宮世界の探検家たち
燐寸主義序説
あとがき
〈363ページ〉
「暴力貯蓄口座順法絵画大日本零円札」のポスターと、「零円札」グラビアがついている。
現在は河出書房から復刊させている。
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