岡田将生の『御上先生』ダークな好演
放送がはじまると大きな反響となっている日曜劇場『御上先生』(TBS系)での、岡田将生の妙演が気になる。
次代を担う俳優陣が勢揃いし照代ドラマだが、岡田に対する注目度の高さがある。
文部科学省のエリート官僚・御上孝(松坂桃李)が、高校クラスの担任となり、教育現場を侵す腐敗したことに立ち向かっていく。
第1話から御上と生徒らとの手に汗を握るスリリングで、骨太な展開に対して日曜劇場の風格をみせた。
岡田将生が演じるのは文科省の官僚である槙野恭介で、御上とは同期で官僚という狭き門をくぐってしのぎを削り合ってきた。御上が“官僚派遣制度”によって私立高校へと出向を命じられたのは、左遷だともいえる。これに関与しているのが同期の槙野であった。御上は頭脳明晰で冷静沈着な男だが、胸に熱い何かを秘めている。槙野もまたクールな男だが、その腹内が見えない。表情は絶えず冷ややかで、発する声にも人間的な温もりが感じられない。これをすべて体現しているのが岡田将生なのである。
2024年の連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合)では、ヒロインの相手役を務めて朝ドラでの印象深いキャラクターとして見事な好演であった。
また『ザ・トラベラーナース』ではフリーランスの看護師としてどこにでも行く那須田歩を、血の気が多いイケメンをコミカルに演じた。
今回は対極にあるキャラクターで『御上先生』におけるヒール役となっているようだ。
本作への出演が発表されたのは、放送開始の2日前だった。
ときには視聴者の期待に応えて、鮮やかに裏切ってみせる。本作ではダークなまま突き進むのだろうか、そのクールな表情を崩すような展開があるのだろうか。
【御上先生ダイジェスト】
https://youtu.be/0EN3UWazeC4?si=HXFYMEVtWPtlUB8p
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https://l.smartnews.com/m-iqaWIb7/m1WpII●日曜劇場『御上先生』考察。岡田将生”槙野”が怪しすぎ…”御上”とは本当に不仲? 考えられる可能性は?
https://l.smartnews.com/m-iQ7fxxm/s9ZSWn【岡田将生プロフィール】
1989年8月15日生まれ。血液型AB型。
2006年CM出演で芸能界でのキャリアをスタートさせた。
翌07年「アヒルと鴨のコインロッカー」でスクリーンデビュー。
初主演作「ホノカアボーイ」や「重力ピエロ」(ともに09)などで国内映画賞の新人賞を多数受賞して、主演ドラマ「オトメン(乙男)」シリーズ(09)で一躍人気の若手俳優となる。
映画「告白」と「悪人」(ともに10)で日本アカデミー優秀助演男優賞を受賞して、
その後もNHK大河ドラマ「平清盛」(12)TVドラマ「リーガル・ハイ」(12、13)「ST 赤と白の捜査ファイル」シリーズ(ドラマ版14・劇場版15)「ゆとりですがなにか」(16)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)「寅に翼」(24)など映画やドラマで幅広く活躍。
近年の映画出演作に「銀魂」シリーズ(17、18)、「伊藤くん A to E」(18)、「さんかく窓の外側は夜」「ドライブ・マイ・カー」(ともに21)などがある。
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