『相棒season23』第12話「細かい事が気になる患者」は、完成度の高いコメディ作品
脚本は真野勝成が『相棒』を6年ぶり。
レギュラー陣の個性を活かして過去の小ネタから話を広げる。S12「右京さんの友達」、S14「陣川という名の犬」、S17「バクハン」など、好き嫌いが別れやすい脚本家。
今回は右京が検査入院した病院を、コンサル会社を名乗る詐欺師集団が乗っ取ろうとする。それを察知した右京は、院長たちに進言して、亀山へコンサル会社を調べる指示を出す。
病院を売って大金を手にしようと、役者や弁護士を従える詐欺師リーダー・ライリー櫻井(岩谷健司)と、病院を守る為に対峙する杉下右京。
勝負を制するのはどちらなのか、という内容である。
杉下右京の安楽椅子探偵が見もの。
脳波が細か過ぎるから、院長の個人的研究対象として検査入院となった。病院から1歩も出ない安楽椅子探偵となった。
病院から捜査一課や角田課長(山西惇)などレギュラー陣の協力を取り付け捜査方針をとった。
警察の身分を隠してライリー達に接触して手がかりを掴むなど、院内で出来ること行っている。
詐欺集団の中にも絆があり、犯行に及ぶに至った過去があった。
それを知っても同情などせず淡々と相手を詰めて、この病院に思い入れのある老婆(今本洋子)と交流して、彼女の為にも病院を潰させない。
亀山は資産家役として雇われたおっちゃんと飲み屋で、独自のキャラクターから情報を得るなどの活躍をする。
詐欺集団を束ねるライリー櫻井は魅力溢れるキャラクターで、ハニーですと嘯いてスーツを着こなすジェントルマンである。
そんな男が仲間を率いて、劇場型コンサル詐欺を仕掛ける。
幼い頃にスマイリーというロマンス詐欺師に命を救われた。彼に師事して詐欺師として育てられた。
そして師のように詐欺を行い、経済的困窮者や仲間に裏切られ財産を失った者やネグレクト被害者など、社会的弱者を仲間に引き入れたり支援したり、損得勘定無い善的行動も取っている。
人間として深みを持たせた人物だからこそ、相対する杉下右京とサポートする亀山たちも活きてくる。進化しながら変わらぬ良さが伝わる。杉下右京「そもそも本当に頭の良い人間は詐欺師にはなりません」
次回の第13話も真野脚本で、ゲストは和泉元彌。通常の予告よりも告知に気合が入って、和泉のコメントでも「厳しい目で観て欲しい」といハードルを上げている。
今期の『相棒』は脚本が異色な話が多くて、常識やぶりな展開となっている。
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