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2025年2月11日 (火)

【資本主義の終焉】ははじまっていた

ドイツの経済学者マルクスは、150年前に「資本主義は必ず行き詰まる」と記した。

その理由は四つある。

 一つ目は地球環境の破壊。二つ目は許容できないほどの格差の拡大。三つ目はブルシットジョブ、日本語で「クソどうでもいい仕事」の蔓延。四つ目は少子化の進行。


 まず一つ目の地球環境の破壊。

「世界平均気温の上昇を産業化以前と比較して2℃より十分低く抑え、さらに1.5℃未満に抑える努力を追求する」 COP21

気温の上昇を止めるためには、2050年前後時点で世界全体のCO2排出量を実質ゼロにしなければならず、現実の世界はまったくその方向には向かっていない。

気温の上昇を止めるにはら資本主義を止めるしかない。アメリカの富裕層と庶民が使用しているエネルギーの差を試算すれば、約1万倍もの差があった。


 二つ目は格差拡大。

2019年、国際NGOの「オックスファム」は、世界の富の状況についての報告書を発表。当時の世界の人口である76億人のうち、所得の低い順から数えた38億人の人たちの総資産は、世界で最も裕福なたった26人の総資産とほぼ同じ結果。


 三つ目のブルシットジョブ。

ブルシットジョブとは、やっている本人でさえ価値を見出せない仕事。

 たとえばAmazonの物流倉庫のピックアップ要員が何をやっているのか。

人間がコンピュータに使われてしまっている現状が生まれている。最近流行りの「スキマバイト」というギグワークも同じ構造。

フードデリバリーも、ずっとスマートフォンを見て、コンピュータが出した指令通りに動くのが求められる。雨風がひどいほど需要が高まる仕組みで、本当に働く喜びや生きがいはあるのだろうか、


 最後の四つ目が、少子化の進行。

なぜ少子化が止まらなくなるのか、マルクスは次のように考えた。

 そもそも資本というのは、「増殖し続ける価値」で、資本家は自分のお金を増やすことしか考えていません。そうなると会社は、従業員が家に帰ってご飯を食べ、次の日また出社できるくらいの給料は払うものの、従業員を使い倒して、その家族のことまでは考えないことになる。


 このような考えから、会社員の給与が、十分に子育てができる水準ではなくなっていく。かつては約200万人もの新生児が毎年生まれてたが、いまでは75万人台へと激減している。女性が一生の間に産む子どもの数は1.2人程度。世代が変わるごとに人口が半分近く減って国は滅亡に向かう。

 サムスンやヒュンダイといった韓国を代表する大手企業に就職できれば、年収3000万円も夢があるが、4人に1人は月収15万円未満の推計もあり、中小零細企業に勤めてしまうと、年収100万円台も珍しくはない。

 年収100万円台で子どもを十分に育てられるわけがなく、韓国の合計特殊出生率は0.7まで激減している。

マルクスの予言はことごとく当たって、資本主義の終焉ははじまっている。


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『共産党宣言』マルクス&エンゲルス

資本主義の発展と矛盾

産業革命から生まれた資本主義は、生産力の飛躍的な発展をもたらした。

機械化による大量生産、世界市場の形成、交通・通信技術の革新など、人類の文明は飛躍的に進歩した。

しかし進歩は同時に、深刻な社会問題を引き起こすことになる。

資本主義社会では、工場、土地、機械などを所有する資本家と、労働力のみを売って生活する労働者との2つの階級が形成される。

資本家は生産手段を独占して、労働者は資本家に雇われて賃金労働を行う。

資本主義は生産力の発展と同時に、矛盾を生み出した。

そんな矛盾は資本主義社会の根本的な問題で、労働者階級の苦境と社会不安を招いた。


「剰余価値の搾取」

労働者は資本家によって搾取される。労働者が生み出した価値のうち、一部は賃金として支払われるが、残りは資本家によって剰余価値として取り込まれる。資本家は剰余価値を蓄積して、富をさらに増大させる。


「貧富の差」

資本家は剰余価値を蓄積して富を独占して、労働者は低賃金で長時間労働を強いられて貧困に苦しむ。資本主義の発展は社会全体の富の増加をもたらしたが、その富は極めて不平等に分配される。


「経済恐慌」

資本主義は生産の無政府状態と市場の飽和による、経済恐慌を周期的に発生させた。経済恐慌は、失業、倒産、貧困などの社会問題を深刻化させてゆく。


階級闘争の歴史

資本主義社会では、資本家と労働者の間で利益相反による階級闘争が発生する。

歴史上、奴隷制、封建制、資本主義というように、支配階級と被支配階級の闘争によって社会は変革してきた。

古代ギリシャ・ローマ時代には、奴隷と奴隷所有者との間の闘争があった。中世ヨーロッパでは、農民と封建領主との間の闘争がされた。そして資本主義社会では、労働者と資本家との間の闘争が起きている。

マルクスは歴史は階級闘争の歴史であると主張した。そして資本主義社会における労働者階級の闘争は、最終的に資本主義の崩壊と共産主義社会の誕生をもたらすと考えた。


資本主義の崩壊

マルクスは資本主義は内部矛盾によって必然的に崩壊して、社会主義社会へと移行すると主張した。資本主義の発展は、労働者階級の団結と組織化を促進する。労働者階級は労働組合や政治活動を通じて、資本家階級に対抗するようになる。

また資本主義の矛盾は、経済恐慌や社会不安を引き起こして、社会体制の変革を促す。これらの要因によって、資本主義は最終的に崩壊して、より平等で公正な社会である社会へと移行するとマルクスは予見した。

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