『モンローが死んだ日』NHKBSと原作について
小池真理子原作、大人の恋のサスペンス!軽井沢の近くにひとりで暮らす鏡子(鈴木京香)。心身の不調に悩む鏡子は受診したクリニックで高橋医師(草刈正雄)と出会い…。
【作】小池真理子
【脚本】岡田惠和、渡邉真子
【演出】渡邊孝好
【音楽】林祐介
制作統括 - 谷口卓敬(NHK)、黒沢淳(テレパック)
制作・著作 - NHK、テレパック
【あらすじ】
夫に病気で先立たれ、軽井沢の隣町である花折町で孤独に暮らしている幸村鏡子。
ある日、買い物中にパニック症状を起こした鏡子は、精神科の受診を勧められる。そんな診察に対応した医師は高橋智之という。
マリリン・モンローに専属の精神科医がいたことを語る。鏡子の心は安らぎを取り戻す。
ふたりは惹かれ合うようになり、やがて鏡子は彼を家に招いた。
ある日、鏡子と高橋に驚くべきことが起こって…。鏡子と高橋の恋は、最後にどこに行きつくのか?物語は思いがけない展開を見せていく。
【初回放送】2019年1月6日から27日
BShi「プレミアムドラマ」にて放送
【再放送】NHKBS 2025年3月5・12日 (水) 夜7時から夜8時38分 49分×全4回
二人は恋の時間を過ごしていたが、高橋が勤める横浜の病院に美緒(佐津川愛美)という謎めいた女性の患者がいることなど知る由もなかった。
突然に消息不明になって、高橋は去ってします。ある日、鏡子は自宅で高橋が忘れていったネックレスを見つける。そのネックレスには「M」のイニシャルが入っていた。
鏡子は横浜の病院に高橋を訪ねていったが、そこにいたのはまったくの別人だった。
自分を治療して、そして愛してくれた高橋とは、一体何者だったのか?
自分は幻に恋していたのだろうか?
鏡子は大きな戸惑いの中にいたが、高橋を探し出すべく、彼が思い出を語った島に向けて旅立つことを決意する。
はたして鏡子と高橋は最期にもう一度出会えるのか?
【出演】鈴木京香 · 麻生祐未 · 佐津川愛美 · 根岸季衣 · 宇崎竜童 · 草刈正雄 など。
ドラマのタイトルが気になって、鈴木京香と草刈正雄が共演してるので録画しておいた。
脚本には岡田惠和が参加して、完成度の高い展開がされている。
小池真理子の小説は読んだことがないけど、恋愛ミステリーのジャンルの可能性を感じるストーリーだった。
小池真理子『モンローの死んだ日』新潮文庫
軽井沢にほど近い、別荘と住宅が混在する静かな森の一画。 2 匹の猫と暮らす59歳の幸村鏡子は、夫を亡くして以来、心身の不調に悩んでいた。意を決してクリニックを受診し、独身で年下の精神科医、高橋と出会う。少しずつ距離を縮め合い、幸福な時を紡ごうとしていた矢先、突然、高橋は鏡子の前から姿を消してしまった……。
それぞれの孤独を生きる男女の心の揺れを描いた濃密な心理サスペンス。
● 鏡子という名前は三島由紀夫「鏡子の家」から、意識して名づけられたらしい。作者は三島の愛読者であり、作中でも高橋医師との会話で「鏡子の家」について語られている。
恋愛ミステリー小説なのに、エンタメ小説らしからぬ心理のひだが繊細に奥深く描かれれて、文芸書とも錯覚するような本。
精神科医と鬱病について、やたらと詳しく書かれているのは作者の関心の深さなのか、実際に病魔と格闘したのか。
「心の闇が深い人間ほど、悲劇よりも喜劇を好む傾向がある」
前半を出来のよいドラマで観て、小説で詳しい描写された後半を読むのが、ベストな展開かも知れなかった。
◇小池真理子プロフィール
1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。1995(平成7)年『恋』で直木賞、1998年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、『無花果の森』で2011年度芸術選奨文部科学大臣賞、2013年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞した。
代表的な長編作品に『狂王の庭』『虚無のオペラ』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『神よ憐れみたまえ』がある一方、短編の名手としても知られ、『水無月の墓』『夜の寝覚め』『雪ひらく』『玉虫と十一の掌篇小説』『Kiss』といった短編集も多数発表している。また、エッセイ集に『月夜の森の梟』などがある。
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