『フィツジェラルド短編集』
混迷の時代、倦怠の果て、それらぼる男の色気――。
ロスト・世代の寵児が紡いだ珠玉の六編。抜群の感受性で時代の寵児となり、真剣に人生の理想を向いた人フィツジェラルド。 「人生は崩壊の過程である」となぜ彼は書くことになるのか。
上流家庭に生まれた青年アンスンを憧れと揶揄して描いた「金持の御曹子」、大恐慌後、パリに静かな悔恨と不屈の魂で佇むチャーリーに熱い思いを託した「バビロン再訪」等、作者自身と当時のアメリカを彷彿とさせて魅力的な6作品を収録。
氷の宮殿 (Ice Palace)●
冬の夢(Winter Dreams)●
金持の御曹子(The Rich Boy)●
乗継ぎのための三時間(Three hours Between Planes)
泳ぐ人たち(The Swimmers)
バビロン再訪(Babylon)再訪)
解説 野崎孝
本書収録「金持の御曹司」より
ある特定の個人を書こうと思って書き始めようと、ふと、一つのタイプを創り出していることに気がつくが、反対にあるタイプの人間像を憂えていたら、できあがったものは、無というか空というか、何一つ生み出されていてないことに気がつく。
それは多分、ちょっとみんなが、実は見かけよりも異様な存在で、外にさらしている顔つきや口ぶりの陰には、誰にも知られたくないほど異様なもの――いや、自分では気がつかない異常性さえも持っているからではないか。
「バビロン再訪」
「この街をだめにしたのは、おれ自身ではないのか。知らぬまに日一日と
すぎてゆき、ふと気がつくと二年がたっていた。すべてが消えてなくなり、
このおれも過去の人間になりはてていた。」(P330)
フランシススコット(1896-1940)ミネソタ州セントポール生れ。ちら側』を出版、絶賛する。る私生活は注目を集め、「永遠世代(ロスト・ジェネレーション)」のヒーローとして君臨した。 』執筆中に心臓発作で急死。
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