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2025年7月25日 (金)

「汗牛充棟」意味と使用例

汗牛充棟


本が非常に多いことのたとえ。


[使用例] その原書の由来と説明とは、いわゆるファウスト文献、一層広く言えばギョオテ文献があって、その汗牛充棟ただならざる中にいくらでもある[森鷗外*訳本ファウストについて|1913


[使用例] 小杉未醒が当時雑誌や単行本で「かきまくった」ものの数は、汗牛充棟もただならないとよくいう、正に今これをぞっくりと目の前に積まれれば、驚くべき嵩になるだろう[木村荘八*小杉放庵|1949


[使用例] そのようなわけだから、私は汗牛充棟の読書論に、さらに新たな論を加えようとは思わないし、いまさら加えるべき何ものも持ち合わせていない[森本哲郎*読書の旅|1981


[解説] 出久根達郎ろうさんの直木賞受賞作「佃島ふたり書房」に、「汗牛書房」という古本屋が出てきます。汗をかいた牛、という店名は奇妙ですが、これは「汗牛充棟」から来ています。

 唐代の柳りゅう宗そう元げんの文章「陸文通先生墓表」にあります。「歴史書『春秋』に関する書物は世間に多く、積み上げれば建物を満たし(充棟)、荷車に乗せれば、牛馬が汗まみれで引いていく(汗牛)」。

 ここから、「汗牛充棟」は「あるテーマについて書いた本が、世に満ちあふれている」という意味で使われます。例文の[訳本ファウストについて][読書の旅]はその意味で解釈できます。

 また、例文の[小杉放庵]にあるように、「著作が多い」という意味、あるいは、「蔵書の数が多い」という意味でも使われます。冒頭の「汗牛書房」は、たくさん本がある書店という意味です。

 「汗牛充棟」という漢字から、汗まみれの牛の群れが建物の中に犇ひしめいている、異様な光景を連想する人がいます。もちろん、これは誤った理解です。

【四字熟語を知る辞典】より

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