【NHK別冊100分de名著】ヘミングウェイ
20世紀アメリカを代表する作家、ヘミングウェイ。
圧倒的に男っぽいマッチョ・ヒーロー像に「隠されつつ示された」もう一人の彼とは?
特異な幼少期を送り、死線をくぐり抜けた彼だからこそ持ちえた、多様性への共感や深い倫理観、自然への畏敬の念。それらは、揺れる人格とセクシュアリティに悩んだヘミングウェイの意外な一面と共振する。その「弱さ」や「ナイーヴィティ」こそが、アメリカ文学を変える傑作を生み出す源だったと著者はいう。新たな解釈や読み解きから、ヘミングウェイ作品の現代性を詳述、いまこそ読むべき作品の本質を提示する。
2021年10月に放送されたNHK「100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」テキストに描き下ろし1章を加えた「別冊 100分de名著 集中講義」シリーズ最新刊。
研究者の間でヘミングウェイの見方が特に変わっていったのは、彼が亡くなった四半世紀後に遺作『エデンの園』(一九八六年)が刊行されて以降です。これは、新婚夫婦が男女の役割を入れ替えたりしながら性的探求をするという長篇小説で、男らしさを是とするそれまでの作品とはほど遠い内容でした。実際、ヘミングウェイ自身も似たようなことを実践していたようで、彼の四人目の妻メアリーとのあいだの書簡によれば、彼はメアリーのことを「ピート」と男性の名で呼び、メアリーは夫のことを「キャサリン」と呼んでいた。ヘミングウェイはメアリーの日記にも「彼女はぼくに彼女の女の子になって欲しいと願っていて、ぼくもそうなりたいと思っている」と書き込んでいます。
https://mag.nhk-book.co.jp/article/77529
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