対極―デーモンの幻想 アルフレート・クービン
ジンギスーカンの末裔である碧眼の種族が隠れ棲む天山山脈の麓に、ひそかに建設された「夢の国」-現代文明に安住できず、その進歩から取り残された精神的・肉体的な疎外者を住民とするこの国の首都ペルレで、人びとはヨーロッパ各地から運んできた前世紀の廃屋や遣物の中で時代遅れの衣裳を着て独得の奇習に閉じこもって暮らしている。外界との交流を厳重に規制するこの国の建設者パーテラは、謎の力によって人びとの身も心も呪縛している至上の支配者で、彼の一顰一笑はそのまま、暗黙のうちに人びとの運命を左右する。彼の内面の絶望と苦悩を反映するかのように、ペルレの空には陽も月もなく、低く垂れこめた雲の下に、限りなく単調な灰色の世界がひろがっている。(つづく)
[仔犬の散歩路]
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雑誌『海』で「クービン特集」が種村季弘先生によって企画されたようだ。
「没落のパラダイス」アルフレッド・クービン
「おそらくクービンにおけるこの世界逃避の意味をもっともよく理解していたのは、『日記』(一九一五年)に次のように書いたパウル・クレーであった。クレーはこの不安と死の夢魔的世界への孤立が、同時に無際限の現実破壊に通じている消息をさえ、正確に見抜いている。「かれは生理的に耐えられなくなって、この世を逃れた。しかし、かれの逃避は中途半端に終り、結晶したものを憧憬しながらも、現象界の泥濘に足をとられた。かれの芸術によれば、この世界とは毒そのものであり、破滅であった。だが、クービンには才能があった。破壊することにかけては、頭の先からつま先まで生気に溢れていた」
(南原実訳)」
『海』1971年3月号特集〈終末の画家クービン〉没落のパラダイス――アルフレッド・クービン (みずゑ 1970年1月号)より
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