現代思潮社「古典文庫」シリーズ
現代思潮社「古典文庫」シリーズ
現代思潮社は「花には香り、本には毒を」という趣旨で、良俗や進歩派と逆行する悪い本を出せ!と1957年に創業した。
社主石井恭二が親友の森本和夫をブレーンとして、粟津則雄、栗田勇、白井健三郎、出口裕弘たちと、アカデミズムから疎外されていた澁澤龍彦を起用して、サド『悲惨物語 ユージェニー・ド・フランヴァル』を刊行したのが始まりだった。
レフ・トロツキーの全集、ニコライ・ブハーリンやローザ・ルクセンブルグなど反スターリン主義の刊行。そして埴谷雄高、吉本隆明、武井昭夫らの新左翼系の思想書から澁澤龍彦、ドイツやフランスの哲学など異色著作を全国書店棚へ並べた。
「岩波文化・講談社文化打倒」スローガンを掲げて1967年より現代思潮社「古典文庫」のシリーズを創刊する。
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「精神のあらゆる指導原理がその基盤を失い、規制の諸思想がすべて無効性を暴露したかに見えるとき、古典は渡辺たちに何を語るであろうか。今日の幻想国家社会、大衆社会の思想的混迷と文化の沈滞と「疲れたニヒリズム」とを、黙示録ふうた闇にとらえるならば、私たちがここに刊行せんとする古典の数々は、この山に漂う鬼火でなければならない。鬼火が人をどこへ導くかは、しばらくは問うまい。ただ、未来への方向において闇のなかに一歩を踏み出さんとする者は、さしあたって、その手に鬼火をつかむがよい。その基盤に火傷を負うがよい。古典の生命力は、なお私たちに火の衝撃をあたえずには措かぬであろう。」(「古典文庫」発刊に際して)
目録には一度も聞いたことない書名が、当時の人々の前に曝された。
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「唯一者とその所有」シュティルナー/
「阿呆船」ブラント/ボナベンツーラ「夜警」/フーリエの四運動の理論/
ノバーリスの花粉・日記/ ジャンパウルの巨人/ 「不可知の雲」作者不詳/
「悲劇の哲学」シェストフ/「巴里の夜」レチフドラブルトンヌ/「幻視者」ネルヴァル/「気球乗りジャノッツオの冒険」ジャンパウル/「魔女」ミシュレ
ブランキ「革命論集」/ブランキズムの聖書/「テレマックの冒険」フェヌロン/「放浪の女ぺてん師クラーシェ」 グリンメルスハウゼン/「疫病流行記」 デフォー/「テスト氏・未完の物語」ヴァレリー/「ドンジュアンとファウスト」グラッベ/「チェッリーニ自伝」/「バスチーユ回想」ランゲ/「太陽の都・詩篇」カンパネルラ/「無限、宇宙と諸世界について」ジョルダノ・ブルーノ/「ドン・キホーテに関する思索」オルテガ/「書物合戦・ドレイピア所管」スうィフト/「キリスト教暴露」ドルバック/「ルソー、ジャン=ジャックを裁く」JJルソー/「キリスト教の精神と運命」ヘーゲル/「向こう岸から」ゲルツエン/「ハンブルグ演劇論」レッシングなど51冊の書物。
これらは澁澤龍彦が作成したリストから、大手出版社が躊躇する異端の古典文献が集められた。
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