『芸術とは何か』S.K.ランガー(岩波新書)
『芸術とは何か』S.K.ランガー(岩波新書)
現代の芸術哲学の代表者の一人ランガー女史が,シンボルとしての芸術の意味,表現とはなにか,芸術的創造の問題など,芸術の本質に関する基本的な概念を明らかにした十回の講演からなるもの.絵画,音楽,舞踊,詩など,芸術のさまざまのジャンルに例をとった見事な解明は,読者を魅了せずにはおかないであろう.
〈池上保太 · 矢野萬里・翻訳〉
「芸術とは、人間感情のシンボルとなる形式の創作である」
芸術を単なる「感情の発散(泣く、叫ぶなど)」とは明確に区別しました。例えば、赤ん坊の泣き声は純粋な自己表現ですが、それは芸術ではありません。
芸術家は、直接的な感情をぶつけるのではなく、感情の「構造」や「性質」を客観的な形式として作り上げます。これを鑑賞することで、私たちは感情がどのようなものであるかという「知見」を得ると説きました。
芸術作品は、実用的な目的を持つ「物」ではなく、独自の空間や時間を感じさせる「仮象(現れ)」を作り出すものだと考えました。
ランガーの思想は、単に「美」を追求するだけでなく、人間の知性がどのように感情を捉え、表現するのかというシンボル形式の哲学に基づいています。
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