『記憶の中の殺人』(内田 康夫)講談社 光彦のモノローグで語られる物語。
『記憶の中の殺人』(内田 康夫)講談社
軽井沢の内田先生から団子屋の平塚亭に呼び出された僕は、内田家の墓に供えられた謎の花について調査をたのまれた。ちょうどその頃、くだんの内田家の隣の墓の持主が毒殺され、しかも兄・陽一郎の旧知の間柄だという。なお不可解なことに僕だけが憶えていない軽井沢ひと夏の事件があったというのだが―。
講談社(1998/08発売)
春分の日の午後、僕は軽井沢のセンセから平塚亭に呼び出された。春のお彼岸に内田家の墓に花を飾る女性がいるので調査してほしいという。
ひと月後、内田家の隣の墓の持ち主が殺された。兄・陽一郎は被害者とは旧知の仲らしい。それは幼少時の僕だけが憶えていない、軽井沢の事件につながっていて。
光彦のモノローグで語られる物語。
常に優等生で来た兄陽一郎が、時折見せる弟の生き方を羨ましがっている。
そして軽井沢で過ごした夏の思い出の軽井沢の出来事に関しては、なぜか光彦の記憶には空いているのだった。
浅見光彦シリーズは100冊以上もある。だいぶドラマにも映画にもコミックにもなっている。光彦は永遠の三十三歳、兄陽一郎は永遠の警察庁刑事局長。旅情ミステリで日本全国のどこでも事件に遭遇するが、せっかく隠していた身分(刑事局長の弟君)がバレて、警察官がひれ伏すというマンネリが心を癒す
内田家の墓前に不審な花が供えられていた。
隣の財田家の墓にあった物ではないかと推理するも、そこで、軽井沢のセンセから花を内田家の墓に置いた犯人を見つけてほしいといらいされる。
ところが、その一ヵ月後当の財田家の当主が殺害されたのだ。その現場でみつかったカップには三年前に自殺した財田家の長女の指紋がついていた。
一連の事件の真相を知るには27年前の軽井沢での事柄が引き金になっていたのである。しかし、兄の陽一郎、そして光彦自身も係っていた事であるにもかかわらず、光彦にはその記憶が抜け落ちてしまっていたのだ。
ある光景を見たためのショックで記憶を失っていたのだが、今回の事件の解決は自身の喪われた記憶を呼び戻すことにもなる。謎が解けたとき、黒い出生の青年の悲劇と、利己主義な男のエゴが引き起こした事件で後味の悪い解決となる。
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