舞踊劇『墨塗女』あらすじ
歌舞伎や日本舞踊で「黒塗り女」が登場する演目は、能の狂言を題材にした舞踊劇『墨塗女(すみぬりおんな)』
別れを惜しむふりをして嘘泣きをする女性(女方)の顔が、お供の機転によって真っ黒にされてしまう、だまし合いをコミカルに描いた作品。
NHKの番組『芸能きわみ堂』で放送された、舞踊『墨塗女』のコミカルな解説
【あらすじ】
この演目は大名、愛人である女性(花野)、お供の太郎冠者の3名で繰り広げられる松羽目物(まつばめもの)である。
- 別れと嘘泣き:故郷に帰る大名に対し、愛人の花野が別れを悲しんで涙を流そうとするが、これは男をつなぎ止めるための嘘泣きで、茶碗の水をこっそり目元につけてごまかす。
- お供の反撃:その嘘に気づいたお供の太郎冠者が、花野が涙をぬぐうための茶碗の水をそっと「墨」にすり替える。
- 黒塗りの顔:そうとは知らない花野がその水で顔を押さえると、顔中が真っ黒になり嘘がバレてしまった。
2026年3月に開催された「春暁歌舞伎特別公演2026」にて、中村勘九郎・七之助らの中村屋一門によって実に78年ぶり(戦後初)に上演され、七之助がしたたかな愛人・花野を、勘九郎が大名役を、太郎冠者を中村鶴松が演じられた。
能や狂言の『墨塗』を題材としたユーモアあふれる古典舞踊劇。
帰郷する大名を引き留めようとする妾(めかけ)が涙を流すふりをして騙そうとするが、大名のお供(太郎冠者)に茶碗の水を墨汁にすり替えられて、顔が真っ黒になってしまうというコミカルな展開が魅力である。
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