福島市街地4人重軽傷 逃げた熊、窓の鍵開けたか 麻酔銃薬剤、注入されず 緊急銃猟態勢を解除
現場に落ちていた麻酔銃の投薬器。熊の体毛が付着しているが、薬剤が注入されていない
福島市笹木野で男女4人が重軽傷を負った熊被害で、3日深夜に電子機器製造販売会社「OKIシンフォテック」の工場から逃げ出した熊は、鍵のかかっていたガラス窓を開けて外に出たとみられる。市が4日発表した。市職員が2日に麻酔銃で放った投薬器は熊に当たったものの、何らかの理由で薬が注入できていなかったことも判明した。市は自治体判断で発砲を可能とする「緊急銃猟」体制を解除し、8日まで福島署などと警戒パトロールを続ける。
熊の3日深夜の動き市によると、現場で警戒していた署員が午後10時46分ごろ、工場の建物の外を歩いているのを目撃した。東側の正門に向かった後、Uターンして西門の茂みに入った。10時52分ごろ、西門を乗り越え、敷地外に出た。10時55分ごろ、工場から約100メートル離れた住宅街で同一個体とみられる目撃情報があった。
市は熊が逃げ出したとみられる窓に鍵がかかっているのを事前に確認しており、自力で解錠した可能性が高いとみている。窓の鍵付近の柱には熊のものとみられる爪痕が残っており、網戸が破られていた。2日には市職員が、水道の蛇口に手をかけて水を飲む姿を目撃していた。
市や同署などは3日深夜、現場で警戒態勢を敷いていたが、熊が逃げ出したとみられる窓の近辺には人を配置していなかった。鍵のかかった窓にはワイヤが入り、割って外に出る可能性は低いと考え、監視対象から外していた。馬場雄基市長は4日に市役所で緊急の記者会見を開き「関係機関の協力を得て最善を尽くしてきたが、結果を出せず反省している」と述べた。
同署は熊の逃走を確認した3日午後11時ごろから、パトカーで周辺住民に注意を促した。市は車で熊を捜し、4日午後には県の委託業者がドローンで上空から捜索した。
改正鳥獣保護管理法の検討会で座長を務めた酪農学園大の伊吾田宏正准教授(狩猟管理学)は、熊が自力で窓の鍵や蛇口を開けるのは考えにくいとしながらも、「(高い知能がある)可能性は捨て切れない」と分析した。麻酔銃については「命中しても投薬までに1~2秒ほどの時間差が生じる。投薬に至らない事例は多々ある」と指摘した。
2キロ離れた場所に熊 市西部体育館付近
福島署によると、4日午後7時40分ごろ、福島市笹木野字払川添の市道で運転中の男性が道路を東から西に横断する体長約100センチの熊1頭を目撃した。
現場は市西部体育館の近くで、熊が居座っていた工場から北西に約2キロ。同署はパトカーによる警戒を強めている。
市が対策本部設置
福島市は熊による人身被害が起きた笹木野地区の市吾妻支所に4日、ツキノワグマ対策現地本部を設置した。当面の間、熊の目撃情報があった場合の現場確認や広報パトロールを24時間態勢で実施する。同日、市が発表した。
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