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2026年8月 2日 (日)

《アニメーターと鉛筆について》

《アニメーターと鉛筆について》

上條淳士さんの洗練された鉛筆画をみて、鉛筆という特殊な画材が、画家たちやアニメーションに大きな役割を果たしてきたことを思いました。

アニメの教育図書にも触れていることは、皆無に等しいので、今回はアニメーターと鉛筆について記しておきたいと考えてます。



《アニメーターと鉛筆について》

アニメーターがよく使うのは三菱鉛筆のユニとハイユニ。濃さは2Bから6Bです。

その理由は濃さと、折れにくさのバランスがとれているから。

アニメ制作には鉛筆が非常に大切で、とくにフルHD時代となって、線の淀みがすぐにわかってしまうので、鉛筆の質は最良のものを使っています。


《鉛筆の歴史〉

   古代ギリシャ・ローマ時代には、鉛筆に似た道具を持っていて、パピルス紙に文字を書いた記録が残っている。

鉛筆は貴重な紙を損うと、似ているとはいえ先の尖って硬かったらしきもので、現在の鉛筆とはほど遠いものだった。

  製図用として丸い小さな鉛の円板が用いらた。ローマ人は「プレダクタル」、ギリシャ人は「パラグラフォス」と呼んでいた。

その痕跡は古い羊皮紙の上に残された。

  14世紀になって、現在使用している鉛筆と近いのが現れる。オランダ画家にヤソファソオイックは、鉛筆ふうの道具で製図したと伝えられて、イタリアでも現在残っているミケランジェロのスケッチ画などから、鉛と錫を混ぜて芯にした鉛筆があった。

この鉛筆はシルバー・ポイント「銀筆」といわれて、ルネッサンス期の画家ばかりでなく、筆記用として使われた。

  1565年頃のイギリス人、グッナーの著書は鉛筆の歴史に触れている。鉛筆に関する文献として最も古い記録である。

   「製図および筆記の目的には、鉛または人工的混和物より成るシンに木製の握りを付し、鉛色の光沢ある物質として用いたが、この物は脂肪のような手ざわりで、指に色がつくので粘土を混ぜて耐火質の物として用いるようにした云々」

イタリア人イムベラーは「グラフイヲピンビノウ」と名称した。グッナーの時代に、イギリスで発見された物で、今日の鉛筆芯の原料となるグラファイト(黒鉛)にあたる。


イギリスのボローデール鉱山で良質の黒鉛が発見され、1560年代に黒く滑らかな性質が注目されて、細かく切ったり、握りの部分をヒモで巻いたりして筆記具として使われるようになった。

そして世界最初の鉛筆は作られる。黒鉛を板状か棒状に削り、板にはめ込む簡単なものだった。ボローデールの黒鉛を掘り尽くすと、黒鉛の粉末と硫黄を混ぜて溶解させて練り固めて棒状にするのが考案される。

今日の鉛筆に近い筆記具となり、画家たちがデッサンするのに愛用された。

1760年にカスパー・ファーバーというドイツ人が、黒鉛の粉末を硫黄などで固めた芯を作った。

ナポレオンの命令で、1795年にフランス人のニコラス・ジャック・コンテが、硫黄の代わりに粘土に黒鉛を混ぜて、焼き固めて芯を作り、さらに混合の比率を変えれば芯の硬度が変化するのを発見する。

基本的にはコンテの方法で、鉛筆の芯は現在作られている。


〈絵コンテも鉛筆で描かれる〉

鉛筆で描かれた絵や文字は、柔らかいだけではなく、便利に消して修正が自在なのである。

演出家は浮かんでくる映像イメージを、写しとるために絵コンテに記録してゆく。これがボールペンのような手軽な筆記用具でもあっても、修正ができなければ完成度の高みには辿り着くことはない。

したがって鉛筆はアニメーターだけではなくて、演出家にも愛用される道具として、アニメ黎明期から現代に至るまで大切にされてきた。

パソコン作業が発展してから、アニメペイント色彩作業でも、鉛筆は重要な画材てあった。 



〈色鉛筆生産中止がアニメ界には危機〉

長らくアニメの制作現場で使用されてきた、橙色、黄緑、水色の生産が終了した「硬質色鉛筆 7700」はニュースにもなった。

アニメ制作には原画や動画などの作業で、修正指示や彩色担当者の色・影の指定などに用いられて集団作業では不可欠な鉛筆だった。

2015年に赤色以外の生産終了がアナウンスされたが、使用が規定されている制作現場も多い。

危機的な状況を知った個人アニメーターが所属する一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が、三菱鉛筆と協議を行い、生産が終了した3色は再生産されることになった。

 

【緊急告知】硬質色鉛筆(水・黄緑・橙)の業界内融通の協力をお願いします。


JAniCAやアニメスタジオなどが所属する一般社団法人日本動画協会には、三菱鉛筆が事前に状況を説明。


制作現場の混乱を防ぐため、両団体が窓口となり、アニメ業界の全法人・個人を対象に、最終注文を行うべく対応をしていることが発表されている。


デジタル化が進む一方で、アナログな制作も続く現場において「『7700』の姿が見えなくなることは非常に残念でなりませんが、また新しいツールが今後のアニメーション制作を支えていくことは間違いありません」とコメントされた。


【参考記事】

日本のアニメ業界御用達の色鉛筆 生産終了へ|ARAB NEWS 

https://search.app/vYBKwJgS4c1ZpdKk9


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