『寺田寅彦』ランティエ叢書(角川春樹事務所)
『寺田寅彦』ランティエ叢書(角川春樹事務所)
火星に宇宙人がいようとも、リンゴは樹から落ち、卵は茹でれば机上に立つ。芭蕉曰く「不易流行」。すなわち、恋の句を作るには恋、野糞の句を作るには野糞。――天才物理学者の幻の俳句講座が甦る
「玄上は失せて牧馬の朧月」
(寺田寅彦『俳句と地球物理』/角川春樹事務所/1997年)
「鳶(とび)に油揚を攫(さら)われるということが実際にあるかどうか確証を知らないが、併(しか)しこの鳥が高空から地上の鼠(ねずみ)の死骸などを発見してまっしぐらに飛び下りるというのは事実らしい。」
(P34「鳶と油揚」より)
「寺院の懸灯(けんとう)の動揺するを見て驚き怪しんだ子供が伊太利(イタリー)ピサに一人あったので振子の法則が世に出た。林檎(りんご)の落ちるを怪しむ人があったので万有引力の法則は宇宙の万物を一つの糸につないだというのは人の能く云う話である」(p52より)
「客観のコーヒー主観の新酒哉」
「粟(あわ)一粒秋三界を蔵しけり」
(寺田寅彦『柿の種』岩波書店)
解説では南伸坊さんもタイトルがおもしろいと、「ピタゴラスと豆」「鉛をかじる虫」「御馳走を喰うと風邪を引く話」など、そして短い文章が多いから読みやすいと絶賛。
飄々とした人柄がいたるところに垣間見えて、物理学者の文章とは思えない親しみやすさと、斬新な視点があります。
初めて寺田寅彦を読むには、ベストな本書の構成は最適ですね。
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=1209
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