「日経トレンディ2022年12月号」 ▼Amazonで購入する では、ヒット商品をランキング形式でまとめた「2022年ヒット商品ベスト30」を発表。3年間続いている新型コロナウイルス禍における行動制限ムードが薄れる中で何がヒットしたのか。
〈全30商品のランキング発表〉
【1位】Yakult1000/Y1000
睡眠改善をうたう新乳酸菌飲料が社会現象に。「悪夢を見る」との噂拡散で争奪戦勃発。
店頭用の「Y1000」は、1日当たり41万本を販売、ヤクルトレディなどが販売する「Yakult1000」は、1日当たり180万本を販売。
【2位】ちいかわ
SNS発のキャラが“国民的キャラ”に成長。かわいいだけではない多様な展開で魅了。
2022年4月から放映する『アニメ ちいかわ』(フジテレビ系列)。アニメで流れる歌も人気で6月にデジタル配信を開始した。2021年2月から発行されている『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(講談社)は、Twitterで連載する漫画を書籍化。22年7月に4巻目が発刊された。
【3位】PCM冷却ネックリング
24~28度で凍る新冷感グッズが“瞬間蒸発”。「行動制限なし」の夏のお守りとしてブレイク。
大人用や子供用などサイズは様々。カラーバリエーションや模様も豊富で、使用シーンや服装に合わせて選べる。写真の商品はアイスリング(F・O・インターナショナル)
【4位】トップガン マーヴェリック
36年ぶりの続編がまさかの興収132億円超え。若者もはまった“追いトップガン”現象。
興行収入は132億円を突破した。(c)2022 Paramount Pictures
【5位】完全メシ
ジャンクな装いのバランス栄養食品が計400万食。「意識高くない」30~40代男性の心に刺さる。
カップライス「日清カレーメシ」の完全メシ版である「カレーメシ 欧風カレー」
【6位】炭酸飲料対応ボトル
国内メーカーの保冷ボトルがついに炭酸対応。外出ムードも後押しし約36万本の市場が誕生。
真空断熱炭酸ボトル(タイガー魔法瓶)は0.5リットル、0.8リットル、1.2リットル、1.5リットルの4タイプがある
【7位】翠ジンソーダ缶
踊り場のレサワブームの中、突如現れた新星。居酒屋メシに合う食中酒が350万ケース。
年末に累計350万ケースを達成する見通し
【8位】日産サクラ/eKクロス EV
4カ月で計3万6600台超を受注。補助金で「200万円の壁」を越えて軽EVが快走。
「日産サクラ」だけで、2022年9月24日に受注台数が3万台を突破
【9位】スプラトゥーン3
発売3日で345万本の最高記録を樹立。“初心者歓迎”のポップなシューティング。
パッケージとダウンロード版の合計で発売3日間で345万本を国内で販売。
【10位】冷やし中華
「氷入りでレンチン」の衝撃で200万食超。麺の食感と簡便さも受けた夏の新冷食。
9月までの販売で200万食超を突破した
【11位】ファブリーズ お風呂用防カビ剤
新規参入でいきなりシェア2割獲得。究極の手軽さで防カビ需要を開拓。
【12位】SHEIN
アプリ利用者数はZOZO超え。安くて映える服でZ世代を魅了。
デザイナーが3000人以上所属しており、流行を追ったデザインの衣服を、驚異的な速さで多数開発できる
【13位】Tamagotchi Smart
ブームに甘んじない進取の気性。シリーズ年70万個出荷の立役者に。
シリーズ全体で、1年で国内70万個を出荷した (c)BANDAI
【14位】ONE PIECE FILM RED
シリーズ最高記録で22年興収1位。“聴かせる”映画が心をつかむ。
興行収入は171億円を突破し、『アバター』を超えて歴代11位(2022年10月17日現在)。(c)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
【15位】アリナミンナイトリカバー
寝る前にドリンク剤を飲む新習慣。睡眠ブームを背景に1250万本超。
【16位】第2次カヌレブーム
フランス発の伝統菓子が再ヒット。大手製菓やコンビニからも進化系。
「濃密カヌレ」(ローソン)は、発売14日間で累計販売数400万個を突破
【17位】セカンド冷凍庫
「スリム」「両開き」で成長が再加速。シャープは前年同期比5倍売る躍進。
【18位】アサヒ生ビール
ビール党以外にも「おつかれ生」現象。479万箱で3強の一角に食い込む。
【19位】YOLU
「寝ながらヘアケア」で時短も訴求。約1年で累計約1000万本販売。
【20位】instax mini Evo
デジアナ融合に成功しカメラ2位。レトロな外観で中高年男性も手に。
【21位】SPY×FAMILY
漫画アプリ発の人気作がアニメ化。「アーニャ」がSNS上のアイドルに。
「少年ジャンプ+」の「総合ランキング」では他に差を付けて1位。累計発行部数2650万部突破。(c)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
【22位】チューナーレステレビ
リアルタイム視聴不要派に大人気。動画配信の波に乗り数万台市場に。
ドン・キホーテだけで累計1万7000台を販売
【23位】ナイトミン 耳ほぐタイム
耳を温める新発想で安眠を訴求。SNSでの好感相次ぎ146万個出荷。
【24位】ぷにるんず
出荷再開のたびに売れ30万個突破。ギミックで「触る」をデジタル化。(c) TOMY
【25位】旅行ガチャ
行き先が選べない“ランダム旅行”。ワクワク感とお得感で人気高める。
ピーチ・アビエーションの「旅くじ」は、累計2万7000個を販売した
【26位】ワークマン キャンプギア
自社開発素材と通販で価格破壊。初心者を取り込み約40億円を達成。
ギア全体で270万点、約40億円を売り上げた
【27位】丸ごとシイタケスナック
ジャンキーでも罪悪感がない新感覚。シイタケ嫌いも取り込み人気拡大。
しいたけスナック(ドン・キホーテ)の売り上げ規模は、月間5000万円以上に
【28位】卓上サワー
自由に酒をつげてすぐに飲める。コト消費人気で店舗採用率3倍超。
「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。2年で50店舗のスピード出店
【29位】大阪中之島美術館
開館初年に「10万人超え」を連発。写真映えで若年層も取り込む。
開館8カ月で入場者約47万人を達成した
【30位】三井住友カード ゴールド(NL)
“無料化”と高還元で人気急上昇。普段使いでのお得に競争軸をシフト。
ゴールドカードの年間発行枚数が従来ゴールドカードに比べて前年比で18.9倍
「2022年ヒット商品ベスト30」のランキング選考基準
2021年10月から22年9月の間に発表・発売された商品・サービスなどを対象にヒットの度合いを評価した。具体的には右の3項目に沿って総合的に判定した。期間前に発表・発売された商品でも、期間内に著しくヒットしたものは対象に加えた。昨年に既にヒットしていた商品は、原則として対象外とした。
評価項目
【売れ行き】:売り上げやシェアをどれだけ拡大したか。どれだけ人を集めたか。売れ行きはどれくらい継続する余地があるか
【新規性】:これまでにない画期的な技術、着眼点、売り方の工夫があったか
【影響力】:他社の追随を呼んだか、あるいは従来にない市場を形成したか。生活スタイルや社会の常識を変えて、世の中に影響を与えたか
「2022ヒット商品ベスト30」は、「日経トレンディ」2022年12月号掲載。