松重豊主演『劇映画 孤独のグルメ』が今月1月10日(金)から公開されている。
テレビ東京系列の深夜ドラマとして2012年から放送されて、Season10までシリーズ人気番組となっていた。
2017年から「大晦日スペシャル」として12月31日の大晦日の22時〜23時半という時間帯で毎年放送される「テレビ東京の看板ドラマ」になって、今回の劇場公開は「テレビ東京開局60周年記念作品」である。
『映画予告編🎬】
https://youtu.be/bMjVVUM8HPE?si=i4L0zt1xHAyzysJl
主演の松重豊が初の監督をして、脚本なども担当している。当初は『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督に依頼したが、断られてしまった。それで松重豊が自身で撮ると決断したという。
舞台はパリ、長崎県・五島列島、韓国で、各地でロケを敢行。それぞれの土地で主人公が美味しい食事を探して食べる。
主人公の職業は「輸入雑貨の貿易商」を個人で経営、仕事の関連で各地を移動する。
本作の最大のテーマは「美味しい料理」であって、貪欲にグルメを求める孤独さが可笑しい。松重豊が製作上位に名を連ねて、映画にそれなりに大きな出資をしているのが分かるだろう。
『オリバーな犬(Gosh!!)このヤロウ』オダギリジョーが脚本・演出・編集をして、劇場版も公開される。
『劇場版 ドクターX』主演の米倉涼子など、俳優が映画に出資している作品がトレンドになっている。
「テレビドラマの映画化」という流れで、ヒットが見込みやすい人気の「テレビドラマの映画化」だと主演俳優の存在が作品にとって極めて大事なので、主演俳優の発言権が重んじられる。
「テレビドラマの映画化」で成功した作品は「踊る大捜査線」シリーズで、第1弾の「踊る大捜査線THE MOVIE」(1998年)はフジテレビの単独出資作品となっている。
当時は誰も興行収入101億円もいけるなどとは想像していなかった。第2弾の興行収入173.5億円を記録した「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年)は、製作に、フジテレビに加えて「アイ・エヌ・ピー」という主演の織田裕二の関連会社があった。
主演俳優の関連会社が出資をするのは以前からあったが、ここ最近では新たな流れとして俳優の個人事務所化の流れがある。
俳優は大きな事務所に所属し続ける傾向があり、個人事務所を設立して独立する潮流。
結果的に俳優自身が映画に出資する流れが生まれている。
主演俳優のモチベーションは最大限に上がって精力的に頑張る。そんな宣伝攻勢は一気に増える。
『劇場版 ドクターX』主演の米倉涼子は、朝から晩までテレビ出演して、毎日ワイドショーからバラエティー番組に登場の日々だった。
今回の『孤独のグルメ』は、フランスのパリでのロケも行われて、制作費的にフランスロケは厳しかったようで、日本航空とタイアップして、少人数であればロケができる状況を作り出し、最小人数でのロケを行なった。
制作費は4億円、宣伝費などのP&A費が3億円と想定すると、映画だけでリクープするには興行収入14億円が目処になる。
今回は善福寺六郎役として遠藤憲一がシークレット出演していた。松重は「『孤独のグルメ』をずっとやっているのですが、10人に1人ぐらいが『孤高のグルメ』と言うんです。なので、出してやれと思いまして、若いころから役を取り合った、かぶってるキャラクターの遠藤さんに善福寺六郎を演じていただいたんです」と経緯を説明した。
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映画出演したオダギリジョウは、松重との共演が多く尊敬している。監督を務める作品にも多々出演してもらったから「松重さんの方から呼ばれると断りづらい」と笑いながらオファー決断の理由を語ってる。
劇中に登場するラーメン店「さんせりて」の店主を演じて「もっと軽い遊び感覚で…」とオファーを受けたらしい。
しかし重要な役柄を任されたようで「結構大事な役割でした」と、オダギリは松重が1985年に公開された、寂れたラーメン店をタンクローリー運転手が立て直して、ラーメンブームに拍車をかけてアメリカで大ヒットした映画「タンポポ」が好きで、オマージュした。
「監督経験のある役者が同じ立場の人に演技指導を受けるのはどういう気持ちなのか」と聞かれると「同業者だからちょっとしたニュアンスでくみ取っていける。でも、松重さんが監督というのは松重さんもきっと戸惑っているところもあるだろうし、そこは僕も監督を経験した先に歩んだものとして、質問がきたら答えるみたいな」と先駆者としてアドバイスを贈っていた。
「苦しんじゃうのは人間性ですかね。面白いいい作品を役者として続けられるのが一番」という。
【劇映画 孤独のグルメ】
松重豊監督、脚本。田口佳宏脚本。原作・久住昌之、作画・谷口ジロー「孤独のグルメ」(扶桑社刊)原作。110分。松重豊、内田有紀、磯村勇斗、村田雄浩、ユ・ジェミョン(特別出演)、塩見三省、杏、オダギリジョーら出演。2025年1月10日(金)公開。
公式サイト https://gekieiga-kodokunogurume.jp/
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公式 Instagram https://www.instagram.com/tx.kodokugurume/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@tx_kodokugurume
【映画予告編🎞】
https://youtu.be/Ib5YNyaXpPc?si=I6r_QK9C10RFMjaU
映画の主題歌「空腹と俺」を歌うザ・クロマニヨンズ・甲本ヒロトと、実は40年来の旧知の仲であった。
映画監督を志し上京した松重は、バンドマンになるべく上京した甲本と、下北沢の中華料理屋・珉亭のアルバイトで出会い意気投合した。
「主題歌はどうしてもヒロト(甲本)にやってもらいたかった」
予告映像はスーツ姿で浜辺に打ち上げられた井之頭五郎の姿から始まる。
世界各国で“スープ探し”をする五郎が、激しい雨風の中ボードを漕ぐ姿や、米兵に出会うシーンなども収められている。
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新プロジェクト「孤独のグルメ THANKS PROJECT」が始動。第1弾として、撮影に協力した店舗に五郎のサイン入り感謝状が届けられる。感謝状には五郎のシルエットと、「いつも美味しいご飯をありがとうございます。お腹が空いたら、またお邪魔させてください」というメッセージが書かれた。
また「それぞれの孤独のグルメ」のグッズ販売が決定。五郎のセリフがデザインされた鍋用の小皿、中華皿、箸、湯呑みや、五郎の食事シーンと料理情報が記載されたカレンダー、食べ物のモチーフと五郎のシルエットが描かれた手ぬぐいがラインナップされている。テレ東本舗のWebや店舗ほかで販売。
なお「劇映画 孤独のグルメ」のグッズに関しては後日解禁される予定。
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