2024年2月14日 (水)

『喪われた道』内田康夫

『喪われた道』内田康夫

虚無僧姿の男の死体が、青梅街道で発見された。被害者は会社役員、羽田栄三。死の直前「失われた道の意味がわかった」と彼は妻に語ったという。

取材で近辺を訪れていた浅見は事件に深く関わることに……

どうやらふたつの金山に、羽田が関わっていたのは事件とは無縁ではなさそうである。

藤田編集長が出鱈目に、浅見へ注文した隠し金山の記事が架空なものではなくなりつつあった。

そして徳川家康公が開発に力を注いだと伝えられる土肥金山と佐渡金山を結ぶルートがある。道中には湯之奥金山や金鶏金山があり、「山の洲」という新潟、長野、山梨、静岡の中央日本4県を通っている。果たして「喪われた道」とはどのようにつながっているのか?

〈鎌倉街道頼朝家喪われた道〉

事件とどう結びつくのか?

今回ヒロインは気の強いキャラクター羽田記子が年下なのに、浅見を不意打ちすることをするのがわくわくする。可愛い女の子が上手く書かれて、それだけでも読む価値ある作品かも知れない。

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BSTBS 2024年2月23日(金) 12:00~14:00

<サスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ31 喪われた道』


ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は甲州裏街道の埋蔵金伝説を探るために東京都の青梅に向かうが、梅ヶ谷峠で虚無僧姿の死体の実況検分に遭遇する。死体の右手にはシャクナゲの花が握られていた。

被害者の羽田(柴田林太郎)は虚無僧研究会に入っていたが、よく演奏していた「滝落之曲」をある時から急に吹かなくなったという。浅見は「滝落之曲」が連想して作られた伊豆・修善寺近くの旭滝に羽田の孫の記子(宮地真緒)と共に向かうのだった。


<出演者>

浅見光彦:中村俊介

羽田記子:宮地真緒

井野:出光元

羽田栄三:柴田林太郎

藤田克夫:小倉久寛

佐瀬信夫:小島敏彦

羽田一昭:小野了

羽田良美:松井紀美江

羽田幹子:渡辺康子

浅見雪江:野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫

企画:現王園佳正、金井卓也

プロデューサー:小林俊一、大下晴義、金丸哲也

脚本:峯尾基三

演出:小林俊一

音楽:渡辺俊幸

制作:フジテレビ/彩の会

2024年2月11日 (日)

『新釈遠野物語』井上ひさし

奇抜、夢幻、残酷、抱腹、驚異、戦慄、そして、どんでん返し。

パロディではありません。名著を凌ぐ、読み応え抜群の連作集。

東京の或る交響楽団の首席トランペット奏者だったという犬伏太吉老人は、現在、岩手県は遠野山中の岩屋に住まっており、入学したばかりの大学を休学して、遠野近在の国立療養所でアルバイトをしているぼく"に、腹の皮がよじれるほど奇天烈な話を語ってきかせた

遠野"に限りない愛着を寄せる鬼才が、柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、現代の怪異譚9話。


【目次】

鍋の中

川上の家

雉子娘

冷し馬

狐つきおよね

笛吹峠の話売り

水面の影

鰻と赤飯

狐穴

解説 扇田昭彦


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【本文より】

老人は弁当を使うぼくを眺めながら、他所では河童の面(つら)は蒼いというが遠野や釜石に棲む河童の面はどうしてだか赭(あか)いのだとか、この近辺の猿は暇さえあれば躰に松脂(まつやに)をなすり込みその上から砂を塗りたくっているが、それを繰返している毛は鉄板よりも堅く丈夫になり猟師の射()つ鉄砲の玉を難なくはね返すだの、深い山に入るときは必ず餅を持って行くことを忘れるなだのと、さまざまな話をしてくれるのだった。

(「川上の家」)


本書「解説」より

『新釈遠野物語』で作者が強調しようとしたのは、この世界を固定した見方でとらえるのではなく、日々新鮮な驚異と賛嘆のまなざしでみつめる姿勢だったと私には思われてならない。この本で展開する物語の多くは、たしかに常識的で合理主義的な見方からすれば、荒唐無稽で怪しげな超現実の物語ばかりだと思われるかもしれない。だが、私たちの生命が、たんなる個的なものではなく、実は驚くべき事象にあふれた自然や宇宙の大いなる息づかいのうちにあることを感じとるとき、これらの物語はフィクショナルな限界を超えて、切実なリアルなものになる。

――扇田昭彦(演劇評論家)

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全部で9篇の短篇からなっている。
人を食う山男からその妻に教えられた方法で逃げ出す男。熊笹の生えている斜面を転がって逃げなさいと言われる。実際に熊笹の上を転がって逃げる場面で、同じような情景を知っているような気がする。

それから河童が親の病気を治すために人間の肝を採る話など続く。 


第4話は飼い主である娘と馬が相思相愛になってしまう話。

そのあとは狐つきの娘の話や予言をする話売り、人に化けて魚を救う沼の主の大鰻とか、狐が化かす話などが続いている。

柳田國男の『遠野物語』を解釈したものではなく、自分が遠野の近くの療養所で働き始めた頃、山の洞穴でトランペットを吹く犬伏老人と親しくなり、老人が狐や河童に騙された様子が語られる9つの短編を面白可笑しく書き連ねてる。

最後に老人が大切にしていたトランペットを貰い、吹いてみるのがなかなか音が出ない。それが何故だったのか、最大のオチがあります。


井上ひさし(1934-2010)

山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。

2024年2月10日 (土)

『金沢歴史の殺人』内田康夫

十津川警部シリーズの1作であり、十津川警部が金沢を舞台に殺人事件を解決する物語となっている。

女流カメラマンが古都金沢を撮った初写真集の出版直前、相次いで事件が起こる。編集部長が射殺され、そして姉が事故死する。写真が原因か?

十津川警部が派遣した西本刑事は彼女のためにある妙手を思いつく。二つの事件を結ぶ糸とは!? 歴史の町・金沢を舞台に、十津川警部の活躍を描く、旅情ミステリー。

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【あらすじ】

24歳の女流カメラマン・酒井千沙は金沢で生まれ育ち、香林坊近くのマンションで一人暮らしをしながら、姉が経営する雑居ビル二階の喫茶店「二人」で働きながら腕を磨いている。

そんな酒井千沙が古都金沢をモチーフに撮った初の写真集が東央出版から刊行される直前に、四谷の路上で編集部長・小倉敬一が射殺されて即死の事件が起こる。

写真集に掲載予定のすべて未発表の写真のネガも引き延ばした、全部を預けていたが、それらがどこにも見つからずに、予定されていた写真集が刊行できない。


編集部長の射殺事件の後すぐに、今度は金沢の香林坊で喫茶店「二人」を経営してした酒井千沙の姉・酒井由美が、国道157号線の石川・横宮町付近で、夜中に彼女の運転する軽自動車が、妻子ある運送会社の運転手・本橋利男の運転する大型トラックに居眠り運転で追突されて事故死する。

姉の事故死が、写真のネガが消えたのと関係があると疑う酒井千沙は、亡くなったネガと同じ写真を撮ってみようと、警視庁捜査一課の若い西本刑事の警護と協力で、金沢歴史の町を再度撮り歩く。

そしてカメラの前には、歴史ある町の各所が旅情豊かに登場してくる。兼六園に始まり、犀川、長町武家屋敷、大野庄用水、犀川大橋、寺町寺院群、妙立寺(忍者寺)、願念寺、桜橋、石伐坂、東山の月心寺。全性寺、竜国寺、あめの俵屋、鍋屋「太郎」(主計町)、ひがし茶屋街、卯辰山、にし茶屋街など、古都金沢の街を巡っている。誰かに見張られてる気がする。

金沢の街並みを歩いた人なら、視覚イメージが湧いてくる小説となっている。絵コンテを描きたくなる場面も多い。

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喫茶店「二人」室内パネルに貼ってあった写真16枚が持ち去られていた。

どうやら事件で重要な場所に設定されているのが、ひがし茶屋街、主計町茶屋街と並ぶ金沢三茶屋街のひとつである「にし茶屋街」であった。

写真集が人目に触れるのを、恐れているのが犯人であろう。

何故撮影したカメラマンを殺さずに、周りの人を狙ったのか?

酒井千沙の撮ったネガのために、編集部長が射殺されたのは其の後に明らかになる。しかしネガを編集部長が持っているのを、犯人はどうして知っていたのか? 

その点に捜査が移り、編集部長の知り合の役者な弁護士などの関係者たちから浮かび上がる。その中でネガを見せらせたらしき和服のモデルで、小川明子は行方不明になっていて、犬の散歩中の老人に多摩川に浮かんで水死体で発見された。

小川の不倫している恋人を探ると、金沢出身の大学助教授が重要な容疑者として浮かび上がる。そして金沢での昨年度に起きていた殺人事件とは、関わりが根元になってるらしい。その日アリバイを崩してしまう、金沢での写真が撮れた可能性がある推理をする。


十津川警部シリーズに常連のおなじみの警視庁刑事部捜査一課の「十津川班」の刑事たち、上司相棒のカメさんなどが登場する。「十津川班」の若い刑事の西本刑事が、事件の捜査に関わるだけでなく、ヒロインの金沢の女性との関係の展開も惹く。

3章から第5章くらいが中弛みになっているような展開が、やや残念であった。


『金沢歴史の殺人』内田康夫(双葉社)【目次】

1章 香林坊の女

2章 カメラの眼

3章 関係者

4章 動機とアリバイ

5章 攻防

6章 幻の映像

7章 手さぐり

8章 最後の闘い


『十津川警部・金沢歴史の殺人』は未だドラマ化されてないようである。

高田純次さんが演じる亀さんをイメージしながら面白く読める。役者さんの放っている演技は、特別な感情動作によるものである。頭の中は勝手にドラマが上映されていた。

2024年1月27日 (土)

『複合遺恨』森村誠一(光文社文庫)

棟居刑事が錯綜する人間の愛と宿業に肉迫する。


憧れの的であった担任女教師・佐倉弥生が、番長・後藤龍雄に犯される場面を目撃した少年と級友は、後藤殺害を決意して自転車事故を実行する。路面に横たわる死体。それは中学校を去った女神への供物のつもりであった。しかし復讐が為されたとき、呪われた運命の序曲が静かにスタートしたことを、彼らは知る由もなかった。

息子のために保険金を掛け合った吉田夫婦が、水泳中の海での事故に遭遇する。溺れてしまった息子の死から、夫婦の心は離れて別居するふたり。会うこともなく月日が過ぎて、夫は森林から死体となって発見される。左手の薬指が切断されていた。保険金が夫人に支払られることで、妻に容疑がかけられた。しかし過去を調査すれば、簡単な事件ではなかった。

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かつて吉田が佐倉弥生の生徒であったことから、彼女が転職してママをしてるBARで働いていた経歴が浮かんできた。そこで経営する男が殺されていた事件があった。家庭内暴力を受けていたママが殺害したが、従業員たちは皆同情して、裁判では情状酌量から執行猶予にされた。

ふたつの事件は繋がっているとみた、吉田の妻はBARへ行くと、ホステス募集面接に来たと思われて、そのまま雇われる。旧姓を名乗って潜伏することにした。

六割ほど読むと、無名の詩人が書いたミステリアスな詩が引用されている。


「なぜか」

朝が来て目をさまして 

いつも小さなものがなくなっていた

窓には鍵がかかっているから

きっと内部のものの犯行だ


真っ赤な目をしてがんばってみても

ふいに火を噴く彗星みたい

消えたものはいらないものばかり

もう願いごとなんかするものか


ところで21歳のぼくは

波の音ばかり聴こえてる

古ぼけたラジオをいじってる


真夜中にあの海からきた

なぜか懐かしい異国語の

短波の放送を聴いている

(園下勘治)


刑事ふたりが、この詩を読んで含みのある言葉から、犯人探してをだぶらせるのだった。

棟居刑事は「これまで手がけた事件の中で、これほど自信のない捜査をしたことがない」と述べている。複数の虐めにあっていた教え子たちと繋がった過去と現在がある。番長の乗った自転車事故のあった三本松の近くで、吉田ら中学生たちが記念写真を撮影していたスナップショットが、過去のアルバムにあった。

本作品で描かれた世界に対して「恐るべき因果律」という、強烈な印象を持たざるをえないであろう。事件の発端は被害者と犯人の20年以上前の繋がりにまで遡る。こんな事件が実際に起こったら驚嘆するしかない。個人的には棟居刑事シリーズでは最高レベルの充実した作品。

★★★★★

2024年1月23日 (火)

栃尾の油揚げ

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でかいサイズに驚きます。

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2024年1月15日 (月)

『湘南アイデンティ』西村京太郎

『湘南アイデンティ』西村京太郎

湘南に住む30代でエリート五人の男たちに、毎週一夜同棲契約という奇妙な提案をする女性、小早川恵が現れた。

そのエリートのひとりで、ベンチャー企業社長・岸川を湘南まで追ってきた女性秘書が殺害されるのだった。

そほ捜査に乗り出した十津川警部の元に、小早川恵と五人の男たちの関係を書いた手紙や写真が届いた。十津川は男たちのなかに犯人がいると、判断して捜査の網を絞っていく。

小早川恵の本来の目的とは何か?

これが本書の底辺となっている。



『萩・津和野に消えた女』西村京太郎

木下由美子が、「あいつを殺しに行って来ます」という置手紙を残して姿を消した。そして恋人の白井も後を追うように姿を消したのだ! やがて山口県萩で白井の撲殺死体が、そして津和野城跡で由美子の服毒死体が発見された。由美子が白井を殺害したあとで自殺をはかったのか!? が、二人の死に不審を抱いた十津川は、捜査を開始する。二転三転する事件

「あいつ」の正体は? 

(事件が真相に近づくと、どんどん後味がよろしくない後半展開だった。)

2024年1月14日 (日)

『十津川警部 告発』西村京太郎

雲仙温泉で音響メーカー、メディアX研究所所長の原口利夫の遺体が発見された。長崎県警の協力要請を受け、十津川警部が捜査を担当することになった。その事件を機にメディアXに関連する事件が多発した。

事件の解明へ突き進んだ十津川警部は、国家が絡んだ壮大なプロジェクトの正体を掴んだが……!?


十津川警部の旧友・原口が雲仙で死体として発見された。彼は生前、何かにひどく怯えていたという。十津川は原口の勤めていた会社・メディアX社に赴く。捜査が進むにつれ、その会社のきな臭い噂が耳に届いた。


SF小説のような展開は、十津川警部シリーズでも異例なものだろう。推理ドラマよりも意外性が突出して、十津川警部がアクション映画のように活躍する。なかなかワクワクする活劇が楽しめる作品だ。

それにしても句読点が相変わらず多い文章は、なんとか読みやすく推敲していただきたいものである。

作者が他界されているので、編集者が令和新装版にしても良いのでは。

2023年12月31日 (日)

『木曽街道殺意の旅』西村京太郎

『木曽街道殺意の旅』西村京太郎

その執念深さで捜査一課の名物刑事と謳われた奥田が、退職直後に木曽の宿場町で失踪した。さらに実在しない奥田の娘から捜索依頼の手紙が、十津川警部のもとに届く。奥田の妻も入院先の病院で不審な焼死を遂げ、事件は混迷を深める。奥田の残した写真を唯一の手がかりに、十津川・亀井コンビは、山深い木曽路に赴くが……。

〈目次〉

第一章 一通の手紙

第二章 殺意のバイパス

第三章 人間の鎖

第四章 夜の死

第五章 再び福島宿

第六章 対決


『西村京太郎トラベルミステリー』で十津川警部、亀井刑事というコンビを演じてきた高橋英樹と高田純次さん。

ほとんど刑事ドラマは観てないから、「じゅん散歩」のキャラクターがひとり歩きしてます。十津川刑事シリーズを読んで、勝手なキャスティングして楽しむのも読書の面白さでしょう。

ミステリー界の黄金コンビ“十津川警部”と“亀井刑事”が旅情あふれる映像ドラマ。高田さんは2012年に長らく亀井刑事を演じてきた愛川欽也さんにかわって登場。味わい深い演技で10年間演じた。

現在では十津川警部(渡瀬恒彦)と亀井刑事(伊東四朗)のコンビが定着している。

亀井キャラクターを演じた髙田純次さんと伊藤四郎さんの強烈なイメージは、小説を読んでも甦る。原作には描写されてない動作や喜怒哀楽の表情が浮かんでくる。

ドラマになった小説とドラマにならない小説は、良くも悪くも運命の別れ道。


句読点がやたらと多くて、読むのに障害となるほどだ。担当編集者は原稿を読書の立場から推敲しているのか。文章は読みやすく滑らかにしていただきたいものだ。

2023年12月24日 (日)

すすきがなびく景色

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2023年12月21日 (木)

<サスペンス劇場>浅見光彦シリーズ日光殺人事件

日光で起こった謎の事件…光彦がその真相に迫る!

BSフジ12月22日12時から14時放送


ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は明智光秀伝説の取材で、日光に来ている。華厳ノ滝付近で男の飛び込み自殺があり、死体を収容すると、別の白骨死体が出てきた。白骨死体は鑑識の結果、失踪した智秋家の次男、次郎(山口粧太)だった。

智秋次郎を慕っていた姪の朝子(原沙知絵)は、次郎が自殺したとは信じていない。光彦は朝子から、次郎が失踪する前に詠んだという歌を見せてもらう。

朝子は次郎が死を予感して、歌を残したのではないかと考えていた。光彦は次郎の死の真相にせまる。


<出演者>
中村俊介、
原沙知絵
、愛華みれ
、織本順吉
、山口いづみ
、小倉一郎
、大出俊
、小倉久寛
、榎木孝明、
野際陽子
ほか


<スタッフ>
原作:内田康夫


企画:保原賢一郎
プロデューサー:金丸哲也、武部直美、小林俊一


脚本:峯尾基三


演出:金佑彦


音楽:渡辺俊幸


制作:フジテレビ、東映


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『日光殺人事件』内田康夫

「“日光”で面白いものを発見した」この一言を遺し、日光近くにある大牧場主・智秋家の次男が失踪、車だけが山形の日向川に・・・。

二年後、華厳の滝で白骨となって見つかった。

──天海僧正=明智光秀説の取材で日光を訪れた 名探偵 ルポ・ライター ・浅見光彦は、智秋家令嬢・朝子のため、この事件を追った。秀逸な旅情ミステリー。

(光文社文庫より)


取材で日光を訪れた浅見光彦は、華厳の滝で飛び込み自殺に遭遇。そこで別の白骨死体が発見されて、死後2年ばかり経っているとみられ、白骨死体が自殺か他殺なのか。

死体の身元は膨大な資産を有する智秋グループの一族のひとりだった。2年前から行方不明の智秋次郎で、 彼の乗用車は山形の鶴岡方面に放置されていた。

智秋家一族の中興の祖である智秋友康が病床にあり、跡継ぎの思惑があった。

友康の長男友忠の娘・朝子は今回のヒロインで、ユキという白馬に跨って、牧場を疾駆する。 次郎は友康の次男で、朝子にとっては叔父となり、短歌を趣味としていて、かつての短歌仲間が葬儀に参列する。そして短歌仲間の一人が、西伊豆で 死体となって発見される。 日光の事件と関係あるのかどうか、光彦は西伊豆土肥へ向かう。 

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作中には8首の短歌作品が使われて、巻末に作者名が記されてる。


雪はまた雪のかなしみを育てをり翳りつつ白し今朝のかなしみ  小林孝虎


黙々と川は流れる 押し通る 時のはざまを 俺の心を  出頭寛一


天をさす枝ことごとく黄落せし空間にしてひかりは宿る  春日井建


終日をひたすら短き草を食む馬よ太古より同じ像(かたち)に  矢部茂太


衰へのみえたる芝のやさしくて手をつけば素足になれと芝が言ふ  小池光


わが胸の恋つめたくもよみがへる夜道の氷踏めば音して  宗政五十緒


わが夢に入り来てわれを殺しゆく影くろぐろと春はつづけり  小中英之


嫁ぎゆく子の明けくれや身にしみて杏の花の野の花あかり  草野源一郎

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