2024年9月18日 (水)

松本清張ドラマ『書道教授』

◇初回放送日=2010323

◇日本テレビ系 生誕100年記念 松本清張スペシャル・書道教授(船越英一郎)

四人の女性が主人公を翻弄させる。

主人公・川上克次の妻、保子。

行きつけの古本屋「谷口書店」の女房、妙子。

呉服屋の寡婦で、書道教授してる勝村久子。

主人公の愛人でBARホステスの神谷文子。

谷口妙子と神谷文子は雰囲気の似た外見だが、物静かな妙子へ惹かれる反面、ヒステリックな文子に谷口は自由を束縛されていく。


◇出演者

船越英一郎、杉本彩、荻野目慶子、的場浩司、岡本麗、大場久美子、手塚理美、野川由美子、賀来千香子、嶋田久作、坂下千里子、大河内浩、上杉祥三、若林久弥、春やすこ、くわばたりえ(クワバタオハラ)、小原正子(クワバタオハラ)、レツゴー正児、海原はるか、海原かなた、南雲勝郎、大石昭弘、池田勝志、増田こはる、豊田順子(アナウンサー)、菅谷大介(アナウンサー)、豆はな、満奈葉、綾乃


【あらすじ】

 京都市内で主に顧客回りをしている銀行員の川上克次(船越英一郎)は、新しく書道教室教授・勝村久子(杉本彩)の担当を任される。その屋敷を訪ねると、久子は呉服商だった夫を亡くした5年前から、書道教室を始めた優雅な物腰の美人で、書体を見て書いた人の運勢を占う筆占いの特技があるという。政治家や芸能人も、お忍びで屋敷に出入りしていると噂があった。


仕事の話を終えた川上は書道を多少嗜んでいたこともあり、久子の字に惚れ込んで弟子入りを申し出る。完全個人教授だという久子は

新規の弟子は取っていないと断わるが、川上の熱い思いに打たれて他の弟子や屋敷内の一切を詮索しないとの条件で入門を許可する。


 裕福な家の娘・保子(賀来千香子)と結婚し、平凡な夫婦生活を送っていた川上だった。一見、真面目そうな川上は、実は酒も飲めないのにナイトクラブに通い、ホステスの神谷文子(荻野目慶子)を愛人にしていた。銀行員という立場を自覚しながらも、カネしか信じられない文子との愛欲の蟻地獄に落ちていた。


 得意先の古美術『懐古堂』店主の妻・谷口妙子(手塚理美)が久子の屋敷に入るのを目撃したことから、その事実を確かめてみた。

妙子は人違いの一点張りで、書道も久子も知らないという。一方、保子は東京にいた頃に盗まれた、母親の形見の高価な着物を着ている女を目撃したと大騒ぎをしていた。


 書道屋敷に何度か通ううち、川上はそこに漂う妙な空気が気になり始める。久子はお手伝いのスマ(野川由美子)と二人暮らしで他に植木屋の飯田留吉(嶋田久作)が屋敷に出入りするだけ。川上の耳には、屋敷のどこからか、微かに女たちの声が聞こえてくる。屋敷内で妙子らしき女を見かけるが、確認することは出来なかった。


 しばらくして、妙子の変死体が発見さた。気になった川上が久子の口座を調べてみると、書道教室には不釣合いな何億もの金が時々出入りしている。それとなく聞く川上に対してら久子は詮索しないよう告げるだけだった。


 保子から妊娠したと明かされた川上は、文子に別れ話を切り出した。納得すると思いきや、川上が銀行の金を横領している事をネタにして多額の慰謝料を要求してくる。保子の妊娠を知った文子は、さらに銀行にまで押し掛けるようになった。文子との関係や横領の事実が露見するのではないか、と川上は不安を募らせた。


 その文子が久子の屋敷を2週間ほど張り込みしたと告げ、川上に興味深い事実を明かした。屋敷にはお茶屋女将の日野千鶴(大場久美子)や、女実業家の安西詩織(岡本麗)が、いろいろな男と一緒に出入りしているという。

屋敷に凄い悪事が隠されていると言い切る文子は、呉服商の夫を殺した可能性もある久子を、一緒に強請ろうと川上を誘った。川上が話しに乗らないと知るや、文子は自分も妊娠したという。


 脅迫に怯える日々を過ごすことになった川上は、悪夢と幻影にうなされ、ついに文子の殺害を計画するのだった。



「松本清張の書道教授・消えた死体」

198211621:02-22:51、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」にて放映された。


【出演】近藤正臣・風吹ジュン・生田悦子・有馬昌彦・富田恵子・住吉道博・小沢象・浅沼晋平・俵一・池波志乃


妻を持ちながら、ホステスと愛人関係を持った銀行員が、思わぬ出世話を機に殺人を犯す。

取引先の私大理事長の娘、保子(生田悦子)と結婚した銀行員・克次(近藤正臣)は、妻の家族に頭が上がらず、気の休まる場所が無かった。

克次はホステスの文子(風吹ジュン)と愛人関係を続けることで、家庭でのストレスを軽減していた。ある時、支店長代理としての転勤命令が克次に下る。夢のような出世話に喜ぶ克次だったが、文子との愛人関係を整理しなくてはと、文子に別れ話を持ちかけるが


【スタッフ】

脚本:吉田剛

演出:野田幸男

制作:松竹

視聴率24.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

2024年9月16日 (月)

ザ・ミステリー『20時18分の死神 小樽発殺意の旅路』[字]

9月16日(月)  12:56〜15:00 放送時間 124分 BSテレ東

 娘の命を救うため母が犯した殺人トリック!悲劇の終わりにもうひとつの悲劇が始まる…。【出演】古谷一行、川上麻衣子、かとうかずこ、原千晶、甲本雅裕、平泉成(他)

【番組内容】小樽中央署・熊沢真琴(古谷一行)は、踏切を越え自殺しようとする男・鈴木道生(甲本雅裕)を見つけた。道生の妻・美江(川上麻衣子)の話によると道生は自殺未遂の常習者で、今月に入って3度目だという。原因は、1年前の飛行機事故で両親を失ったこと。そのショックから飛行機の墜落した時刻“20時18分”に死にたくなるという。まるで死神に取り憑かれたようだった。

数日後、道生は20時18分に投身自殺を遂げた。まさか“その死神”が熊沢に挑戦してこようとは…。

【出演者】

熊沢真琴古谷一行

鈴木美江川上麻衣子

青柳奈穂子原千晶

鈴木道生甲本雅裕

雪子かとうかずこ

十文字伍一郎平泉成

会田静枝中島ひろ子

石川香上良早紀

杉田淳一正木慎也

深谷為次郎山本清


【原作】和久峻三「2018分の死神」(光文社文庫・刊)

【脚本】中野顕彰

【監督】齋藤光正

【製作】テレビ東京


 和久峻三『20時18分の死神』(光文社文庫)

娘・洋子が結婚。音川音次郎警部補は、男手一つで育てた娘を複雑な心境で送り出した。数日後、京都府警に出勤した音川に衝撃的な報告があった。

「20時18分になると死にたくなる」と訴えていた会社員・鈴木道夫が、まさにその時刻、投身自殺を遂げていたのだ!

春の怪異か、他殺事件か?才色兼備の女性刑事とコンビを組んで、音川の推理が冴えわたる。


【目次】

20時18分の死神;掏摸男ニ正義アリ;誰も悪くない?;黄金取引;宿命の絆


【関連記事】

ドラマ「2018分の死神 小樽発 殺意の旅路」BS松竹東急零画報

http://zerogahou.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-dc9013.html

2024年9月15日 (日)

日本文学100年の名作(新潮文庫)全10冊

日本文学100年の名作(新潮文庫)全10

新潮文庫創刊以来の100年間を代表する名作を精選して収録、小説アンソロジー決定版。

文学全集からあぶれてる隠れた名作や珍らしい短編小説を厳選されている。 

この全10冊は物語の意外性と激しい時を乗り越えてきた生粋のストーリーが満載されている。(2015年刊行)

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1 1914-1923 夢見る部屋

1 荒畑寒村『父親』

2 森鴎外『山拾得』

3 佐藤春夫『指紋』

4 谷崎潤一郎『小さな王国』

5 宮地嘉六『ある職工の手記』

6 芥川龍之介『妙な話』

7 内田百閒『件』

8 長谷川如是閑『象やの粂さん』

9 宇野浩二『夢見る部屋』

10 稲垣足穂『黄漠奇聞』

11 江戸川乱歩『二銭銅貨』


2 1924-1933幸福の持参者

1 中勘助『島守』

2 岡本綺堂『利根の渡』

3 梶井基次郎『Kの昇天』

4 島崎藤村『食堂』

5 黒島伝治『渦巻ける島の群』

6 加能作次郎『幸福の持参者』

7 夢野久作『瓶詰地獄』

8 水上瀧太郎『遺産』

9 龍胆寺雄『機関車に巣喰う』

10 林芙美子『風琴と魚の町』

11 尾崎翠『地下室アントンの一夜』

12 上林暁『薔薇盗人』

13 堀辰雄『麦藁帽子』

14 大佛次郎『詩人』

15 広津和郎『訓練されたる人情』


3 1934-1943三月の第四日曜 さん

1 萩原朔太郎『猫町』

2 武田麟太郎『一の酉』

3 菊池寛『仇討禁止令』

4 尾崎一雄『玄関風呂』

5 石川淳『マルスの歌』

6 中山義秀『厚物咲』

7 幸田露伴『幻談』

8 岡本かの子『鮨』

9 川崎長太郎『裸木』

10 海音寺潮五郎『唐薯武士』

11 宮本百合子『三月の第四日曜』

12 矢田津世子『茶粥の記』

13 中島敦『夫婦』

 

4 1944-1953木の都

1 織田作之助『木の都』

2 豊島与志雄『沼のほとり』

3 坂口安吾『白痴』

4 太宰治『トカトントン』

5 永井荷風『羊羹』

6 獅子文六『塩百姓』

7 島尾敏雄『島の果て』

8 大岡昇平『食慾について』

9 永井龍男『朝霧』

10 井伏鱒二『遙拝隊長』

11 松本清張『くるま宿』

12 小山清『落穂拾い』

13 長谷川四郎『鶴』

14 五味康祐『喪神』

15 室生犀星『生涯の垣根』


5 1954-1963百万円煎餅

1 梅崎春生『突堤にて』

2 芝木好子『洲崎パラダイス』

3 邱永漢『毛澤西』

4 吉田健一『マクナマス氏行状記』

5 吉行淳之介『寝台の舟』

6 星新一『おーい でてこーい』

7 有吉佐和子『江口の里』

8 山本周五郎『その木戸を通って』

9 三島由紀夫『百万円煎餅』

10 森茉莉『贅沢貧乏』

11 井上靖『補陀落渡海記』

12 河野多惠子『幼児狩り』

13 佐多稲子『水』

14 山川方夫『待っている女』

15 長谷川伸『山本孫三郎』

16 瀬戸内寂聴『霊柩車』

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6 1964-1973ベトナム姐ちゃん

1 川端康成『片腕』

2 大江健三郎『空の怪物アグイー』

3 司馬遼太郎『倉敷の若旦那』

4 和田誠『おさる日記』

5 木山捷平『軽石』

6 野坂昭如『ベトナム姐ちゃん』

7 小松左京『くだんのはは』

8 陳舜臣『幻の百花双瞳』

9 池波正太郎『お千代』

10 古山高麗雄『蟻の自由』

11 安岡章太郎『球の行方』

12 野呂邦暢『鳥たちの河口』


7 1974-1983公然の秘密

1 筒井康隆『五郎八航空』

2 柴田錬三郎『長崎奉行始末』

3 円地文子『花の下もと』

4 安部公房『公然の秘密』

5 三浦哲郎『おおるり』

6 富岡多惠子『動物の葬禮』

7 藤沢周平『小さな橋で』

8 田中小実昌『ポロポロ』

9 神吉拓郎『二ノ橋 柳亭』

10 井上ひさし『唐来参和』

11 李恢成『哭』

12 色川武大『善人ハム』

13 阿刀田高『干魚と漏電』

14 遠藤周作『夫婦の一日』

15 黒井千次『石の話』

16 向田邦子『鮒』

17 竹西寛子『蘭』


8 1984-1993薄情くじら

1 深沢七郎『極楽まくらおとし図』

2 佐藤泰志『美しい夏』

3 高井有一『半日の放浪』

4 田辺聖子『薄情くじら』

5 隆慶一郎『慶安御前試合』

6 宮本輝『力道山の弟』

7 尾辻克彦『出口』

8 開高健『掌のなかの海』

9 山田詠美『ひよこの眼』

10 中島らも『白いメリーさん』

11 阿川弘之『鮨』

12 大城立裕『夏草』

13 宮部みゆき『神無月』

14 北村薫『ものがたり』


9 1994-2003アイロンのある風景

1 辻原登『塩山再訪』

2 吉村昭『梅の蕾』

3 浅田次郎『ラブ・レター』

4 林真理子『年賀状』

5 村田喜代子『望潮』

6 津村節子『初天神』

7 川上弘美『さやさや』

8 新津きよみ『ホーム・パーティー』

9 重松清『セッちゃん』

10 村上春樹『アイロンのある風景』

11 吉本ばなな『田所さん』

12 山本文緒『庭』

13 小池真理子『一角獣』

14 江國香織『清水夫妻』

15 堀江敏幸『ピラニア』

16 乙川優三郎『散り花』


10 2004-2013バタフライ和文タイプ事務所

1 小川洋子『バタフライ和文タイプ事務所』

2 桐野夏生『アンボス・ムンドス』

3 吉田修一『風来温泉』

4 伊集院静『朝顔』

5 恩田陸『かたつむり注意報』

6 三浦しをん『冬の一等星』

7 角田光代『くまちゃん』

8 森見登美彦『宵山姉妹』

9 木内昇『てのひら』

10 道尾秀介『春の蝶』

11 桜木紫乃『海へ』

12 高樹のぶ子『トモスイ』

13 山白朝子『〆』

14 辻村深月『仁志野町の泥棒』

15 伊坂幸太郎『ルックスライク』

16 絲山秋子『神と増田喜十郎』    


各巻付属 あとがき 解説 年譜


【関連記事】

池内紀×川本三郎×松田哲夫・座談会 

100年の文学宇宙 新潮文庫『日本文学100年の名作』  

三者三様に密度高い読書家でもある対談。

https://www.bookbang.jp/review/article/30912

2024年9月11日 (水)

『紀州のドン・ファン―美女4000人に30億円を貢いだ男』野崎幸助(講談社+α文庫)

付き合った女は4000人、使ったカネは30億! 「美人とやりたい」、その一心だけで無一文から大富豪に上り詰めた男の一代記とんでもない男がいた!

幼いころから「美人と付き合いたい」と願い続け、そのためには大金持ちになるのが近道と、鉄屑拾い、コンドーム訪問販売、金融業など様々な商売を経て、裸一貫から成り上がった男の痛快自伝。
商売が上手くいくコツ、金持ちになるための心構え、女性を口説く技から、75歳になってクスリいらずの生涯現役法まで、すべてを赤裸々に語った!
文庫書き下ろし

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第1章 50歳下の愛人は大金とともに去りぬ

第2章 「若さ」と「馬鹿さ」の日々
第3章 転機――「どうも、コンドーム屋でございます」
第4章 高度経済成長の波に乗れ
第5章 よく稼ぎ、よく遊ぶ
第6章 心を読めばナンパも仕事も上手くいく
第7章 人生、山もあれば谷もあるさ
第8章 老け込んでなんて、いられない

講談社 (2016/12/20)

戦後まもない昭和20年代半ば、和歌山の田舎でひとりの少年が性に目覚めた。美女と付き合いたい。それには大金持ちになるのが一番だ。そう決心して以来、鉄屑拾い、コンドーム訪問販売、金融業となんでもやった。そして手に入れた億単位のカネと、美女に囲まれて暮らす日々。たとえ他人に馬鹿にされようと、本気で願えば夢は叶う。


野崎幸助[ノザキコウスケ] 
1941(昭和16)年、和歌山県田辺市生まれ。酒類販売業、不動産業などを営む実業家。地元の中学を卒業後、鉄屑拾い、訪問販売員、金融業など様々な商売を手掛け、裸一貫で億単位の財を成す。


【和歌山 6000万円窃盗事件】

2021428日に死亡時の妻Bが殺人容疑で逮捕された。しかし、決定的な証拠が出てきておらず、地元記者らは和歌山毒物カレー事件を引き合いに冤罪の可能性を指摘している。20245月時点で動機の詳細は不明である。初公判は912日に行われた。


死亡した男性は、1941年(昭和16年)に和歌山県田辺市で7人兄弟の三男として生まれた。地元の中学を卒業後働き始め、酒造メーカー訪問販売員や金融業などを手掛けた。その後、コンドームを訪問販売する仕事で成功し、それを元手に投資や金貸しを行うことで数十億の財産を築くに至り、「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた。

女好きでも知られており、美女4,000人に30億円を貢いできたと自称している。20162月に27歳の自称モデルの女性に現金600万円と5,400万円相当の宝石類など合計6,000万円を盗まれたが「6,000万円なんて自分にとっては紙くず。窃盗事件もいい経験だ」などと発言して話題となった。

201828日、55歳年下の女性B(当時21歳)と結婚した。同年524日午後10時半ごろ、自宅2階の寝室で倒れているA20代の妻と60代の家政婦が発見、119番した。行政解剖で、血液や胃などから多量の覚醒剤成分が検出される。墓は田辺湾を望む高台の田辺市営墓地にある。


事件当日の2018524日、自宅にいたのは夫妻AB、家政婦の3人のみであった。午後3時ごろ、夕食の支度を終えた家政婦が外出し、AB2人きりになる。この間にAは夕食を済ませ、寝室に戻ったと見られている。一方、Bは、自分は2階には上がっていないと供述した。午後10時ごろ、家政婦とBにより、Aが寝室で倒れているのが発見された。その場で死亡が確認され、死亡推定時刻は午後9時ごろとされた。解剖の結果、致死量を超える覚醒剤が検出され、死因が急性覚醒剤中毒であったことが判明した。当時自宅にはBと家政婦しかおらず、防犯カメラにも何も映っていなかった。当日の夕食は家政婦が用意した鍋料理であったが、夕食時には家政婦は帰宅しておりABだけであった。


Aの腕などに注射跡はなく、また覚醒剤成分が長く残留する毛髪検査でも覚醒剤成分が検出されなかったため、覚醒剤を経口摂取させられたと推測されている。Aの所有する酒類販売会社にあった2000本以上のビールの空き瓶や飼い犬の死体からも覚醒剤成分は検出されなかった。また、事件の直前に死亡した飼い犬の葬儀を予約するなど自殺する事情がないことから、何者かに覚醒剤を摂取させられた可能性があるとみられている。

2021428日、Bは覚醒剤を使用してAを殺害した被疑者として、殺人容疑と覚醒剤取締法違反容疑で和歌山県警察に逮捕された。Bは事件前に覚醒剤について調べた形跡があり、また覚醒剤の密売人と接触した可能性が指摘されている。

同年519日、和歌山地検はBを殺人と覚醒剤取締法違反の罪で和歌山地裁へ起訴した。なお、20234月時点で初公判は開かれておらず、公判日程も決まっていない。

202249日、BAの会社の資金を横領した疑惑に関しては、202246日に嫌疑不十分により不起訴となった。

20245月時点で、公判の目途は立っていないという。裁判開始までに時間がかかっていることについて、弁護士の若狭勝は「分からないことが多くある事件。弁護団とすると徹底的に争うという姿勢を抱いているんだと思う」と見解を述べている。


135000万円とされるAの遺産については、「全財産を田辺市に寄付する」としたAの遺言書が見つかったとして、田辺市が受け取る方針を明らかにした。一方で、弁護士の高橋裕樹によると「相続人ではない第三者に全額を相続するという遺言でも、妻、子供、親には『遺留分侵害請求権』が認められている」ため、B67500万円を受け取れる可能性がある。しかし、殺人罪で有罪が確定すると遺産を一切受け取れなくなるため、遺産の行方も注目されている。

Aの「全財産を田辺市に寄付する」と書かれた遺言書をAの兄ら4人が「偽造だ」として、2020年に遺言書の無効確認を求め地裁に提訴した。市や訴状によると、遺言書は平成2528日付で「いごん 全財産を田辺市にキフする」と紙に赤ペンで手書きされていた[16]。田辺市側とAの親族が遺言書の有効性を争った裁判で、2024621日に和歌山地裁(高橋綾子裁判長)は「有効」とする判決を言い渡した。72日、親族側は判決を不服として大阪高裁に控訴した。

Wikipedia】より

2024年9月 4日 (水)

三谷幸喜×アガサ・クリスティー 死との約束 後編[再][字][解][デ]

96()  13:5014:48 放送時間 58

フジテレビ

 

ポアロシリーズの傑作を、熊野古道を舞台に日本初映像化!一家を支配していた母親が殺され、その家族には全員に動機があった。名探偵・勝呂武尊が難事件に挑む!

 

番組内容

名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)は休暇で熊野古道を訪れていた。ホテルのラウンジで医師の沙羅絹子(比嘉愛未)の姿を目にし、声をかける。沙羅は勝呂のことを新聞で見て知っていたため、2人はすぐに打ち解ける。そこに本堂家の夫人(松坂慶子)、次男の主水(市原隼人)、長女の鏡子(堀田真由)、次女の絢奈(原菜乃華)、少し遅れて長男の礼一郎(山本耕史)、妻の凪子(シルビア・グラブ)がやってくる。夫人はいきなりホテルのスタッフをどなりつけ、子ども達にはあれこれと命令しはじめる。それはまるで一家の独裁者のようだった。一家の税理士・十文字幸太(坪倉由幸)によると、主の本堂氏が家族に十分なお金を残して死んだため、本堂家は日本中を旅しているのだという。

本宮大社を散策していた勝呂は背後から声をかけられる。婦人代議士・上杉穂波(鈴木京香)と編集者の飛鳥ハナ(長野里美)だった。穂波は自伝の執筆のために熊野を訪れたというが、どうやら勝呂とは旧知の仲らしい。

その2日後、古道散策ツアーに向かった本堂一家と勝呂、沙羅、穂波、飛鳥。しかし参道沿いのベンチで本堂夫人が遺体となって発見される。地元の警察署長・川張大作(阿南健治)に事件解決を要請された勝呂は、早速捜査をはじめる。夫人は普段から心臓が弱かったというのだが、勝呂はその右腕に注射針の痕を発見する。ぎくしゃくしていた家族の誰にも動機があり、殺害のチャンスがあった。


【出演者】野村萬斎 / 松坂慶子、山本耕史、シルビア・グラブ、市原隼人、堀田真由、原菜乃華 / 比嘉愛未、坪倉由幸(我が家) / 長野里美、阿南健治 / 鈴木京香 他


スタッフ

【原作】アガサ・クリスティー『死との約束』 

【脚本】三谷幸喜 

【プロデューサー】渡辺恒也、高丸雅隆(共同テレビ) 

【演出】城宝秀則(共同テレビ) 

【制作協力】共同テレビ 

【制作著作】フジテレビ

2024年9月 3日 (火)

三谷幸喜×アガサ・クリスティー 死との約束 前編[再][字][解][デ]

9月5日(木)  13:50〜15:45 放送時間 115分

フジテレビ

 ポアロシリーズの傑作を、熊野古道を舞台に日本初映像化!一家を支配していた母親が殺され、その家族には全員に動機があった。名探偵・勝呂武尊が難事件に挑む!

【番組内容】名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)は休暇で熊野古道を訪れていた。ホテルのラウンジで医師の沙羅絹子(比嘉愛未)の姿を目にし、声をかける。沙羅は勝呂のことを新聞で見て知っていたため、2人はすぐに打ち解ける。そこに本堂家の夫人(松坂慶子)、次男の主水(市原隼人)、長女の鏡子(堀田真由)、次女の絢奈(原菜乃華)、少し遅れて長男の礼一郎(山本耕史)、妻の凪子(シルビア・グラブ)がやってくる。夫人はいきなりホテルのスタッフをどなりつけ、子ども達にはあれこれと命令しはじめる。それはまるで一家の独裁者のようだった。一家の税理士・十文字幸太(坪倉由幸)によると、主の本堂氏が家族に十分なお金を残して死んだため、本堂家は日本中を旅しているのだという。

本宮大社を散策していた勝呂は背後から声をかけられる。婦人代議士・上杉穂波(鈴木京香)と編集者の飛鳥ハナ(長野里美)だった。穂波は自伝の執筆のために熊野を訪れたというが、どうやら勝呂とは旧知の仲らしい。

その2日後、古道散策ツアーに向かった本堂一家と勝呂、沙羅、穂波、飛鳥。しかし参道沿いのベンチで本堂夫人が遺体となって発見される。地元の警察署長・川張大作(阿南健治)に事件解決を要請された勝呂は、早速捜査をはじめる。夫人は普段から心臓が弱かったというのだが、勝呂はその右腕に注射針の痕を発見する。ぎくしゃくしていた家族の誰にも動機があり、殺害のチャンスがあった。

【出演者】野村萬斎 / 松坂慶子、山本耕史、シルビア・グラブ、市原隼人、堀田真由、原菜乃華 / 比嘉愛未、坪倉由幸(我が家) / 長野里美、阿南健治 / 鈴木京香 他

スタッフ

【原作】アガサ・クリスティー『死との約束』 

【脚本】三谷幸喜 

【プロデューサー】渡辺恒也、高丸雅隆(共同テレビ) 

【演出】城宝秀則(共同テレビ) 

【制作協力】共同テレビ 

【制作著作】フジテレビ

2024年9月 1日 (日)

三谷幸喜ドラマ『死との約束』フジテレビ

96(木)13:5014:48 放送時間118


アガサ・クリスティが1938年に発表した長編小説『死との約束』を原作として、巡礼の道として世界遺産に登録されている熊野古道を舞台に、昭和30年代に設定した。

主人公の勝呂武尊が本堂家の女主人が遺体で発見された案件の真相を追う。

『オリエント急行殺人事件』(2015年)『黒井戸殺し』(2018年)に続く脚本家・三谷幸喜×狂言師・野村萬斎によるドラマシリーズ第3弾。今回も原作者のアガサ・クリスティに敬意を表して、舞台を日本にした以外はほぼ原作を忠実に脚色して「こうしなければ視聴者がすぐに誰が犯人か分かってしまう」ので、ある人物の設定のみミスリードのために一部改変している。

三谷幸喜は「死との約束は、アガサ・クリスティーの隠れた傑作です。ポワロ物で、僕がいちばん好きな作品です」とコメント。

物語の舞台「黒門ホテル」の外観は愛知県の蒲郡クラシックホテルで、館内は都内のセットで撮影が行われた。

【あらすじ】

休暇で熊野古道の近くにある和歌山県天狗村の「黒門ホテル」に宿泊していた勝呂武尊は、馴染みのラウンジで同席となった医師の沙羅絹子や、各地を旅している富豪の本堂家の人々(本堂夫人、礼一郎、凪子、主水、鏡子、絢奈)とそれに付き添う税理士の十文字幸太と出会い、その夜に言い争う男女が発した「分からないのか、こうなったらもう殺すしかないんだ」という言葉を耳にする。

自らの子供たちを支配し、全てを自分の思うようにしなければ気が済まない本堂夫人の態度に苛立ちを感じた沙羅医師は、礼一郎や鏡子に接触を図るが、それを快く思わない夫人は2人に彼女を無視するように命じる。その頃、勝呂は古き知り合いであり、今は代議士をしている上杉穂波と再会し、同行している編集者の飛鳥ハナの隙を見て逢瀬を重ねるが、空気を読めない勝呂の発言に気分を害した上杉代議士に背中を押され怪我をしてしまう。

怪我を理由に、翌日の全員がバスにて向かう熊野古道の探訪を断ろうとする勝呂だが、上杉代議士の願いを断れず、本堂家の人々や沙羅医師たちと共に探訪に参加。そこでも上手く同行していた飛鳥を騙し2人きりになるが、再び悪戯心の芽生えた上杉代議士に背中を押された勢いで山道を転がり落ちてしまい、遠回りをして助けに来た彼女の手を借りてバスへと戻り休む事となり、仕方なく彼女はバスへ戻っていた飛鳥と共に散策する。

一方その頃、本堂家の人々は珍しく1人にして欲しいという本堂夫人の命令に従い、夫人1人をベンチに残しそれぞれ散策した後に、夫人に声をかけバスへと戻る。

しばらく後、雨も降りそうな天気となったために沙羅医師がベンチに座っている本堂夫人の下へ向かうと、本堂夫人は既に亡くなっていた。勝呂は捜査に呼ばれた川張大作署長に煽てられ、関係者全員のアリバイと動機を確認し、思考した後に署長に自らが証人となっており事件への動機が見当たらない上杉代議士と飛鳥以外の全ての人をラウンジに集めるように伝え、上杉代議士には自らの華麗な推理をラウンジのすぐ上にある自室で聞いて欲しいと伝える。関係者が全て集まった後、勝呂は事の顛末についての推理を語り始めるのであった。

【キャスト】

原作 - アガサ・クリスティ『死との約束』

脚本 - 三谷幸喜

演出 - 城宝秀則(共同テレビ)

音楽 - 住友紀人

ロケ協力 - 熊野本宮大社、和歌山県、田辺市、熊野本宮観光協会、新宮市、熊野しんぐうフィルムコミッション、わかやまフィルムコミッション、和歌山県観光連盟、ワープステーション江戸 ほか

原作翻訳参考 - 高橋豊「死との約束」(ハヤカワ文庫)

アドバイザー - 町田暁雄

スタントコーディネーター - おぐらとしひろ

スタント - 塚越靖誠、酒井和真

技術協力 - バスク

美術協力 - フジアール

照明協力 - ラ・ルーチェ

VFX - 日本映像クリエイティブ

スタジオ - 東映東京撮影所

プロデューサー - 渡辺恒也(フジテレビ)、高丸雅隆(共同テレビ)

協力 - Agatha Christie,Ltd

エグゼクティブプロデューサー - Basi AKpabioLeo Dezoysa

日本国内エージェント - 甲斐美代子、甲斐絵里

制作協力 - 共同テレビ

製作著作 - フジテレビ

2024年8月31日 (土)

三谷幸喜×アガサ・クリスティー 黒井戸殺し 後編[再][字][解][デ]

94()  13:5014:45 放送時間 115

フジテレビ

 

アガサ・クリスティーの推理小説「アクロイド殺し」を、脚本・三谷幸喜でドラマ化!名探偵・勝呂武尊とその助手が富豪殺人事件の謎に挑む!衝撃の真実が暴かれる

 

番組内容

昭和27年、日本の片田舎で唐津佐奈子(吉田羊)が死亡しているのが発見された。医師・柴平祐(大泉洋)は、検死のために唐津邸を訪れる。佐奈子には夫を毒殺した疑惑があり、柴の姉・カナ(斉藤由貴)は、佐奈子が夫殺害の罪にさいなまれ自殺したと推測する。柴の親友で富豪・黒井戸禄助(遠藤憲一)は、佐奈子に結婚を申し込んでおり、ショックを受ける。黒井戸は、姪・黒井戸花子(松岡茉優)、義妹・黒井戸満つる(草刈民代)、秘書・冷泉茂一(寺脇康文)、旧友・蘭堂吾郎(今井朋彦)らと食事をした後、柴に「佐奈子が夫殺しの件である男に脅されていると話していた」と明かす。そこへ佐奈子から遺書が届く。黒井戸は1人で読みたいといい、柴は屋敷を出る。そこで復員服の見知らぬ男(和田正人)と会い、不審に思いながら帰宅。すると、黒井戸が殺害されたと執事・袴田(藤井隆)から電話が。

部屋に入ると、黒井戸が背中を刺されて死んでいた。刑事・袖丈(佐藤二朗)が到着し、捜査開始。女中頭・来仙恒子(余貴美子)が、黒井戸の義理の息子・兵藤春夫(向井理)を村で見かけたと証言し、春夫に疑いが。春夫の婚約者である花子は疑惑を晴らそうと、柴家の隣に引っ越してきた不思議な男が、実は引退した名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)だと思い出し、捜査を依頼したいと柴に相談。警部から全員が容疑者であると聞き、女中・明日香(秋元才加)を始め聴取すると不可解な事実が


【出演者】

野村萬斎 :名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける) 

大泉洋 :医師・柴平祐(しば・へいすけ) 

向井理 :黒井戸禄助の義理の息子・兵藤春夫(ひょうどう・はるお) 

松岡茉優 :黒井戸禄助の姪・黒井戸花子(くろいど・はなこ) 

秋元才加 :黒井戸家の女中・本多明日香(ほんだ・あすか) 

和田正人 :復員服の男 

寺脇康文 :黒井戸の秘書・冷泉茂一(れいぜい・もいち) 

藤井隆 :黒井戸家の執事・袴田次郎(はかまだ・じろう) 

今井朋彦 :黒井戸禄助の旧友、作家・蘭堂吾郎(らんどう・ごろう) 

吉田羊 :黒井戸禄助の婚約者・唐津佐奈子(からつ・さなこ) 

浅野和之 :鱧瀬弁護士(はもせ・べんごし) 

佐藤二朗 :警部・袖丈幸四郎(そでたけ・こうしろう) 

草刈民代 :黒井戸禄助の義妹・黒井戸満つる(くろいど・みつる) 

余貴美子 :黒井戸家の女中頭・来仙恒子(らいせん・つねこ) 

斉藤由貴 :柴医師の姉・柴カナ 

遠藤憲一 :村の名士・黒井戸禄助(くろいど・ろくすけ)


スタッフ

【原作】アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」 

【脚本】三谷幸喜 

【プロデューサー】渡辺恒也 橋本芙美(共同テレビ) 貸川聡子(共同テレビ) 

【演出】城宝秀則(共同テレビ) 

【制作著作】フジテレビ 

【制作協力】共同テレビ

2024年8月30日 (金)

三谷幸喜×アガサ・クリスティー 黒井戸殺し前編[再][字][解][デ]

93()  14:4815:45 放送時間 57


番組概要

アガサ・クリスティーの推理小説「アクロイド殺し」を、脚本・三谷幸喜でドラマ化!名探偵・勝呂武尊とその助手が富豪殺人事件の謎に挑む!衝撃の真実が暴かれる


番組内容

昭和27年、日本の片田舎で唐津佐奈子(吉田羊)が死亡しているのが発見された。医師・柴平祐(大泉洋)は、検死のために唐津邸を訪れる。佐奈子には夫を毒殺した疑惑があり、柴の姉・カナ(斉藤由貴)は、佐奈子が夫殺害の罪にさいなまれ自殺したと推測する。柴の親友で富豪・黒井戸禄助(遠藤憲一)は、佐奈子に結婚を申し込んでおり、ショックを受ける。黒井戸は、姪・黒井戸花子(松岡茉優)、義妹・黒井戸満つる(草刈民代)、秘書・冷泉茂一(寺脇康文)、旧友・蘭堂吾郎(今井朋彦)らと食事をした後、柴に「佐奈子が夫殺しの件である男に脅されていると話していた」と明かす。そこへ佐奈子から遺書が届く。黒井戸は1人で読みたいといい、柴は屋敷を出る。そこで復員服の見知らぬ男(和田正人)と会い、不審に思いながら帰宅。すると、黒井戸が殺害されたと執事・袴田(藤井隆)から電話が。
部屋に入ると、黒井戸が背中を刺されて死んでいた。刑事・袖丈(佐藤二朗)が到着し、捜査開始。女中頭・来仙恒子(余貴美子)が、黒井戸の義理の息子・兵藤春夫(向井理)を村で見かけたと証言し、春夫に疑いが。春夫の婚約者である花子は疑惑を晴らそうと、柴家の隣に引っ越してきた不思議な男が、実は引退した名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)だと思い出し、捜査を依頼したいと柴に相談。警部から全員が容疑者であると聞き、女中・明日香(秋元才加)を始め聴取すると不可解な事実が


【出演者】野村萬斎 :名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける) 
大泉洋 :医師・柴平祐(しば・へいすけ) 
向井理 :黒井戸禄助の義理の息子・兵藤春夫(ひょうどう・はるお) 
松岡茉優 :黒井戸禄助の姪・黒井戸花子(くろいど・はなこ) 
秋元才加 :黒井戸家の女中・本多明日香(ほんだ・あすか) 
和田正人 :復員服の男 
寺脇康文 :黒井戸の秘書・冷泉茂一(れいぜい・もいち) 

藤井隆 :黒井戸家の執事・袴田次郎(はかまだ・じろう) 
今井朋彦 :黒井戸禄助の旧友、作家・蘭堂吾郎(らんどう・ごろう) 
吉田羊 :黒井戸禄助の婚約者・唐津佐奈子(からつ・さなこ) 
浅野和之 :鱧瀬弁護士(はもせ・べんごし) 
佐藤二朗 :警部・袖丈幸四郎(そでたけ・こうしろう) 
草刈民代 :黒井戸禄助の義妹・黒井戸満つる(くろいど・みつる) 

余貴美子 :黒井戸家の女中頭・来仙恒子(らいせん・つねこ) 
斉藤由貴 :柴医師の姉・柴カナ 
遠藤憲一 :村の名士・黒井戸禄助(くろいど・ろくすけ)


【原作】アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」 
【脚本】三谷幸喜 
【プロデューサー】渡辺恒也 橋本芙美(共同テレビ) 貸川聡子(共同テレビ) 
【演出】城宝秀則(共同テレビ) 
【制作著作】フジテレビ 
【制作協力】共同テレビ

2024年8月29日 (木)

『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ

クリスティ作品の中でも代表作とされる名作。

村の名士アクロイド氏が短刀で刺殺されるという事件がもちあがった。その前に、さる婦人が睡眠薬を飲みすぎて死んでいる。シェパード医師はこうした状況を正確な手記にまとめ、犯人は誰か、という謎を解決しようとする。60余編のクリスティ女史の作品の中でも代表作とされる名作中の名作。独創的なトリックは古今随一。


ポアロの隣人により書かれた手記の形をとるが、その隣人自身が犯人であったので「語り手が犯人である」という叙述トリックが読者に対してフェアかどうかの論争となった。

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【あらすじ】

キングズ・アボット村のフェラーズ夫人が亡くなった。夫人は未亡人だが大変裕福で、村のもう一人の富豪ロジャー・アクロイドとの再婚も噂されていた。

検死をおこなったジェイムズ・シェパード医師は睡眠薬の過剰摂取と判断したが、噂好きな姉キャロラインはあれこれ聞き出して、夫人の死は自殺だと主張する。

外出した医師は、行き会ったロジャーから、相談したいと言って夕食に誘われた。

夕方、屋敷を訪ねて悩みを打ち明けられた。再婚を考えていたフェラーズ夫人から、「一年前に夫を毒殺した」と告白されたという。夫人はそのことで何者かから恐喝を受け続けていたらしい。

そこにフェラーズ夫人からの手紙が届き、ロジャーが読み始めた。それは恐喝者の名前を告げる手紙だった。ロジャーは後で一人で読むと言って医師に帰宅を促す。その夜ロジャーは刺殺されて、フェラーズ夫人の手紙は消えた。


ロジャーの遺産を受け継ぐラルフが行方不明となって、警察は彼を有力な容疑者とする。姪フローラは探偵を引退して、村に引っ越してきていたエルキュール・ポアロに助けを求めた。医師は隣家の奇妙な外国人が探偵であると知る。ポアロは依頼を引き受けて医師を助手役に捜査を開始する。

ラルフの他に、事件当日、村で目撃された不審な男がいるのが分かり、容疑者となる。

ポアロに事件についての書きかけの手記を読ませると、その手記に感心する。執事のジョン・パーカーは以前の主人を恐喝した前科のある男だったが、殺人には否定する。事件当日に目撃された不審な男は、家政婦のエリザベス・ラッセルの息子だった。その息子が屋敷を訪れた時間は、ロジャーの死亡推定時刻とは食い違っている。フローラは、事件当日おじのロジャーの部屋から現金を盗み、それを隠すためにうそをついていたと告白する。そのためにロジャーの死亡推定時刻が当初思われていたよりも早まる。


ポアロは関係者を一堂に集める。

医師がラルフを精神病院に匿っていたのを皆に告げ、「シェパード医師の記録には書いていないこともある」と指摘する。ラルフは小間使いのアーシュラと密かに結婚していた。それを知って激怒したロジャーが殺されたため、疑われるのを恐れたラルフは、医師の勧めで身を隠していたのだ。ポアロは「明日になれば真相を警察に話します」と宣言する。

その後、ポアロは医師と二人きりになり、真相を話す。ロジャーは亡くなった日に、録音機に声を録音していた。犯人がその声を再生したため、その声を聞いてロジャーが生きて話していると思ったパーカーの証言から死亡推定時刻が遅れたのだ。「ロジャーの死亡推定時刻にそばにいて、録音機を持ち運びできる鞄を持っていた人物が犯人で、それはシェパード医師である」とポアロは話す。


ポアロはフェラーズ夫人への恐喝の露見を恐れてロジャーを殺した医師の動機を説明して、「あなたのお姉さんのためにも真相を隠しておきたいが、逃げ道が一つだけある」と言う。家に帰った医師は、「これから睡眠薬を飲むことにする」と書いて手記を終えたのだった。



[アガサ・クリスティ]1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。

1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。

1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。

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