2017年5月21日 (日)

『鳥』安房直子

ある町に,耳のお医者さんがいました。
小さな診療所で,来る日も,来る日も人の耳をのぞいていました。
とても, 腕の良いお医者さんでしたから待合室は, いつも満員でした。

遠い村から, 何時間も列車にゆられて通う人もありました。このお医者さんのおかげで,耳の病気がすっかり治ったと言う話は, 数えきれません。
そんなふうで,毎日が,あんまり忙しかったものですから,お医者さんは,このところ,少し, 疲れていました。
「私も,たまに,健康診断しなくちゃいけないな。」
夕方の診療室で,カルテの整理をしながら,お医者さんは,つぶやきました。

いつも,看護婦役をしてくれる奥さんは,ついさっき出かけてしまい,今,お医者さんは,たった一人でした。夏の夕日が,その小さい白い部屋を,赤々と照らしていました。
と不意に, 後ろのカーテンが,しゃらんとゆれて, 甲高い声が響きました。
「せんせ,大急ぎでお願いします! 」
耳のお医者さんは,くるりと回転いすを回しました。カーテンのところに,少女が一人立っていました。片方の耳をおさえて,髪を振り乱し, まるで,地の果てからでも走ってきたように ,あらい息をしていました。
「どうしたの。いったいどこから来たんだね。」
お医者さんは,あっけにとられて訊ねました。
「海から。」 と少女は答えました。
「海から。ほう,バスに乗って?」
「ううん,走って。走ってきたの。」
「ほう。」

お医者さんは,ずり落ちた眼鏡を上げました。それから「まあ,かけなさい。」と,目の前の椅子を示しました。
少女は,真っ青な顔をしていました。
その目は,大きく見開かれ,まるで,毒を飲んでしまった子供のようでした。
「それで ? どうしたの? 」
お医者さんは,手を洗いながら, いつもの調子でたずねました。
すると,少女は自分の右の耳を指して叫びました。
「耳の中に,大変なものがはいってしまったんです。早く取つてください。」
そこで,お医者さんはガーゼやピンセットを取り出しました。そうしている間にも,少女は甲高い声で,早く早くとせきたてます。けれどお医者さんは,落ち着いていました。こんなことは,しょっちゅうでしたもの。

昨日も小さな虫が 生きたまま耳の中に入つたという人が,飛び込んで来て,うるさいうるさいと大騒ぎしたのでした。今日もそれにちがいないと,お医者さんは,思いました。そこでゆったりと椅子に座り
「何が入ったんだね。」とたずねました。すると少女は,とても悲しい顔をして,
「あのね,秘密なんです。」と言いました。お医者さんは,顔をしかめました。
「秘密ってことはないだろ。それじゃ,治せないじゃいか。」
すると少女は,しょんぼりうつむいて,「だから,秘密なんです。秘密があたしたちの耳の中に入ってしまったんです。」
「あたしはね,決して聞いてはいけない秘密を,たった今聞いてしまったんです。だからそれを,おおいそぎで取り出してほしいんです。
今すぐ取り出せば,だいじょうぶなんです。ちょっと前に,コトンと,耳のなかにおちたんだから。
でもね早くしないと,手遅れになります。日が沈んでしまったら,もう,おしまいです。」

お医者さんは目をしばしばさせました。こんな患者は初めてでした。そこでこれはまず,ゆっくり話し合うことだとおもって ,
「で,いったい,どんな秘密を聞いたの。」優しく尋ねました。
すると少女は,ぼそぼそとこう言いました。
「あたしのだいすきな人が,実は,鳥なんだっていう話。魔法にかけられカモメなんだっていう話。」
「ふうん。」とてもみょうな顔つきで,お医者さんはうなずきました。

それから,いすを引き寄せて,少女の顔をのぞきこみました。もっとくわしく聞きたいな,君の話。それから耳をみてあげることにしても,ちっともおそくないと思うよ。

日がすっかり沈むまでには,そうあと三十分はあるからね。なあにそんな秘密のひとかけらぐらい,すぐ取り出せるよ。ぼくは名医なんだから。

少女は素直にうなずくと, こんな話をはじめました。あたしが初めて,あの人と会ったのは,夕暮れの海の,ボートの上でした。あたしは,独りぼっちの女の子で,貸しボートの小屋で働いていました。

小屋の前に一列につながれた 十九隻のボートの一番前に,その時あたしは座ってていました。日が沈んでも戻ってこない,たった一隻のボートを,あたしは待っていました。
けれどこの時,あたしはすっかり待ちくたびれて,うとうと眠りかけていました。とそんなあたしの耳もとで,ぴしゃっと水の跳ねる音がしました。
「すみません。」 
その声で,あたしは,はっと目を開けました。目の前に,ボートに乗った,少年がいました。青いペンキぬりのボート,それは,たしかに,うちの店のものでした。たちまち,あたしは,不機嫌になりました。
「どうしたの? もうとっくに,時間,切れてるんですよ。」
すると少年は,恥ずかしそうに笑って,こう言いました。
「ずっと沖の方まで行ってたものだから。」

小年の目は,不思議な灰色でした。
「いったい,何処まで行ってたの。?」
あたしは半ばあきれた顔つきでたずねました。すると少年は すまして言いました。
「水平線のずっと向こう。ふたご岩のまだむこう。かみなり島のもっと向こう。」
「うそばっかり。」
「うそなもんかい。鯨が潮をふいていたよ。大きな客船がいたよ。」
「ふざけないで,早くボート返してちょうだい。」
すると少年は,立ち上がって,ひょいと,あたしのボートに跳び移り,それから,まるで石けりでもするように,ぴょんぴょんと,十九隻のボートを伝わって岸に行ってしまいました。

最後に「さよなら!」と言いました。少年の乗り捨てたボートには,白い花びらが散っていました。あたしは思わず,それを手に取りました。すると,花びらは,羽に変わっていました。鳥の羽でした。
あたしは,不思議な,夏の夢を見たような気がしました。
その少年が,浜の貧しい小屋に住む海女の息子だと知った時の,あたしの驚きは,たとえようもありませんでした。
その海女は,すっかり年をとっていましたから,海に潜るのはやめて,貝や魚を売り歩いていました。
茶色い肌は,くしゃくしゃで, おちくぼんだ目は,とろんと曇っていました。

そんな年寄りの海女が,あの少年の母親だということが,あたしには,とうてい信じられないほど不思議でした。
けれど,海女は,ある日,ボート小屋へ来て,確かにこう言ったのです。
「こないだは,息子が,迷惑かけて,すまなかったね。」
海女は,笑いました。
ぞくっとするような笑顔でした。
「だけど,もう,ボート遊びは,させないでおくれ。あれは,あたしだけの,大事な息子なんだから。」
けれど少年は,それから毎日ボートに乗りにきました。
あたしの耳もとで「ほんのちょっとだけさ。母さんには,ないしょだよ。」と,ささやいて。やがてあたしは,少年と,友達になりました。
初めはおずおずと,それからだんだん親しく。夕方になると少年はあたしが,ボートを杭に繋ぐのを手伝ってくれました。あたしよりずっと速く,まるで,水のうえに散らばった木の葉をまとめるように。
「これ全部, 僕のボートだったら,すてきだろうな。」と少年は言いました。
「そうしたら,一列に繋いで,先頭のボートを漕いで,沖へ行くんだ。」
「あら,そんなこと,出来るかしら。」
「うん。僕には出来るだろうな。僕の腕は,強いもの。ずっと前には,もっといろんな冒険をしたもの。」
「冒険? どんな?」
あたしは体を乗り出して尋ねました。すると少年は急に,気のぬけたような声で,「もう,忘れたな。」と言いました。それから虚ろな目で,遠くを見つめました。
この人は,いつも,そうなのでした。昔の事は,みんな忘れているのでした。
まるで,忘れ薬を飲まされた王子のように。もっともあたしも,そうでしたけども。
心に残っている,昔の思いでなんて,一つもないのでしたけれど.ボートをしまってから,日が暮れるまでの一時を,二人は,楽しく過ごしました。
貝を並べたり,ほおずきを分け合ったり,花火をしたり。ほの暗いボート小屋のかげで,せんこう花火は,小さく,ちりちりと燃えました。けれど,あたしたちは,もっと広い所で,一緒に遊びたかったのです。

昼の日ざかりに,砂浜や海で,おもいっきり,走ったり泳いだりしたかったのです。があたしたちは,いつも海女の目をおそれていました。
小屋の後ろで,二人の様子をうかがっているかもしれない海女のかげに,何時もおびえていました。
ある時,少年は言いました。
「ねえ,二人で遠くへ行かないか。」
「遠くってどこへ?」
「水平線のずっと向こう,ふたご岩のまだ向こう,かみなり島のまだ向こうさ。」
「だって,母さんは?」あたしは,声をひそめて聞きました。
「あなたの母さんは,いけないって言うでしょ。」少年は,うなずきました。
「うん。母さんは,ぼくたちのこと,怒ってるんだ。おまえは,あの娘といっしょに,どこかに逃げていく気だろうって。だけど,決してそうはさせないよって。母さんは,こわい人なんだよ。魔法を使うんだから。」

あたしは息をのみました。そういえば,あの顔は魔法使いの顔でした。
特に,あの目は繙繩Cの底に,百年も二百年もすんでいる魚の目の,不思議なよどみに似ていました。
「ね,だから,ぼくたち,こっそりにげなけりゃいけない。」
少年は,とても,真剣な顔をしました。
あたしは,胸をドキドキさせながら,うなずきました。
「ねえ,あした,にげよう。」
「あした ! どうして急に。」
「母さんが,海にもぐれっていうんだもの。海の底から,貝をたくさん採つておいでって言うんだもの。僕は, 嫌なんだ。あれは,とっても苦しいから。」
「・・・・」
「僕は,思いっきり広い所へ行きたいんだ。ね,だから,あした逃げよう。
ボートを一隻, あの岩の陰に隠しておいて欲しいな。」
少年はずっとむこうの岩を指さしました。

海に突き出た, 大きな岩の陰に,ボートが一隻, すっぽり隠せるくらいの窪みのあることを,あたしも知っていました。
「あしたの夕方, ボートの上で, 待ってるよ。」
少年は, 灰色の目で笑いました。この時, 後ろで, カサリと音がしました。
黒い影が水のうえに, ゆらっと動いたような気がしました。

あたしは, ぎょっとして振り向きました。が,誰もいませんでした。
ああ,それが,つい昨日の出来事なのです。
なんだかずっと昔みたいな気がするけれど,ほんの昨日の事なのです。
そうして,今日の夕方--ついさっきになります--, 約束どうり, あたしは,あの岩影に急ぎました。

朝のうちに, こっそり隠しておいたボートの上で, あの人が待っているはずなのです。
あの人は,青い海水パンツをはいているでしょうか。大きな麦わら帽子をかぶっているでしょうか。

そして,灰色の目でじっと, あたしを待っているでしょうか・・・・
あたしの胸は,コトコトとおどりました。
これから,素晴らしい冒険が始まるのだと思いました。浜の西日は,大きな黄金の車でした。ぎんぎん音たてて回る, まぶしい光の輪でした。
急げ,急げ。 あたしは,いちもくさんに走りました。まぶしい砂浜から,岩の陰に回ると, 急に, 薄暗くなりました。
あたしのゴム草履が,ぴたぴたと,水を跳ねました。と「ご苦労さん」 突然, しわがれ声がしたのです。
あたしは,ドキリと顔を上げました。

青いボートの上には,少年の代わりに,海女が一人, ひざをかかえて座っていました。あのぞくっとするような笑顔をうかべて。にわかに,あたしは, わなわなと震えました。
うわずった声で, あの人は何処にいるのかと尋ねました。
「うちにいるよ。」
つっけんどんに, 海女は答えました。

「鍵をかけた小屋に閉じ込めてあるよ。だけど, 屋根に小さい穴があるから,逃げてしまうだろうな。もう逃がしてやっても,いいとおもってるんだがね。」
「 屋根の穴ですって ? そんな所から出たら, 危ないわ。」
「 危ないもんかい。あいつには,翼があるんだから。」
あたしは,きょとんと海女を見つめました。すると,海女は,そっくり返って笑いました。

それから,不意に手招きをして,「こっちへおいで。とっておきの秘密を話してあげるから。」と言ったのです。
あたしは, どぎまぎしながら, ボートのへりに腰掛けました。
すると,海女は, こちらへ,にじりよってきて, あたしの耳に,ぴったり口をつけました。
そして,たった一言, こう言いました。
「あいつは, 鳥なんだよ。」
この一言は,鋭いナイフのようになって, あたしの耳の中で踊りました。
すると海女は,ひどく意地悪な目をして,なおもこんな話をしました。
「実は, 魔法をかけられたカモメなのさ。もう, だいぶ前になるけどね,わたしの小屋に,怪我をしたカモメが迷いこんできた。可愛そうだから,
薬をつけて,包帯を巻いて, 毎日食べ物をやっているうちに,わたしゃ,このカモメが,すっかり気に入ってしまった。
なんだか,息子みたいに可愛くなった。怪我が治っても, ずっと,手元に置きたくなった。ところが,ある日, 海から雌のカモメが一羽やってきて,
毎朝, 窓のところで鳴くんだ。その時, 私は鳥の言葉がわかったんだよ。
雌のカモメが,「海へ行こう, 海へ行こう。」って,
呼び掛けているのが,本当にちゃあんと聞こえたのさ。すると,うちの息子は,治りかけた翼を,パタパタさせて飛び立とうとする。
雌のカモメの歌声は, 日に日に高くなった。いくら追っぱらっても,またやって来る。
私は, 雌のカモメが, ただもう憎らしくてたまらなかった。今のあんたほどにね。」

ここで,海女は,あらい息をして,あたしをにらみました。
それから,低い声で,また続けました。
「そのうち,わたしは,いいことを思いついた。魔法を使ってうちのカモメを,人間に変えてしまうことさ。ほんものの, わたしの息子にしてしまうことさ。

わたしは,箪笥の中に, 赤い海草の実を,二つぶしまっておいた。
昔, 海の底で見つけた, とても珍しいものさ。
わたしは,これに, はっはっと息をかけて,カモメ食べさせた。
すると,その効き目の良さといったら !
一つぶ食べただけで, カモメは, 人間の男の子の姿になった。
わたしは,嬉しくて嬉しくて, 残りの一つぶを,どこかに落として仕舞ったのも気がつかない程だった。立派な息子が出来て, なによりだと思った
これから,海に潜ることも,魚を売ることも教えようと思った。
ところが,どうだろう。ほんの一月もたたない内に, 今度はおまえさんが現れて, また,あいつといっしょに遠くへ行こうとする・・・・。
だから,わたしは,もうあきらめたよ。もう,あいつは,海へ追っ払ってやることに決めたよ。だけどね,」
急に,海女は,声を大きくし,はきすてるように言いました。
「あんたが,一緒に行くことは出来ないよ。あいつは,鳥なんだから。」
けれど,あたしは,怯みませんでした。
「それでもいいのよ!
あの人,今は,ちゃんと人間の姿してるんだから。あたしは,それでいいのよ。」
すると,海女はにんまり笑いました。
「ところが,もうすぐ魔法がとけるんだ。この秘密を,誰か一人でも知ったら,その日のうちに,魔法は解けてしまうんだ。
だから,今日,海に日が落ちるまでに,あいつは鳥に戻ってしまうよ。
もっとも,あんたが,今の話を,ケロリと忘れる事が出来るなら別だけどね。
腕のいい,耳のお医者にでも駆け込んで,大急ぎ,秘密を取り出して貰えるなら,別だけどね。」

<耳のお医者・・・・>
この時,あたしの頭に,先生のことが浮かんだのです。
浜の人が,とても立派なお医者様だって言ってました。

それであたし,走ってきたんです。
ね,あなたなら,簡単でしょ。長いピンセット使えば,すぐできるでしょ。
日が沈んでしまったら,もうおしまいなんです。早くしてください。

「なるほど。」
耳のお医者さんは,うなずきました。
自分を頼って駆け込んで来た,この少女の願いを,是非きいてあげたいと思いました。
「それじゃ,ちょっとみてあげよう。」
お医者さんは,貝殻のような少女の耳の中を,のぞきこみました。
それから<はあん>と,うなずきました。確かに耳に奥に,何かが光っているのです。ちょうど,こぶしの花が一輪咲いているような感じでした。
< あれだな,あれが秘密なんだな。> とお医者さんは思いました。

けれど,それは,あんまり奥でした。
どんなに長いピンセットを使っても,届きそうにありません。
「ねえ,早くして,早く,早く。」
少女は,せきたてます。
その声が,変に頭に響いて,お医者さんは,腕が上手く動かなくなりました。

薬の瓶を取り出したものの,それがなんの薬だったか,分からなくなりました。
<今日は調子が悪いな。疲れてるせいだろうか。>
お医者さんは,頭をふりました。と,急に,少女が,大声をあげたのです。
「あっ,鳥だわ。鳥,鳥。」
「鳥?」 お医者さんは,思わず窓へ目を移しました。
窓の外には,ほんの少しの,細長い夕空が見えるだけでした。
「何言ってるんだ。」
すると少女は,目をつぶって,こう言いました。
「あたしの耳の中よ。ほら,海があるわ。砂浜があるわ。砂の上にカモメになったあの人がいるわ。あの鳥を,早くつかまえなけりゃ。」
お医者さんは,駆け寄って,少女の耳の中をもう一度覗きました。
そして「ほう。」と,大きな声を上げました。

本当なのです。少女の耳の中には,確かに海があるのでした。真っ青な夏の海と,砂浜とが,ちょうど,小人の国の風景のように納まっているのです。
そして,その砂浜の上に,白い花が一輪 ---
いいえ,それは花でなくて,鳥なのでしょうか。
そうカモメが一羽,羽を休めているようにも思える小さいものが,ぽつんと見えるのでした。
お医者さんは, 急に, 頭がくらくらして,目をつぶりました。ほんの,二,三秒。
それから目を開けた時, お医者さんは,なんと,自分がその海岸に,ぽつんと立っていることに気づきました。
一面青い海原。
長い長い海岸線。
そして,ほんの五メ-トルほど先に, カモメが一羽 , 羽を休めていました。

「しめた。」 お医者さんは,両手を伸ばすと, 後ろから,ぬき足差し足近寄りました。
そっと,そっと,・・・・・・。
けれど,ほんの二,三歩近ずいただけで,鳥は, ぱあっと,翼をひろげたのです。
まるで,つぼみの花が開くように。
そして,ついと,飛び立ちました。
「しまった。」 お医者さんは, 追いかけました。
「おおい,待てえ,待てえ。」
お医者さんは,走りました。
ただもう,めちゃくちゃに走りました。
走りながら,お医者さんは,自分が今,少女の耳の中にいることを,なんとなく分かっていました。
ちょうど人間は皆,自分が,地球の上にいることを,分かっていながら,忘れているように。
ともかく,あの二秒ほどの間に,何かがあったのです
お医者さんの体が, 虫のように小さくなるか, 少女の耳が, 途方もなく大きくなるか,それとも, もっと別のなにかが起きたのです。
でも, お医者さんは, そんな事をあれこれ考えていませんでした。
鳥をつかまえることで, 頭はいっぱいでした。
あれをつかまえてもどらなくては, 診療所の名前にかかわるような気がしました。
けれど, カモメはずんずん高く上がっていき, やがてゆらりと海へ出ました。
「あっ, ああ,ああ。」 お医者さんは, 砂の上にぺたんと座って, カモメを見送りました。と,突然, 「ねえ,早くして, 早く, 早く。」という声が, まるで, かみなりにように辺りにひびいたのです。
お医者さんは, 思わず目をつぶりました。ほんの, 二, 三秒。
「どうしてもだめ?」
そんな声がして,お医者さんがはっと目を明けると, 少女がじっと自分を見つめていました。薄暗い診療所でした。
「秘密, 取れませんか」と少女はたずねました
お医者さんは, すっかりどぎまぎしてうなずくと,
「ええ。今, のがしてしまいました。」と,小さな声で答えました。
「今日は, 少し疲れているんでね。」
すると,少女は立ち上がって, とても悲しい顔をして, 「じゃあ,もうだめだわ。」と言いました。
「日が沈んでしまったもの。あの人, 鳥になってしまったわ。」

お医者さんは, うつむきました。何だか, とてもすまない思いでいっぱいでした。
少女は黙って, 帰っていきました。診療室のカーテンがしゃらんとゆれました。
耳のお医者さんは, 大きな溜め息をついて, 自分の椅子にどしんと座りました。

この時です。お医者さんは, 目の前の椅子の上に, 白いものが散らばっているのを見たのです。
「・・・」お医者さんは, それを取り上げて, しげしげとながめました。

羽でした。 それも, カモメの。お医者さんは,驚いて立ち上がりました。
それから,しばらく考えて,
「なるほど。」と, うなずきました。
「教えてやらなきゃいけない! 」
そうさけぶと, お医者さんは, 外へ飛び出しました。夕暮れの道を, いちもくさんに走りました。

あの子は, 知らずにいるんだ。自分も, カモメなんだっていうことを。
たぶんあの時, 海女が落とした赤い実を食べた雌のカモメなんだっていうことを,ちっとも知らずにいるんだ。>

耳のお医者さんは走りました。
少女の耳に中に, もう一つの, 素敵な秘密を入れてあげるために, 一心に, 追い掛けていきました。

短編集「きつねの窓」鳥より

作者 安房 直子 1943 東京都に生まれた。児童文学者。 作品に 「ハンカチの上の花畑」「白いおうむの森」「銀のくじゃく」「きつねの窓」などがある。1993 没


〔現在比較的入手しやすいと思われる作品集〕
「夢の果て」(瑞雲舎、2005年)
収録作品=ほたる/夢の果て/声の森/秋の風鈴/カーネーションの声/ひぐれのひまわり/青い貝/天窓のある家/奥様の耳飾り/誰にも見えないベランダ/木の葉の魚/花の家/ある雪の夜のはなし/小鳥とばら/ふしぎな文房具屋/月の光/星のおはじき

「きつねの窓」(ポプラポケット文庫、2005年)
*ポプラ社文庫1980年版の「きつねの窓」の新装版
収録作品=きつねの窓/さんしょっ子/夢の果て/だれも知らない時間/緑のスキップ/夕日の国/海の雪/もぐらのほった深い井戸/サリーさんの手/鳥

「風と木の歌」(偕成社文庫、2006年)
*1972年、実業之日本社より発行された作品集の文庫版
収録作品=きつねの窓/さんしょっ子/空色のゆりいす/もぐらのほったふかい井戸/鳥/あまつぶさんとやさしい女の子/夕日の国/だれも知らない時間

「白いおうむの森」(偕成社文庫、2006年)
*1973年、筑摩書房より発行された童話集の文庫版
収録作品=雪窓/白いおうむの森/鶴の家/野ばらの帽子/てまり/長い灰色のスカート/野の音

「銀のくじゃく」(筑摩書房、1975年)
収録作品=銀のくじゃく/緑の蝶/熊の火/秋の風鈴/火影の夢/あざみ野/青い糸

「南の島の魔法の話」(講談社文庫、1980年)
収録作品=鳥/ある雪の夜の話/きつねの窓/沼のほとり/さんしょっ子/南の島の魔法の話/青い花/木の葉の魚/夕日の国/きつねの夕食会/もぐらのほったふかい井戸/だれも知らない時間

●重版で入手しやすくなっている作品集
「花のにおう町」(岩崎書店、1983年)
収録作品=小鳥とばら/黄色いスカーフ/花のにおう町/ふしぎな文房具屋/秋の音/ききょうの娘

●「うさぎ屋のひみつ」(岩崎書店、1988年)
収録作品=うさぎ屋のひみつ/春の窓/星のおはじき/サフランの物語

●『春の窓~安房直子ファンタジスタ~』(講談社X文庫ホワイトハート、2008年11月)
収録作品=黄色いスカーフ/あるジャム屋の話/北風のわすれたハンカチ/日暮れの海の物語/だれにも見えないベランダ/小さい金の針/星のおはじき/海からの電話/天窓のある家/海からの贈りもの/春の窓/ゆきひらの話

●「ひぐれのお客」(2010年5月、福音館書店)
収録作品=白いおうむの森/銀のくじゃく/小さい金の針/初雪のふる日/ふしぎなシャベル/ひぐれのお客/(エッセイ)絵本と子どもと私

●「遠い野ばらの村」(2011年、偕成社文庫)
収録作品=遠い野ばらの村/初雪のふる日/ひぐれのお客/海の館のひらめ/ふしぎなシャベル/猫の結婚式/秘密の発電所/野の果ての国/エプロンをかけためんどり

●「風のローラースケート」(2013年、福音館文庫)
収録作品=風のローラースケート/月夜のテーブルかけ/小さなつづら/ふろふき大根のゆうべ/谷間の宿/花びらづくし/よもぎが原の風/てんぐのくれためんこ

●電子書籍発行
「銀のくじゃく」(筑摩書房、2013年9月-紙の本は1975年発行-)
収録作品=銀のくじゃく/緑の蝶/熊の火/秋の風鈴/火影の夢/あざみ野/青い糸
kindle版
http://www.amazon.co.jp/dp/B00F5W0EHC/

「白いおうむの森」(筑摩書房、2013年9月、-紙の本は1973年発行-)
収録作品=雪窓/白いおうむの森/鶴の家/野ばらの帽子/てまり/長い灰色のスカート/野の音
kindle版
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FB3FXAS/

安房直子コレクション 偕成社

「安房直子コレクション1 なくしてしまった魔法の時間」(偕成社、2004年)
収録作品=・さんしょっ子 ・きつねの窓 ・空色のゆりいす ・鳥 ・夕日の国 ・だれも知らない時間 ・雪窓 ・てまり ・赤いばらの橋
・小さいやさしい右手 ・北風のわすれたハンカチ・エッセイ

「安房直子コレクション2 見知らぬ町ふしぎな村」(偕成社、2004年)
収録作品=・魔法をかけられた舌 ・空にうかんだエレベーター ・ひぐれのお客 ・ふしぎな文房具屋 ・猫の結婚式 ・うさぎ屋のひみつ ・青い花
・遠い野ばらの村 ・秘密の発電所 ・オリオン写真館 ・海の館のひらめ ・ふしぎなシャベル ・海の口笛 ・南の島の魔法の話
・だれにも見えないベランダ ・エッセイ

「安房直子コレクション3 ものいう動物たちのすみか」(偕成社、2004年)
収録作品=・きつねの夕食会 ・ねこじゃらしの野原【すずめのおくりもの・ねずみの福引き・きつね山の赤い花・星のこおる夜・ひぐれのラッパ・ねこじゃらしの野原】
・山の童話 ・風のローラースケート【風のローラースケート・月夜のテーブルかけ・小さいなつづら・ふろふき大根のゆうべ・谷間の宿・花びらづくし・よもぎが原の風・てんぐのくれためんこ】
・エッセイ

「安房直子コレクション4 まよいこんだ異界の話」(偕成社、2004年)
収録作品=・ハンカチの上の花畑 ・ライラックとおりの帽子屋 ・丘の上の小さな家 ・三日月村の黒猫 ・エッセイ

「安房直子コレクション5 恋人たちの冒険」(偕成社、2004年)
収録作品=・天の鹿 ・熊の火 ・あるジャム屋の話 ・鳥にさわられた娘 ・べにはらホテルのお客 ・エッセイ

「安房直子コレクション6 世界の果ての国へ」(偕成社、2004年)
収録作品=・鶴の家 ・日暮れの海の物語 ・長い灰色のスカート ・木の葉の魚 ・奥さまの耳障り ・野の音 ・青い糸 ・火影の夢
・野の果ての国・銀のくじゃく ・エッセイ

「安房直子コレクション7 めぐる季節の話」(偕成社、2004年)
収録作品=・緑のスキップ ・もぐらのほったふかい井戸 ・初雪のふる日 ・エプロンをかけためんどり
・花豆の煮えるまで--小夜の物語【花豆の煮えるまで・風になって・湯の花・紅葉の頃・小夜と鬼の子・大きな朴の木】 ・うさぎ座の夜 ・エッセイ
・年譜 ・作品目録

【偕成社 図書サイト】
http://www.kaiseisha.co.jp/index.php?page=shop.product_details&flypage=flypage_set.tpl&product_id=6097&vmcchk=1&option=com_virtuemart&Itemid=78

Img_9799_3


2017年5月14日 (日)

安部公房『R62号の発明』

失業して運河に身を投げ自殺をしようとしていた機械技師は、学生から声をかけられ、死体を売ってほしいと頼まれる。そのアルバイト学生から事務所のあるビルへの地図を渡された。
事務所の殺風景な窓のない部屋に通され、ベッドに拘束された彼は、脳の手術をされてロボットR62号となる。
ビル地階ホールで開かれた国際Rクラブの第一回大会に集まった、代議士、高官、銀行の頭取、大企業の重役たちを前に、R62号が披露目される。所長は「人間の果たすべき役割は機械のよきしもべとなることである」と演説して、クラブの事業計画に、将来は機械の血液成分たる大多数の人間を、すべてロボット化する目標に、技術ロボット・R62号を完成させたと発表。

Img_9637

↓安部公房「R62号の発明(1953年)」より抜粋。

  そのころビルの地階のホールでは、国際Rクラブの第一回大会が開かれていた。熱帯魚の水槽に装置した照明で、謎めいた光のひだがモザイクの天井にふるえ、厚い一枚ガラスの長テーブルには、カクテル用のつまみものが、世界地図の模様に並べられていた。ちょうど所長の挨拶がはじまったところである。

  「というわけでありまして、わがロボットもこの62号をもってついに工業的段階に到達し、ここにご披露をかねてクラブの結成をみた次第なのであります。
  さて、あらためて申上げるまでもないのでありますが、わがクラブのもつ歴史的な意義を、ここで再確認してみたい。わがクラブの名称であり、そしてその諸君の胸に黄金色に輝くところの、Rとは、いったい何ものであるか?    むろん、ロボットのRであります。だが、それだけではない、実に複雑多様、深遠なる意味をもっているのであります。ちなみにその一部を、ほんのごく一部を申しあげますれば、まずクラブの象徴といたしまして、レイスすなわち人類のR、ルールならびにレインすなわち支配と権力のR、リッチすなわち富のR、レヴァイヴァルもしくはレアクションすなわち復古のR、レセットルすなわち植民地復活のR(拍手)ライトすなわち正義もしくは右翼のR、(拍手)」

所長はちょっと口をつぐんだ。給仕——ツノがはえているところをみるとロボットにちがいない——がカクテルの盆をはこんできたのである。今日おためしいただくカクテルも、すべてRではじまる名前をもってます。今おくばりしたのはロップ、つまり強盗というので、ちょっと酸味がきつうござんすかな    ハンカチで軽く唇をおさえ、先をつづけた。

「次に、ロボットの記号として見ますれば、ラショナリゼーションすなわち産業合理化のR(拍手)ラットすなわちストライキ破りのR(割れるような拍手)レギュラーすなわち忠誠なるもののR(拍手)さらにラッシュすなわち突撃隊員のR    (まだあるぞ!    と叫ぶ声——日本語のラセツのR、これはね、チンポを切ったやつのことだってさ、ワハハハ    )さよう、まだまだ、いくらでもあるのであります。そこで私は次のような提案をいたしたい。クラブを実行力あるものとするため、Rのつくいくつかの支部をもうけて、機動的な組織にする。これもほんの一案でありますが」とすばやく手帳をくって、「再軍備のためのレミリタリゼーション・クラブ、情報入手のためのレポーター・クラブ、競技場と選挙のナワバリを支配するためのリング・クラブ、実業家のためのレンースつまり資源クラブとレイクすなわち熊手クラブ、工業家のためのレクレイムすなわち未開地開発クラブ、なお文化人のためのリリージャンすなわち宗教クラブ、密輸入者や亡命者のためのランナー・クラブ、    あ、ちょっとお待ちください」と新しくくばられたグラスを手にして、ここでわれわれを選ばれた全能の神を祝福して乾杯したい。このカクテルはレジュヴィネーション、すなわち回春と呼ばれておりまして、ホルモンをだす南洋の珍植物ワンダの果汁を配合したものです。どうぞ    と客の動揺にはかまわず、一気に飲みほして、「ここにお集りねがったクラブ員諸君は、代議士、高官、銀行の頭取、大企業の重役などそれぞれ神によって選ばれた今日の、そして明日の日本の指導階級であります。(拍手)この皆さんに、いまお話したところの各Rから専門に応じて適宜、一つもしくは数個のRをえらんでいただき、その責任者になっていただきますならば、わがRが事実上、日本支配の象徴となること必定ではありませんか!」   
熱狂的な拍手    提案!  と叫ぶ声——そん中に一つ、ロマンス・クラブちゅうようなもんを入れてくれんもんかのお。あざらしのようなひげをはやした豪傑、和服の上に大きな勲章をリボンでつっている。何者であろうか、居並ぶ紳士諸君も声を合わせて愉快そうに笑い、すこしも気分をそこねた様子はない。「閣下にはむしろ」と所長も微笑をうかべ、「帯勲者のためのレガリヤ・クラブを組織していただきたいもんですなあ    しかしむろん、ロマンス・クラブも結構なのであります。実をいうと、私自身、類似の提案をしようと思っておった。とくに外部に対してクラブの機密を守るため、カムフラージの目的をもって、またわれわれといえども時には英気を養わんといけませんからな、そうしたごくやわらかいクラブをもうけることは、絶対必要なのである。(拍手)その場合のRは親善を意味するラブロシマーンのR、ドンチャン騒ぎのランダンのR、ルーレットのR、ロータリーのR、あるいは婦人と一夜をともにするローズ・クラブのR、    本日の会も後半はさっそく、その名もかぐわしきローズ・クラブに切りかえる予定でありますが、    (割れるような拍手)しかし、諸君、それまでの一、二時間を、天下国家の大事のために耳傾けていただきたいのである!」

Img_9638

1953年(昭和28年)、雑誌『文學界』3月号に掲載。単行本は1956年(昭和31年)12月10日に山内書店より刊行。文庫版は新潮文庫で重版。

R62号は経営不振の高水製作所に貸与され、その間自由に仕事させる。その製作所は、彼がかつて馘になった会社だった。アメリカの技師が来ると考えていた高水社長は彼を見て驚いたが、「R62号君の頭は完全にアメリカ製だ」と国際Rクラブの所長の説明と、登記がすめば高水もクラブに入会できる条件で納得する。
7か月経ってR62号の発明した、新式工作機械の試運転が行なわれ、高水製作所に関係者が集まった。工場外では労働者たちが集結して労働運動をしていた。R62号の機械に始動スイッチが押されると、高水社長が機械に抱き込まれた。R62号の説明どおりに機械は作動を続け、社長の指は次々と切断された。血だらけになり社長は追いつめられ、組合運動の労働者たちが「アメリカに売るな」と工場になだれ込んで配電盤のスイッチを切ってくれるのを願った。
しかしR62号の発明した新式機械は、淡々と刃物を動かし続け、社長は惨殺されるのだった。機械と化した人間が機械を発明して、人間に復讐するパラドックスが描かれる。

 

 

2017年5月 6日 (土)

『母の記憶に』ケン・リュウ

Img_9426_2

『母の記憶に』ケン・リュウ

暖かな幻想と鋭い知性の交錯を透徹した眼差しで描いた16篇を収録。今アメリカSF界で注目を集める『紙の動物園』著者、待望の第二短篇集。
http://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000013515
〈収録作品〉烏蘇里羆/草を結びて環を銜えん/重荷は常に汝とともに/母の記憶に/存在/シミュラクラ/レギュラー/ループのなかで/状態変化/パーフェクト・マッチ/カサンドラ/残されし者/上級読者のための比較認知科学絵本/訴訟師と猿の王/万味調和/『輸送年報』より「長距離貨物輸送飛行船」(〈パシフィック・マンスリー〉誌二〇〇九年五月号掲載)

【ケン・リュウ】1976年中華人民共和国甘粛省生まれ。2011年に発表した短篇「紙の動物園」で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝く。その後も精力的に短篇を発表、2015年には初の長篇となる『蒲公英王朝記』を刊行した。中国SFの翻訳も積極的におこなっている。アメリカ、マサチューセッツ州在住 。

ケン・リュウ第一短篇集『紙の動物園』は作品レベルが高く、話題になり評価も良かった。日本オリジナル編集で傑作だけ選りなので、第二短篇集となる『母の記憶に』が杞憂された。しかし全16篇には長い作品も短い作品もあり、500ページを豊かな気分で読み切らせる作者の筆力は見事である。
https://www.google.co.jp/amp/huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2017/05/01/080000%3Famp%3D1

Img_9427


2017年4月11日 (火)

どこまでみんなバカになるのか

スタジオジブリ「熱風」4月号特集は、橋本治さんのロングインタビュー。

イギリスのEU離脱、トランプ大統領の誕生など、世界の仕組みが変革している。「バカの最終局面に入るんだと思うんですけどね。今は、右傾化というよりも、バカになっていると言ったほうが早いと思いますけどね」

Img_8693_2

プラザ合意は日本のバブル経済だけでなく、世界の混沌の始まりであった。社会と切り離されて、根拠のない自我を肥大させてしまった人々が、云々でんでん総理など、混沌を過ぎている風潮を作っている。

「どこまでもバカになると人間は滅びる」黙っているうちに、世の中がどんどんヘンな方向へ流されて行く。そしてその結果はなにもかもすべて、黙っていた人たちの上に覆い被さってくる。映画やアニメーション制作についても、同じような風潮があると、後半は色々と語られている。

スタジオジブリ「熱風」4月号
http://www.ghibli.jp/shuppan/np/

 

2017年4月 3日 (月)

ちくま 哲学の森

Img_8290_2
《ちくま哲学の森》

1 生きる技術
道ができている場所では タゴール(山室静)/空気草履 古今亭志ん生/大寅道具ばなし 斎藤隆介/対談 浪花千栄子・徳川夢声/いろはだとえ モラエス(花野富蔵)/新橋の狸先生 森 銑三/貨殖列伝 司馬遷(小川環樹)/長者の聟の宝舟 辻まこと/高利貸に就いて 内田百間/ハリー W・サローヤン(関汀子)/饒舌について プルタルコス(柳沼重剛)/嘘つきの技術の退廃について マーク・トウェイン(三浦朱門)/結婚生活十則 サーバー(鳴海四郎)/僕の孤独癖について 萩原朔太郎/ある〈共生〉の経験から 石原吉郎/権利のための闘争(抄) イェーリング(村上淳一)/レッスルする世界 ロラン・バルト(篠沢秀夫)/ニコマコス倫理学 第二巻第九章 アリストテレス(高田三郎)/みずから考えること ショーペンハウアー(石井正)/邪教問答 林 達夫/脳病院からの出発 チェスタトン(安西徹雄)/随想録より モンテーニュ(関根秀雄)/いかに老いるべきか ラッセル(中村秀吉)/ケニヤ山のふもと ケニヤッタ(野間寛二郎)/サーメの暮し ユーハン・トゥリ(三木宮彦)/結婚について・子どもについて ジブラーン(神谷美恵子)/老子(抄) 老子(小川環樹)/日本の理想 唐木順三
*解説 道化について……森 毅

刊行日 2011/09/09 定価:本体1200円+税


2 世界を見る
地球儀 リンゲルナッツ(板倉鞆音)/長男と長女のこと マーク・トウェイン(勝浦吉雄)/朝鮮での私の生活 金子ふみ子/俘虜記(抄) 大岡昇平/歴史の効用と楽しみ E・H・ノーマン(大窪愿二)/狂信と殉教 中野好夫/近代とは何か 竹内 好/古沼抄 花田清輝/研究者と実践者 桑原武夫/無思想人宣言 大宅壮一/ジャーナリズム雑感 寺田寅彦/恐怖なき生活について 岸田国士/密集の事実 オルテガ・イ・ガセー(桑名一博)/最も必要なものだけの国家 田中美知太郎/ピタゴラス ラッセル(市井三郎)/『パンセ』の一句を主題とする変奏曲 ヴァレリー(安井源治)/哲学革命 ハイネ(伊東勉)/形而上学入門 ベルグソン(矢内原伊作)/哲学の正しい方法 ヴィトゲンシュタイン(坂井秀寿)/ダランベールの夢 ディドロ(杉捷夫)/胡桃の中の世界 澁澤龍彦
*解説 支配人物語……井上ひさし

刊行日 2011/10/06  定価:本体1200円+税

3 悪の哲学
銘文 ダンテ・アリギェリ(日夏耿之介)/毒もみのすきな署長さん 宮澤賢治/湯の町エレジー 坂口安吾/マザー・グース・メロディー 花田清輝/悪人礼賛 中野好夫/仲間と犯した窃盗のこと アウグスティヌス(山田晶)/困ったときの友 モーム(龍口直太郎)/善良な田舎者 F・オコナー(須山静夫)/尋問調書・補遺 P・キュルテン(池内紀)/蒼白の犯罪者 ニーチェ(氷上英廣)/韓非(抄) 貝塚茂樹/酷吏列伝 司馬遷(福島吉彦)/陰謀について マキアヴェリ(永井三明)/エスパニョーラ島について ラス・カサス 染田秀藤/民族解放戦争における北アフリカ人の犯罪衝動性 F・ファノン(鈴木道彦・浦野衣子)/市民社会における貨幣の権力 マルクス(三浦和男)/無感覚なボタン 武田泰淳/善人ハム 色川武大/おかしな男の夢 ドストエフスキー(小沼文彦)/ベルガモの黒死病 ヤコブセン(山室静)/山に埋もれたる人生ある事 柳田國男/歎異抄(抄) 親鸞(増谷文雄)
*解説 三つの悪……鶴見俊輔

刊行日 2011/11/11 定価:本体1200円+税

4 いのちの書
おばあちゃん 金子光晴/私は百姓女・老いて 吉野せい/暁を見る ヘレン・ケラー(岩橋武夫)/最初のハードル 戸井田道三/萩の花 宮本常一/病床断想 吉田 満/或る遺書について 塩尻公明/死生 幸徳秋水/臨終の田中正造 木下尚江/安吾のいる風景 石川 淳/「ガリヴァー」の作者の死 中野好夫/狂気について 渡辺一夫/絞首刑 G・オーウェル(小野寺健)/拷問 ジャン・アメリー(池内紀)/夏の花 原 民喜/穴ノアル肉体ノコト 澁澤龍/墓 正岡子規/チョウチンアンコウについて 梅崎春生/牧歌 モーパッサン(青柳瑞穂)/魂について 小泉八雲(田部隆次)/生きがいを求めて 神谷美恵子
*解説 「いのち」と枯葉……安野光雅

刊行日 2011/12/12 定価:本体1200円+税

5 詩と真実
箴言 ジレージウス(大山定一)/芸術に関する一〇一章より アラン(斎藤正二)/昨日、動く砂は ジャコメッティ(矢内原伊作)/下手もの漫談 小出楢重/詩人失格 遠山 啓/自画像 寺田寅彦/モンテーニュ 落合太郎/断食芸人 カフカ(池内紀)/酔中一家言 尾崎士郎/桜間弓川さんのこと 野上弥生子/間 武智鉄二/艶、深、偉 円地文子/芝居絵 花田清輝/FARCEに就て 坂口安吾/模倣と独立 夏目漱石/素樸ということ 中野重治/中国文学と日本文学 竹内 好/桜の樹の下には 梶井基次郎/美について 田中美知太郎/美の法門 柳 宗悦/茶室 岡倉天心(桜庭信之)/歌よみに与うる書 正岡子規/蕪村俳句のポエジイに就いて 萩原朔太郎/曖昧な諺 滝口修造/オーベルジンの偶像 西脇順三郎/悦しき知識 深瀬基寛
*解説 画家と悪魔……池内 紀

刊行日 2012/01/12 定価:本体1300円+税



《ちくま哲学の森》

6 驚くこころ
報告 宮澤賢治/シャボン玉 J・コクトー(堀口大學)/「わが生いたち」より 佐藤春夫/まんじゅうの皮とあん 国分一太郎/伊香保へ行って温泉に入ろう 山下 清/父と息子との対話 林 達夫/考えるだけでラジオを直す少年 ファインマン(大貫昌子)/日常身辺の物理的諸問題 寺田寅彦/立春の卵 中谷宇吉郎/クシャミと太陽 緒方富男/科学的な暗殺者 ファーブル(奥本大三郎)/足跡 吉田健一/〈世界の果て〉へ T・クローバー(中野好夫・中村妙子)/改暦弁 福沢諭吉/一八七七年の日本 モース(石川欣一)/神々の国の首都 小泉八雲(平井呈一)/歯固め 戸井田道三/地面の底がぬけたんです 藤本とし/水源に向かって歩く 遠山 啓/倉田百三氏の体験を中心に 森田正馬/精神分析について フロイト(懸田克躬)/火と尊崇 プロメテウス・コンプレックス バシュラール(前田耕作)/方法序説 デカルト(落合太郎)/数学上の発見 ポアンカレ(吉田洋一)/ラムネ氏のこと 坂口安吾/知魚楽 湯川秀樹
*解説 不思議について……森 毅

刊行日 2012/2/10 定価:本体1300円+税

7 恋の歌
紅りんご サッフォー(呉茂一)/恋愛天文学 子夜(佐藤春夫)/媚薬 J・ベディエ(佐藤輝夫)/シラノ週報の場 ロスタン(辰野隆・鈴木信太郎)/コハル モラエス(花野富蔵)/前の妻・今の妻 吉野秀雄/日記 宅嶋徳光/宝石の声なる人に 岡倉天心・プリヤンバダ(大岡信)/エロイーズよりアベラールへの願い エロイーズ(畠中尚志)/わが沈黙の共謀者よ! キルケゴール(桝田啓三郎)/セックス対愛らしさ D・H・ロレンス(伊藤整)/恋愛 P・レオトー(堀口大學)/予審調書 阿部 定/恋 正岡子規/プラクリチ 幸田露伴/鯉魚 岡本かの子/じいさんばあさん 森 鴎外/好色 芥川龍之介/三色の娘 レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ(小澤晃)/恋愛について スティブンソン(酒井善孝)/「いき」の内包的構造 九鬼周造/『葉隠』と『わだつみ』 橋川文三/ドン・ジュアン/女房学校 アラン(古賀照一)/ソークラテースの話 プラトン(森進一)
*解説 面会時間……井上ひさし

刊行日 2012/3/09 定価:本体1300円+税


8 自然と人生
ルバイヤートより U・カイヤム(小川亮作)/レーウェンフック P・ド・クライフ(秋元寿恵夫)/単細胞植物 ファーブル(日高敏隆・林瑞枝)/百万匹の油虫 エクスタイン(内田清之助)/鳥の王 F・オコナー(上杉明)/小園の記 正岡子規/星は周る 野尻抱影/親不知、子不知 深田久弥/幼き日の山やま 臼井吉見/ある遭難の記録 槇 有恒/北越雪譜(抄) 鈴木牧之/梶田富五郎翁 宮本常一/バンダ・オリエンタル ダーウィン(島地威雄)/デルスウ・ウザーラ(抄) アルセーニエフ(長谷川四郎)/エルドラード(黄金郷)の発見 S・ツヴァイク(片山敏彦)/大自然と人間 渡辺一夫/ピュトクレス宛の手紙 エピクロス(出隆・岩崎允胤)/各種の渦巻について 藤原咲平/神話と地球物理学 寺田寅彦/精霊物語(抄) ハイネ(小沢俊夫)/魔女 序の章 ミシュレ(篠田浩一郎)/山の声 辻まこと/荘子(抄) 荘子(森三樹三郎)/大腐爛頌 金子光晴
*解説 君見ずや 黄河の水 天上より来たり奔流して海に到り 復回らざるを……安野光雅

刊行日 2012/4/12 定価:本体1300円+税

http://www.chikumashobo.co.jp/special/tetsugakunomori/

2017年3月26日 (日)

レベッカ・ブラウン『三角州で』

レベッカ・ブラウン『三角州で』
柴田元幸さんの訳も素晴らしい短編。

《以下あらすじ》
ナスクワリ川から私たちは筏に乗って、森から出て、海峡が視界に広がっている。三角州で大気と日光のなかに、賢い私の犬と立っている。
やがて水の中に丸くて黒いものが見え、何か音を立てながら、ぐんぐん大きくなっている。ウナギの大群でも、サメでもなさそうだ。
クルルと心配気に、私の犬が喉を鳴らしている。黒光りする群れの渦巻きの中に、私たちはいる。ギラギラした歯の群れに、恐怖した犬の背は震えた。

岸にいる男が、こちらの様子を見ている姿に気がついた。こっちへと言っているようにも見え、犬は反応して私の顔を伺う。私たちが水の中に入ったら、溺れる間もなく八裂きにされ、黒い渦の中に沈むだろう。

男は私が岸に来るのを待っている。忠犬とともに私は筏を降りて、水面の黒い背中を歩いていくのを頭に描いた。
どうして来れないのか、男は簡単なことなのにと言っている。

しかし私には出来ない、いまや犬は私よりも怖がっている。どこまでも忠実で何が分かっているにせよ、私を置き去りにして見捨てないだろう。
どうして私なんかの許に留まるのか、私にはわからない。

Img_8180_2

レベッカ・ブラウン(Rebecca Brown, 1956年 - )アメリカの女性小説家。
ピュージェット湾近郊の文学コミュニティで文学活動や教鞭する。シアトルの非営利団体リチャード・ヒューゴー・ハウスでも文学の授業開く。
1994年出版『体の贈り物』で、ラムダ文学賞を受賞他、ボストン書評家賞も受賞。作品は基本的に同性愛が主題が多い。レズビアンだと公表したが誕生日は不明。

 

 

2017年3月25日 (土)

『 モハメド・アル・マフムーディー の身に起きたことへの要約』

『 モハメド・アル・マフムーディー
の身に起きたことへの要約』
ザカリア・タメル/ 訳柴田元幸

小さな家に一人暮らしする、退職した身の年配男。やることもな空想、朝一番に家を出て街をぶらつく。新聞を買いカフェに入って、通りを観察するのに都合のいいテーブルへ向かう。日が暮れるとカフェを出て、家に帰って服を脱いで、ベットで眠りに落ちた。
ある日カフェで煙管を吸っていると、新聞が指から滑り落ちた。呻き声を上げて床に倒れて、医者が呼ばれた。
「ご臨終です」と宣言される。
遺書に従って、彼がいつも座っていたテーブルの下に埋められた。
彼は毎日の退屈な義務から解放されて、カフェ常連たちお喋り、給士たち様子を熱心に楽しんだ。

やがてある日、警察官たちがカフェに踏み込んで、モハメド・アル・マフムーディーを穴から出して連れて行った。警察署では署長が厳しい声で言う。
「君は政府を批判して、笑いものに、呪詛して、国の法律は財産を持っている人間ばかりに奉仕していると」
「滅相もない! 井戸の水を飲んでから井戸に唾を吐くような人間ではありません。私は模範的な役人でした」
震え上がって抗議する彼を、署長は遮った。「君に対する報告は嘘をつかない、信用できる人たちからの報告だ」

「神にかけて、政府や権力者を侮辱したことは絶対にありません」
「ははは、君の尻尾を掴んだぞ。政府を侮辱したことはないが、賞賛したとは言わないではないか。人はみな権威に従う必要も忘れて、政府を侮辱しておる」
「おっしゃるとおりです。猫も杓子も国家の責任ある方々に、不名誉な悪口を浴びせております」
「君はカフェで、彼等が何を言っているのか聞いているし、連中の名前も知ってるね?」

モハメド・アル・マフムーディーは頷き、署長は笑った。
「どうやら君は善人で、まっとうな市民のようだ。向けられた非難から君が逃げられるよう、君も私を助けてくれないと」

「私は死んでいるのに、どうしてお助けできると?」
「実に簡単で、面白い話さ。うふふ」
署長の言葉に耳を傾けて、嬉しそうにカフェの穴へ戻って行った。午前零時になっても寂しくないし、やることが出来て退屈しない。カフェ常連たちの会話を忘れないように、書き留めるのである。

ザカリア・タメル
作家 1931年1月2日シリア生れ 著書「十日目の虎たち」
特集「海外文学の実り」。世界屈指の翻訳文化が育っているといわれる日本。それを支える翻訳者たちが、〝宝物〟のような 作品を探して食卓へ。

Img_8180_2

すばる10月号[特集]●海外文学の実り
◆スペインの家
J.M.クッツェー 訳・解説 くぼたのぞみ
◆フリーズドライ花婿
マーガレット・アトウッド 訳・解説 鴻巣友季子 
◆普遍的な物語
アリ・スミス 訳・解説 岸本佐知子
◆おれはトム。タイプライターで書くのが好き。わかる?
トム・ハンクス 訳・解説 飯野友幸   
◆掌編選「彼岸からの声」
チャールズ・ディケンズ/ザカリア・タメル/リン・ディン/ジューナ・バーンズ/ノーマン・ロック/レベッカ・ブラウン 訳・解説 柴田元幸

 

2017年3月23日 (木)

内田百閒 図書目録 上

内田百閒 目録

岩波文庫

『冥途・旅順入城式』
○冥途
花火・山東京伝・尽頭子・烏・件・木霊・流木・蜥蜴・道連・柳藻・支那人・短夜・石畳・疱瘡神・白子・波止場・豹・冥途
○旅順入城式
『旅順入城式』序・昇天・山高帽子・遊就館・影・映像・猫・狭莚・旅順入城式・大宴会・大尉殺し・遣唐使・菊・鯉・五位鷺・銀杏・女出入・矮人・流渦・坂・水鳥・雪・波頭・残照・先行者・春心・秋陽炎・蘭陵王入陣曲・木蓮・藤の花
解説:種村季弘

『東京日記 他六編』
白猫・長春香・柳検校の小閑・青炎抄・東京日記・南山寿・サラサーテの盤
解説:川村二郎

旺文社文庫

『阿房列車』
特別阿房列車(東京 大阪)・区間阿房列車(国府津 御殿場線 沼津 由比 興津 静岡)・鹿児島阿房列車 前章(尾ノ道 呉線 広島 博多)・鹿児島阿房列車 後章(鹿児島 肥薩線 八代)・東北本線阿房列車(福島 盛岡 浅虫)・奥羽本線阿房列車 前章(青森 秋田)・奥羽本線阿房列車 後章(横手 横黒線 山形 仙山線 松島)
解説:百鬼園先生年代記・「阿房列車」雑記 平山三郎

『第二阿房列車』
雪中新潟阿房列車(上野 新潟)・雪解横手阿房列車(上野 横手 横黒線 大荒沢)・春光山陽特別阿房列車(東京 京都 博多 八代)・雷九州阿房列車 前章(東京 八代)・雷九州阿房列車 後章(八代 熊本 豊肥線 大分 別府 日豊線 小倉 門司)
附録:鉄道唱歌
解説:遠回りの文学 長部日出雄
「第二阿房列車」雑記:平山三郎

『第三阿房列車』
長崎の鶴 長崎阿房列車・房総鼻眼鏡 房総阿房列車・隧道の白百合 四国阿房列車・菅田庵の狐 松江阿房列車・時雨の清見潟 興津阿房列車・列車寝台の猿 不知火阿房列車
解説:阿房列車の留守番 中村武志
「第三阿房列車」雑記:平山三郎

『百鬼園随筆』
収録作品は新潮文庫版『百鬼園随筆』と同じ
解説:戸板康二
「百鬼園随筆」雑記:平山三郎

『続百鬼園随筆』
収録作品は新潮文庫版『続百鬼園随筆』と同じ
解説:内田道雄
「続百鬼園随筆」雑記:平山三郎

『無絃琴』
弾琴図・校長就任式・検閲使・絹帽・虎の尾・漱石遺毛・薄目くら・盲人運動会・砂利場大将・風船画伯・旅愁・訓狐・解夏宵行・殺生・菊世界・鶯の夜渡・竹酔日・老提督・予行・学校騷動余殃・曾遊・掻痒記・駒込曙町・竹杖記・河童忌・今朝冬・炎煙鈔・一夜会・海鼠・風稿録・夕立鰻・梅雨韻・白猫
解説:高橋英夫
「無絃琴」雑記:平山三郎

『冥途・旅順入城式』
収録作品は岩波文庫の『冥途・旅順入城式』と同じ
解説:高橋英夫
「冥途」「旅順入場式」雑記:平山三郎

『鶴』
鶴・長春香・三校協議会・貧凍の記・翠仏伝・饗応・写真師・名月・八重衣・蘭虫・井底鶏・稲荷・面会日・秋宵鬼哭・濡れ衣・林檎・牝鶏之晨・初飛行・饒舌・沢庵・鶏声(本来の“鶏”の字がPCでは表示出来ません)・軒提燈・漱石先生臨終記・湖南の扇・忘れ貝・象頭山・口髭・狸芝居・録音風景・蓄音器・柄長検校・柄長勾当・百鬼園先生言行録拾遺・烏城追思・郷夢散録(来時ノ道・桐の花・杉鉄砲・学校道・謎・吹風琴・日清戦争・金峯先生・岡村校長・森作太先生・元寇の油絵・勇敢なる喇叭卒・先生の喧嘩・黄海の海戦・李鴻章・亥の子餅・串団子・油揚・大手饅頭)・動詞の不変化語尾に就いて
解説:種村季弘
「鶴」雑記:平山三郎

『凸凹道』
忙中謝客・離愁・柳暗花明・小さんの葬式・官命出張旅行・門衛・初泥・水心・箒星・志道山人夜話・寄贈本・署名本・正直の徳に就いて・狸気濛濛・明暗交友録・窓前・苗売り・予科時代・敬礼・大瑠璃鳥・御時勢・凸凹道・鵯・非常汽笛・他生の縁・拝接・猪の昼寝・暗闇・裸安居・阿房声・八段調・五段砧・芥川教官の思ひ出・雷魚・百鬼園日暦・簾外・銘鶯会・続銘鶯会・可可貧の記・櫛風沐雨・雑俎(ソノ心事ノ陋劣ナル歟・鶴の二声・春琴抄の放送・谷崎潤一郎氏の送仮名法に就いて・恐しいか恐ろしいか・雨の念仏・純粋言語の説・学生航空の発向)
解説:桶谷秀昭
「凸凹道」雑記:平山三郎

『有頂天』
十夜・初音・新教官・茗荷屋の足袋・鉈豆・梟先生・炉前散語・おかる・謝肉祭・質屋・迎春の辞・年賀・碩鼠・ゾルフ大使・誕生日・春雪記・今古・馬丁・りんりんの記(りんはくるまへんに“隣”の右側)・汽笛一声・夏霧・揚足取り・天然記念物・山屋敷・秋扇・乞食講座・泥坊三昧・寺田寅彦博士・漱石先生の思ひ出拾遺・十三号室・箏曲漫筆・続阿房の鳥飼・高利貸に就いて・鬼の冥福・蜻蛉眠る・雑俎(三元放送の無意味・岡山市方言集稿本序説・道草の弁・音楽放談【座談会速記録】)
解説:江國滋
「有頂天」雑記:平山三郎

『随筆新雨』
蛍・父執・四君子・仏法僧落つ・猫丸巡査・米櫃・分水嶺・睡魔・記念撮影・俗臭・山屏風・ニ銭紀・上京・竹島・一等旅行の弁・女子の饒舌に就いて・泥坊談義・礼拝・石油洋燈・迎賓之辞・初東風・掌中の虎・坂の夢・青田・女煙草・坊主の汗・心経・大般若・神風漫筆・海軍機関学校今昔・役者と検校・胸算用・鴎外の文法・酒光漫筆・絵と音楽・桑原会自讃・棗の木・青炎抄
「随筆新雨」雑記:平山三郎

『北溟』
北溟・虎・三代・笑顔・紺屋の庭・花袋追慕・雑木林・頬白・竹梯庵の記・入道雲・塔の雀・清香記・三鞭酒・羅馬飛行・第ニの離陸・飛行機と小説・葦切・百鬼園旧套・新月随筆・荒手の大銀杏と後楽園の薮・売り喰ひ・歳末無題・芥子飯・河豚・鈴木三重吉氏の事・白浜会・流行語・書物の顔・春信・うぐひす・蜂・蚤と雷・宛名・先生根性・むらさき・哈叭道人夜話・たらちをの記
「北溟」雑記:平山三郎

『丘の橋』
朝の雨・蒙禿少尉の出征・軍歌の悲哀・吉野艦・支那瓦・留学生・石人・鬼苑道話・養生訓・浮世風呂・鉄道館漫記・飛行機と箏・弾琴録・蕗味噌・炉辺の浪音・合羽坂・丘の橋・秋を待つ・長い塀・提燈行列・虎の毛・練金術・三猿・白魚漫記・百鬼園箏談義・「垣隣り」に就いて・漱石先生の書き潰し原稿・東京日記
「丘の橋」雑記:平山三郎

『鬼苑横談』
桃葉・漱石先生の来訪・漱石蓄音器・宮城名曲盤・廊下・鬼苑横談・続鬼苑横談・夏の鼻風邪・老先生・長磯・訊問・素人掏摸・大風の女・医院の窓・浪・横町の葬式・蒲鉾・おから・鯉の顔・自分の顔・金の縁・米論・書物の差押・乗物雑記・六高以前・土手三番町・鬼苑日記・素人写真・牛・シユークリーム・映画と想像力・百鬼園浮世談義・百鬼園俳談義・運座・なんざんす・鼻・梅俎瑣談・凱旋の歌・櫨染子・五段活用・宮城検校の文章・検校の宴・落葉の踊・ホテルの冬の曲・六段調・「丘の橋」に就いて・漱石山房の元旦
「鬼苑横談」雑記:平山三郎

『菊の雨』
菊の雨・紹介状・素絹・五百羅漢・舞台稽古・百円札・布哇の弗・希夷公・馬食会・師走の琴・断章・夢獅山房・渋抜き・腰弁の弁・飛行場の写真屋・四軒長屋・教員室・片腕・居留守・悪巫山戯・河原鶸・宿醒・鎌倉丸周遊(浪光漫筆・入船の記・三ノ宮の乞食・風穴)・窮屈・牛乳・チース・漱石断片・下宿屋の正月・己卯三ヶ日・鶴亀・新礼法・散財将棋・映画放談・野球放談・俳句放談・空点房・青木先生・フローレンツ博士・夜船・七体百鬼園・南山壽
解説:安岡章太郎
「菊の雨」雑記:平山三郎

『船の夢』
流民・岸壁の浪枕・新造・出船の記・人の顔・竹橋内・尾長・玄冬観桜の宴・葉蘭・麻姑の手・一病息災・荒手の空・大和丸・東支那海・屏東の蕃屋・小列車・砂糖黍・時化・基隆の結滞・簾戸・机・道楽のすすめ・新田丸座談会覚書・船の御馳走・門司の八幡丸・婦人接待係・砂糖袋・バナナの菓子・カステラ・紅茶・海苔・山火事・不心得・門松の風・柳検校の小閑
「船の夢」雑記:平山三郎

『沖の稲妻』
沖の稲妻・予備士官・邯鄲の歩・憂鬱・東京駅前・川瀬・迎暑・土用の琴・痩せ薬・年頭の債鬼・おの字・神風機余録・その前夜・立春・戦争中・祝捷・火の用心・やつちんこ・雷鳴・ひかり・彼岸桜・南はジヤバよ・飛行場の握り飯・だいこ・航路案内・人垣・茶柱・缶詰・喰意地・爪哇迄も・雛祭・可否茶館・読本の潜水艦・氷川丸座談会覚書・タンタルス・明暗半日・波のうねうね・忘却・作文管見・警察官と私
「沖の稲妻」雑記:平山三郎

『戻り道・新方丈記』
戻り道
西日・竿の音・通り雨・三五の桐・羽織・峯の狼・近火・蒸気喞筒・小地震・泉水艦隊・煙の尾・麦酒・高瀬舟・夕の雨・戻り道・残暑・海賊大将軍・村上流船行要術・風流・吸ひ殻・通過列車・初乗り・夜汽車・寝台車・洋燈と毛布・乗り遅れ・その時分・黒琴・希夷公の認印・初日の光・オセツカヒ評釈・寿命・学生航空の揺籃
新方丈記
灰塵・土手の東雲・仰願寺蝋燭・餓鬼道日記・椎の葉陰(黒大根・三曲・迎賓館・木の葉便所・夏の小袖・奉幣使・金蛾・蚊遣火)
「戻り道」「新方丈記」雑記:平山三郎

『随筆億劫帳』
随筆億劫帳
億劫帳・沙書帳・西廂雑記(憲兵と金貸し・新聞休日・制服制帽・先生・金づまり・焼豆腐とマアガリン・ひがみ・未練・気象管制・玄関先)・鬼苑雑記(雷名・車中・金融の大道・地唄舞・ニ歩・竹筆・殿下とアンコオル・酔余・恵存)・五年前の春・四年前の春・三年前の春・一服・寝坊の弁・漱石山房の夜の文鳥・夜道・北雷の記・十六夜・町の野火・先年の急行列車・芸・工面・夢路・べんがら・雀・目白落鳥・残月と焼夷弾・こち飯・お祭鮨魚島鮨・酒徒太宰治に手向く・蕃さんと私・今井慶松先生を追慕す・谷崎潤一郎の「雪」に因みて・冷汗かわく・歳晩の一昔・一年早死する・私の還暦・漱石雑話・古里を思ふ(京橋の霜・浩養軒・後楽園・麦・奈良茶・源吉様・荒手)
百間座談
序・生活樣式一家言・学生の家・愚痴の妙義・涼風世間話・秋宵世相談義・四方山話・蒟蒻説法・当世漫語・蓬莱島余談・目と耳の境界
「随筆億劫帳」「百間座談」雑記:平山三郎

『鬼園の琴』
鬼園の琴
華甲ニ年・關門・雅会・正月の稲妻・やり直し・夕刊・夜風と泥坊・前掛けと漱石先生・猪の足頸・食用蛙・新本・酌・小難・がんもどき・君ケ代・巡査と喘息・滄桑・学校裏・払ひ残り・片寝・鼻赤・贋泥・列車食堂・有楽座・栗鼠・酒吃り俳句・義理の読書・「舌の虫干し」・ねぢり棒・八月十五日の涙・代作・漱石俳句の観賞・贋作吾輩は猫である続篇
百鬼園夜話
「鬼園の琴」「百鬼園夜話」雑記:平山三郎

『無伴奏・禁客寺』
無伴奏
無伴奏・時は変改す・病閑録・御慶・年酒・燕燕訓・五十五軒・俳聖炳たり・定期券乗客・夢裏・めそ・お前ではなし・お立ち寄り・「埋草随筆」ノ序・Bengala帝国出納省告示第三八号ノ八・豚小屋の法政大学 座談会筆記・由比駅
禁客寺
禁客寺・門の柳・けふの瀬・爆撃調査団・出資・病歴・流れ矢・雷九州日記・花袋忌の雨・第百号・すきま風
「無伴奏」「禁客寺」雑記:平山三郎

『いささ村竹・鬼苑漫筆』
いささ村竹
十年の身辺・いささ村竹・吉右衛門・勝チ負ケハ兵家ノ常勢ナリ・八ツ橋・横須賀の暗闇の宴・帝国読本巻ノ一・お池の亀と緋鯉・出て来い池の鯉・消えた旋律・虫のこゑごゑ・岡山のなが袖・水中花・古写真の十三人・高知鳴門旅日記・双厄覚え書・不連続線・彼ハ猫デアル・御慶五年・黒い緋鯉・宝の入船・墓木拱ならず
鬼苑漫筆
鬼苑漫筆前書
第一章 丁子茄子
一 昼狐 ニ およばれ 三 雨のホーム 四 正門から 五 降臨用梯子段 六 北山時雨 七 ちやうじなす 八 段段御馳走様
第ニ章 うまや橋
一 路地のどぶ ニ 両造 三 お前さん 四 愛読者
第三章 第三債務者
一 第三債務者 ニ 襖越し 三 金一封 四 河岸の魚
第四章 焼け棒杙
一 教授室の午飯 ニ 焼け棒杙
第五章 山葉オルガン
一 第五回内国勧業博覧会 ニ 天地無用 三 蘆屋の涙
第六章 六高土手
一 六高土手 ニ 井戸側 三 宝珠の宝 四 牛窓の五円金貨 五 豹に喰はれる
第七章 煙塵
一 白い炎 ニ 煙塵
第八章 断章七篇
一 連載に就いて ニ 創立記念祭 三 余波の蒲焼 四 漱石先生と器楽 五 堤琴競争曲 六 竹に雀 七 聴診器
第九章 断章六篇
一 災害弁士 ニ ニ時だよ 三 休載 四 偽物の新橋駅 五 黒リボン 六 大朝顔
第十章 九州のゆかり
一 立春の御慶 ニ 門司港の夜風 三 博多の柳 四 桜島 五 赤女ヶ池の松浜軒 六 八代の黒田節 七 豊後竹田の砂ほこり 八 九州大水害 九 長崎のどぶ泥 十 「春雨」の宵の秋雨 十一 九州の道筋 十ニ 小倉から宮崎へ
第十一章 又寝
一 又寝 ニ 座辺の片づけ 三 倹約論 四 三更の晩食 五 真夜中の蒲焼 六 未明の書見 七 お前ではなし
第十二章 お話し中
一 かんぶつ箱 ニ お話し中 三 酒くさい 四 無線電話 五 物騒な音波
第十三章 目
一 他人の目で見る ニ 目の届く範囲
第十四章 歯
一 頼朝公の御像 ニ 髭の帰省 三 ビルの歯科医 四 口腔外科 五 食卓鋏
第十五章 御閑所
一 裏へ行く ニ 階下の少年 三 御閑所
「いささ村竹」「鬼苑漫筆」雑記:平山三郎

『ノラや』
ノラや・ノラやノラや・ノラに降る村しぐれ(ノラ来簡集前書・ノラ来簡集目次・ノラ来簡集)・朝顔・門の夕闇・田楽の涙・草平さんの幽霊・一本七勺・列車食堂の為に弁ず・放送初舞台・鯉の子・第七回摩阿陀會・御慶六年・八代紀行・千丁の柳
附録
漾廬集を読む・『老猫物語』に就いて・老猫物語
「ノラや」雑記:平山三郎

『東海道刈谷駅』
神楽坂の虎・猫の耳の秋風・けらまなこ・支離滅裂の章・浦づたひ・彼岸桜(ノラ未だ帰らず・御慶七年・紙上放送「蛍の光」)・三会覚え書(九日会・四番町にて・御慶八年)・君ヶ代のたんま・皇太子の初幟・お膳の我儘・つもりの遣り繰り・す・我が酒歴・昼はひねもす・駅の歩廊の見える窓・臨時停車・東海道刈谷駅
「東海道刈谷駅」雑記:平山三郎

『クルやお前か』
クルやお前か・カーテル・クルツ補遺・ネコロマンチシズム・肩ぐるま・座り込む・暹羅の闘魚・虎を描いて・狗に類する・しつぽり濡るる・皮膚虎列剌・摩阿陀十三年・ひよどり会・八十八夜は曇り・年の始めの・ヤマハ・キンタイチ・片山敏彦君
「クルやお前か」雑記:平山三郎

『つはぶきの花』
つはぶきの花(阿里山の霧雨・比良の虹・「上だけ」・怒髪上衝冠・猟虎の襟巻・大鳴門関・実益がない・心耳を洗う・質屋の暖簾・餓ゑ死に・普天の下・残り鬼・羽筆の水・くりくり坊主)・三谷の金剛様・山屋敷の消滅・早春の結滞・面影橋・羽田空港最初の離陸・沿線の広告・昼夜顛倒・小さんと式多津・菊坂の湯呑(割引乗車・焼けトタン・菊坂の湯呑)・しみ抜き(御慶九年・しみ抜き)・とくさの草むら・四谷左門町・文芸家協会に入会しようか・動詞の不変化語尾
「つはぶきの花」雑記:平山三郎

『けぶりか浪か』
夜の杉・一粒一滴・壁隣り・かしは鍋・空中分解・御慶十年・裏川・卒業前後・いたちと喇叭・未だか十二年・散らかす・沙美の苔岩・山むらさきに・峻峯四十八座・御慶十一年・何のその・「けらまなこ」再考・「猫の墓」序・夢獅山散章・新田丸問答
「けぶりか浪か」雑記:平山三郎

『波のうねうね』
実益アリ・おからでシヤムパン・連想繊維・夏どろ新景・六区を散らかす・夕闇の人影・まなじりを決す・クルの通い路・花野暮れる 無免許掏摸大仕事綺譚・渭城の朝雨 摩阿陀十四年・その玉の緒を 御慶十三年・俄かに天狗風・お壕の赤い水波 滄桑の変・ 跡かたもなし・鶴の舞・うぐひす・瓢箪八つ・垣隣り・第一回海の記念日・狐が戸を敲く・文選女工・泣き虫・煙歴七十年・忘却論・アヂンコート・たましひ抜けて・ヒマラヤ水系・青葉しげれる・事の新古とハレー彗星・にがいか甘いか・電気屋の葛原さん
「浪のうねうね」雑記:平山三郎

『馬は丸顔』
馬は丸顔・仰げばたふとし・狐は臭い・白映えの烏城・遍照金剛・巨松の炎・輪舞する病魔・禿げか白髪か・海老茶式部(上 亀島町偕楽園 下 麻布龍土軒)・永当永当 御慶十四年・その前夜 摩阿陀十五年・青空倶楽部・雷・近情を報じて旧情に及ぶ・摺りばん・鬼園雑纂(上 濛タリ兮漠タリ兮 吾が几辺 下 第六回ひよどり会)・十六羅漢 摩阿陀十六年・心明堂・雀の子・前著「波のうねうね」迄の私の本・宮城道雄著「あすの別れ」序・宮城会演奏プログラム口上一束
「馬は丸顔」雑記:平山三郎

『麗らかや』
ヌ公・この子のお子が・ヌ公続く・庵を結びて・土手・大風一過・乱れ輪舌FOT・向ヶ丘彌生町一番地・漱石生誕百年の御慶第十五年・ノミに小丸・類猿人・漱石遺毛その後・ワレ関知セズ・薤露蒿里の歌・大坂越え・ハーレー彗星あと二十年・やらやら目出度や・麗らかや
「麗らかや」雑記:平山三郎

『夜明けの稲妻』
柵の外・松笠鳥・花のない祝宴・カメレオン・ボナパルテ・「失敬申候へ共」・逆らつきよう・偶像破壊・雲のびんづら・仇敵慶應ボイ・身辺と秋筍・暗所恐怖・黄色い狸 お詫び状一束・風かをる・赤曼陀羅・病牀通信・未だ沈まずや・海峡の浪・夜明けの稲妻(転録)・正月の鹿鍋(転録)
「夜明けの稲妻」雑記:平山三郎

『残夢三昧・日没閉門』
残夢三昧
日本男児全学連・天王寺の妖霊星・見ゆる限りは・アビシニア国女王・殺さば殺せ・山寺の和尚さん・昼火事昼花火昼行燈・鹿ノミナラズ・その一夜・車窓の稲光り・うつつにぞ見る・ピールカマンチヤン・フロツシユ教官・ランドセル・楽天居主人・牛カツ豚カツ豆腐・物を貰ふ・残夢三昧・残夢三昧残録・新残夢三昧・舞台の幽霊 新続残夢三昧・新涼談義 戸坂康二君との対談・歯は無用 の長物 高橋義孝君との対談
日没閉門
日没閉門・目出度目出度の・枝も栄えて・葉が落ちる・雨が降ったり・二本松 剣かたばみ終話・また出た月が・阿房列車の車輪の音・逆撫での阿房列車・左り馬・白目の夜襲・第二十年御慶の会・みよし野の・薮を売る・「ノラや」・ノコりノコらず・四霊会・陸海軍隊万万歳・猫が口を利いた
「残夢三昧」「日没閉門」雑記:平山三郎

『実説艸平記』
サラサーテの盤・とほぼえ・枇杷の葉・雲の脚・ゆふべの雲・亀鳴くや・秩父宮殿下に上るの書・いすかの合歓・華甲の宴・摩阿陀会・実説艸平記
「実説艸平記」雑記:平山三郎

『贋作吾輩は猫である』
贋作吾輩は猫である
挿絵:内田巌
「贋作吾輩は猫である」雑記:平山三郎

『居候匇々』
作者の言葉・居候匇々・再び作者の言葉・登場人物の其後
附録・三盃座談
ほろ酔い炉辺鼎談(井上友一郎・難波久太郎・内田百閒)
逢坂閑談(三淵忠彦・宮川曼魚・内田百閒)
駅長と検校(宮城道雄・加藤源藏・内田百閒)
大博士呆談(辰野隆・藤原咲平・内田百閒)
雅俗併存(前田晃・井上慶吉・内田百閒)
薬剤金融椿論(神鞭常泰・久米正雄・内田百閒)
旧師の敬い方の研究(北村孟徳・中野勝義・内田百閒)
三盃座談会の頃:上田健次郎
「居候匇々」雑記:平山三郎

『王様の背中』
王様の背中
王様の背中・影法師・狸の勘違ひ・お爺さんの玩具・桃太郎・かくれんぼ・三本足の獣・狼の魂・お婆さんの引越
狐の裁判
「王様の背中」雑記:平山三郎

『新輯 百鬼園俳句帖』
春 七十六句
夏 七十七句
秋 百六句
冬 四十七句
新年 五句
全作品季題別・年代・異同総覧
六高俳句会詠草(明治四十一年~四十三年)・百鬼園俳句帖漫評会(素琴 蹄花 桐明 吐天 百間)・「山萩」を語る会(蹄花 百間 桐明 吐天 春嶺 碧村 古日 木咲【“咲”は旧字】 素琴)
百間君の一夜会時代 志田素琴
百鬼園俳句帖 内藤吐天
大宴会縁起話 大森桐明
内田百閒の俳句 村山古郷
新輯「百鬼園俳句帖」雑記:平山三郎

『百鬼園日記帖』
百鬼園日記帖
大正六年・大正七年・大正八年
続百鬼園日記帖
大正八年(続)・大正九年・大正十年(抄)・大正十一年(抄)
「百鬼園日記帖」雑記:平山三郎

『東京焼盡』
収録作品は中公文庫版と同じ
「東京焼盡」雑記:平山三郎

角川文庫

『漱石山房の記』

『百閒随筆』Ⅰ

『百閒随筆』Ⅱ

『百閒随筆』Ⅲ

河出文庫

『贋作吾輩は猫である』(市民文庫)
贋作吾輩は猫である
解説:伊藤整

『漱石先生雑記帳』
「明石の漱石先生」「漱石遺毛」「虎の尾」「掻痒記」「貧凍の記」「漱石先生臨終記」「漱石先生の思ひ出拾遺」「十三号室」「漱石先生の書き潰し原稿」「漱石先生の来訪」「漱石蓄音機」「漱石山房の元旦」「紹介状」「漱石断片」「紅茶」「机」「寺田寅彦博士」「インキ・ペン・原稿用紙」「「百鬼園日記帖」より」「漱石全集推薦文二篇」「漱石雑話 講演筆記」「漱石山房の夜の文鳥」「正月の稲妻」「前掛けと漱石先生」「新本」「「つはぶきの花」より」「九日会」「「失敬申候へ共」」「薤露蒿里の歌」「漱石遺毛その後」
平山三郎:「編纂者のあとがき」

『芥川龍之介雑記帳』
「竹杖記」「湖南の扇」「河童忌」「猪の昼寝」「官命出張旅行」「門衛」「芥川教官の思ひ出」「白濱会」「亀鳴くや」「黒い緋鯉-豊島與志雄君の断片」「四谷左門町」「「百鬼園日記帖」より」「推薦文二篇 【私の文章道の恩人】【天才的の存在】」「花袋追慕」「非常汽笛」「鈴木三重吉氏の事」「花袋忌の雨」「大朝顔 「鬼苑漫筆」より」「狗に類する 抄」「ノコりノコらず」
芥川龍之介「内田百間氏」「冥途」「ペン画スケッチ 百間先生邂逅百間先生図・百間先生白日夢図・百間先生懼菊花図」
平山三郎:「編纂者のあとがき」

講談社文芸文庫

『百閒随筆Ⅰ』
立腹帖・高利貸に就いて・無恒債者無恒心・入道雲・フローレンツ博士・羅馬飛行・百鬼園先生言行録・五段活用・作文管見・警察官と私・鶴・一等旅行の弁・馬食会・玄冬観桜の宴・沙書帳・鬼苑道話・東京日記・土手の東雲・億劫帳
解説:池内紀

『百閒随筆Ⅱ』
ねじり棒・通過列車・初乗り・夜汽車・寝台車・亀鳴くや・サラサーテの盤・お前ではなし・時は変改す・彼ハ猫デアル・ノラや・カーテルクルツ補遺・とくさの草むら・面影橋・巨松の炎・暗所恐怖・おからでシャムパン・「失敬申候之共」・みよし野の・残夢三昧
解説:池内紀
年譜:佐藤聖
著書目録:佐藤聖

作品文庫

『百鬼園先生言行録』

2017年3月22日 (水)

内田百閒 図書目録 下

新潮文庫

『百鬼園随筆選』
「官命出張旅行」「門衛」「予科時代」「梟先生」「校長就任式」「三校協議会」「立腹帖」「可可貧の記」「貧凍の記」「長春香」「おかる」「三代」「笑顔」「漱石先生臨終記」「花袋追慕」「雑木林」「三鞭酒」「百鬼園師弟録」「南蛮鴃舌」「晩餐会」「旅愁」「明暗交友録」「面会日」「忙中謝客」「軒提燈」「小さんの葬式」「翠仏伝」「柳暗花明」「フロックコート」「素琴先生」「春雪記」「今古」「琴書雅游録」「新月随筆」「掻痒記」「櫛風沐雨」「志道山人夜話」

『東京日記』

『冥途・旅順入場式』
○冥途
花火・山東京伝・尽頭子・烏・件・木霊・流木・蜥蜴・道連・柳藻・支那人・短夜・石畳・疱瘡神・白子・波止場・豹・冥途
○旅順入城式
旅順入城式・大宴会・大尉殺し・遣唐使・菊・鯉・五位鷺・銀杏・女出入・矮人・流渦・坂・水鳥・雪・波頭・残照・先行者・春心・秋陽炎・蘭陵王入陣曲・木蓮・藤の花・昇天・山高帽子・遊就館・影・映像・猫・狭莚

『地獄の門』

『百鬼園随筆選其の二』
老提督・春秋・凸凹道・鷄鳴・弾琴図・伝書鳩・葦切・見送り・虎列刺・一等車・売り喰ひ・曾遊・河豚・初飛行・清潭先生の飛行・夏霧・箒星・象頭山・鴨・蘭虫・十夜・謝肉祭・碩鼠・ゾルフ大使・唖鈴体操・饗応・簾外・窓前・絹帽・検閲使・予行・新教官・俸給・質屋・秋宵鬼哭・大晦日・迎春之辞・風燭記・爐前散語・砂利場大将・狸芝居・録音風景・蓄音機・林檎・饒舌・口髭・正直の徳に就いて・風呂敷包・初泥・牝鶏之晨・阿房声・乞食講座・一夜会・名月・海鼠・風稿録・銘鶯会・続銘鶯会・学校騒動記・竹梯庵の記・入道雲・塔の雀・他生の縁・濡れ衣・たらちをの記

『昇天』
昇天・南山寿・棗の木・山高帽子・青炎抄
解説:伊藤整

『百鬼園随筆選 その一』
戦前に発行された『百鬼園随筆選』と同じ

『百鬼園随筆選 その二』
戦前に発行された『百鬼園随筆選其の二』と同じ

『第一阿房列車』
収録作品は福武文庫版に同じ。
解説:伊藤整

『第二阿房列車』
収録作品は福武文庫版と同じ
附・鉄道唱歌
解説:高橋義孝

『第三阿房列車』
収録作品は福武文庫版と同じ
解説:阿川弘之

『百鬼園随筆』
短章二十ニ篇
「琥珀」「見送り」「虎列剌」「一等車」「晩餐会」「風の神」「髭」「進水式」「羽化登仙」「遠洋漁業」「居睡」「風呂敷包」「清潭先生の飛行」「老狐会」「飛行場漫筆」「飛行場漫録」「嚔」「手套」「百鬼園先生幻想録」「梟林漫筆」「阿呆の鳥飼」「明石の漱石先生」
貧乏五色揚
「大人片伝」「無恒債者無恒心」「百鬼園新装」「地獄の門」「債鬼」
七草雑炊
「フロックコート」「素琴先生」「蜻蛉玉」「間抜けの実在に関する文献」「百鬼園先生言行録」「百鬼園先生言行余録」「梟林記」
解説:川上弘美

『続百鬼園随筆』
近什前篇
「鷄鳴」「春秋」「立腹帖」「続立腹帖」「伝書鳩」「百鬼園師弟録」「或高等学校由来記」「食而」「大晦日」「目白」「学校騒動記」「大鐘」
文章世界入選文
「乞食」「按摩」「靴直し」「大晦日の床屋」「西大寺駅」「初雷」「参詣道」「私塾」
筐底稚稿
「鶏蘇仏」「破軍星」「雀の塒」
近什後篇
「風燭記」「俸給」「亜鈴体操」「黄牛」「薬喰」「忠奸」「掏児」「炎煙鈔」「南蛮鴃舌」「琴書雅游録」
解説:若合春侑

『第一阿房列車』
収録作品から解説まで新潮文庫旧版と同じだが、間のびする旅の極意:森まゆみ
が追加されている。

『第二阿房列車』
収録作品から解説まで新潮文庫旧版と同じ。
解説に、旅が好き:平田オリザ
が追加

『第三阿房列車』
収録作品から解説まで新潮文庫旧版と同じ。
阿房漫画 メーリーハムサファル:グレゴリ青山 が追加

Img_8151

ちくま文庫

『私の「漱石」と「龍之介」』
「紹介状」「漱石山房の元旦」「漱石先生の来訪」「虎の尾」「漱石蓄音機」「漱石先生の書き潰し原稿」「漱石遺毛」「机」「漱石先生の思ひ出拾遺」「紅茶」「十三号室」「貧凍の記」「掻痒記」「漱石先生臨終記」「漱石山房の夜の文鳥」「漱石雑話」「正月の稲妻」「前掛けと漱石先生」「新本」
「つはぶきの花」より
「猟虎の襟巻」「大鳴門関」「実益がない」「心耳を洗ふ」「質屋の暖簾」「飢ゑ死に」「普天の下」「残り鬼」「羽筆の水」「くりくり坊主」
「九日会」「漱石俳句鑑賞」「代作」「「百鬼園日記帖」より」「<漱石全集は日本人の経典である>-推薦文」「<日本人の教科書>-推薦文」「<私の文章道の恩人>-推薦文」「竹杖記」「湖南の扇」「河童忌」「猪の昼寝」「芥川教官の思ひ出」「白浜会」「亀鳴くや」
編纂後記:平山三郎
解説:武藤康史「彌生子の見た漱石山脈」

『阿房列車 内田百閒集成1』
「特別阿房列車(東京 大阪)」
「区間阿房列車(国府津 御殿場線 沼津 由比 興津 静岡)」
「鹿児島阿房列車 前章(尾ノ道 呉線 広島 博多)」
「鹿児島阿房列車 後章(鹿児島 肥薩線 八代)」
「奥羽本線阿房列車 前章(青森 秋田)」
「奥羽本線阿房列車 後章(横手 横黒線 山形 仙山線 松島)」
「雪中新潟阿房列車(上野 新潟)」
「春光山陽特別阿房列車(東京 京都 博多 八代)」

『立腹帖 内田百閒集成2』
「見送り」「一等車」「立腹帖」「旅愁」「風稿録」「曾遊」「官命出張旅行」「非常汽笛」「汽笛一声」「一等旅行の弁」「鉄道館漫記」「荒手の空」「小列車」「通過列車」「初乗り」「夜汽車」「寝台車」「洋燈と毛布」「乗り遅れ」「戻り道」「その時分」「先年の急行列車」「列車食堂」「関門」「れるへ」「時は変改す」「九州のゆかり」「偽物の新橋駅」「八代紀行」「千丁の柳」「沿線の広告」「臨時停車」「車窓の稲光り」「阿房列車の車輪の音」「逆撫で阿房列車」
解説:保苅瑞穂
中村武志「阿房列車の留守番と見送り」

『冥途 内田百閒集成3』
「冥途」「山東京伝」「花火」「件」「道連」「豹」「尽頭子」「流木」「柳藻」「白子」「短夜」「蜥蜴」「梟林記」「大宴会」「波頭」「残照」「旅順入城式」「大尉殺し」「遣唐使」「鯉」「流渦」「水鳥」「山高帽子」「遊就館」「昇天」「笑顔 「昇天」補遺」「蘭陵王入陣曲」「夕立鰻」「鶴」「北溟」「虎」「棗の木」「青炎抄」
解説:多和田葉子
芥川龍之介による同時代評

『サラサーテの盤 内田百閒集成4』
「東京日記」「桃葉」「断章」「南山寿」「菊の雨」「柳検校の小閑」「葉蘭」「雲の脚」「枇杷の葉」「サラサーテの盤」「とおぼえ」「ゆうべの雲」「由比駅」「すきま風」「東海道刈谷駅」「神楽坂の虎」
解説:松浦寿輝
<内田百閒>解説:三島由紀夫

『大貧帳 内田百閒集成5』
夏の鼻風邪・俸給・質屋・秋宵鬼哭・百鬼園旧套・風燭記・炉前散語・御時勢・売り喰い・志道山人夜話・金の縁・砂利場大将・錬金術・書物の差押・胸算用・揚足取り・布哇の弗・鬼苑道話・雑木林・百円札・二銭記・他生の縁・濡れ衣・大晦日・歳末無題・吸い殻・払い残り・年頭の債鬼・迎春の辞・大人片伝・無恒債者無恒心・百鬼園新装・黄牛・可可貧の記・貧凍の記・櫛風沐雨・高利貸に就いて・鬼の冥福・うまや橋・第三債務者
解説:宮沢章夫
のんびりした話:森田草平

『間抜けの実在に関する文献 内田百閒集成6』
間抜けの実在に関する文献・百鬼園師弟録・学校騒動記・学校騒動余殃・解夏宵行・三校協議会・漱石遺毛・虎の尾・漱石先生臨終記・湖南の扇・河童忌・亀鳴くや・長春香・明暗交友録・凸凹道・予科時代・新教官・梟先生・四君子・海軍機関学校今昔・哈叭道人夜話・石人・青木先生・読本の潜水艦・海賊大将軍・村上流船行要術・とくさの草むら・一粒一滴・空中分解・忘却論・白映えの烏城・ノミに小丸・乱れ輪舌FOT・カメレオン・ボナパルテ・実説艸平記
解説:堀江敏幸
草平と百間:小宮豊隆

『百鬼園先生言行録 内田百閒集成7』
百鬼園先生言行録・百鬼園先生言行余録・百鬼園先生言行録拾遺・掻痒記・弾琴図・猪の昼寝・狸気濛濛・正直の徳に就いて・茗荷屋の足袋・鉈豆・泥棒三昧・清春記・石油洋燈・泥棒談義・合羽坂・秋を待つ・春信・うぐいす・長い塀・浮世風呂・百鬼園浮世談義・七体百鬼園・竹橋内・おの字・忘却・ねじり棒・目・お前ではなし・つもりの遣り繰り
解説:石原千秋
百閒先生追懐記:村山古郷

『贋作吾輩は猫である 内田百閒集成8』
贋作吾輩は猫である
解説:清水良典
作品解説贋作吾輩は猫である:伊藤整

『ノラや 内田百閒集成9』
猫・梅雨韻・白猫・鵯・立春・竿の音・彼ハ猫デアル・ノラや・ノラやノラや・ノラに降る村しぐれ・ノラ未だ帰らず・猫の耳の秋風・クルやお前か・カーテル・クルツ補遺・ネコロマンシチズム・垣隣り・木賊を抜けて・身辺と秋筍・アビシニア国女王・ビールカマンチャン・「ノラや」・猫が口を利いた
解説:稲葉真弓
内田百閒先生のこと:吉行淳之介

『まあだかい 内田百閒集成10』
華甲の宴・摩阿陀会・華甲二年・無伴奏・門の柳・きょうの瀬・墓木拱ならず・第七回摩阿陀会・未だか十二年・摩阿陀十三年・渭城の朝雨・その前夜・十六羅漢・やらやら目出度や・未だ沈まずや・殺さば殺せ・雨が降ったり・迎賓之辞・御慶・年酒・禁客寺・花のない祝宴
解説:内田道雄
「イヤダカラ、イヤダ」のお使いをして:多田基

『タンタルス 内田百閒集成11』
翠仏伝・饗応・初泥・三鞭酒・年賀・酒光漫筆・養生訓・検校の宴・窮屈・タンタルス・山火事・麦酒・ひがみ・未練・酔余・鼻赤・酌・一本七勺・我が酒歴・羽化登仙・初飛行・学生航空の発向・夏霧・羅馬飛行・第二の離陸・河豚・神風漫筆・坂の夢・飛行機の写真屋・神風機余録・飛行場の握り飯・学生航空の揺籃・羽田空港最初の離陸・波光漫筆 鎌倉丸周遊ノ一・入船の記 鎌倉丸周遊ノ二・岸壁の浪枕・新造・出船の記・船の御馳走
解説:内田樹
畸人の印象:辰野隆

『爆撃調査団 内田百閒集成12』
琥珀・食而・薬喰・掏児・絹帽・絹帽・蘭虫・訓狐・柄長勾当・菊世界・林檎・沢庵・蓄音機・寄贈本・署名本・苗売り・窓前・雷魚・簾外・謝肉祭・馬丁・りんりんの記(りんはくるまへんに“隣”の右側)・秋扇・芥子飯・米櫃・女煙草・胸算用・白魚漫記・長磯・浪・蒲鉾・おから・米論・素人写真・シュークリーム・牛・鶴亀・五段活用・馬食会・腰弁の弁・居留守・牛乳・チース・玄冬観桜の宴・麻姑の手・蟻と砂糖・バナナの菓子・カステラ・紅茶・海苔・罐詰・痩せ薬・火の用心・ひかり・彼岸桜・だいご・雛祭・可否茶館・人垣・羽織・小地震・煙の尾・残暑・寿命・漱石山房の夜の文鳥・焼豆腐とマアガリン・気象管制・一服・こち飯・お祭鮨 魚島鮨・猪の足頸・食用蛙・新本・君ヶ代・有楽座・めそ・爆撃調査団・山葉オルガン・聴診器・す・猟虎の襟巻き・おからでシャムパン・ランドセル・牛カツ豚カツ豆腐
解説:南條竹則
随筆内田百閒:高橋義孝

『たらちおの記 内田百閒集成13』
虎列剌・風の神・琴書雅游録・烏城追思・稲荷・水心・山屋敷・たらちおの記・竹島・大般若・虎の毛・六高以前・片腕・五百羅漢・高瀬舟・古里を思う・三谷の金剛様・山屋敷の消滅・夜の杉・裏川・鶴の舞・狐が戸を敲く・文選女工・遍照金剛・麗らかや・風かおる・目出度目出度の・枝も栄えて・葉が落ちる・二本松
解説:小川洋子
ふるさと、まぼろし:江國滋

『居候匇々 内田百閒集成14』
居候匇々
王様の背中
資料(初出誌版「王様の背中」「お婆さんの影法師」)
解説:吉田篤弘
かおるぶみ:谷中安規

『蜻蛉玉 内田百閒集成15』
阿呆の鳥飼・蜻蛉玉・風呂敷包・伝書鳩・目白・鶏鳴・雀の塒・牝鶏之晨・銘鶯会・続銘鶯会・続阿房の鳥飼・新月随筆・蜂・桑原会自讃・蕗味噌・ホテルの冬の曲・尋問・素人掏摸・夢獅山房・道楽のすすめ・砂糖袋・土用の琴・作文管見・黒琴・谷崎潤一郎氏の「雪」に因みて・燕燕訓・五十五軒・帝国読本巻ノ一・消えた旋律・虫のこえごえ・水中花・不連続線・又寝・お話し中・御閑所・駅の歩廊の見える窓・しみ抜き・八十八夜は曇り・ひよどり会・夏どろ新景・馬は丸顔・柵の外・物を貰う
解説:玄侑宗久
百鬼園の越天楽:宮城道雄

『残夢三昧 内田百閒集成16』
炎煙鈔・炎煙鈔(続)・予行・沖の稲妻・火の用心・近火・蒸気喞筒・町の野火・煙塵・巨松の炎・雷・大風一過・その一夜・沙美の苔岩・鶏声(本来の“鶏”の字がPCでは表示出来ません)・軒提灯・忘れ貝・狸芝居・暗闇・夜道・暗所恐怖・土手・夢路・片寝・夢裏・神明堂・天王寺の妖霊星・残夢三昧・残夢三昧残録・新残夢三昧・舞台の幽霊・四霊会
解説:岸本佐和子
撫箏の図に題す:内山保

『うつつにぞ見る 内田百閒集成17』
老狐会・フロックコート・晩餐会・梟林漫筆・南蛮鴃舌・風船画伯・離愁・蒙禿少尉の出征・支那瓦・舞台稽古・希夷公・予備士官・蕃さんと私・吉右衛門・花袋忌の雨・黒い緋鯉・丁字茄子・門の夕闇・小さんと式多津・四谷左門町・一粒一滴・かしわ鍋・卒業前後・アジンコート・片山敏彦君・虎を描いて・狗に類する・しっぽり濡るる・逆らっきょう・偶像破壊・うつつにぞ見る
解説:佐野洋子
礼装:佐藤春夫

『百鬼園俳句帖 内田百閒集成18』
素琴先生・一夜会・海鼠・今朝冬・名月・百鬼園俳談義口述・連座・俳句放談・代作・漱石俳句の鑑賞・オセッカイ評釈・百鬼園俳句帖・俳句全作品季題別総覧・百鬼園俳句帖漫評会
解説:平出隆
百間君の一夜会時代:志田素琴
百鬼園俳句帖:内藤吐天

『忙中謝客 内田百閒集成19』
忙中謝客・窓前・春雪記・今古・入道雲・塔の雀・上京・丘の橋・横町の葬式・土手三番町・医院の窓・己卯三ヶ日・西日・北雷の記・億劫帳・沙書帳・夕刊・贋泥・学校裏・流れ矢・八つ橋・出てこい池の鯉・十年の身辺・鯉の子・面影橋・壁隣り・まなじりを決す・お濠の赤い水波・六区を散らかす・瓢箪八つ・俄かに天狗風・跡かたもなし・海老茶式部・向ヶ丘弥生町一番地・楽天居主人・日没閉門
解説:松山巌
「鳩の眼」先生:夏目伸六

『百鬼園日記帖 内田百閒集成20』
百鬼園日記帖【大正六年七月 至 大正八年九月】
続百鬼園日記帖【大正八年十月 至 大正十一年八月】
解説:坪内祐三
百鬼園先生の印象:本多顕彰

『深夜の初会 内田百閒集成21』
あの頃の機関学校・豚小屋の法政大学・貧乏ばなし・ユウモアコンクール・対談・酒仙放談・金の借り方作り方・逢坂閒談・薬剤金融椿論・漱石をめぐって・問答有用・汽車の旅・倫敦塔を撫でる・西小磯雨話・深夜の初会・虎の髭・漱石先生四方山話
解説:阿川佐和子
いろは交友録:徳川夢声

『東京焼盡 内田百閒集成22』
収録作品は中公文庫版に同じ
解説:半藤一利
『東京焼盡』書評:瀧井孝作

『百鬼園戦後日記 内田百閒集成23』
昭和二十年(八月二十二日~十二月三十一日)
昭和二十一年(一月一日~十二月三十一日)
昭和二十二年(一月一日~五月三十一日)
解説:紅野謙介
掘立小屋の百閒先生:中村武志

『百鬼園写真帖 内田百閒集成24』
内田百閒の人生-年譜
阿房列車 〈抜粋〉 特別阿房列車/千丁の柳
立腹帖 〈抜粋〉 時は変改す
間抜けの実在に関する文献 〈抜粋〉 百鬼園師弟録/漱石遺毛/亀鳴くや/東海道刈谷駅
次男びいき 石田千
贋作吾輩は猫である 〈抜粋〉 贋作吾輩は猫である/ノラや
まあだかい 〈抜粋〉 無伴奏/御慶
タンタルス 〈抜粋〉 酒光漫筆/学生航空の発向/波光漫筆
深夜の初会 〈抜粋〉 丁字茄子
金魚鉢 久世光彦
蜻蛉玉 〈抜粋〉 阿呆の鳥飼/土用の琴/柵の外
たらちおの記 〈抜粋〉 たらちおの記/郷夢散録/随感録(二)/六高以前
百閒三昧境 阿川弘之
忙中謝客 〈抜粋〉 上京/流れ矢/億劫帳/瓢箪八つ
百鬼園俳句帖 〈抜粋〉 海鼠
著書目録
内田百閒集成全24巻総目次

Img_8152

中公文庫

『東京焼盡』
序ニ代ヘル心覚
第一章    一機の空襲警報
第ニ章    空襲の皮切り
第三章    神田日本橋の空襲
第四章    東海の激震
第五章    深夜の警報頻り也
第六章    用水桶の厚氷 空襲警報の手加減
第七章    大晦日の夜空に響く退避信号の半鐘
第八章    鹿が食ふ様な物でお正月
第九章    残月と焼夷弾
第十章    サーチライトの光芒三十幾条
第十一章   ラヂオ取附
第十二章   銀座の爆弾攻撃
第十三章   立春の翌零下七度
第十四章   丸ノ内精密爆撃の流言
第十五章   艦載機の初襲来
第十六章   春雪降り積もる
第十七章   雪天の大空襲 目と鼻の近所へ爆弾落下す
第十八章   雀
第十九章   神田は已に無し 春空に高射砲の白煙団団
第二十章   無事の幾日
第二十一章 荻窪の友人の家吹飛ぶ
第二十二章 何年振りのキヤラメル
第二十三章 三月十日の大空襲
第二十四章 主治医邸の焼け跡
第二十五章 戦戦兢兢の蜚語 月桂冠の夢
第二十六章 お粥腹の戦時浮腫 上方名古屋の空襲にてこちらは安泰
第二十七章 三年坂名残りの枝垂梅 刺戟に生きる明け暮れ
第二十八章 めんこの地雷火の様に爆弾炸裂す
第二十九章 又空襲繁し 最初の照明弾と時限爆弾 恐ろしかつた四月四日の未明
第三十章  春光の大空をおほう敵機の大群
第三十一章 道もせに散りしく近火の火の子 燃えながら空に浮かんで流れる庇 四谷牛込の大半灰燼に帰す
第三十二章 息もつがずに又大空襲 品川大森一帯の火の海 女囚の如き勤労奉仕
第三十三章 風声鶴唳 硫黄島のP51大挙来襲す ベネヂクチンのドオム酒
第三十四章 独逸最後の日 半年振りのお風呂 ラヂオで苦労する
第三十五章 「陽気の所為で神も気違ひになる」 国民生活の崩壊目ざましき許り也
第三十六章 小型機の来襲頻り也 借り米嵩む 四谷駅の燕の巣 大政翼賛会消滅す
第三十七章 暫らく静かだつた後の大空襲 火達磨になつた敵機飛び廻る その前夜
第三十八章 その晩 土手のしののめ
第三十九章 小屋暮らしの始まり 横浜大空襲の煙塵
第四十章  廃虚の東京駅 小屋の安住の三条件
第四十一章 小屋の明け暮れ 洗ひ流しの御飯を食べる
第四十二章 大内山の森に沈む金色の夕日 家内の無熱丹毒 お金が有り余りて使ひ途無し
第四十三章 夢心地の警報は甘い音に聞こえる 雨夜の空襲警報 日本海へ機雷投下に行く敵機
第四十四章 栄養不足の執拗な下痢 「出なほし遣りなほし新規まきなほし」 大阪名古屋に大型中型の爆弾投下
第四十五章 珍しや普通の火事の火の手 もともと無かつた物を焼失せり 腐った芋を食ひて家内発熱す
第四十六章 罐詰を盗んだとの濡れ衣 雷鳴か敵襲か きたない灰色の夜明け
第四十七章 敵機動部隊の艦上機頻りに来襲す 地方の諸都市次ぎ次ぎに焼亡す
第四十八章 運命とはB29である 木の葉便所 お米は昨日限りもう一粒も無し
第四十九章 八重洲口に落ちた爆弾の爆風 B29も記憶の中の古里を焼く事は出来ない 古い岡山の思ひ出
第五十章  その晩の回想 十九年十一月以前の警戒警報の意味 蚤に喰はれ団子ばかり食ふ 気候甚だ不順也
第五十一章 仰願寺蝋燭の残り少し 澱粉米 二ヶ月振りに電燈ともる 江戸川アパートへ移りたい
第五十二章 天龍川河口の艦砲射撃 艦上機の攻撃繁く一日頻回の空襲警報 鶴見の爆弾攻撃 八王子立川水戸及び長岡富山の焼夷弾攻撃 総数六百機の来襲也 八王子立川の夜空の赤い入道雲
第五十三章 配給所に米無し 前橋高崎渋川の焼夷弾攻撃 痩せた相撲取り
第五十四章 田無荻窪の工場地帯の爆撃 二ヶ月半の垢を洗ふ行水 広島の原子爆弾の後なればこはい B29一機の侵入に空襲警報鳴る 露西亜宣戦す
第五十五章 敵潜水艦下田を攻撃す 大本営の中で書類を焼き捨てる火の手 なほ各地の焼夷弾攻撃続く
第五十六章 戦争終結の詔勅 八月すでにこほろぎ鳴く もうお仕舞いかと思ふのにまだ防空警報鳴る 八月十八日がその最後か 灯火管制の廃止 準備管制の撤廃
解説:村山古郷
※平成十六年の改版では編集部により、村山古郷の解説の訂正文が出されている。

『御馳走帖』
序に代へて
「薬喰」「食而」「菊世界」「解夏宵行」「饗応」「林檎」「沢庵」「雷魚」「百鬼園日暦」「謝肉祭」「酒光漫筆」「三鞭酒」「芥子飯」「河豚」「養生訓」「白魚漫記」「検校の宴」「蒲鉾」「おから」「シユークリーム」「鬼苑日記」「腰辧の辧」「宿酔」「廊下」「馬食会」「窮屈」「牛乳」「チース」「下宿屋の正月」「玄冬観桜の宴」「船の御馳走」「バナナの菓子」「カステラ」「紅茶」「不心得」「痩せ薬」「茶柱」「罐詰」「喰意地」「人垣」「油揚」「大手饅頭」「可否茶館」「麦酒」「吸ひ殻」「餓鬼道肴蔬目録」「こち飯」「お祭鮨 魚島鮨」「猪の足頸」「食用蛙」「雅会」「小難」「がんもどき」「酌」「鼻赤」「列車食堂」「めそ」「一本七勺」「御慶」「お膳の我儘」「す」「我が酒歴」「焼豆腐とマアガリン」「ひがみ」「未練」「実益アリ」「おからでシヤムパン」「聯想繊維」「煙歴七十年」「牛カツ豚カツ豆腐」「鹿ノミナラズ」「車窓の稲光り」
解説:平山三郎

『ノラや』
「彼ハ猫デアル」「ノラや」「ノラやノラや」「千丁の柳」「ノラに降る村しぐれ」「ノラ未だ帰らず」「猫の耳の秋風」「ネコロマンチシズム」「クルやお前か」「泣き虫」「カーテル・クルツ補遺」「垣隣り」「クルの通ひ路」「「ノラや」」
解説:平山三郎

『一病息災』
一病息災・夜船・養生訓・寿命・億劫帳・沙書帳(抄)・巡査と喘息・病閑録・病歴・黒リボン・目・歯・早春の結滞・八十八夜は曇り・輪舞する悪魔・禿げか白髪か・病牀通信
百閒の喘息:吉行淳之介

福武文庫

『新・大貧帳』
「夏の鼻風邪」「俸給」「質屋」「秋宵鬼哭」「百鬼園旧套」「風燭記」「炉前散語」「御時勢」「芥子飯」「売り喰い」「志道山人夜話」「金の縁」「砂利場大将」「錬金術」「書物の差押」「胸算用」「揚足取り」「布哇の弗」「鬼苑道話」「雑木林」「百円札」「二銭記」「他生の縁」「大晦日」「歳末無題」「吸い殻」「払い残り」「年頭の債鬼」「迎春の辞」「大人片伝」「無恒債者無恒心」「百鬼園新装」「黄牛」「可可貧の記」「貧凍の記」「櫛風沐雨」「高利貸に就いて」「債鬼」「鬼の冥福」「地獄の門」
解説:中村武志「百鬼園先生の錬金術」

『間抜けの実在に関する文献』
「間抜けの実在に関する文献」「旅愁」「蜻蛉玉」「素琴先生」「晩餐会」「曾遊」「春秋」「風船画伯」「鴬の夜渡」「竹酔日」「明暗交友録」「排接」「硯鼠」「四君子」「役者と検校」「蒙禿少尉の出征」「支那瓦」「蕗味噌」「老先生」「宿酲」「青木先生」「空点房」「散財将棋」「フローレンツ博士」「海賊大将軍」「村上流船行要術」「希夷公の認印」「古写真の十三人」「門の夕闇」「紙上放送「蛍の光」」「乱れ輪舌FOT」「実説艸平記」
解説:岩川隆

『百鬼園先生言行録』
「百鬼園先生言行録」「百鬼園先生言行余録」「百鬼園先生言行録拾遺」「弾琴図」「官命出張旅行」「忙中謝客」「猪の昼寝」「狸気濛濛」「正直の徳に就いて」「茗荷屋の足袋」「鉈豆」「泥棒三昧」「清春記」「石油洋燈」「泥棒談義」「百鬼園浮世談義」「七体百鬼園」「おの字」「忘却」「一年早死する」「門の柳」「目」「歯」「お前ではなし」「列車食堂の為に弁ず」「つもりの遣り繰り」「無伴奏」
解説:松浦寿輝

『先生根性』
「老狐会」「フロックコート」「風呂敷包」「居睡」「髭」「進水式」「百鬼園師弟録」「学校騒動記」「南蛮鴃舌」「校長就任式」「検閲使」「予行」「学校騒動余殃」「解夏宵行」「三校協議会」「写真師」「予科時代」「新教官」「敬礼」「梟先生」「ゾルフ大使」「哈叭道人夜話」「海軍機関学校今昔」「記念撮影」「先生根性」「訊問」「素人掏摸」「朝の雨」「鬼園横談(抄)」「続鬼園横談(抄)」「砂糖袋」「茶柱」「読本の潜水艦」「制服制帽」「忘却論」「花野暮れる」「ノミに小丸」「ワレ関知セズ」「カメレオン・ボナパルテ」
解説:川村二郎

『長春香』
「昇天」「笑顔」「漱石先生臨終記」「湖南の扇」「長春香」「鶏蘇仏」「破軍星」「梟林漫筆」「今朝冬」「凸凹道」「父執」「石人」「鼻」「櫨染子」「希夷公」「予備士官」「三五の桐」「蕃さんと私」「焼け棒杙」「黒リボン」「とくさの草むら」「一粒一滴」「空中分解」「輪舞する病魔」「松笠鳥」「偶像破壊」「東海道刈谷駅」
解説:高橋英夫

『サラサーテの盤』
「梟林記」「鶴」「北溟」「虎」「棗の木」「青炎抄」「東京日記」「桃葉」「菊の雨」「断章」「南山寿」「葉蘭」「柳検校の小閑」「由比駅」「雲の脚」「サラサーテの盤」「とおぼえ」「枇杷の葉」「ゆうべの雲」「すきま風」「神楽坂の虎」
解説:平岡篤頼

『春雪記』
見送り・掻痒記・炎煙鈔・駒込曙町・他生の縁・春雪記・今古・入道雲・上京・合羽坂・丘の橋・秋を待つ・鉄道館漫記・浮世風呂・長い塀・横町の葬式・医院の窓・土手三番町・鯉の顔・四軒長屋・己卯三ヶ日・下宿屋の正月・竹橋内・邯鄲の歩・東京駅前・人垣・西日・近火・蒸気喞筒・夕の雨・その時分・滄桑・ねじり棒・学校裏・八ツ橋・面影橋・六区を散らかす・海老茶式部・向ヶ丘弥生町一番地
解説:川本三郎

『タンタルス』
「翠仏伝」「饗応」「柳暗花明」「初泥」「おかる」「三鞭酒」「年賀」「酒光漫筆」「養生訓」「百鬼園浮世談義」「検校の宴」「窮屈」「タンタルス」「山火事」「麦酒」「ひがみ」「未練」「酔余」「鼻赤」「酌」「一本七勺」「我が酒歴」「飛行場漫録」「飛行場漫筆」「清潭先生の飛行」「羽化登仙」「初飛行」「口髭」「録音風景」「学生航空の発向」「夏霧」「羅馬飛行」「第二の離陸」「河豚」「神風漫筆」「坂の夢」「飛行機と小説」「飛行機と箏」「飛行機の写真屋」「神風機余録」「飛行場の握り飯」「学生航空の揺籃」「羽田空港最初の離陸」「ひよどり会」「青空倶楽部」
解説:富士川義之

『幼年時代』
「琥珀」「遠洋漁業」「唖鈴体操」「虎列剌」「炎煙鈔」「菊世界」「烏城追思」「稲荷」「郷夢散録」「水心」「山屋敷」「十夜」「荒手の大銀杏と後楽園の藪」「心経」「大般若」「たらちおの記」「竹島」「猫丸巡査」「米櫃」「青田」「吉野艦」「提灯行列」「虎の毛」「紺屋の庭」「高瀬舟」「大風の女」「牛」「片腕」「悪巫山戯」「夜舟」「缶詰」「風流」「通過列車」「夜の杉」「裏川」「狐が戸を敲く」「鶴の舞」「心明堂」「黄色い狸」「目出度目出度の」「枝も栄えて」「葉が落ちる」「二本松」
解説:吉田直哉

『古里を思う』
「風の神」「一夜会」「井底鶏」「阿房声」「八段調」「帚星」「二銭記」「分水嶺」「山屏風」「六高以前」「五百羅漢」「教員室」「古里を思う」「岡山のなが袖」「六高土手」「山屋敷の消滅」「三谷の金剛様」「かしわ鍋」「文選女工」「白映えの烏城」「遍照金剛」「ハーレー彗星あと二十年(抄)」「土手」「麗らかや」「風かおる」「藪を売る」
解説:神吉拓郎

『第一阿房列車』
「特別阿房列車(東京 大阪)」
「区間阿房列車(国府津 御殿場線 沼津 由比 興津 静岡)」
「鹿児島阿房列車 前章(尾ノ道 呉線 広島 博多)」
「鹿児島阿房列車 後章(鹿児島 肥薩線 八代)」
「東北本線阿房列車(福島 盛岡 浅虫)」
「奥羽本線阿房列車 前章(青森 秋田)」
「奥羽本線阿房列車 後章(横手 横黒線 山形 仙山線 松島)」
解説:池内紀

『第二阿房列車』
「雪中新潟阿房列車(上野 新潟)」
「雪解横手阿房列車(上野 横手 横黒線 大荒沢)」
「春光山陽特別阿房列車(東京 京都 博多 八代)」
「雷九州阿房列車 前章(東京 八代)」
「雷九州阿房列車 後章(八代 熊本 豊肥線 大分 別府 日豊線 小倉 門司)」
解説:池内紀

『第三阿房列車』
「長崎の鶴 長崎阿房列車」
「房総鼻眼鏡 房総阿房列車」
「隧道の白百合 四国阿房列車」
「菅田庵の狐 松江阿房列車」
「時雨の清見潟 興津阿房列車」
「列車寝台の猿 不知火阿房列車」
解説:池内紀

『贋作吾輩は猫である』
贋作吾輩は猫である
解説:柘植光彦

『新方丈記』
○新方丈記
灰塵・土手の東雲・仰願寺蝋燭・餓鬼道日記
椎の葉陰
黒大根・三曲・迎賓館・木の葉便所・夏の小袖・奉幣使・金蛾・蚊遣火
○百鬼園夜話
口上・丸の内・斯う云ふ借金もある・米の成る木・入学試験・お花見・病坐中・不死の病・菜食論者・暖衣・飽食・白砂青松・坂のいろいろ・はだかの記・海と航空・海水浴・麦酒の話・ラムネ、サイダー、平野水・故人の来訪・時計・坊主・光り物・インキ、ペン、原稿用紙・会陽・急行列車・汽車、自動車、飛行機、エレベーター・サーカス・覗き眼鏡・芝居・映画残茶・ラヂオ、レコード・犬・蕎麦、饂飩、麺麭・豆腐・下宿屋・鮒鮨・帽子・洋服・電気燈・小銭の話・交番
解説:小町谷照彦

『居候匇々』
作者の言葉
居候匇々
再び作者の言葉
登場人物の其後

『百閒座談』
序・生活様式一家言・学生の家・愚痴の妙義・涼風世間話・秋宵世相談義・四方山話・蒟蒻説法・当世漫語・蓬莱島餘談
解説:赤瀬川準

『百鬼園日記帖』
○百鬼園日記帖
自大正六年七月 至大正八年九月
○続百鬼園日記帖
自大正八年十月 至大正十一年八月
解説:小田切進

『新編 ノラや』
梅雨韻・白猫・立春・竿の音・彼ハ猫デアル・ノラや・ノラやノラや・ノラに降る村しぐれ・ノラ未だ帰らず・猫の耳の秋風・クルやお前か・カーテル・クルツ補遺・ネコロマンシチズム・垣隣り・木賊を抜けて・身辺と秋筍・アビシニア国女王・ビールカマンチャン・「ノラや」・猫が口を利いた
解説:井坂洋子

『まあだかい』
華甲の宴・摩阿陀会・華甲二年・無伴奏・門の柳・きょうの瀬・墓木拱ならず・第七回摩阿陀会・未だか十二年・摩阿陀十三年・渭城の朝雨・その前夜・十六羅漢・やらやら目出度や・花のない祝宴・未だ沈まずや・殺さば殺せ・雨が降ったり
解説:黒澤明

『阿呆の鳥飼』
阿呆の鳥飼・鶏鳴・伝書鳩・目白・雀の塒・訓狐・牝鶏之晨・柄長検校・柄長勾当・大瑠璃鳥・鵯・銘鶯会・続銘鶯会・初音・続阿房の鳥飼・頬白・葦切・春信・うぐいす・仏法僧落つ・炉辺の波音・鶴亀・河原鶸・尾長・漱石山房の夜の文鳥・雀・目白落鳥・しみ抜き・泣き虫・うぐいす・跡かたもなし・忠奸・殺生・夕立鰻・蘭虫・新月随筆・蜂・蚤と雷・掌中の虎・蛍・夢路・栗鼠・お池の亀と緋鯉・出てこい池の鯉・虫のこえごえ・鯉の子・いたちと喇叭・暹羅の闘魚・物を貰う・ヌ公・ヌ公続く
解説:奥本大三郎

『出船の記』
鎌倉丸周遊(波光漫筆・入船の記・三ノ宮の乞食・風穴)・大和丸・屏東の蕃屋・東支那海・流民・岸壁の浪枕・出船の記・船の御馳走・基隆の結滞・新造・砂糖黍・時化・沖の稲妻・航路案内・波のうねうね・迎暑・第一回海の記念日・嚔・手套・一等車・非常汽笛・汽笛一声・乗物雑記・小列車・初乗り・夜汽車・寝台車・洋灯と毛布・乗り遅れ・戻り道・先年の急行列車・関門・雷九州日記・高知鳴門旅日記・九州のゆかり・沿線の広告・車窓の稲光・阿房列車の車輪の音・逆撫での阿房列車
解説:川村二郎

『青葉しげれる』
琴書雅游録(抄)・蓄音機・八重衣・苗売り・五段砧・箏曲漫筆・三元放送の無意味・絵と音楽・桑原会自讃・軍歌の悲哀・百鬼園箏談義・弾琴録・ホテルの冬の曲・長磯・落葉の踊・六段調・師走の琴・道楽のすすめ・南はジャバよ・土用の琴・初日の光・黒琴・谷崎潤一郎氏の「雪」に因みて・殿下とアンコオル・やり直し・消えた旋律・山葉オルガン・君ヶ代のたんま・ヤマハ・青葉しげれる・雲のびんずら・日本男児全学連・天王寺の妖霊星・音楽放談
解説:吉田熈生

『ものづくし』
食而・薬喰・掏摸・絹帽・海鼠・名月・林檎・沢庵・狸芝居・寄贈本・署名本・窓前・雷魚・簾外・謝肉祭・馬丁・りんりんの記(りんはくるまへんに“隣”の右側)・天然記念物・秋扇・芥子飯・初東風・女煙草・胸算用・白魚漫記・浪・蒲鉾・おから・米論・素人写真・シュークリーム・五段活用・馬食会・腰弁の弁・居留守・牛乳・チース・人の顔・玄冬観桜の宴・麻姑の手・蟻と砂糖・バナナの菓子・カステラ・紅茶・海苔・痩せ薬・火の用心・雷鳴・ひかり・彼岸桜・だいご・雛祭・可否茶館・羽織・小地震・煙の尾・残暑・寿命・焼豆腐とマアガリン・気象管制・一服・こち飯・お祭鮨 魚島鮨・猪の足頸・食用蛙・新本・君ヶ代・列車食堂・夜道・有楽座・めそ・爆撃調査団・聴診器・す・猟虎の襟巻き・おからでシャムパン・ランドセル・牛カツ豚カツ豆腐
解説:紀田順一郎

『冥途』
収録作品は岩波版『冥途・旅順入城式』参考
附録
烏(明治四十三年、第六高等学校誌『校友会会誌』掲載)
道連(『東亜之光』大正六年一月号掲載、「冥途」<一、冥途 二、山東京伝 三、道連>の内)
解説:川村二郎

『旅順入城式』
収録作品は岩波版『冥途・旅順入城式』参考
解説:江中直紀

『百鬼園随筆』
収録作品は新潮版と同じ
解説:安岡章太郎

『続百鬼園随筆』
収録作品は新潮版と同じ
解説:薄井ゆうじ

『王様の背中』
○王様の背中
王様の背中・影法師・狸の勘違ひ・お爺さんの玩具・桃太郎・かくれんぼ・三本足の獣・狼の魂・お婆さんの引越
○狐の裁判
狐の裁判
谷中安規画
解説:石堂淑朗

Img_8152

 

より以前の記事一覧

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
フォト

22カードの意味

  • _0 愚者
    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

オンライン状態

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。